「福祉行政の最新情報」の「見出し」一覧 |
日付 | 関係省庁等 | 項 目 | ポイント | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
3/31 | 厚生労働省 | ■「福島県内から避難した要介護高齢者等に関する介護保険施設・事業所等への周知について(依頼)」 | ・厚生労働省老健局高齢者支援課・振興課・老人保健課は,3月29日に,福島第一原発事故により避難した要介護者らを介護保険施設などが受け入れる場合に,福島県からの避難者であることを理由に拒否するなど,「いたずらに過剰な反応」をしないよう指導することを求める事務連絡を,各都道府県にあてて発出した。 →放射線量を確認するスクリーニング検査の「異常なし」とする証明書の提示をしなければ医療機関で受診できないケースや避難所への入所時にスクリーニング検査を義務付けられるケースがあった,との新聞報道があった。2重・3重に苦難を背負うことになってしまった福島県民の方々に対して,さらに偏見によって苦しみを与えている事実があることに胸が痛む。「福祉専門職」を始め,すべての専門職には,自らが正しい知識を獲得していく努力が求められていると感じた。(筆者) →■「各省等の放射線モニタリングデータの公表状況について」(首相官邸) →■「放射線の影響に関する健康相談について(情報提供)」(厚生労働省健康局総務課地域保健室) |
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3/30 | - | ■原発反対の研究者の警告に耳を傾ける② ~国民一人ひとりへの問いかけである~ |
→筆者は,「原発推進」には懐疑的で,日本が現在保有している全54基の運転停止をすべきだと考えている。特に,東海地震の震源地の真ん中に立つ「浜岡原発」は即時に止めるべき,という意見・運動に賛同している。 →これまでに,放射性物質(ヨウ素131,セシウム134・137)の漏出があっても「直ちに健康に影響しない」と記者会見で繰り返され,3月28日には敷地内の土壌からプルトニウム238が検出されても「人体に問題になるものではない」と発表されている。情報公開に関しては,大きな問題はあるが,今現在の事故現場での命がけの復旧作業には,最大限の敬意を払うと共に,その努力が実を結び,よりよい方向に進むようにエールを送り続けたい。 →耳障りのいい気休めの言葉を信じるのも,警鐘の言葉を聞かないのも,自由である。しかし,もし,警鐘が現実のものになるとしたら,子どもの世代に,取り返しの付かない負の遺産を残すことになる。現世代は,最悪の場合も想定して,次世代のために,最善を尽くす義務を負っていると思う。 →蛇足であるが,現在の国会審議における筆者の所感を述べる。これまでの日本のエネルギー政策において,利権にまみれて,原発を推進してきたのは,「自・公政権」である。そのでたらめな施策(法制・システム)を引き継がされた民主党政権に,どさくさにまぎれて,「福島第一原発事故」の全責任をなすりつけることに躍起になっている「自民党」および「公明党」の姿勢から,両政党の本質が見て取れた。 →●3/23(■原発反対の研究者の警告に耳を傾ける①)の記事を参照 |
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3/29 | - | ■「スリーマイル島原発事故」は,1979年3月28日に起こされた(You Tube) ~教訓にしなかった「愚かな日本」~ |
→福島第一原発事故に関して,首相官邸,内閣府,経済産業省,文部科学省,国土交通省(気象庁),東京電力,マスメディア,原発推進の原子力専門家は,事故の深刻さを包み隠さずに情報公開すべきである。32年前に起きた「スリーマイル島原発事故」では,10日位で放射能汚染拡大の危機が収束したことを考えれば,現在の福島第一原発が「いかに危機的な状況にあるか」は容易に理解できる。 →筆者は,NHKを始めとする日本のジャーナリズムに,絶望感を持った。新聞社とテレビ局の関係やジャーナリズムと原子力産業の関係はあるにしても,「国民に危機的な状況を伝えること」がジャーナリズムの本来の姿ではないのかと思う。馬鹿みたいにNHKや民間テレビ局や新聞記事を信頼し切っている多くの善良な日本国民に対して,「警鐘」を鳴らさなくても,「ジャーナリストとしての良心が痛みませんか?」,と問いかけたい。「専門職」には,そのような厳しさが求められている。 →日本国民には,前を向いて歩く以外に選択肢はないのだから,「専門職」の役割は,それぞれの分野において,絶望の中から希望を探し出す手助けをすること,最悪の中で最善を尽くすこと,だと考える。(筆者) |
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3/28 | 首相官邸 | ■3福祉士国家試験の受験手数料等が値下げ |
・3月25日,「社会福祉士及び介護福祉士法施行令及び精神保健福祉士法施行令の一部を改正する政令」が閣議決定された。 |
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3/25 | 厚生労働省 | ■「災害救助法」が適用された市町村 | ・3月11日の東北関東大震災の発生から,3月25日で2週間になる。 ・3月24日23:00現在で確認された死亡数は9,811人であり,警察に届けられた行方不明者をあわせると2万7,352人となっている。しかし,震災発生から2週間たっても依然として人的被害の全容は把握されておらず,残念ながら,犠牲者数は,今後,大幅に増加するものと見込まれている。 ・一方,1600余りの避難所で生活する人は,16都県で計約24万5,400人(うち宮城県が約8万9,600人,福島県が約8万5,100人,岩手県が約4万2,800人)とされている。 →福島原発の東京都およびその周辺地域での放射性物質の検出を受けて,「関東離れ」が加速していくことは想定しておくべきである。そうなれば,国として,東日本の震災の被災地および原発の被害地の人たちの「広域避難計画」が必要になってくると思う。津波の応急対策として,「政府の広域避難プランの実施」は,すでに「中央防災会議」で議論された事柄である。今回の震災で,近畿地方とその周辺の府県でつくる「関西広域連合」は,それぞれ受け持ちを決めて被災地の自治体を支援することを決め,また,被災者の一時移住への広域支援についても動き始めている。国は,全国の自治体と協力して,国民に対して,甘い見通しではなく,最悪の見通しも想定した「広域避難計画」を明示すべき時期が,まもなく来るのではないかと思われる。「起こってしまったことは仕方がない」ことぐらい,賢明な日本国民は理解できる。特に,福島原発に関しては,首相官邸,経済産業省,東京電力,マスメディア,原発推進の原子力専門家は,包み隠さずに情報公開し,オールジャパンで東日本を支える以外に道はないと認識すべきである。政府の強いリーダーシップが求められる。(筆者) |
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3/24 | - | ■全国の放射能濃度(①水道 / ②雨) | <全国の放射能濃度>
→3月23日に,東京都水道局から,東京23区および多摩地区5市において,国の飲料水の基準値はヨウ素300Bq/kgであるが,210Bq/kgの数値が検出されたために,「100Bq/kgを超えるものは,乳児用調製粉乳及び直接飲用に供する乳に使用しないよう指導する」との上記厚生労働省通知の項目を適用する,と発表された。 →放射能に関して,漠然とした不安やデマ(危険デマと安全デマ)に振り回されてはならない。根拠を確認しながら,正しい知識を身につけて,的確な情報をもとに,万が一の被ばくに備えることが必要だと思う。「自分の健康は自分で守る」が基本である。 →日本において,原子力安全技術センターに「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム (SPEEDIネットワークシステム)」というご大層なものがあったことを,3月23日午後の枝野官房長官の記者会見で初めて知った。その内容は,今までもたもたしていたが,ようやく被曝に関する試算ができるようになり,東京電力福島第1原子力発電所から30km圏外の一部でも1日あたり100ミリシーベルトの被曝線量になるケースが出たということであった。原子力委員会からは,書面(「プレス発表」)が公開されている。「どこがスピーディじゃ」が正しいリアクションだと思う。また,ある雑誌(A誌)の3月28日号の記事に,「政府は放射能拡散予測データ をIAEAには報告しているのに,国内向けには隠蔽」と出ていたが,真偽のほどは定かではない。海外の放射能影響予測の早期公開や避難距離・帰国勧告などの温度差を勘案すると,日本政府は,日本国民にすべての情報を,適切なタイミングで公開していないのではないか,という疑義を持たざるを得ない。情報公開は,信頼関係を築くためのベースとなる。(筆者) (参考) →■「シュピーゲル誌」(ドイツ)の福島第一原発の放射能拡散シミュレーション(3/12~3/16) |
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3/23 | - | ■原発反対の研究者の警告に耳を傾ける① ~国民一人ひとりへの問いかけである~ |
→福島第一原発に関して,国民一人ひとりが,マスコミから流される原発推進者の楽観的な意見だけではなく,勇気を持って原発反対者の厳しい意見や警告にも耳を傾け,あらゆることを想定して,これからの事態に対処することが大切である,と筆者は考える。(筆者) (参考) →■「映像’11」のURL:http://www.mbs.jp/eizou/ |
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3/22 | 文部科学省他 | ■放射線・放射能への理解 |
→福島第一原発に関して,政府が今やらなければならないことは,「国民に対する,放射線・放射能の正確な事実の伝達と正しい知識の促進」とともに,「訂正を恐れない,思い切った見通しの明示」である。 →「東京電力」や「経済産業省原子力安全・保安院」の「国民に分かり易く説明しなければならない」という使命感が根本的に欠落している稚拙な説明を,いつまでも放置しておくことは,国民の不安と不信を深めるだけである。 →今回の事故に関して,「原子炉は安全である」という子どもだましのような説明を鵜呑みにして,よく勉強もせずあなた任せにしてきた「大多数の国民」にも責任があることを,忘れるわけにはいかない。 →日本国民は,将来に起こり得るいかなる深刻な事態も,真正面から受け止め,各層・各階層の知恵を出し合って,その障害を着実に乗り越えていく以外の選択肢はない,との覚悟を決めるべき時が来たのではないだろうか。(筆者) →■「原子力災害発生時の住民としての対応」(原子力安全・保安院) →■「原子力災害時における心のケア対応の手引き~周辺住民にどう応えるか~」(2009年,原子力安全研究協会) |
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3/21 | 厚生労働省 | ■「雇用保険失業給付の特例措置」 / 「各種助成金の支給申請期限に係る取扱い」 |
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3/18 | 厚生労働省 | ■「被災地での健康を守るために」 |
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3/17 | 首相官邸 ・ 宮内庁 |
■「菅首相の国民へのメッセージ(3/13,3/15)」および「天皇陛下のおことば(3/16)」 | →位置づけが異なり,併記することは,非礼で非常識ということを知りつつ,日本国民にとって大切なお二方から,国民に対するメッセージとおことばが述べられたので掲載する。国民の心に届くことが重要である。なお,天皇陛下は,ビデオの放送に際して,緊急のニュースがあったら,ビデオを遮って放送するようご配慮されていたとのことである。 →震災の被災現場で,命がけで復旧作業に携わっておられる方々にも,ご家族がおられるはずである。それぞれが大切な方であり,敬意と感謝の心をもって,ご無事をお祈りする。(筆者) (参考) →■「シュピーゲル誌」(ドイツ)の福島第一原発の放射能拡散シミュレーション(3/12~3/16) |
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3/16 | 厚生労働省 | ■社会福祉士合格者数および精神保健福祉士合格者数 | <2010年度の受験者数・合格者数・合格率>
①社会福祉士学校別合格ランキング ②精神保健福祉士学校別合格ランキング
→基礎学力のある学生に,まともな教員が教えておれば,この程度の試験で,この程度の合格率であるわけがない,と筆者はこれからも言い続けていく。 →両資格の登録者数は,社会福祉士14万6千人,精神保健福祉士5万2千人,になると見込まれる。 →「東北地方太平洋沖地震」の被災への対応および福島原発事故への対応などの今後連鎖的に起こりえる災害や社会構造の変化に対処するための人材として,「3福祉士」を社会が求めるときが必ずやってくると考えている。「力量ある福祉人が日本の未来を変える」は,やまだ塾の基本姿勢である。(筆者) →■「2010年度の受験対策」 |
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3/15 | - | ■福島第1原発2号機の水位低下事故が,2010年6月17日に発生していたのは本当か? | →本記事は,2011年3月13日に準備し,裏づけや根拠を示せないために,ボツにしていたものであるが,本日8時30分頃からの東京電力の福島第1原発2号機の水位低下と圧力抑制室の衝撃音に関する記者会見を聞いて,参考情報として掲載する必要があると思った。 →筆者は,偶然に,「脱原発」のスタンスをもつと言われるいわき市議会議員である佐藤かずよし氏の2010年6月19日のブログを目にした。参考までに,一部を引用し,URLを紹介する。 ・氏のブログの引用: 「(2010年6月)17日午後,第一原発2号機であわやメルトダウンの事故が発生しました。」「原子炉緊急停止後,電源喪失が長引けば,燃料の崩壊熱を冷却する冷却水が給水されず,水位がさらに低下し,むき出しの燃料棒が崩壊熱により溶け,炉心溶融=あわやメルトダウンという,スリーマイル原発型の最悪の事態に至る可能性があったのです。」「東京電力は当初,発電機が停止した原因を「発電機そのもののトラブル」と説明し」「福島県に報告したといいます。しかも東京電力はこの件を報道機関に発表していませんでした。東京電力は事実経過を明らかにすべきです。今なお隠蔽的対応をすることは福島県民を冒涜するもので,許されるものではありません。」 ・URL: http://skazuyoshi.exblog.jp/12828796/ →震災直後からの福島原発に対する菅首相および枝野官房長官の不可思議な言動や,経済産業省の原子力安全・保安院および東京電力職員の的を得ない記者会見において,一体何が起こっているのか不安であるが,それでも彼らに絶大な信頼を置いていることは間違いない。しかし,老婆心ながら,彼らが,福島原発に関して,国民に対して,取り返しの付かない隠蔽や不義を行っていないことを祈るばかりである。(筆者) |
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3/14 | - | ■「東北地方太平洋沖地震」 |
→東北地方太平洋沖地震で被災された方々に,衷心よりお見舞いを申し上げます。 →現在,懸命に救助・救援活動に携わっておられる方々には,心から敬意を表します。また,現政権が実施されている対応・対策には,全面的に賛同するものである。一方で,地震・津波や原発に関して,門外漢がコメントするのは恐縮であるが,空前の規模の地震であったことは理解できるが,約22,000人の死亡者を出した1986年の明治三陸地震津波や2004年のスマトラ島沖地震津波を考慮すれば,結果として,これまでの国民への啓蒙や施策に「大きな手抜かり」があったのではないかと思えてならない。政府をはじめとする行政とその施策に裏づけを与えてきた工学・地学の大学教授を含めた有識者・専門家に対して,テレビに露出させては,やすやすと「想定外」「想定を超える」の言葉を言わせて,反省の弁を求めず,言い逃れや責任逃れをさせておいていいものか,との強い憤りを感じている。天地神明に誓って,人智を尽くしたと言えるのか。 →応急的に,必要な救助を行い,災害にかかった方の保護と社会の秩序の保全を図ることを目的とした「災害救助法」は,「厚生労働省」の所管である。これからが正念場だと思う。まさか,津波の危険のあるところに仮設住宅を設置するような愚かなことをしないとは思うが,今後大変な困難・障害があることを承知で,国民は希望と期待を持って,どのような知恵を示して,国民への将来の安全・安心な「まちづくり」につなげてもらえるのかを注視している。 →すべてをなくした方々に,少しでも希望を感じていただけるように,何ができるのかを考えていきたい。(筆者) (参考) →■「東北地方太平洋沖地震への政府の対応」(首相官邸) →■「災害被害を軽減する国民運動のページ」(内閣府) →■「災害時地域精神保健医療活動ガイドライン」 ① / ② / ③(2003年1月17日) |
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3/11 | 厚生労働省 | ■「認定調査員テキスト2009改訂版(2011年3月改訂)」および「介護認定審査会委員テキスト2009改訂版(2011年4月改訂)」 |
→2009年4月から,厚生労働省が主導して強引に実施した要介護認定基準の変更が,介護認定の現場を混乱させ,国民の介護保険制度への不信感を喚起し,社会問題化した。その混乱・影響を検証するために,検討会(「要介護認定の見直しに係る検証・検討会」)が設置された。2010年1月15日の第4回目の開催をもって,長妻前厚生労働大臣によって,課題山積である介護認定の検討が強制終了されられたという経緯をもつ。(筆者) →●2010年2/25(■「介護保険制度に関する国民の皆さまからのご意見募集」)の記事を参照 |
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3/10 | 厚生労働省 | ■「認可保育所の待機児童数が過去最多(2010年10月)」 | ・厚生労働省は,2011年3月8日に,2010年10月1日現在の保育所入所待機児童数の状況を公表した。 ・待機児童数は4万8,356人(前年同月比2,298人増)であり,2010年4月1日の2万6,275人からは約1.8倍増加しており,現在の方式で統計を取り始めた2001年以降では最多であった。 →「厚生労働省保育課は,過去最多を更新した原因について,不況の影響で,育児休暇を早く切り上げて職場復帰したり,専業主婦が働かざるを得ないケースが増えたと説明した」,と報道されている。根拠を示さない思いつきのような官僚のコメントを,そのまま国民に垂れ流すマスメディアにも落胆する。この発表された待機児童数は,保育所に入所申込をして,入所用件に該当していても保育所に入所できない児童だけであり,認可外保育所の児童や保育需要はあるものの申し込みを諦めてしまったケースは含まれていないことを知っている国民は少ない。とにかく,国民は,実態とかけ離れたインチキくさい数字しか知らされていない。 →本結果を見て,筆者は,菅首相が2010年10月に創設した「待機児童ゼロ特命チーム」が,2010年11月29日にまとめた「国と自治体が一的に取り組む待機児童解消先取りプロジェクト」が,いかにいい加減なものであったかかが理解できた。また,現在検討中の「子ども・子育て新システム」においても,待機児童の8割を占めるといわれる0~2歳の受入れが義務づけされないならば,待機児童解消は「まったく期待できない」と言っても過言ではない。ここまで来れば,「少子化対策」に熱意を持った本物の政治家の出現とそれに伴った本物の有能な官僚の登用を待つ以外にないということになるのか。(筆者) (「少子化対策」に関する最近の記事) →●1/3(■「卯年生まれ」と「新成人」の人口推計」),2010年12/16(■「The Economist(2010年11月20日号)の日本の特集記事(The Japan syndrome)」)の記事を参照 →■「待機児童ゼロ特命チーム」 / 「国と自治体が一的に取り組む待機児童解消先取りプロジェクト」(概要 / 本文) →■「子ども・子育て新システム検討会議」 |
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3/9 | 厚生労働省 | ■「2011年4月1日から献血の可能年齢等(採血基準)が変わります!」 |
→手術・救命医療で使用される輸血用血液製剤の大半を献血に頼っているにもかかわらず,全体的に献血率が低下し,特に若者の献血離れが著しいことを受けた対策である。筆者は,献血不足に陥った責任は,「若者の意識の変化」に鈍感であった行政側に100%あると考えている。何の対処もせず,「今の若者には助け合いの精神が足りない」と非難をするのは愚かしい。厚生労働省は,今回の対策によって,国民の意識が変わると本気で考えているのだろうか。(筆者) →■「けんけつちゃん」(厚生労働省) |
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3/8 | 内閣府 | ■「期待高まるソーシャルビジネス」 ~政府広報オンラインにリンクしています~ |
→経済産業省では,地域に新しい産業と雇用を創出する事業としてのソーシャルビジネス(SB)に関しては,2008年4月の「ソーシャルビジネス研究会報告書」をもとに進められている。2008~2009年度には,民間主導の会議体である「ソーシャルビジネス推進イニシアティブ」を設置し,SBを推進していくための様々な問題が検討された。2010年には,「新しい公共」を推進する現政権において,その担い手としてSBが注目され,2010年6月の「新成長戦略」や「産業構造ビジョン2010」においても,「SBの推進」が位置づけられた。これを受け,「ソーシャルビジネス推進イニシアティブ」は,SB事業者や有識者等からなる「ソーシャルビジネス推進研究会」に発展的に改組された。最終回として,2011年3月18日に,「第5回ソーシャルビジネス推進研究会」が開催され,「今後のSB推進施策に関する報告書(案)」が議論されることになっている。また,その間,ソーシャルビジネス全国フォーラムも開催されてきた。第1回は2009年3月19日に,第2回は2010年3月4日に開催され,第3回は2011年3月14日に開催される予定となっている。 →無為無策によって,福祉・介護分野から,多くの有為の人材が,見切りをつけて去っていくのが残念でならない。自らの夢をつなぐためにも,SBやCBに目を向けてもらいたいと思い,大きなお世話で情報提供するものである。 →SBにおいては,「ミッション(使命)」が重要であるとされる。「目標」がわかりやすく設定され,「何をめざすのか」が明確にされていなければならない。(筆者) →●2/28(■3月14日に「ソーシャルビジネス・メッセ2011」が開催される)の記事を参照 |
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3/7 | - | ■「第23回介護福祉士国家試験の実技試験問題」 ~トップページの「トピックス」に掲載~ |
→3月6日に,第23回介護福祉士国家試験の実技試験が実施された。 →介護福祉士は,1987年制定の「社会福祉士及び介護福祉士法」により創設された。年1回の国家試験(筆記試験および実技試験)であり,2010年度で第23回目となる。なお,2005年度から介護技術講習会が実施され,2005年度の第18回介護福祉士試験から,講習会を修了した者は実技試験が免除されることになった。実技試験の免除は,介護技術講習修了後引き続いて行われる次の3回の実技試験について免除される。 →受験者が選択したこととは言え,旧態依然の左記のような問題による5分間の実技試験の方法で,すでに筆記試験をクリアーしている受験者の合否を決めることについて,筆者は酷なように思える。 →「2011年度介護技術講習会実施予定表」が公表されているので,参照されたい。(筆者) |
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3/5 | - | ■不明を恥じれば厚生労働大臣は許されるのか ~専業主婦の年金切り替え忘れ(運用3号)問題に関して~ |
→3月4日の参議院予算委員会において,細川厚生労働大臣は,その場しのぎの答弁を繰り返すうちに,追い詰められ,辻褄が合わなくなった。2010年3月に運用3号の大筋を決めたことについては,「当時の長妻昭厚労相が決めた。私は労働を担当しており,タッチしていなかった」,2010年12月の運用3号の課長通知については,「当時は知らなかった。不明を恥じる」と答弁した。副大臣から昇格した大臣であるのに,信じ難い言い逃れをした,と筆者は思った。さらに,2月24日に運用3号の一時停止を発表した際,細川大臣は「年金の支給は留保する」と表明していたにもかかわらず,3月15日には運用3号適用者493人には年金を支給すると答弁したため,自民党の議員から「うそ」があると詰問され,遂には「訂正させてほしい」と答えていた。 →政権交代のきっかけは「消えた年金問題」であった。「公正で公平な年金制度への改善」を国民から付託された民主党政権の厚生労働大臣として,当該2人の「公平・公正に関する鈍感さ」は,断じて許容できるものではない。(筆者) →●3/2(■「ハローワークサービス憲章」が策定された)の記事を参照 |
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3/4 | 厚生労働省 | ■「はしかのワクチン接種率は低調(2010年4月~12月)」 ~厚労省は,対象者への接種を呼びかけている~ |
・厚生労働省は,2011年3月2日に,2010年度のはしかワクチンの接種率は2010年末時点で,費用が公費で賄われる定期接種の対象年齢により,全国平均で58.8~70.9%であったと発表した。なお,厚生労働省の予防接種率の目標は95%である。 ・定期接種の対象は,1歳時(1期)と小学校入学前の1年間(2期)の2回と,2008年度から5年間の時限措置として中1(3期)と高3(4期)に相当する年齢,である。 →MRワクチンは,麻しん(はしか)と風しん(三日はしか)を予防する混合ワクチンであり,2006年4月1日から予防接種法に基づく定期予防接種として導入され,無料で接種されている。2005年に,日本が属するWHOの西太平洋地域(WPRO)は,2012年を麻疹排除達成の目標に掲げた。日本では,2007年の「麻しんに関する特定感染症予防指針」で,「2012年度までに麻しんを排除し,かつ,その後も排除状態を維持することを目標」としている。なお,2002年に南北アメリカ大陸で,2006年に韓国で,「麻疹排除宣言」がなされている。 →ちなみに,日本における麻疹は,2010年1月以降11月21日までに,417人の患者が報告されている。依然として,日本は中国と同様に「麻疹輸出国」である。この時期に,予防接種が低調で,目標の95%にも遠く及ばず,これからも政治主導の積極的なキャンペーンも張らず,結果的に2012年に「麻疹排除宣言」ができないことになったとしたら,日本は国際社会からどれほど厳しい批判にさらされることになるのだろうか。(筆者) →■「3月31日までに麻疹風疹ワクチンを!!」(感染症情報センター) →■はしかの予防接種 / Q&A(厚生労働省) |
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3/3 | 厚生労働省 | ■「社会保障改革に関する集中検討会議」に注目してほしい |
→労使4団体と全国5紙のヒアリングにおいて,見事に,全員が「消費税率増は不可避・不可欠」という意見でまとまっていた。また,第3回において,新聞社に対して,消費税増税のキャンペーンを張ってほしい旨を依頼していた委員がいた。これでは,「八百長」どころではなく「共同謀議」ではないかしら,と筆者は思った。 →第3回で,菅首相は,「議員の数,歳費の問題も,一体改革を打ち出すときには同時並行的にやらなければならない」として,6月に具体案を出すという決意を述べていた。TVを観ていて,この期に及んでできもしないことを口にしてどうするつもりかと思ったが,どうせ政権維持は無理だから,議員定数・歳費削減と税・社会保障の一体改革を解散総選挙の争点とするための布石ではないか,との指摘には説得力があると思った。そうなれば,比例代表選出議員頼りの公明党以下の小政党は存続の危機に陥る。 →やまだ塾トップページのトピックスで,「社会保障改革」の関連情報を掲載している。(筆者) →●2/7(■「第1回社会保障改革に関する集中検討会議」)の記事を参照 |
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3/2 | 厚生労働省 | ■「ハローワークサービス憲章」が策定された | ・ハローワークは,厚生労働省設置法第23条(公共職業安定所)に基づいて,国が設置する行政機関である。1947年制定の職業安定法第1条において「職業紹介事業等」を行うと規定され,1966年制定の雇用対策法第2条において「職業紹介機関」と定義されている。なお,1953年には,「国が無料の職業安定機関を運営しなければならない」という「ILO88号条約」(職業安定組織の構成に関する条約)に日本が批准している。 →ハローワークがなさねばならないことに関して,「憲章を作ること」の優先順位が高かったことを始めて知った。現在,国民が求めているのは,証拠・根拠に基づいた将来の組織の展望であり,「ハローワークサービス憲章」ような当てにならない決意文ではない。また,内容も何を今更という気がしないではない。そう言えば,2010年1月に,あの悪名高い「社会保険庁」を解体し,「日本年金機構」という非公務員型の特殊法人を設立した折にも,「日本年金機構~お客様へのお約束10カ条」なるものを作っていた。殊勝な心がけで,1年経過したが,「よくなった」という評判は皆目聞いたことがない。厚生労働省関係者は,精神力が物質的な劣勢をはね返すという「精神論」がよほど好きなのかしら。人・物・金等の資源の裏付けがなければ,何もできないでしょうに。多くの国民は,同じ手を二度も食わないと思うけれど。 →ついでに言うが,現在問題になっている「専業主婦の年金切り替え忘れ問題(運用3号問題)」は,あの長妻前厚生労働大臣が画策した前代未聞の「不公平策」であるが,2010年12月に細川厚生労働大臣が日本年金機構に実施を指示(課長通知)したもので,一蓮托生であると思う。A新聞の社説や総務省の問題視がなければ,隠れたところでお手盛りされ,どれほど国民に不誠実と負担をかけていたことか。筆者は,長妻氏を国会に参考人招致し追及すべきと考え,許しがたい事案であると思う。民主党の閣僚の資質を推測できる事柄であるように思う。行政を担う者は,「国民に忠実で,かつ誠実であること」が理解できていれば,「憲章」など要らない。(筆者) →●2/14(■「パートタイム労働の現状」および「パートタイム労働法の施行状況」),2/4(■「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について(答申)」),1/28(■「新成長戦略実現2011」),1/19(■菅第2次改造内閣における「新厚生労働三役」が決定した!),1/16(■「2009年度 日本人の就業実態に関する総合調査」),2010年12/7(■「廃止」のジョブカードを「継続させる」とした菅内閣の見識を疑う),11/17(■「改正青少年雇用機会確保指針」~3年以内既卒者は新卒枠で応募受付を!~),11/15(■「廃止」と判定されたジョブカードを,「改善し存続する」と国会答弁した細川厚生労働大臣),11/11(■「新卒者雇用について」)の記事を参照 |
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3/1 | 厚生労働省 | ■「世界保健機関(WHO)と日本の関係について」 |
→3福祉士国家試験では,これまでに,WHOに関して,自殺死亡率,ICD-10,ICIDH,ICF,憲章,分担率,障害者リハビリテーション,WHOQOL-26,精神障害者比率などが繰り返し出題されている。(筆者) |
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2/28 | 経済産業省 | ■3月14日に「ソーシャルビジネス・メッセ2011」が開催される ~ソーシャルビジネスが,見える・分かる・つながる~ <各府省のソーシャルビジネス推進に関連する施策> |
(「ソーシャルビジネス」に関する記事 →●2010年7/19(■「市場を活用するソーシャルビジネス(社会性,事業性,革新性)の育成」(経済同友会))2009年2/19(■「ソーシャルビジネス55選」),1/15(■「特定非営利活動促進法(NPO法)のあらまし」(改訂版)),2008年12/17(■拡大・創出が期待されるシルバーサービスの新市場)の記事を参照 (経済産業省のソーシャルビジネス関連情報) ・「ユヌス・グラミン銀行総裁による菅総理表敬」(2010年7月20日) ・「METIジャーナル7・8月号 -ソーシャルビジネスという選択肢-」(2010年7月) ・「ソーシャルビジネスネット」(2009年3月19日~) ・「ソーシャルビジネス55選」(2009年2月17日) ・「ソーシャルビジネス研究会報告書」(2008年4月3日) |
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2/25 | 内閣府 | ■「困った!どうする? 消費者トラブル」 |
→政権交代のどさくさにまぎれて,2009年9月に新設された「消費者庁」の現在のトップは,2010年8月就任の「福嶋消費者庁長官」と2011年1月就任の「蓮舫担当大臣」である。共に事業仕分けで,舌鋒鋭く名を馳せた人物であり,片や千葉県知事の次代民主党候補,片や東京都知事の次代民主党候補,のための箔付けではないのか,との斜め読みをされている。いずれも,現職を「腰掛け」と見透かされているのかも知れない。 →消費者庁ができて1年半を経過した現在,「国民生活センターの見直しや商品テスト事業の一元化の結論はいつになるのか」,「消費者庁は,悪質業者情報を多く持ちながら,公開しないうちに被害が拡大している。どうして情報をもっと出せないのか」,「トランス脂肪酸を含む食品の栄養成分表示の義務化を本気でやるのか」,「地方分権を口実に消費者行政を地方に丸投げしているのではないか」,などの厳しい指摘がある。総じて言えば,多くの国民が,消費者庁に対する「期待はずれ感」を持っている。 →ところで,消費者庁長官は,3年間の時限措置である地方消費者行政活性化基金(都道府県に基金を設置)の200億円を財源として,地方自治体に消費生活センターや相談員の拡充をさせているが,3年後の新たな財源を確保できる目途は立てているのだろうか。今は,人員も充実しているので相談に乗れますが,財源がなくなればできません,ではすまない。「市民運動家」の「腰掛け」としては,菅首相のことで,すでに国民はえらい目に遭っている。(筆者) →●2010年10/15(■「医療・介護用の最新ベッドはどうなっているの?」),10/13(■「トランス脂肪酸の情報開示に関する指針(案)の概要」),8/20(■消費者庁長官が交代しても話題にもならない~「菅政権の目玉人事」らしい~)の記事を参照 →■「消費者庁HP」 |
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2/24 | 厚生労働省 | ■「育児・介護休業法のあらまし(2011年2月)」 | ・「育児・介護休業法」の正式名称は,「育児休業,介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」である。 ・2010年6月に,「男性も育児休業を取りやすく!改正育児・介護休業法がスタートします。」が,厚生労働省から広報されている。 <2009年の改正育児・介護休業法の施行期日>
→法制面から,女性の労働に関する経緯をたどれば,勤労婦人福祉法(1973年)⇒ 男女雇用機会均等法(1985年)⇒ILO第156号条約の批准に伴った育児・介護休業法(1995年)⇒男女共同参画社会基本法(1999年)⇒次世代育成支援対策推進法(2003年)となるが,今もって実現すべき男女共同参画社会の姿がまったくイメージできない。 →女性の育児休業取得に関して,りっぱな資料やマニュアルを作っても,実際の民間企業の職場では,育児休業者が出ても正社員が補充されないのが当たり前で,幸運にもその場しのぎの派遣社員を補充してもらっても,組織がギクシャクとしてしまい,結局は同僚の我慢を当てにした制度となっている。そんなものの行く末は容易に想定できる。企業の努力(負担)を促すだけで,それを支援するための行政側の的確な方策がないが,それよりも知恵がない。そう言えば,あの悪名高い障害者自立支援法と同様に,2009年の改正育児・介護休業法は,厚生労働省の「女性キャリアのエース」であった例の「村木厚子氏」が,法案作りに深く関与して成立させたものであったことを思い出した。現在,菅首相は,その人物を,内閣府政策統括官(共生社会政策担当)に就任させ,少子化対策や青少年育成政策などを担当させ,待機児童ゼロ特命チーム事務局長を併任させている。ええかげんにしてくれ,というのが筆者の感想である。福祉専門職であれば,マスメディアからの情報だけを鵜呑みにせず,誰がキーパーソンとなって事が進められているのかを,知っておくことが大切である。(筆者) →■「育児・介護休業法の改正について」(厚生労働省) |
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2/23 | 内閣府 | ■「パープルダイヤルの設置=性暴力・DV相談電話=(2/8~3/27)」 |
→内閣府の調査では,配偶者暴力相談支援センターでの相談件数は,2009年度には7万件を超えたとされる。パープルダイヤルの受付期間終了後は,通常通り,内閣府の「DV相談ナビ」(電話番号:0570-0-55210),各都道府県警察の相談コーナー,法務省による「女性の人権ホットライン」(電話番号:0570-070-810)が相談に応じる。なお,「パープル」は,女性に対する暴力をなくす運動のイメージカラーである。 →日本政府は,国内に向けては,日本は立派な国であるように言っている。しかし,2010年の国連の人権理事会やアメリカ国務省の報告書では,日本は人身取引(売春などによる人身売買)に対する取り組みが遅れている国として厳しい指弾を受けていること,人身取引撲滅の基本となる「人身取引議定書」を民主党政権になっても批准の見通しすら立てていないこと,は政府の責任であることを国民に十分な説明をせず,2010年11月の政府広報で「人身取引」は許してはならない犯罪です被害者に助けを求められたら最寄りの警察などへ」と他人事のようにPRしている。マスメディアも,例によってご都合主義に則って,あまり取り上げない。なお,妥当性に関して疑問の指摘もあるが,2010年6月のアメリカ国務省報告書では,アジアでは,韓国,オーストラリア,台湾が最上の評価を受け,日本はその国より下の評価であった。結局,政権交代しても,国際的な評価はまったくよくならなかった。おそらく,現在の民主党政権に,何を期待しても,国際的には通用しない結果になるのではないか,と思ってしまう。(筆者) →■「明確な根拠をもつ」(虐待(児童・高齢者)/DV) |
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2/22 | 厚生労働省 | ■「社会的養護の現状(最新資料)」 |
<社会的養護に関する最近の動き(やまだ塾まとめ)>
→筆者は,上記一覧表をまとめていて,腹が立ってきた。「児童養護施設等の社会的養護の課題に関する検討委員会」などは,例のタイガーマスクの出来事から,小宮山厚生労働副大臣の思いつきで急遽発足したもので,3月までに結果をちゃちゃっとまとめるとのことである。 →りっぱな資料を作って,著名な有識者を集めて,ご大層な会議を開いて,悠長な話合いをしている間にも,命の危険にさらされている子どもがいて,その子どもを苛酷な環境下で情熱と使命感を持って護っている人がいる。それだけを理解すれば,なさねばならないことが見えてくるはずであるが。上記の会議で決まった事柄を,すべて実行すれば,現在よりよくなるのだろうか。(筆者) →●2/3(■「社会的養護に係る児童福祉施設最低基準の当面の見直し項目について」),1/13(■タイガーマスクに感激している厚生労働大臣は「あり」なのか),2010年12/8(■「2010年版 子ども・若者白書」),11/2(■11月は「児童虐待防止推進月間」),10/30(■「民生委員・児童委員」および「個人情報提供状況」),10/7(■「虐待通告を受けた児童の安全確認について」),8/27(■児童虐待が科学的アプローチで研究されていることを知っていますか?),7/29(■「2009年度児童虐待相談対応件数等及び児童虐待等要保護事例の検証結果(第6次報告)」),7/7(■7月は「青少年の非行・被害防止全国強調月間」),5/27(■「2010年版 子ども・子育て白書」),5/5(■「2010年4月1日現在におけるこどもの数(15歳未満人口)の推計」),4/29(■5月12日は「民生委員・児童委員の日」),3/25(■「学校及び保育所から市町村又は児童相談所への定期的な情報提の供に関する指針」),3/17(■「2010年に行う厚生労働省の「児童虐待防止対策」について」),2/2(■「障害児施設の入所における措置と契約」),1/31(■「子ども・子育てビジョン~子どもの笑顔があふれる社会のために~」),1/23(■「児童虐待防止のための親権制度研究会報告書」),2009年11/3(■「児童相談所全国共通ダイヤル」~11月は「児童虐待防止推進月間」~),10/17(■「最新 子ども虐待対応の手引き」(2009年3月)),7/15(■2008年度の児童相談所における児童虐待相談件数および出頭要求等)の記事を参照 |
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2/21 | 厚生労働省 | ■本日開催の「第7回介護職員等によるたんの吸引等の実施のための制度の在り方に関する検討会」に注目してほしい ~議論を尽くさない検討会において,菅首相の指示を根拠として,肝心なことが決定されていく~ |
→これまで,やまだ塾は,「2025年には,介護福祉士が基礎的な医療的ケアを実施できるようになっている(報告書p.30)」という危しげな目論見をしている「地域包括ケア研究会報告書」(2010年3月)に疑問を呈し,その報告書の実現のために,「24時間地域巡回型訪問サービスのあり方検討会(中間まとめ)」(2010年10月26日),「介護職員等によるたんの吸引等の実施のための制度の在り方に関する検討会(中間まとめ)」(2010年12月16日),「今後の介護人材養成の在り方に関する検討会報告書」(2011年1月20日)が,着々と提出され,だまし討ちのようなやり方で外堀を埋められていることの危険性を指摘してきた。 →国家資格である介護福祉士のアイデンティティは,「医療をしないことである」と繰り返し主張してきた。また,「医療を導入することが介護福祉士の専門性を高めることでは断じてない」と言い続けてきた。これは,介護職全体に適用する考え方である。今回の「たんの吸引等」に関しては,介護に疎かった長妻前厚生労働大臣が唐突に言い出し,政局にしか興味のない介護のど素人である菅首相が思いつきで出した指示(「介護・看護人材の確保と活用について総理指示」(2010年9月26日))を根拠として,「医療職の人手不足のために,介護福祉士に看護師の代わりに仕事の一部をさせる」という意図を隠して,姑息な辻褄合わせをしており,絶対に許容すべきではないと考えている。 →本日,最終と思える「第7回検討会」が開催される。議論を尽くしていないと,日本介護福祉士会も日本医師会も主張している。おそらく何があっても,厚生労働省は,反対意見を無視して,強引に思い通りの結論に持っていくだろうが,現任の介護福祉士をはじめ福祉専門職は,これまでの議論を上記議事録で確認し,改めて,自身の考えをまとめていただきたいと思う。 →上から目線だと,反感をもたれることを承知で,あえて申し上げたい。福祉専門職は,無知であっても,無関心であってもいけない。止めようもないところまできているが,介護福祉士には,介護の専門職としてのプライドをもって,考えきっていただきたい。(筆者) →●2/9(■「介護保険制度を取り巻く最新の状況」),1/24(■「今後の介護人材養成の在り方について(報告書)」),1/20(■厚生労働省のやりたい放題に対して,「日本介護福祉士会」の対応を注視している),2010年12/26(■2011年通常国会に提出される「介護保険法改正案」のポイント),12/18(■「2010年度の第13回ケアマネ試験の合格率など」),11/29(■「2012年の介護保険制度見直しに関する意見」)の記事を参照 |
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2/18 | 厚生労働省 | ■健康寿命を延ばすための「Smart Life Project(スマート ライフ プロジェクト)」を開始
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・厚生労働省は,政策の重点を「予防」へと移し,国民の健康寿命を延ばすため,2000年度から「健康日本21」をスタートさせ,その傘下事業として,2008年度から,主に生活習慣病の予防を目的とした「健やか生活習慣国民運動」を実施し,「適度な運動」「適切な食生活」「禁煙」を推進してきた。これを,更に普及,発展させるため、,2011年2月17日から,幅広い企業連携を主体とした取り組みを,「Smart Life Project」として立ち上げた,と説明されている。 →「健康寿命」は,2000年にWHOが提唱した指標である。「2010年版高齢社会白書」によれば,日本は平均寿命だけでなく,健康寿命(心身ともに自立して健康に生活できる期間)も「76年」と世界最長である。また,健康についての高齢者の意識も「国際的にみて日本では「自分は健康」と考えている人が多い」(日本64.4%,アメリカ61.0%,フランス53.5%,韓国43.2%,ドイツ32.9%の順)と記述されているが,同時に「国際的にみて高齢者が医療サービスを利用する割合は高い」とも記述されている。日本の高齢者は「健康」だけれども「医療サービスの利用頻度が高い」,という統計結果に対して,福祉専門職であるあなたは,どのようにコメントしますか?(筆者) →■「健康日本21」 →■「健やか生活習慣国民運動」 |
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2/17 | 内閣府 | ■「IT導入の効果に関する日本企業の特異性と企業改革の有無(日米独韓4カ国企業の実証分析)」 | ・2011年2月9日,内閣府経済社会総合研究所(ESRI)は,企業改革の有無がIT導入効果にもたらす違いなどについて分析したディスカッションペーパーを発表した。米独韓企業との比較分析の結果,日本企業はITに非親和的で,改革を行わなければ効果を得にくい構造にあることなどを指摘している。 →2008年10月のESRIによる「企業改革とIT導入効果に関する国際比較(アンケート調査結果のスコア化による日米独韓企業の特徴)」において,「日本企業は,企業改革への消極姿勢がIT導入効果を削いでいる可能性が示唆される」と指摘されていた。にもかかわらず,多くの日本企業は,ITの導入の効果を,作業効率の向上など現場レベルでのコスト削減効果等に矮小化し,肝心の経営層の意思決定などの経営面での効果および新市場・新規顧客の開発などの価値創造面での効果には,真正面から取り組んでこなかった。このことが,近年における特定の日本の自動車メーカー叩きやの日本企業の極端な競争力低下につながっているように,筆者には思える。IT導入の最大の効果は,「スピードある的確な判断」でなければならないと思う。それにしても,孤立無援でありながら,単一企業で戦ったトヨタの財力と底力に驚嘆したと同時に,今後のトヨタの企業変革を楽しみにしている。1990年のバブル崩壊以降,「IT化」をベースに「戦略性」「選択と集中」「グローバル化」などの言葉が,20年経った今でも何の工夫もなく言い続けられており,挙句の果てに,昨年にはカビの生えたような「ドラッカー」を引っ張り出してきて,国を挙げて薄っぺらな「もしドラ」を有難がって読んだり,アニメや映画にしている姿からは,将来の国際競争において,多くの日本企業には大きく挽回できるチャンスが来るとは到底思えない。結論だけを申し上げるが,筆者は,IT導入の効果を促進し,国際競争力を向上させるために,日本企業がなさねばならないことは,「ものづくり」や「サービスづくり」と並行して,「ひとづくり」の企業改革ではないかと考えている。換言すれば,経営の無駄や障害となっている「企業内失業者や企業内ごろつき」をなくし,「人を生かす」ことに焦点を合わせた企業改革が必要ではないかと思っている。 →民主党についても,同じことが言えると思う。有能な人材が生かされず,無能な上層部に政権を委ね,運営させてきたお陰で,現在のような体たらくで,末期的な状況に陥ってしまった。おそらく,民主党は,有能な人材を多数抱えながら,「ひとづくり」のための変革を軽視し,放置してきたために,こういう結果に至ったのであろう。今後,民主党には,単独で安定した政権を担うチャンスが到来することは,あり得ないと思う。国民の一人としては,せっかくの政権交代であったのにとの思いがあり,残念でならない。(筆者) |
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2/16 | 厚生労働省 | ■「適格退職年金制度の動向」 ~「適年」は,2012年3月に廃止される~ |
→「適格退職年金制度」(適年)とは,中小企業向けの企業年金であり,日本の高度経済成長期における1962年の「適格退職年金税制」に基づいて導入された税制優遇措置であったが,そもそも適格退職年金制度には掛け金の積立て不足という致命的な欠陥があった。予定利率が5.5%で設定されていたため,バブル崩壊後は,退職金支払の度に会社の持ち出しが増え(予定利率と運用利率との差額は会社が補填),累積損失が増大することになった。そのため,2002年4月1日に「確定給付企業年金法」が施行されたことに伴い,適格退職年金制度自体は2002年3月末で廃止された。なお,既存の適格退職年金は,10年以内(2012年3月末で廃止)に他の制度へ移行するか解散するかという経過措置が取られた。今回は,それに対応する記事である。 →なお,2011年2月23日には,「第2回適格退職年金の企業年金への移行支援本部」が開催される予定である。(筆者) →■「第1回適格退職年金の企業年金への移行支援本部」(2009年1月9日) |
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2/15 | 国土交通省 | ■「高齢者住まい法の改正法案」を国会に提出 | ・国土交通省は,2月8日に,「高齢者の居住の安定確保に関する法律(高齢者住まい法)の一部改正法案」を国会に提出した。 ・高齢者住まい法改正案は,国土交通省と厚生労働省共管の制度として,都道府県知事への登録制度である「サービス付き高齢者向け住宅制度」を新たに創設するものである。複雑化していた高齢者向けの賃貸住宅制度を「サービス付き高齢者向け住宅」に一本化し,現行の高齢者専用賃貸住宅,高齢者円滑入居賃貸住宅高齢者向け優良賃貸住宅の各制度は廃止する。 ・また,厚生労働省が,2012年度に本格導入を掲げている「24時間対応の定期巡回・随時対応サービス」と組み合わせた仕組みを普及させ,中重度の要介護高齢者が地域での生活を継続できるようにするとされている。 ・改正法案は,高齢の単身者や夫婦のみの世帯が今後10年間で245万世帯増加することや,サービス付き住宅の整備が欧米欧米諸国に比べて遅れている(サービス付き住宅の定員/全高齢者:デンマーク8.1%,イギリス8.0%,アメリカ2.2%,日本0.9%)ことを受けたものである。なお,国土交通省では,2020年度までに3~5%に拡充することを成長戦略として掲げている。 →「高齢者住まい法」は,2001年4月1日に公布され,10月1日に全面施行された。法改正を経たが,現行制度は,有料老人ホームは厚労省所管の老人福祉法で,高齢者専用賃貸住宅(高専賃)など3種類ある高齢者賃貸住宅は両省共管の高齢者住まい法で,それぞれ設置基準などが規定されているため,制度が複雑で分かりにくいなどの指摘があった。改正案は居住の安定性が強い賃貸住宅と行政の指導監督権限の強い有料老人ホームのいいとこどりを目指したものといわれている。現在問題となっている有料老人ホームの一時金トラブルの解消はできるだろうが,果たして,目論見どおりに超高齢者社会における有効な住宅施策となるかどうか。(筆者) (参考) →■「高齢者,障害者等の住宅セーフティネットの充実」(国土交通省) →■「高齢者の住まい」(2009年3月,厚生労働省) |
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2/14 | 厚生労働省 | ■「パートタイム労働の現状」および「パートタイム労働法の施行状況」 ~「第1回今後のパートタイム労働対策に関する研究会」資料~ |
・2007年の「改正パートタイム労働法」は,2008年4月1日に施行された。改正のポイントは,①労働条件の明示,②待遇の決定にあたって考慮事項の説明,③均衡待遇の確保の推進,④正社員への転換チャンスを付与する,⑤苦情の申し出に対応すること,であった。改正法の附則において,施行後3年後の見直しが定められていたことを受けて,「今後のパートタイム労働対策に関する研究会」が設置され,2011年2月3日に第1回会議が開催された。検討項目は,①パートタイム労働の実態,②パートタイム労働の課題,③今後のパートタイム労働対策であり,2011年夏頃を目途に報告書が取りまとめられる予定である。 →パートタイム労働者は全労働者の約1/3(2010年12月:28.3%)で,パートタイムの労働組合推定組織率は5.6%(2010年)である。2010年12月27日に,労働政策研究・研修機構は,「短時間労働者実態調査結果」を公表し,今後の働き方については,「短時間労働者を続けたい」が約7割,「正社員になりたい」が2割弱で,「正社員になりたい」理由は,「雇用が安定しているから」が半数超(52.7%),「待遇が良くなるから」が約3割であった。 →2008年4月施行の「改正パートタイム労働法」において,「平等な取り扱い」を受けることができるパートタイム労働者は,全パートタイマー1,200万人の4~5%程度となるというのが,当時の厚生労働省の説明であった(対象外には「努力義務」を課された)。今回の研究会では,おそらく「パートタイマーの正規化を普及させる」等のありきたりの対策案が出されるのだろうなあ,と筆者は予想している。 →2011年2月10日の衆議院予算委員会で,与謝野経済財政大臣は,「非正規雇用の方に十分な社会保障の措置が取られていない。例えば,年金には,非正規で働いている方もきちんと加わる。立場の弱い方に光を当てた社会保障制度改革でなければならない」と答弁した。これに対して,社会保障と税の一体改革の中で,厚生年金の加入対象者の基準を見直し,正社員と非正規社員の格差の是正につなげるために,厚生年金に加入するパート,派遣社員,アルバイトなどの非正規雇用者を増やすという考え,だということが報道されていた。しかし,筆者には,とてつもない世代間不公平に基づいた現在の年金制度を維持していくために,低所得者であるパート,派遣社員,アルバイトからも容赦なく年金保険料を徴収する考え,としか受け止められなかった。(筆者) →●2/2(■「2010年労働組合基礎調査の概況」)の記事を参照 →■「2008年4月施行の改正パートタイム労働法」(厚生労働省) |
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2/10 | - | ■「2011年度の厚生労働行政を知る(一覧表)」を連載 | ・2011年1月24日に,第177回通常国会が召集された。通常国会は,憲法上は「常会」といわれ,毎年1回召集されることが憲法上義務づけられている(憲法第52条)。通常国会の法定会期は,150日間(2011年1/24~6/22)であり,6月22日まで行われるが,1回のみ両議院の議決で会期延長ができることになっている。前半(1~3月)は,2011年度予算案と関連法案が重要議案となり,付随して税制改正も議案とされる。後半(4~6月)は,主に政府の政策法案が議案となる。 →2010年度内に予算案と関連法案を成立させなければ,2011年度の予算が執行できなくなる。ご存知の通り,国会の議決において,予算案は衆議院優越があり,民主党単独で,衆議院の過半数が確保できるため,参議院で否決されても30日後には成立する(憲法第60条第2項)。しかし,予算執行に不可欠な特例公債法案や子ども手当法案などの関連法案は,予算案と異なり,衆議院の議決が優先されないため,参議院で否決された場合には,衆議院での2/3の再可決が必要(憲法第59条第2項)となり,衆議院で単独で2/3を持たない民主党は,議席確保に苦慮しているのが,現状である。 →それはそうとして,予算案や関連法案が成立したこと想定して,2011年度の厚生労働行政(特に,厚生分野)を正確に理解するために,本日より,トップページの「トピックス」において「2011年度の厚生労働行政を知る」を連載する。 →今国会のポイントは,①2011予算案と26関連法案・成立,②「社会保障と消費税を含む税制の一体改革」「平成の開国・貿易などの自由化と農業改革」といった主要政策の進展,である。菅首相は,「熟議」が必要と言うが,2月8日の衆議院予算委員会の集中審議での坂口力元厚生労働大臣の年金改革の質問に対して,具体案を示せず,まったく議論になっていなかった。2月9日の党首討論では,「熟議」からは,さらに遠ざかっていたように思う。党首討論で,基本的な考え方を示さない(示せない)首相は,「あり」なのか。(筆者) →■「第177回通常国会衆議院本会議での菅首相の施政方針演説」 |
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2/9 | 厚生労働省 | ■「介護保険制度を取り巻く最新の状況」 ~第71回社会保障審議会介護給付費分科会資料~ |
→介護給付費分科会で,2012年の介護報酬の改定が議論される。2012年度は,3年ごとの介護報酬改定と2年ごとの診療報酬改定が重なり,同時改定となる。今回の分科会での改定の焦点は,在宅でも必要な医療・介護サービスを受けられる「地域包括ケア」の構築と介護職員の処遇改善である。政府が,2011年6月にまとめる「社会保障と税の一体改革」に議論を反映させるとのことである。厚生労働省は,2011年12月に,介護報酬と診療報酬の改定率を決定し,2012年2月ごろに具体的な改定内容を取りまとめる方針を示している。 →また,今回の分科会では,在宅介護のケアプランの9割に「見直す余地がある」との調査結果を公表している。この調査は,市町村でケアプランの点検や指導などを行う看護師2人と「社会福祉士・介護福祉士」2人の計4人が,2010年3月の延べ200人分の超過利用者の週間ケアプランの内容を評価したものとのことである。このような科学的と言えない雑な調査の結果を俎上に載せ,マスコミを利用して世論を操作するというやり方には,「悪意」を感じる。すかさず,委員であるI龍谷大教授は,「家族の要求に言いなりになっている。ニーズとデマンドの区別が全く付いていない」「緊急にケアマネジメントの再構築を考えなければならない」と見事なパフォーマンスを披露したと報道されている。事実ならば,いかに有識者と言えども,介護の現場を支えている現任の介護支援専門員に対して,無礼ではないかと思った。しかし,職能団体である日本介護支援専門員協会の会長も,介護支援専門員資格の在り方などについて,抜本的に改革する必要があると言及したらしいが,どうしたものだろうか。 →福祉専門職は,黙っていると,行政と特定の有識者などに,いいように扱われていく危険性があることを知るべきである。(筆者) →●1/24(■「今後の介護人材養成の在り方について(報告書)」),1/20(■厚生労働省のやりたい放題に対して,「日本介護福祉士会」の対応を注視している),2010年12/26(■2011年通常国会に提出される「介護保険法改正案」のポイント),12/18(■「2010年度の第13回ケアマネ試験の合格率など」),11/29(■「2012年の介護保険制度見直しに関する意見」)の記事を参照 →■「地域包括ケア研究会報告書」(2010年3月) |
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2/8 | 厚生労働省 | ■「ソーシャル・キャピタル」とは ~第3回地域保健対策検討会資料~ |
・厚生労働省は,2011年2月3日に,第3回地域保健対策検討会を開催した。2010年7月~8月に第2回までを開催し,地域の保健対策にかかわる人材の育成・確保などをテーマに議論をしていたが,これまでの論点に加え,市町村の保健福祉サービスにおけるソーシャル・キャピタル(社会関係資本)の活用,地域保健に関する調査・研究の推進方策などを新たな論点として加えた新論点案が示された。このため,地域保健対策検討会は「仕切り直しをした」こと,厚生労働省は「さらに幅広い視点での検討が必要ではないかと考えた」と説明したこと,が報道されている。 →「ソーシャル・キャピタル(社会関係資本)は,「地域力」と重なり合う概念であり,これが豊かな地域ほど,そこに暮らす人々の健康状態やQOL(quality of life)が高いという理論仮説が実証されつつある。地域住民がお互いに支えあい,力をつけていくことを支援するなかで,より豊かな地域づくりにつなげる可能性を探る。」(『保健師ジャーナル』2011年2月号 Vol.67 No.2の「特集 ソーシャル・キャピタル 保健活動へのヒント」より) →近時,行政のサービスだけでは,地域のサービスは支えきれないという認識の下で,自ら支えあうソーシャル・キャピタルという新しい概念の導入が必要になってきた,との有力な見解がある。 →第23回社会福祉士・第13回精神保健福祉士国家試験で,「社会理論と社会システム」の問題20において,「社会関係資本(ソーシャル・キャピタル)」が出題されている。(筆者) →■「ソーシャル・キャピタルと地域科学技術イノベーション(「信頼」から見る地域クラスター政策)(内閣府,2011年2月) →■「コミュニティ機能再生とソーシャル・キャピタルに関する研究調査報告書」(内閣府,2005年8月) →■「平成14年度 内閣府委託調査 ソーシャル・キャピタル:豊かな人間関係と市民活動の好循環を求めて」(2003年6月19日) |
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2/7 | 首相官邸 | ■「第1回社会保障改革に関する集中検討会議」(インターネットテレビ / 会議資料)
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・政府は,社会保障と税の一体改革案を年2011年6月までにまとめる目標を掲げ,具体策を議論する「社会保障改革に関する集中検討会議」を設置し,2011年2月5日に第1回会議を開催した。なお,与謝野大臣は,「国民への発信を重視する」として,インターネットなどを通じた公開ヒアリングを実施し,これまで経済界などから提出されている提言案や低所得な人ほど高負担となりやすい消費税の逆進性などについて論議を進めるとしている。4月に,成案作りに向けた集中討議において,社会保障改革の方向性を示し,4月末からは,具体的な制度改革案や税制抜本改革の方針や改革の工程表についての議論に入り,6月に,政府・与党の検討本部が改革案を決定するとしている。なお,菅首相は,別途,厚生労働大臣に対して,4月までに,「社会保障のあるべき社会保障の姿」や方向性を作成し,必要な財源の試算を示すよう指示をしたと報道されている。 ・何ともグッドタイミングであるが,財務省は,2011年2月4日,国民所得に占める税と社会保険料の割合を示す「国民負担率」が,2011年度は38.8%(「潜在的な国民負担率」は49.8%)になる見通しを示した。また,「日本国民の税負担は各国に比べて低いから,税負担を引き上げるべきだ」と説明するためのカビの生えたような手法の一つである,「国民負担率の国際比較① / ②]を発表している。 →左記のメンバーを見て,筆者は,菅首相の社会保障改革を,「国民を蔑ろにした八百長相撲」と変わりない,と思った。6月まで待たなくても,自公政権時の怪しげな「中福祉中負担論」をベースにしたものになることが予測できる。 →吉川東大教授は,自公政権において財界寄りといわれた「経済財政諮問会議」のメンバーであり,福田・麻生内閣で「社会保障国民会議」で座長を務めた。また,清家慶応義塾長も同会議のメンバーで,同会議は,社会保障の「財源確保」のために,消費税率を最大13%引き上げる必要があると試算した。さらに,成田電通名誉相談役は,消費税の目的税化をめざした麻生内閣の「安心社会実現会議」の座長で,宮本北大教授は同会議のメンバーであった。極めつけは,柳沢城西大学長は,安倍内閣で厚生労働大臣を務め,社会保障費削減を推し進めた人物である。そして,この社会保障改革を実質的に統括するのが,安倍改造内閣で内閣官房長官を務め,その後民主党政権を厳しく批判してきたのに,菅改造内閣で「経済財政大臣」に就任した与謝野氏である。身内からも「狂気の沙汰」との声が上がっているらしい。 →福祉専門職として,今回の社会保障改革の検討状況は,関心を払っておかなければならない事柄であるため,トップページの「トピックス」にも掲載している。今後,このカテゴリーにおいても,逐次フォローしていく予定である。 →失礼な言い方になるが,国民は,菅首相に対して,社会保障改革を2011年6月までにやってくれ,と頼んだ覚えはない。責任を感じられる必要はないので,次の人にやってもらえればいいことだから,慌てて余計なことをしないでいただきたい。(筆者) →●1/26(■菅首相が「もう一度見つめてほしい」と言われる「日本の総人口の推移グラフ」を見る),1/19(■菅第2次改造内閣における「新厚生労働三役」が決定した!),1/18(■「細川厚生労働大臣」と「与謝野経済財政大臣」の発言を知っておく),1/25(■2011年は「国際森林年」),1/15(■「菅第2次改造内閣」における菅首相記者会見),1/5(■菅首相の年頭記者会見)の記事を参照 |
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2/4 | 文部科学省 | ■「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について(答申)」 | ・2011年1月31日,第74回中央教育審議会が開催され,「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について(答申)」が取りまとめられた。
→現状は,若者の「学校から社会(職業)への移行」や「社会的自立」が円滑に行われていないという認識の下で,幼児期から高等教育に至るまでの体系的なキャリア教育の推進と各学校段階における取組み・推進方策の重要性が示されている。 →この答申は,292ページ(本文100ページ,資料192ページ)にも及ぶ大作である。2008年12月24日に文部科学省の諮問を受け,以来中教審特別部会(30回),作業部会(7回),47団体からのヒアリングの後に,策定されたもので,労作である。 →少し乱暴な言い方になるが,筆者は,現在の高等教育修了者には「コミュニケーション能力が低下している」,という認識は幻想で,誤りだと考える。すなわち,「低下している」というのは「コミュニケーション能力がある」との前提に立っているが,筆者は,「コミュニケーション能力がない」という前提に立つべきではないかと考えている。前提が間違っているとすれば,この答申は無用の長物ということになる。あいさつはできない,謝れない,敬語が使えない,常識がない,挙げると切りがないが,ベースが不安定な人間に高尚なキャリア教育や職業教育をつけても,現在の就業状況が大きく変わるとは到底思えない。企業を含めた社会が求めている人間とは,「コミュニケーション能力が備わった人間」である。教育関係者は,現在の教育システムで,「コミュニケーション能力は備わっている」と言いたいだろうが。その勘違いが,日本の教育の根幹にある問題だと思う。 →さらに,社会福祉士や精神保健福祉士の養成カリキュラムにおいても,大学卒業者には「コミュニケーション能力が備わっている」という前提に立って構成されていることが,福祉現場でのソーシャルワークの質の確保における最大の問題であると考えている。介護福祉士においても,同様である。もちろん,良質の現任の福祉士が多数おられることは,言うまでもない。(筆者) (参考) →■「大学教育の分野別質保証の在り方について(報告書)」(2010年7月22日,日本学術会議) |
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2/3 | 厚生労働省 | ■「社会的養護に係る児童福祉施設最低基準の当面の見直し項目について」 ~第1回児童養護施設等の社会的養護の課題に関する検討委員会資料~ |
・2011年1月28日,第1回児童養護施設等の社会的養護の課題に関する検討委員会が開催され,厚生労働省は,児童養護施設の1部屋当たりの定員を4人以下(未就学児は6人以下)とする省令改正素案を提出し,現行の15人以下から大きく引き下げる方針を示した。
→それは,2010年のクリスマスの日に起こった。群馬県でのたった一人の行動が,人の心と国を動かした。福祉専門職の一人として,大きな衝撃を受けた。(筆者) →●1/13(■タイガーマスクに感激している厚生労働大臣は「あり」なのか)の記事を参照 |
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2/2 | 厚生労働省 | ■「2010年労働組合基礎調査の概況」 | ・2010年6月末現在,日本の労働組合数は55,910組合,組合員数は1,005.4万人,推定組織率は18.5%であり,推定組織率は低下傾向が続いているが,2010年は前年から変わらずであった。一方,パートタイム労働者の推定組織率は5.6%で,上昇傾向にある。 ・全国レベルの主要団体別では,連合が688万人,全労連が87万人,全労協は13万人である。 →日本の労働組合員の大多数は,民間大企業の従業員と公務員で組織されている。換言すれば,良好な労働条件の領域に労働組合が存在して,劣悪な労働条件の領域に労働組合が組織されてこなかったのが,日本の特色である。推定組織化率とは,雇用者数に占める労働組合員数の割合で表される。大企業や公務員の採用が停滞・減少すれば,組織率が低下し続けるのは当然のことである。 →「1に雇用2に雇用3に雇用」としている民主党政権において,組合の組織化を含めた雇用構造に変革が起こされるだろうか。介護分野に,年収200万や300万の雇用者を激増させるという方策は,変革につながるとは思えないが。 →2011年春闘の労使交渉が,2月中旬から始まる。介護職を含めた大多数の労働者には,まったく関係のない出来事である。(筆者) |
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1/28 | 首相官邸 | ■「新成長戦略実現2011」(概要 / 本文) | ・「新成長戦略実現会議」は,2010年9月7日の閣議決定により,「新成長戦略」(ポイント / 本文)(2010年6月18日閣議決定)の実現を推進・加速するために設置された。 ・2011年1月25日に,「新成長戦略実現2011」を閣議決定し,「新成長戦略」が掲げる施策につき,2011年の成長戦略の基本的な考え方と共に,2011年に見込まれる主要な成果と課題について,「21の国家戦略プロジェクト」を中心に7分野ごとに概観している。「雇用・人材」の分野では,「求職者支援制度の検討・創設」「有期労働契約に係る労働政策審議会での検討」などの8項目を挙げている。また,介護分野では,介護人材の実践的な職業能力を評価する基準を2011年度内に策定する方針を示し,医療・介護分野にまたがる課題では,EPA(経済連携協定)で来日する外国人の看護師候補者と介護福祉士候補者が受ける国家試験の受験機会の在り方などにつき,2011年6月までに基本的な方針を策定するとしている。 →菅首相の失言をいちいち取り上げるのは面倒だが,1月27日夜の記者会見で,アメリカの格付け会社が日本国債の長期格付けを引き下げたことについて「ニュースを今,初めて聞いた。ちょっとそういうことに疎いんで,改めて言いたい。」としどろもどろに発言していた様子が,テレビニュースで繰り返し放映されていた。これは,文脈からして,お得意の言い訳が利かないものであった。筆者は,もうそろそろいいんじゃないかと思った。(筆者) →●2010年9/13(■「第1回新成長戦略実現会議(2010年9月9日)」),6/28(■「日本の財政運営戦略」と「諸外国の財政再建計画」),6/21(■「新成長戦略(~「元気な日本」復活のシナリオ~)」),の記事を参照 |
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1/27 | - | ■3福祉士国家試験直前対策の追加資料 |
→気にかかる資料があったので掲載した。参考にされたい。 →試験本番に際しては,周囲に惑わされないこと(介護福祉士では約5割,社会福祉士では約7割,精神保健福祉士では約4割の受験者が不合格になる),6割取れば合格する試験であること,手に負えない問題は捨てること,取りこぼしはしないこと,ケアレスミスはしないこと,を忘れないでいただきたい。(筆者) →■「直前対策」 →■「受験対策」 |
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1/26 | 首相官邸 | ■菅首相が「もう一度見つめてほしい」と言われる「日本の総人口の推移グラフ」を見る |
→筆者の勉強不足と「カン」の悪さのせいだと思うが,この「人口グラフ」をいくら見ても,菅首相のおっしゃるような「深刻な崖っぷちに全員が立たされている」ということが理解できなかった。「よく言うよ」というのが筆者の正直な感想である。菅首相は,首相就任以来,人口減問題についての問題意識が希薄なことが指摘されていたではないか。思い返せば,菅首相は,2010年6月11日に衆参両院本会議で就任後初の所信表明演説の折に,「今日,国際社会は地殻変動ともいうべき大きな変化に直面しています」と述べていたが,その後具体的な内容が明確にされることがなかったように思う。菅首相は,演説等の公式の発言において,「地殻変動」だの「反逆行為」だの「崖っぷち」だのと超刺激的な言葉を使うが,その中身は明らかではないと筆者は感じている。市民運動家の「アジ演説」と思えば納得できることであるが。(筆者) →●1/19(■菅第2次改造内閣における「新厚生労働三役」が決定した!),1/18(■「細川厚生労働大臣」と「与謝野経済財政大臣」の発言を知っておく),1/25(■2011年は「国際森林年」),1/15(■「菅第2次改造内閣」における菅首相記者会見),1/5(■菅首相の年頭記者会見)の記事を参照 |
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1/25 | 内閣府 | ■2011年は「国際森林年(the International Year of Forests)」 | ・国際森林年は,世界中の森林の持続可能な経営・保全の重要性に対する認識を高めることを目的としている。2006年の国連総会決議により,2011年は国際森林年とされた。なお,前回の国際森林年は1985年であった。 ・国際年(International Year)とは,国連総会において採択・決議されるもので,特定の事項に対して特に重点的問題解決について,国連をはじめ全世界の団体・個人に呼びかけるための期間のこととされている。 2009年:「世界天文年」「国際和解年」「国際天然繊維年」 2010年:「国際生物多様性年」「文化の和解のための国際年」 2011年:「国際森林年」 2012年:「国際協同組合年」 →北海道や長崎県・対馬などで中国人や韓国人などの外国資本による土地や森林取得が進んでいる問題で,2011年1月20日に,政府・民主党は,「外国人による土地取得に関するプロジェクトチーム」を発足したと報道されている。これにより,外国人土地法と森林法の整備が進められることになる。この問題において,戦後ずっと法整備をせずに放置してきた第一義的な責任は,自民党政権(自・公政権)にある。日本政府が,日本の国土を,外国人にかすめ取られることのないように対処するのは当然のことである。 →本日は,第177回通常国会衆議院本会議での菅首相の施政方針演説を記事にしようと思っていたが,あまりの「格調の高さ」にびっくりし,聞いていてアホらしくなったので,「国際森林年」のことを記事にすることにした。一つだけ感想を申し上げると,演説で,「国民の皆様」を連呼すればするほど,ウソっぽく,安っぽく聞こえる,と言うことである。(筆者) →■「2011国際森林年」(林野庁) |
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1/24 | 厚生労働省 | ■「今後の介護人材養成の在り方について(報告書)」(概要 / 本文)
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・2011年1月20日に,「第9回今後の介護人材養成の在り方に関する検討会」(座長:駒村慶大教授)が開催され,2010年12月22日に厚生労働省が提示した報告書案を了承した。
→結局,今回の報告書において,「600時間は譲れない」として,それなりに筋の通っていたと思われる日本介護福祉士会会長の反対意見が,完全に無視されている。最も関連の深い「介護福祉士」の職能団体の意見が,黙殺されたわけである。もっとも,日本介護福祉士会の会員数は約4万3000名程度で,介護福祉士の登録者数約90万人の約5%に過ぎない。 この程度の組織率では,その発言が尊重されなくても仕方がないのかも知れない。ならば,国家資格を持つ専門職の職能団体としては,これほどまでに会員数が少ないのは,どこに問題があるのかを追求すべきではないだろうか。 →介護職員の数合わせが優先され,介護の仕事の魅力が話題にされることが少なくなっている。2008年現在の介護職員数は約128万人で,そのうち介護福祉士は40.6万人ある。これからは,福祉・介護現場の声をどう集め,どうつないでいくのかが重要になってくると思う。(筆者) →●1/20(■厚生労働省のやりたい放題に対して,「日本介護福祉士会」の対応を注視している)の記事を参照 →■「介護福祉士・社会福祉士の資格制度の見直し(動向)」 →■「福祉専門職の現状」 |
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1/21 | 厚生労働省 | ■「犬の鑑札,注射済票について」 ~飼い犬の登録と狂犬病予防注射を忘れずに ~ |
・「刑法」の適用に関する例示を,以下に示す。 ①他人の犬と知って飼ったら→窃盗罪(刑法235条) ②他人の飼い犬らしき迷子犬を,遺失物拾得届を警察署に出さずに飼ったら→「占有離脱物横領罪」(刑法254条) ③飼い犬が他人の犬に噛み付いたり,物を壊したら→器物損壊罪(刑法261条) →3福祉士国家試験まで,あと1週間となった。体調を崩さないように注意して,乗り切ってほしい。明日あたりは,休養日にして,それからラストスパートをかけたらどうだろうか。筆者は,明日からロードショーされる「いぬのえいが」を観にいこうと思っている。筆者には7歳になる豆柴の相棒がいるので,きっと泣くな。(筆者) |
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1/20 | 厚生労働省 | ■厚生労働省のやりたい放題に対して,「日本介護福祉士会」の対応を注視している ~「今後の介護人材養成の在り方に関する検討会」~ |
・2010年12月22日に,「第8回今後の介護人材養成の在り方に関する検討会」が開催され,厚生労働省から「今後の介護人材養成の在り方について(骨子案)」が示された。
→明確な根拠を示さずに,行政側が,これまでの主義主張を臆面もなく堂々と変更することは往々にしてある。 →「梯子をはずされる」とは,こういうことを指す。「介護福祉士」が,これほどまでコケにされている状況において,今後,職能団体は,どのように対処していくのかを楽しみにしている。本日(1月20日),「第9回今後の介護人材養成の在り方に関する検討会」が開催される予定である。検討会の席上で,厚生労働省べったりとも思える職能団体の会長が,反対意見を述べたぐらいでは「責任」を果たしたことにはならない,と筆者は思う。(筆者) →■「介護福祉士・社会福祉士の資格制度の見直し(動向)」 →■「福祉専門職の現状」 |
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1/19 | 厚生労働省 | ■菅第2次改造内閣における「新厚生労働三役」が決定した! | <厚生労働新政務三役 (やまだ塾まとめ)> (敬称略)
→2011年1月18日,厚生労働副大臣に,前任の藤村修氏(氏は,枝野氏の後任として民主党幹事長代理に就いた)の後任として,鳩山内閣および菅第1次改造内閣まで内閣府副大臣を務め,民主党広報委員長であった大塚耕平氏が就任した。大塚氏は,日本銀行出身であり,民主党切っての経済政策通として,金融・財政政策のプロと言われている人物である。大塚氏は,鳩山内閣の副大臣時に,消費税は,段階的ではなく,10%台の半ばのどこかに決めなければならない,とどこかで発言していたのを思い出した。枝野内閣官房長官,与謝野経済財政大臣,藤井内閣官房副長官のラインに,大塚厚生労働副大臣が加わったことにより,消費税増税路線が布陣されたと思っているのは,菅首相だけではないか。果たして,既に賞味期限も消費期限も切れてしまった者を寄せ集めたメンバーが,「最強」と言えるかどうか。また,与野党からの批判・非難に,現政権が持ちこたえられるかどうか。(筆者) →●1/18(■「細川厚生労働大臣」と「与謝野経済財政大臣」の発言を知っておく),1/15(■「菅第2次改造内閣」における菅首相記者会見),1/5(■菅首相の年頭記者会見),2010年9/22(■菅第1次改造内閣における「新厚生労働三役」が決定した!)の記事を参照 |
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1/18 | - | ■「細川厚生労働大臣」と「与謝野経済財政大臣」の発言を知っておく ~菅第2次改造内閣の初閣議後の記者会見~ |
→2011年1月13日の民主党定期党大会において,菅首相(党代表)は,消費税を含む税制と社会保障の一体改革や国民参加の外交実現などに向けた超党派の協議を呼びかけておいて,「野党がいろいろな理由を付けて積極的に参加しようとしないなら,歴史に対する反逆行為と言っても言い過ぎではない」と発言したと報道された。一緒にやりましょうと言っておいて,一緒にやらないのは「反逆行為」だぞという挑発的な言葉を吐く人物は,普通の感覚を持った人であれば敬遠するだろう。結局のところ,1月14日になって,菅第2次改造内閣での与謝野氏の入閣を正当化したかったための前振りの発言だったということがわかった。とにかく,発言の真意が伝わりにくいし,独特の感性と言えば聞こえはいいが,言葉の選択や使い方が尋常でなく,的確でないことが多過ぎるように思う。 →初閣議後の記者会見における,各大臣ごとの動画がいつまで経っても政府のホームページに掲載されないので,NHKの動画のURLを紹介することにした。福祉専門職は,この政権がいつまで続くか分からないけれども,細川厚生労働大臣と与謝野経済財政大臣の発言には注意を払っておく必要がある。(筆者) →●1/15(■「菅第2次改造内閣」における菅首相記者会見)の記事を参照 |
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1/17 | 内閣府 | ■「災害用伝言サービス」 ~災害時に備えて家族と確認!~ |
→災害時にどんないいシステムやサービスがあっても,国民が,その存在を知らなければ利用すらできないし,肝心のときに使えなければ無意味である。また,災害時に携帯電話が有効だということを知っていても,充電する手段を予め用意していなければ何の役にも立たない,ということを「ありきたり」の広報で周知した気になるのではなく,もっと「知恵の回った」方法でPR活動をしておくべきではないかと思う。 →政府は,2011年1月13日に「政府広報に関する特別世論調査」を公表している。調査結果は,わざわざ調べなくとも,おおよその見当がつくものであった。(筆者) →●1/14(■「防災とボランティアの日(1月17日)」と「防災とボランティア週間(1月15日~21日)」)の記事を参照 |
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1/15 | 首相官邸 | ■「菅第2次改造内閣」における菅首相記者会見 | →あの時,菅直人なる人物が総理大臣になっていなければ,日本はどうなっていただろう。筆者は,政権交代を求めた民意を無駄にすることはなかったのではないか,との思いを持つ。 →『民主党が日本経済を破壊する』の著者である与謝野馨さんは,直近には厚生労働大臣への就任がうわさされていたが,結局は経済財政大臣に就任された。初閣議後の記者会見で,年金制度のあり方については,「麻生内閣で「安心社会実現会議」を作った。その報告書の基調は民主党政権でも受け継がれており,社会保険方式が前提と理解している」とし,バラマキ批判をしてきた子ども手当については,「批判したことは事実だ。批判精神は失っていない」「政策効果に対する確信が,導入当初は十分説明されていなかった」と述べている。今回の改造内閣は,全額税方式による最低保障年金の創設を掲げている2009年民主党マニフェストや現在も民主党の目玉政策と位置づけられている子ども手当を,どんなマジックを使って,どう整合させるのか,楽しみにしている。 →野党時代の民主党は,内閣不信任決議の代替策としての参議院の首相問責決議によって,2008年6月提出で福田元総理大臣を辞任させ,2009年7月提出で麻生元総理大臣を衆議院解散に追い込んだ。2度あることは3度あるか。(筆者) →●1/5(■菅首相の年頭記者会見)の記事を参照 |
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1/14 | 内閣府 | ■「防災とボランティアの日(1月17日)」と「防災とボランティア週間(1月15日~21日)」 |
→「防災とボランティアの日」と「防災とボランティア週間」は,1995年1月17日に発生した「阪神・淡路大震災」を踏まえ,閣議了解(1995年12月15日)により設定された。なお,1995年は,「ボランティア元年」と称されている。 →「ボランティア」は,3福祉士国家試験に頻出である。以下の過去問があった。 ①中央社会福祉審議会の「ボランティア活動の中長期的な振興方策について」(1993年)の意見具申を受けて,ボランティアコーディネーターの配置が進められた。 ②ボランティアコーディネーターの役割には,ボランティアの受入れについて,事前に利用者に説明し了解を得ること,守秘義務について理解してもらうこと,活動中の事故等に備え,ボランティア保険に加入することを勧めること,が含まれる。 ③新潟中越地震(2004年)によってボランティア活動の重要性に対する認識が高まり,震災のあった年は[ボランティア元年」と称された。 ④民生委員は,福祉行政の補助機関としての性格と民間ボランティアとしての性格の二面的性格を持っている。 解答:①○,②○,③×,④× →「災害ボランティアコーディネーターハンドブック」(「横浜災害ボランティアネットワーク会議」にリンクしています)を参考にされたい。(筆者) (関連情報) →■「災害時の外国人支援マニュアル」および「災害時の外国人支援に役立つリンク集」(「東京都国際交流委員会」にリンクしています) →■「2010年版防災白書」(概要 / 本文) →■「防災情報のページ」(内閣府) |
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1/13 | 厚生労働省 | ■タイガーマスクに感激している厚生労働大臣は「あり」なのか
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→「児童養護施設」に対する行政への批判的な記者の質問に,お気楽でトンチンカンな受け答えをしている厚生労働大臣は,どしぶといのか,ど素人なのか,ただのいい人なのか,知ったこっちゃないが,筆者は,この程度のコメントしかできない大臣は「なし」だと考える。さらに,「タイガーマスク現象」と面白がるだけで,児童養護施設の現状に触れようとしない日本のマスメディアの姿勢も「なし」だと思う。 →厚生労働省は,児童養護施設に関して,「平成19年度社会的養護施設に関する実態調査中間報告書」レベルでの実態は把握しているが,現在の児童養護施設が本当に直面し,困っている事柄を把握していないのではないかと思う。当然に,厚生労働省大臣が,「児童養護施設の課題」を的確に答えられるわけがない。制度面や運用面もさることながら,いまだに施設面の改善が必要なところが多くあると聞く。 →筆者は,日本における福祉行政の最大の欠陥は,支援が必要な者を支援する者への支援に「無関心なこと」であると考えている。福祉行政として,その改善が優先されなければならないことを,このカテゴリーで繰り返し述べてきた。福祉の分野において,現任者の熱意と使命感に甘えていてはいけないことを,これからもこのホームページで,筆者は言い続けていくつもりである。 →児童相談所への虐待相談対応件数は,この20年で1,101件(1989年度)から44,211件(2009年度)と40倍に増え,2000年に「児童虐待防止法」が施行され,現在の児童養護施設での子どもの6割が被虐待児という状況になっている。状況が大きく変化しているにもかかわらず,施設最低基準における職員配置の最低基準は,子ども6:職員1の割合で,1979年以降30年も見直しが行われていない。おそらく過酷な労働環境下に置かれながら,それでも自らの信念で逃げ出すことなく,取り組まれておられるのではないかと推察している。この先に言いたいことはご想像の通りであるので,あえて言及しない。今後,日本のメディアの目が,「タイガーマスク」から児童養護施設の実態の把握やその改善に向いていくことを心より願っている。厚生労働省頼みでは,良くなっていかないと思うので。(筆者) →■「社会的養護の現状について」(2010年5月会議資料) |
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1/12 | 厚生労働省 | ■「精神保健福祉における保護者制度・入院制度」 ~「第1回保護者制度・入院制度に関する作業チーム」開催~ |
・厚生労働省は,2010年10月21日に,「第10回新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チーム」を開催し,精神障害者の保護者制度と入院制度について本格的に議論する第3期に先立ち,両制度の論点整理に向け「保護者制度・入院制度に関する作業チーム」の設置を決定した。これを受け,2011年1月7日に,「第1回保護者制度・入院制度に関する作業チーム」が開催された。保護者制度と入院制度の問題点や改善点について,2011年夏を目途に検討される。 →現行の精神保健福祉法では,例えば,医療の素人である家族に,「治療を受けさせる」ことを義務づけていたり,また権限があるとは言えない「保護者」の同意を条件として,強制入院である「医療保護入院」が疑いもなく行われている。 →日本の精神医療の近代化に貢献したといわれる呉秀三(くれしゅうぞう)は,1918年に,『精神病者私宅監置ノ実況及ビ其統計的観察』を著し,「我邦十何万の精神病者は実に此病(この病気)を受けたるの不幸の外に,此邦(この国)に生れたるの不幸を重ぬるものと云ふべし」との言葉を残してから,100年を迎えようとしている。100年後においても,「此邦(この国)に生れたるの不幸」が続いていると,呉秀三が知ったら驚くだろうなあと思う。話がそれるが,筆者は,菅首相の「最小不幸社会」という薄っぺらなキャッチフレーズを聞くたびに,「不幸」をもて遊んでいるように感じ,嫌悪感をもっている。なお,呉秀三は,「欧米文明国ノ精神病者ニ対スル国家・公共ノ制度・施設ノ整頓・完備セルニ比スレバ,実ニ →100年経っても,精神障害者を差別し,家族に重い負担をかけ続けているこの国の100年後は,どのようになっているのだろうか。好き好んで人の世話になりたいと思っている者も,迷惑をかけたいと思っている者もいない。「この国に生まれてよかった」と思えるために努力するのが,福祉専門職としての出発点ではないかと思う。(筆者) |
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1/11 | 内閣府 | ■「外交に関する世論調査」(2010年10月) |
・内閣府は,毎年10月に,「外交に関する世論調査」を実施し,日本国民が,世界の国にどの程度の親しみを感じているかを把握し,12月に公表している。 ・2010年の調査結果では,「親しみを感じる」とする者の割合は,アメリカ79.9%(2009年78.9%),韓国61.8%(同63.1%),中国20.0%(同38.5%),ロシア14.0%(同15.4%)であった。 →本調査の調査時期は,2010年10月21日~10月31日である。2010年9月7日に発生した中国の尖閣漁船衝突事件は,本調査結果に大きく影響しているが,ロシアのメドベージェフ大統領が,北方領土の国後島を訪問したのは2010年11月1日だったので,本調査結果には反映されていない。いずれの出来事も,日本外交の不手際だというのは周知である。それにしても,驚きなのは,日米間において,直近にも日本人の国民感情を害する事柄が多々あったはずなのに,2009年よりもさらにアメリカに親しみを感じているという調査結果である。「アメリカに影響され過ぎる日本人の体質」は,さらに強化されているということなのだろうか。 →蛇足である。2010年の出来事でお笑いだったのは,アメリカ国内では理不尽とも思えるトヨタたたきが行われ,日本政府からは何の力添えもしてもらえなかったにもかかわらず,トヨタは独力で逞しく生き残ったが,他方,「ドラッカー」とも関係があり,2007年まで世界一の企業でもあったGMが,2009年6月に放漫経営のため経営破たんしたのに,国内総がかりで再建してもらっていることである。さらに,大笑いなのは,日本を異様に持ち上げてきた新聞記者出身の「ドラッカー」のアメリカでの評価は高くないと聞いているが,日本国内では,「もしドラ」という本がベストセラーになり,経営の神様として「ドラッカー」を崇め奉っていることである。とにかく,日本人は「何があっても,アメリカが大好き」なのである。異論はあるだろうが,今,日本人は,「ドラッカー」や「アメリカ」に影響され過ぎずに,「トヨタ」をはじめとした日本の企業経営の良い点,ひいては日本の良さを再認識すべきではないか,と筆者は思う。(筆者) |
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1/7 | 厚生労働省 | ■「地域福祉計画優良事例(2010年12月28日現在)」 | ・左記優良事例の自治体は,「静岡県長泉町」,「京都府精華町」,「島根県邑南町」である。 →「地域福祉計画関連」は,3福祉士国家試験に頻出である。特に,社会福祉士,精神保健福祉士国家試験の受験者は,必ず以下の資料のすべてに目を通しておくこと。(筆者) |
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1/6 | 労働政策研究・研修機構 | ■「2009年度 日本人の就業実態に関する総合調査」 | ・(独)労働政策研究・研修機構(JILPT)は,2010年12月28日,「2009年度日本人の就業実態に関する総合調査」(速報)を発表した。この調査は,就業形態の多様化が進む中で,日本人の働き方の実情を体系的,継続的に把握することを目的として定点観測調査で設計した「日本人の就業実態に関する調査」の第1回目の調査である。
→「幸福感」「満足感」に関する話題提供である。人間の幸福や満足の尺度として,国民総生産(GDP)ではなく,国民総幸福量(GNH)を提唱している国は,ブータン王国である。2005年の国勢調査において,4人に1人が貧困でありながら,97%が幸福と答えたとされており,その根本には「助け合いの精神」があるといわれている。日本では,2009年12月に発表された「新成長戦略(基本方針)」で,国民の「幸福度」を表す新たな指標開発を行うことが示され,幸福度を表す新たな指標の開発に向けた一歩として,国民が実感している幸福感・満足感の現状を把握するために,2010年3月に「国民生活選好度調査」が実施された。日本人の幸福感に影響する要素では,①健康,②家族関係,③家計状況が3大要素という結果であった。かつて,日本でも,「助け合い」「支え合い」が個人の幸福感や満足感,社会のあり様の基本にあったはずである。なお,2010年6月8日に,「不幸」を前面に出し,「最小不幸社会」という気色の悪いキャッチフレーズを国の理念にする菅首相に代わってしまった。これが,「国民の最大不幸」の始まりかもしれない。案の定,2010年6月18日の「新成長戦略~『元気な日本』復活のシナリオ」には,具体的な指標は示されなかった。 →2010年12月25日,イギリスのキャメロン首相は,幸福度を測る新たな指標が必要だとの考えから,国民の幸福度を高めることを目的とした調査の実施を発表した,と報道されている。また,フランスのサルコジ大統領は,GDPの算出項目に,「幸福度指数」を加えることを提唱し,2008年に「幸福度測定に関する委員会」を発足させた。なお,1960年以降のOECDの動きに合わせて,日本でも,1971年の「社会指標~よりよい暮らしへのものさし」,1992年の「新国民生活指標(PLI)~豊かさ指標」で,豊かさや幸せを評価する指標の開発が行われていたが,1998年に当該指標が廃止された経緯をもつ。(筆者) →■「2009年度 国民生活選好度調査結果」(概要 / 図表) |
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1/5 | 首相官邸 | ■菅首相の年頭記者会見 |
→中国にGDPで抜かれ,世界第3位が確実となっていることには触れないで,「今,世界の多くの国が日本に追いつけ追い越せと成長を続けています」として,お気楽な国際感覚を示したことや,民主党のマニフェストに掲げられている無駄の削減等には触れないで,「今,社会保障の在り方と,それに必要な財源を,消費税を含む税制改革を議論しなければならない,そのことは誰の目にも明らかであります」として,参院選惨敗の原因ともなった自民党や公明党の名前をまたもや持ち出して,増税論議を展開しようとする企みには,唖然とした。また,「不幸」を国の理念にし続ける独特のセンスやロッキード事件を引き合いに出して,小沢氏を批判するという独特の論法には,違和感を持った。さらに,質疑応答では,お馴染みの記者からは,消費税の質問がまったく出なかったことから,既に増税を既定路線とする世論操作が始まっている,と感じた。 →菅首相に対して,日本の未来を託せる人物だと確信した国民はどれだけいただろう。(筆者) |
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1/3 | 総務省 | ■「卯年生まれ」と「新成人」の人口推計」 ~2011年1月1日現在~ |
①卯年生まれの人口は1,008万人 ・男性は490万人,女性は517万人 ・1951年(昭和26年)生まれが最も多い ・十二支の中では10番目 ②新成人人口は124万人 ・男性は63万人,女性は61万人 ・新成人人口は減少を続け,総人口に占める割合が初めて1%を割り込む →人口に関する筆者の雑感である。 左記の通り,2010年12月31日に,総務省統計局は,卯年生まれの人口1,008万人は,総人口の7.9%で,1990年生まれの新成人124万人(前年比3万人減)は,4年連続で過去最少と推計し,報道された(1968年の調査開始以来の最多は,1970年生まれの246万人)。 →また,2010年12月31日に,厚生労働省は,「2010年の人口動態統計の年間推計」を発表し,日本在住の日本人の人口は,自然減が12万3千人となり,統計を取り始めた1947年以来,初めて自然減が10万人台を超えたと推計している。「今後もマイナス幅は増えていくだろう」と分析している。 →2010年12月29日に,国土交通省は,長期推計を発表し,2050年に人口6000~1万人の小さな都市は2005年比で48%減少すると推計している。少子化に加えて,大都市への人口集中で地方の過疎化が進むことが背景にあると見ていることが報道された。 →2010年12月9日に,厚生労働省は,2010年度の「2010年度出生に関する統計の概況(人口動態統計特殊報告)」を発表し,第2次ベビーブーム世代(1971年~1974年)の女性が34歳までに生んだ子どもが1.16人であり,晩婚化,晩産化の進展を指摘し,「今後,第3ベビーブームが訪れることはないだろう」との分析が報道された。 →各省庁は,所管する調査や推計を年末年始に,恒例行事のように,それぞれの調査結果とありきたりの各省庁のコメントを,とりとめもなく五月雨式にマスメディアを通じて国民に流している。「国は,人口を増やしたいの?減らしたいの?」という素朴な国民の疑問に,答えようとしていない。「明確な人口政策を示さないこと」が,日本の最大の問題だという意見がある。将来の国の活力源となる労働人口や消費人口となるのは,これから生まれてくる子どもであって,女性や高齢者ではありえないことぐらい,すでに国民は見抜いている。 →2009年の合計特殊出生率は,アメリカ2.09,フランス1.99,日本1.37となっている。フランスは,財政赤字がGDPの7%であるが,「人口は国力」という考えの下で,合計特殊出生率を欧州一に回復させた。また,アメリカは,世界最大の債務国でありながら,2010年4月1日の人口が3億人を超え,10年前からは9.7%増加し,将来的にも人口増加が見込まれ,国としての活力は失わないだろうと言われている。一方,人口抑制策を取り続けている中国は,やがて急激な人口減少と歪な人口構成が,中国社会に重くのしかかり,負の方向に変質していくと見られている。例示を挙げたが,このような重要な情報が,日本国民に正しく伝えられていないことも問題だと指摘されている。(筆者) →■「明確な根拠をもつ」 |
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1/1 | - | ■3福祉士国家試験受験者の方々へのメッセージ | ・体調を整える ・リラックスする ・持てる力を信じる ・最後まであきらめない →恒例の「とにかく合格する」(お守り)を掲載した。プリントアウトして,空欄に自分の決意を書いてみてはどうか。(筆者) →■「直前対策」 →■「受験対策」 |
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12/31 | 厚生労働省 | ■「2011度厚生労働省所管予算案」 | ・厚生労働省分の一般会計は,28兆9,638億円(2010年度当初比1兆4,077億円増,2010年8月の概算要求から1,684億円増)であった。注目すべき施策には,①地域医療確保推進事業19.1億円(新規),②がん対策343億円(2010年度316億円),③肝炎対策238億円(同236億円)などがある。また,介護関連の新規施策として,24時間対応の定期巡回・随時対応サービス事業27億円,介護職員がたんの吸引などを実施するための研修の実施費用9.4億円,福祉用具・介護ロボット実用化支援8,000万円などが計上されている。 ・野田財務大臣は,自・公政権時代に「毎年2,200億ずつ社会保障費を削っていくことによって医療崩壊が起こったり,介護難民が生まれたり,福祉が後退した」として,今後も自然増を容認する方針を12月24日の記者会見で示している。また,補助金のあり方とか診療報酬のあり方の改善努力で社会保障費の抑制も可能かと思うという記者の質問に対して,「どの事業でも聖域化してはいけないと思いまして,ご指摘のようにもっと効率的な実施が出来る部分というのはあるというふうに思います。だからといって最初から2,200億削るとか,そういうことはしないということです。数値目標を置いてぎりぎりやるというよりは,自然増を飲み込みながらではありますけれども,事業によってはもっと効率的な方法が出来るものは幾らでもあると思いますので,そういうアイデアはどんどん出しながら,また厚労省においても取り組んでいただきたいとは思っています」と述べている。 →●12/27(■「2011年度予算政府案~元気な日本復活予算~」)の記事を参照 |
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12/28 | 厚生労働省 | ■「第1回厚生労働省社会保障検討本部」 | ・2010年12月14日の「社会保障改革の推進について」を踏まえて,厚生労働省において,社会保障の安定強化のための具体的な制度改革案等について検討するため,「厚生労働省社会保障検討本部」が設置され,2010年12月27日に,第1回会議が開催された。 ・政府・与党は,2011年6月に税と社会保障の一体改革案を作成する方針で,検討本部は2011年4月中に具体案をまとめるため,検討チームを設置するとのことである。 <検討チーム・サブチーム>
→菅首相が,2010年10月1日の第176回臨時国会の所信表明演説において,社会保障制度と税制の改革に関連して,「必要な財源をどう確保するか,消費税を含め,税制全体の議論を進めたい。政府・与党で改革の全体像を検討する場を設け,野党とも意見交換したい」と述べたことを受け,10月28日に,「政府・与党社会保障改革検討本部」が設置され,11月9日に,「社会保障改革に関する有識者検討会」が開催された。2010年12月10日に,「社会保障改革に関する有識者検討会報告書」(まとめ) が「政府・与党社会保障改革検討本部」に提出され,12月14日に,「社会保障改革の推進について」を閣議決定した。これを受けた検討本部の設置である。 →今後,野党に協議を呼び掛けるだろうが,社会保障改革での最大の焦点は「年金制度改革」であり,与党・民主党が,「最低保障年金」の基本的な考え方を変更・撤回しない限り,野党が協議に応じるとは思えない。 →民主党政権には大いに奮闘してもらいたいが,これほどまで日本を崖っぷちに追い込んだ第一義的な責任は,自民党政権および自・公政権にあったことを忘れてはならない。(筆者) →●11/30(■「ILO第1回世界社会保障報告」),11/26(■「2008年度 国民医療費の概況」),11/19(■「キャメロン政権の大規模歳出削減策」),11/18(■「社会保障改革」の検討),11/16(■「2008年度 社会保障給付費」(国立社会保障・人口問題研究所),10/29(■「第1回政府・与党社会保障改革検討本部会合」での菅首相のあいさつ)の記事を参照 |
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12/27 | 首相官邸 | ■「2011年度予算政府案~元気な日本復活予算~」 | ・政府は12月24日の臨時閣議で,2011年度予算政府案を決定した。国の予算規模を示す一般会計は,92兆4,116億円(前年度比1,112億円増)で,過去最大である。2010年6月の財政運営戦略に沿って,国債費を除いた歳出の大枠を70兆8,625億円,新規国債発行額を44兆2,980億円に抑制しているが,当初予算ベースとして2年連続で借金が税収を上回り,特別会計などの「埋蔵金」を財源とする。社会保障費は,28兆7,079億円(5.3%増)で,一般歳出の53.1%となっている。 ・予算政府案は,2011年の通常国会に提出されるが,審議の難航が予想されている。 <福祉行政関連の主な項目>
→政権交代以後,民主党政権で手がけた初めての純正の予算案である。 →2011年度政府予算案に対する新聞各紙の記事の見出しは,「改革はどうなったのか」,「困難から逃げぬ政治を」,「先が見える政治へ決断を」,「自前編成に落第点」,「改革不在の予算案では日本はもたない」,「国家の破綻は目の前だ 財政再建の道筋を明示せよ」,「辻褄合わせはもう限界だ」などであった。抜本的な財政や社会保障の改革に手をつけていない予算案には,右から左まで,総じて評価は低い。(筆者) |
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12/26 | 首相官邸 | ■2011年通常国会に提出される「介護保険法改正案」のポイント |
・厚生労働省は,2010年12月24日,2011年通常国会に提出を予定している「介護保険法等の一部を改正する法律案(仮称)」について,現時点で想定されている法律案のポイント(骨格)を公表した。
→左記のポイントは,社会保障審議会介護保険部会の意見書と民主党の厚生労働部会からの「介護保険制度の見直しに関する提言」を踏まえて作成されたものである。なお,居宅介護支援(ケアプラン作成)サービスへの自己負担導入などに対する賛否両論が併記された介護保険部会の意見書や高所得者の自己負担割合引き上げなどの利用者負担の増加につながる事柄すべて見送るとし,2012年度からの介護保険料(全国平均)を「5000円を超えないように検討したい」と厚生労働大臣は明言している。 →2000年4月からスタートした「介護保険制度」は,3年ごとの見直しがされ,2012年度からの3年間の改正案が,今回示された。経過を辿れば,介護サービス受給者は,2000年4月:149万人から,2009年4月:384万人の2.6倍になり,訪問介護事業所は,2000年:9,800事業所から,2008年:20,900事業所の2.1倍になり,介護費用の総額は,2000年:3.6兆円から,2010年:7.9兆円の2.2倍と増加している。 →両論併記して政治判断に委ねた無責任な「社会保障審議会介護保険部会」の意見と負担増を一貫して反対してきた政権与党である民主党の「厚生労働部会」の提言だけを基にして,「政治判断」すれば,今回の結論のようになるだろうということは予想できた。 →「走りながら考える」と言ってスタートした介護保険制度は,10年間,一貫して,財源を理由に,その場しのぎのサービス抑制につながる見直しを続けてきた。今回の改正案では,2025年までに,「地域包括ケアシステムを構築する」という壮大な目標に掲げているが,福祉専門職であれば,その実現の可能性は容易に想定できるはずである。(筆者) →●12/22(■「後期高齢者医療費(老人医療費)の特性」),12/18(■「2010年度の第13回ケアマネ試験の合格率など」),11/29(■「2012年の介護保険制度見直しに関する意見」),11/8(■「第1回新しい公共推進会議」),10/23(■「介護労働支援ガイド」),10/10(■「特別養護老人ホームの入所申込者及び待機者(優先入所申込者)の状況」),9/27(■現在の「介護人材の確保と処遇の改善策」),9/19(■「2009年度 介護労働実態調査結果」),8/16(■「今後の介護人材養成の在り方に関する検討会中間まとめ」)),4/27(■「介護福祉士の資格取得方法の見直しに関する意見の募集」の結果),3/30(■「福祉・介護人材確保対策関係予算(2009年度補正予算および2010年度予算)」 / 「今後の介護人材養成の在り方に関する検討会委員名簿」),3/9(■「介護職員基礎研修について(第2版)」),3/6(■「介護福祉士の資格取得方法の見直しに関するご意見の募集」)の記事を参照 |
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12/23 | 厚生労働省 | ■「今後の慢性閉塞性肺疾患(COPD)の予防・早期発見のあり方(報告書)」(概要 / 本文) | ・慢性閉塞性肺疾患(Chronic Obstructive Pulmonary Disease,COPD)とは,有毒な粒子やガス(主にたばこの煙)の吸入による進行性の疾患で,運動時の呼吸困難や慢性の咳・痰などの症状がある。患者数は全国で約500万人であり,年間の死亡者数は約15,000人と推計されている。COPDの主な原因は,喫煙であることが多く,禁煙などにより予防が可能であり,早期発見・治療で,罹患リスクと疾患後の負担の大幅軽減が可能と言われる。このため予防から早期発見,適切な医療など,一連の支援方策を具体的に示すことが課題となっていた。こうした背景,問題意識のもとで,,2010年6月に「慢性閉塞性肺疾患(COPD)の予防・早期発見に関する検討会」が設置され,2010年12月22日に「報告書」が提出された。 →以下は,COPDに関する,3福祉士国家試験の過去問である。○×で答えよ。 問1:「慢性閉塞性肺疾患」と「肺気腫」の組み合わせは適切である。 問2:慢性閉塞性肺疾患(COPD)は,加齢に伴い増加する疾患である。 →次回国家試験において,肺の生活習慣病とも呼ばれるCOPDは,さらにブラッシュアップされた内容で出題される可能性があるので掲載した。(筆者) |
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12/22 | 厚生労働省 | ■「後期高齢者医療費(老人医療費)の特性」 | <若人と後期高齢者との医療費の比較>
→高齢者医療制度改革の経緯を,簡単に述べる。1997年に医療制度抜本改革の議論から,厚生省が「高齢者医療制度案」を提示し,2001年に厚労省は「医療制度改革の課題と視点」で,老人医療費拠出金の増大が保険者財政を圧迫していることや世代間の負担の不均衡から,高齢者医療制度改革の必要性を提起した。2003年に高齢者の独立型保険を含めた「医療制度改革の基本方針」が閣議決定された。2005年に厚労省が「医療制度構造改革試案」を発表し,2006年の通常国会で,「高齢者医療確保法」を含む医療制度改革関連法案が成立し,2008年4月に「後期高齢者医療制度」が施行された。そして,2009年に政権交代があり,「後期高齢者医療制度」を廃止し,廃止後の新たな制度のあり方を検討するためとして,「高齢者医療制度改革会議」が設置された。 →2010年12月20日,「第14回高齢者医療制度改革会議」において,「最終まとめ案」が示された。 →左記の「後期高齢者医療費(老人医療費)の特性」が,これまでの老人医療費の抑制のキャンペーンの根拠となってきた。果たして,老人医療費の増大の主たる要因は,国やマスコミが煽り立てているように,「人口の高齢化」にあるだろうか。これらのキャンペーンによって,「老人医療は無駄な医療」とする受け止め方が国民に定着していくのではないかという危惧の念を抱く。高齢者医療制度および老人医療費については,改めて記事にする予定なので,結論だけを言えば,筆者は,すべての医療費の無駄の増大,高額医療の増大,施設介護の未整備,などが主たる要因ではないかと考えている。(筆者) →●11/26(■「2008年度 国民医療費の概況」),11/18(■「社会保障改革」の検討),11/16(■「2008年度 社会保障給付費」(国立社会保障・人口問題研究所),10/29(■「第1回政府・与党社会保障改革検討本部会合」での菅首相のあいさつ)の記事を参照 →■「明確な根拠をもつ」(基本となる統計・調査-社会保障給付費・医療費) |
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12/21 | - | ■「Mother Teresa of Calcutta Center(Official Site)」 | ・左記は,「神の愛の宣教者会」の公式サイトである。 →2010年は,マザー・テレサの生誕100年に当たる年であった。記事にしたいと思いながら,遂に年末になってしまった。マザー・テレサは,後人の心に響く言葉を数多く残されている。筆者は,宗教とは無縁であるが,「人間にとって最も辛いことは誰からも相手にされないこと,必要とされないこと,無視され,人間として認められないことである」という言葉を,人を支援する者に対する戒めだと思い,重く受け止めている。(筆者) |
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12/20 | 内閣府 | ■「第3次男女共同参画基本計画案」の答申を受ける菅首相 ~2010年12月17日の「第37回男女共同参画会議」~
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→本計画において,冒頭に,「男女共同参画社会の実現は,女性にとっても男性にとっても生きやすい社会を作ることである」と記述されている。筆者は,男女共同参画社会を早期に実現すべきだと考えているが,日本の男女共同参画社会推進者の強引なやり方には,疑問を感じている。民主党のマニフェストにも盛り込まれておらず,国民の多数が反対していることが分かっている「選択的夫婦別姓」について,仙石内閣官房長官,千葉元法務大臣,岡崎トミ子男女共同参画担当大臣らの不可解な国会答弁や第3次男女共同参画基本計画への記述内容(「引き続き検討を進める」)などは,その例である。 →なお,民意を無視すると,「こういう結果になるぞ」という例である。このカテゴリーで批判していた政府の個別施策のうち,2010年12月16日,国土交通省の外局である観光庁は,春と秋に全国5地域で時期をずらして2回の大型連休を定めるとしていた「休暇分散化案」を撤回したこと,さらに,2010年12月18日,政府は,滞納している給食費や保育料を,自治体が子ども手当から天引きできる仕組みを,2011年通常国会に提出する方針を固めたこと,が報道された。しかし,悲しいことであるが,民意とは無関係に,理不尽な対応を取り続けようとする例もある。菅首相が,2010年11月24日に,北朝鮮の韓国砲撃に伴って,国民からの反対が多かった北朝鮮学校への授業料無償化制度の適用に関して,高木文部科学大臣にプロセスの停止を指示していたにもかかわらず,高木文部科学大臣は,2010年11月30日までに,全国の朝鮮学校10校からの申請をすべて受理した,と11月30日の記者会見で公表した。このような状況で,国民の税金を使うには,国民に対する「説明責任」を果たすべきである。 →次回の3福祉士国家試験において,出題の可能性が高いと思われる「第3次計画の用語解説」には,必ず目を通していただきたい。(筆者) (参考) →■「白書(福祉関連)」(「2010年版 男女共同参画白書」) |
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12/18 | 厚生労働省 | ■「2010年度の第13回ケアマネ試験の合格率など」 ~合格率は過去最低の20.51%~ |
・2010年10月24日に実施された2010年度の「第13回介護支援専門員実務研修受講試験」の合格率は,20.51%で,過去最低であった。また,2010年度の受験者数は13万9,959人で,合格者数は2万8,703人で,累計合格者数は52万3,472人となり,50万人を超えた。 →2010年11月29日の記事で,「福祉専門職」に対して,「社会保障審議会介護保険部会」において,2012年度からの介護保険制度改正の検討が進んでいること,その考え方のベースになっている「地域包括ケア研究会報告書」を熟読すべきこと,異議があるならば福祉専門職自身が声を上げなければならないことを記述した。なお,11月30日には,介護保険審議会介護保険部会から 「介護保険制度の見直しに関する意見」が提出されたが,多方面から問題が指摘されている。 →「地域包括ケア研究会報告書」において,介護支援専門員の存在が軽視されているように筆者は思うので,気のついた箇所を以下に列記しておく。 ・「現状では,アセスメントやケアカンファレンスが十分に行われておらず,介護支援専門員によるケアマネジメントが十分に効果を発揮していないのではないかとの指摘がある。利用者や家族の意向を尊重するだけでなく,自立支援に向けた目標指向型のケアプランを作成できるようにすべきではないか。」(p.24) ・「地域包括ケアを支える各人材の役割(イメージ)」に,介護支援専門員が欠落している(意識的だと思うが)。(p.35) ・「介護支援専門員1人当たりの利用者数は大幅に減少しており,現段階では,介護支援専門員は不足していないと思われる。」(p.48) 筆者は,介護支援専門員が,コケにされていると思っているので指摘しているが,何とも思わない介護支援専門員の方には,これ以上言うことはない。 →蛇足である。介護保険制度を最初に始めたドイツ(1994年)も,日本の介護保険(1997年)を研究した上で介護保険制度を導入した韓国(2007年)も,「ケアマネジャー」の設置は不必要だと考えた。さらに言えば,欧米にある「ケアマネジャー」は,介護保険の点数計算がメインの仕事である日本の介護支援専門員とは質的に異なる役割を持つ。さらにさらに言えば,欧米の「ソーシャルワーカー」も,日本の社会福祉士や精神保健福祉士とは質的に異なる役割を持つ。さらにさらにさらに言えば,日本の介護福祉士に対応する国家資格は欧米には存在しない(ドイツには「介護士」はあるが,日本のような統一試験ではないので比較できない)。その結果が,現在の3福祉士や介護支援専門員の社会的な地位として現れている。各職能団体の活動も,現在の延長線上でいいのだろうか。話を広げるが,見識が備わっていなければ,2010年12月13日の「介護職員等によるたんの吸引等の実施のための制度の在り方について 中間まとめ」にあるように,都合のいいように,医師や看護師不足の穴埋めとして,介護職等が使われる。それでも,介護職も医療行為ができると喜んでいる人をみると,お人よしにもほどがある,と筆者は思う。念のために,筆者の見解を申し上げる。「介護福祉士」の専門性は,士士法に基づいて,医療行為をしないことにある。介護福祉士を含めた介護職に医療行為を解禁するような考え方は誤りで,介護福祉士を含めた介護職に「たんの吸引や経管栄養等」をやってほしければ,「たんの吸引や経管栄養等」を医療行為から除外すること以外にはあり得ない,と考えている。「中間まとめ」を実行すれば,今後,現任の有能な介護職を介護現場から多く失うことになると心配している。 →3福祉士および介護支援専門員である「福祉専門職」に知っておいてもらいたいのは,現在の国家資格・資格は,日本独特なもので,その存在価値は自ら作り上げていかなければならないものだということである。何度も繰り返すが,常に自分の置かれた位置を正確に認識し,問題点や課題を正しく把握して,その上で戦わなければならないということである。先は長い。(筆者) →■「介護支援専門員試験の受験について」 |
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12/17 | 厚生労働省 | ■「2010年度 出生に関する統計の概要(人口動態統計特殊報告)」 | ・厚生労働省は,11月9日,「2010年度の出生に関する統計の概況(人口動態統計特殊報告)」を発表した。婚姻・出生の推移や出生の動向などを分析,時代による変化として,「晩婚化」「晩産化」の進展を指摘している。 →「福祉専門職」への質問である。左記の統計において,「2009年中の結婚期間が妊娠期間より短い出生の嫡出第1子に占める標準化後の割合は,25.3%であった」とは,具体的には何のことを言っているのかを説明せよ。 →その答えは,「2009年中に最初の子どもを産んだ女性のうち,いわゆる「できちゃった婚」が4人に1人いる」ということである。 →「できちゃった婚」が,若者ほどその割合が高く,15~19歳が81.5%,20~24歳が63.6%,25~29歳が24.6%,30~34歳が12.1%,35歳以上が10.8%,という数値に注目してほしい。筆者が,「若者のできちゃった婚」から連想する言葉は,母親の低学力,無知,低収入,貧困,離婚,シングルマザー,生活保護,児童虐待,など「否定的な言葉」ばかりで,肯定的な言葉がまったく思いつかない。そして,その言葉の多くが,現在,社会問題化し,悲劇的な事件に関連している,と見るのは見当違いだろうか。これまで,「できちゃった婚」を安易に許容し,若者の文化に迎合し,現状を追認してきたことに問題がなかったかと思う。筆者には,「できちゃった婚」という言い回しは,人の命を授かったという感謝の気持ちやその責任の重さを「茶化している」ように思えてならない。なお,「2005年度国民生活白書」で,「できちゃった婚」という言葉を使っていることから,国にも軽薄な風潮を助長させた責任がある。 →親の虐待から子どもを守るためと言って,法制審議会の部会が,2010年12月15日に,親権を最長2年間停止する新制度を柱とした改正案をまとめた。筆者は,児童虐待を防止するためには,対症療法だけではなく,若者の文化にもっと関心を払い,積極的に手を貸し,関与していく ことも重要ではないかと思う。(筆者) |
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12/16 | - | ■「The Economist(2010年11月20日号)の日本の特集記事(The Japan syndrome)」 ~「The Economist」(イギリス)にリンクしています~ |
・2010年11月20日号のタイトル(アジア太平洋版):Japan's burden ・記事のタイトル:The Japan syndrome ・記事のサブタイトル:The biggest lesson the country may yet teach the world is about the growth-sapping effects of ageing →「The Economist」では,これまでにも,「The sun also rises」や「Going hybrid」などの日本特集があったとされる。「日本症候群」と揶揄された今回の特集は刺激的であった。例えば,少子化対策に関して言えば,「フランスは大幅に出生率を向上させている。放置しておくと,日本のようになってしまう!」というような警鐘を鳴らしている。岡崎トミ子サン,小宮山洋子サン,村木厚子サン,さらにはイギリス大好き人間の菅直人サン,なら当然に左記の記事を読んでおられると思うので,その感想やら抗弁やらを聞かせてもらいたいと思った。しかし,2010年12月3日の「待機児童ゼロ特命チーム」に関する動画を観ていて,彼らから日本の少子高齢社会に対するビジョンを聞いても仕方がない,と筆者は思った。誤解のないように付け加えるが,少子高齢社会の到来は予測されていたのに,無策・無能であった自民党政権(自・公政権)に現状に至った全責任があることは言うまでもないので,今後,民主党政権への奮起には大いに期待しているが,現在の自民党に期待することは断じてない。また,日本のメディアに対しても,「エビ」や「ゲーニン」や「ゴシップ」など,アホになりそうなことばかりを国民に垂れ流しせずに,時折でいいから,日本社会や日本経済等について,きちんとした分析や情報提供を望みたいものである。(筆者) |
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12/15 | 内閣府 | ■「飲酒運転の根絶を!」 |
・警察庁の「2009年中の交通事故の発生状況」によれば,飲酒運転の死亡事故率(事故が発生したときに死亡事故になる割合)は,飲酒なしの交通事故の約8.7倍であり,酒酔い運転(正常な運転ができない状態)では,約31.9倍である。 ・2007年9月に飲酒運転の厳罰化,2009年6月に悪質・危険運転者に対する行政処分の強化が実施された。 <現在の飲酒運転の行政処分>
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12/14 | 厚生労働省 | ■社会福祉振興・試験センターへのヒアリング(p.16~p.28)」 ~第6回厚生労働省独立行政法人・公益法人等整理合理化委員会~ |
・厚生労働省は,2010年9月13日から「独立行政法人・公益法人等整理合理化委員会」をスタートさせた。外部委員(8人)は,所管する法人の統合,民営化,廃止,地方移管等を含めて,2010年中に結論を出すとされている。 ・2010年11月29日,第6回厚生労働省独立行政法人・公益法人等整理合理化委員会が開催され,公益法人である「(財)社会福祉振興・試験センター」に対するヒアリングが行われた。
→筆者は,「独立行政法人・公益法人等整理合理化委員会」を,茶番だと思うし,法人改革についてはまったく期待していない。本来なら,記事にしたくもないが,3福祉士国家試験に関連する公益法人のことであるため,関連情報として掲載する。左記の議事録における形式的なやり取りを,参考までに見ておいていただきたい。 →鳩山政権では,「公務員OBが役員に就任しているポストは,公募による後任者の選考」を決定したが,菅政権では,2010年6月22日に「国家公務員退職管理基本方針」として,「現職の官僚が天下り法人に出向する場合は,天下り扱いしない」とする閣議決定をした。これは,省庁から独法などへの現職出向(現役の天下り)を認め,2009年民主党衆院選マニフェストの「天下りの根絶」を放棄したもので,「菅首相」が実質的な天下りを容認したことを意味する。さらに,これまで,役員出向の対象外だった民間法人化された特殊法人などにも対象を拡大するもので,とんでもないことを,菅首相はやってのけたということである。 →なお,「厚生労働省が所管する公益法人に天下っている職員数は,1401人(280法人)に上り,年間給与額(09年度)が1000万円以上の職員は124人に達する。なかには,課長補佐から事務局長に天下り,年間1388万円の給与を手にする猛者もいるほどだ。」という記事を週刊誌が掲載していたので紹介する(2010年9月28日,第531回「週間ダイヤモンド」)。 →筆者は,やまだ塾HPにおいて,これまで,「社会福祉振興・試験センター」のサービス不足,努力不足を指摘してきた。ここ数年,多少の改善はあったが,民間水準からは程遠いものであると思う。福祉の分野において,政府や官僚の「やりたい放題」を止められるのは,「福祉専門職」だけである。黙っていては,何も変わらない。(筆者) |
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12/13 | 経済産業省 | ■「買い物弱者(買い物難民)応援マニュアル(第1版)」 | ・経済産業省は,12月10日,社会問題化している買い物弱者(いわゆる「買い物難民」)に関して,事業者等による対応の先進事例集とその工夫のポイントをまとめた「買い物弱者応援マニュアル(第1版)」を公表した。今後,全国の先進事例を募集し,2011年3月に完成版を公表する予定とされている。 <買い物弱者を支援する方策を,3種・20事例で解説>
・買い物弱者を継続的にサポートし続けるためには,できるだけ事業(ビジネス)としてサービスを提供していくことが大切であり,以下の7つのポイントを紹介している。
→近所の商店が閉まるなど日常の買い物が困難になっている高齢者ら約600万人(経済産業省の推定)の買い物難民の救済を目指すとされる。「買い物難民」の救済を「経済産業省」が所管することには,高尚な理由と各省庁との調整が立派に説明されると思うが(例えば,国土交通省が所管する「地域公共交通活性化及び再生に関する法律」や「交通基本法」の論議のなかでも取り上げられてきた),「高齢者らのことなら,厚生労働省でまとめてやった方がいいじゃん!」というのが一般市民の感覚だと思う。なお,2010年度補正予算や2011年度概算要求では,買い物難民に対して,国土交通省,経済産業省,厚生労働省,農林水産省の4省が,独自の対策に取り組むものとされている。 →同じ高齢者でも,「買い物難民」に該当すれば経済産業省で,「医療難民」や「介護難民」に該当すれば厚生労働省で,「住宅難民」に該当すれば国土交通省で検討される。そういえば,第3弾事業仕分けで,「なぜ太陽光が経済産業省で,太陽熱が環境省なのか」という奇妙な議論があったことを思い出す。このような縦割り行政を排除して,政治主導の効果的・効率的な総合政策の推進を,多くの国民が,2009年の政権交代時に期待していたような気がする。 →今年,社会問題となった「所在不明高齢者問題」では,福祉や年金行政を所管する「厚労省」,住民基本台帳ネットワークを管轄する「総務省」,戸籍管理の「法務省」,行方不明事案に対応する「警察庁」,直接対応する「地方自治体」,と気の遠くなるような見事な縦割り行政の実態が報道され,国民は驚いた。また,その検討会議等で,それぞれの職員が「始めまして」と名刺交換する光景が常態だったという記事を見て,国民は不安感を持った。そして,縦割りの問題だけでなく,それぞれの省庁や地方自治体の杜撰さ,無責任さに,国民は怒った。マスコミの報道熱も冷めてしまい,その後,どのようになったのかは,国民は知らされてない。「横串を指す」と公言していた政府は,未だに,国民に対して「説明責任」を果たしていない。 →筆者は,年末年始にかけて,政局の大きな変化が起こり得るという予感を持つと同時に,そうなることを願っている。 →年の暮れで,ボヤキ満載の記事になってしまった。(筆者) |
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12/10 | 厚生労働省 | ■「2009年国民健康・栄養調査結果の概要」 | ・「国民健康・栄養調査」は,2002年制定の「健康増進法」に基づき,国民の健康増進の総合的な推進を図るための基礎資料を得ることを目的として,毎年11月に実施されているものである。 →「2009年国民健康・栄養調査結果の概要」に,「体重管理を心掛けている人は男性で7割,女性で8割。しかし,メタボリックシンドローム予防・改善のための食事や運動をしている人は3割に満たない」という調査結果が記述されている。 「あなたは,これをどのように解釈しますか?」 →簡単な補足説明をする。2000年から国民健康づくり運動「健康日本21」(2000年~2012年)がスタートし,その推進のための根拠法となる「健康増進法」が2003年に施行された。糖尿病や心筋梗塞・脳血管疾患などのいわゆる「生活習慣病」の増加への対策として,2005年に,メタボリックシンドロームの診断基準が設定され,「2007年国民健康栄養調査」において,40歳以上の男性の2人に1人,女性の5人に1人がメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)およびその予備軍であるということが分かった。生活習慣病に要する医療費は,全体の約3割,死亡割合は約6割を占め,その抑制が医療行政の大きな課題とされている。なお,喫煙は,がん(肺がんなど),循環器疾患(虚血性心疾患,脳梗塞,くも膜下出血など,慢性閉塞性肺疾患,消化性潰瘍など,種々の疾患の発症原因で,また,糖尿病やメタボリックシンドロームの発症リスクを上昇させると認識されている。糖尿病やメタボリックシンドローム対策としては,「禁煙」が必須であるが,妙に腰の引けた医療行政から,問題の奥深さが想像でき,国民に十分な説明がなされていないように思われる。例えば,日本のたばこ事業は,「厚生労働省」ではなく,JTの筆頭株主である「財務省」が所管しているという特殊性などは,多くの国民は理解していない。最後に,政策決定や行政上の意思決定に関して,①透明性,②情報開示,③説明責任,が重視されているのが,国際的な潮流である。政権がどうあれ,この流れは変えようがない。 →3福祉士国家試験受験者は,2007年の結果の概要のうち,「糖尿病の状況について」を暗記しておくこと。(筆者) →■「2003年~2010年までの国民健康・栄養調査結果の概要」 →■「たばこと健康に関する情報ページ」(厚生労働省) |
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12/9 | 厚生労働省 | ■「「子ども手当」の使途に関する調査結果」 |
・厚生労働省は,12月7日,「子ども手当」の使途に関する調査結果を発表した。子ども手当の使い道を聞いた(複数回答)ところ,「子どもの将来のための貯蓄・保険料」41.6%,「子どもの衣類・服飾雑貨費」16.4%,「子どもの学校外教育費」16.3%であった。小学生以下では,「貯蓄・保険料」が最多であった(0~3歳:55.2%,4~6歳:46.3%)。中学生では,「学校外教育費」30.8%,「貯蓄・保険料」27.2%で,学齢が上がるにつれ教育関係費の使途が多くなっている。調査は,中学3年生以下の子どもを持つ保護者1万183人を対象に,インターネットを通じて実施したとされている。 →正直なところ,埋め草的な記事なので,読み飛ばしていただきたい。 →政府が,2011年度の「子ども手当増額案」の財源捻出で四苦八苦している最中における調査結果の発表であった。調査結果から,施策の正当性や意味あることが,明らかになったのかしら。 →文部科学省は,12月1日に,2009年度に学校給食を実施した全国の公立小中学校のうち,過半数で給食費未納の児童・生徒がいると見込まれるとの調査結果(「学校給食費の徴収状況に関する調査の結果」)を発表した。約2万9000校から610校を抽出調査し,全国の未納額は推計で約26億円(2005年度の4億円増)とされている。改善がまったくされていないことが明らかになった。未納の原因は,「保護者としての責任感や規範意識の問題」53.4%(2005年度60%),「保護者の経済的な問題」43.7%(同33.1%)とされている。 →現在,2011年度の子ども手当で,給食費未納問題を解消しようとする動きはまったくない。厚生労働省の左記の「子ども手当の使い道」と文部科学省の上記の「学校給食費未納者」を照らし合わせて,この際,血税の正しい使い方を真剣に考えてみようという骨っぽくて知恵のある閣僚は,菅内閣にはいないと思う。振り返れば,2010年2月1日,鳩山前首相は,2010年度の子ども手当から学校給食費分を差し引く仕組みの導入を見送ることとし,2010年5月14日,文部科学省は,法的拘束力のない「お願い」を保護者に出す,という通知を出している。給食未納者は,支払い能力があるのに支払わないというケースがほとんどらしいので,法律で対応するしかないと考えるのが一般的である。また,学校給食の経費の負担は,「学校給食法第11条」に規定され,学校給食を提供する上で施設及び設備に要する経費並びに学校給食の運営に要する経費は学校設置者が負担し,それ以外の経費は児童・生徒の保護者が負担するとされている。なお,裁判にかける場合の裁判費用は,税金が投入されることになる。「ごね得」や「アンフェアー」から目を背ける現政権に,「住みやすい社会」が創り出せるかどうか。(筆者) →●2009年12/29(■「子ども手当」は愚策ではないか~ドイツの二の舞を踏むことにならないか~)の記事を参参照 |
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12/8 | 内閣府 | ■「2010年版 子ども・若者白書」(概要 / 本文) ~2009年度までは「青少年白書」であった~
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・内閣府は,2010年12月3日,「2010年版子ども・若者白書」を公表した。同白書は,これまで「青少年白書」として作成されていたが,2010年年4月1日施行の「子ども・若者育成支援推進法」に基づいて,「子ども・若者白書」と改称されたものである。
→福祉専門職として,左記の白書を読んでどう感じましたか?問題点や課題が盛りだくさんに挙げられていますが,解決に向けての国の考えや方向性が読み取れましたか?日本の若者の将来に希望が持てましたか? →本白書を読んで,日本の子どもと若者が,如何に厳しい環境に置かれているのかが理解できた。しかし,多くの日本国民が白書に望んでいるのは,日本の子ども・若者に関する課題を列記・羅列することではなく,その解決策や解決のための方向性を明確に示すことである。そこら辺りを,「子ども・若者白書」を所管する岡崎トミ子少子化担当大臣は,認識しているのだろうか。岡崎トミ子サンは,有能だから,国家公安委員会委員長,特命担当大臣(消費者および食品安全担当,少子化対策,男女共同参画)として入閣されたのだと思うが,第176回臨時国会でトンチンカンな答弁や謝罪をされていたみっともない姿を観て,がっかりした。正直に申し上げるが,筆者は,岡崎トミ子サンに,少なくとも日本の子どもと若者の未来を託したくないと思う。(筆者) (岡崎トミ子サンに触れた記事) →●12/1(■「待機児童ゼロ特命チーム基本構想」と菅首相 ),10/25(■「第1回待機児童ゼロ特命チーム会合」での菅首相のあいさつ),10/13(■「トランス脂肪酸の情報開示に関する指針(案)の概要」)の記事を参照 →■「青少年育成」(内閣府) |
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12/7 | 内閣府 | ■「廃止」のジョブカードを「継続させる」とした菅内閣の見識を疑う | ・2010年12月3日で閉会した第176回臨時国会において,野党の議員から提出されていた「質問主意書」(行政刷新会議の事業仕分け第3弾で「廃止」と判定されたジョブカード制度等)に対して,11月26日に,菅内閣は,「ジョブカード制度を事実上継続させる」とした左記の「答弁書」を提出した。 →筆者は,「若年者雇用」に関して,現在,政府が,最優先でやらなければならないことは,新卒者の採用内定率の向上であると思う。自・公政権時代の2008年から始められ,ろくな成果も出せないために,事業仕分けで廃止と判定されたジョブカード制度を,復活させて「継続する」とした答弁書を,2010年11月26日に閣議決定した。筆者は,この答弁書からも,現閣僚,特に文部科学大臣,経済産業大臣,厚生労働大臣には,現在の「新卒者の超就職氷河期」への「根本的な対応」は,期待できないと思った。 →ジョブカードは,非正規労働者の正社員への転換促進策の一つで,取得者が職業訓練の評価や職歴などを記載して就業に生かす制度である。事業仕分けでは「履歴書との違いが分からない」,とこれまでにも指摘されてきた質問にも,まともに答えられないために,制度の普及促進など一部(労働保険特別会計を財源とする「ジョブ・カード制度普及促進事業」と「キャリア形成促進助成金(ジョブ・カード関連)」)を「廃止すべき」と判定された。答弁書では,「新成長戦略に基づき,より効率的・効果的な枠組みに発展させていく方向で検討していきたい」としているが,新成長戦略との整合性をとるために,税金のムダ遣いは止めないということと受け止めた。それなのに,「労働者派遣法改正」の成立を延び延びにさせている責任を,菅内閣は棚上げにしている。菅政権の「ちゃらんぽらん」も,ここまでくると,何とも言いようがない。(筆者) →●11/17(■「改正青少年雇用機会確保指針」~3年以内既卒者は新卒枠で応募受付を!~),11/15(■「廃止」と判定されたジョブカードを,「改善し存続する」と国会答弁した細川厚生労働大臣),11/11(■「新卒者雇用について」)の記事を参照の記事を参照 |
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12/6 | 法務省 | ■「在留資格「医療」に係る基準省令の改正」 | ・法務省は,2010年11月30日,日本の国家資格を有する外国人歯科医師,保健師,助産師,看護師の就労年数などに係る制限を撤廃するため,在留資格「医療」に係る基準省令を改正し,施行した。 ・改正前の「出入国管理及び難民認定法第7条第1項第2号の基準を定める省令(基準省令)」では,就労活動は研修として行う業務に限定するという活動制限や就労年数の制限(歯科医師:免許取得後6年,保健師・助産師:4年,看護師:7年)等を定めていた。 →2010年3月に策定された「第4次出入国管理基本計画」では,専門的な国家資格を有する歯科医師,看護師等の就労年数に係る上陸許可基準の見直しを検討するとされていた。今回の「出入国管理及び難民認定法第7条第1項第2号の基準を定める省令(基準省令)」の改正は,これを受けたものである。 →「出入国管理令」が公布・施行されたのは1951年であるが,日本国の難民条約・難民議定書への加入に伴い,1982年1月1日,「出入国管理及び難民認定法」(入管法)に改称された。 →「出入国管理基本計画」は,入管法第61条の10に基づき,法務大臣が外国人の入国及び在留の管理に関する施策の基本となるべきものを定めたものである。なお,「第4次出入国管理基本計画(案)」の段階である2010年3月5日に,日経連は「意見書」を提出している。これは,「競争力人材の育成と確保に向けて」(2009年4月14日)の,「わが国経済社会をとりまく環境が激変しているなかで,わが国企業がより付加価値の高い競争力のある財・サービスを創出していくためには・・・専門的・技術的分野をはじめとする幅広い外国人材を積極的に受入れていくべき」,という提言を踏襲したものである。(筆者) (外国人介護士の受入れに関して) →■「福祉専門職の現状」 |
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12/3 | 内閣府 | ■「障害者週間(12/3~12/9)」 |
→障害者週間の初日にあたる2010年12月3日の参議院において,2008年通常国会および2009年通常国会で2度廃案となった「障害者自立支援法改正法案」が可決・成立すると見込まれている。この改正法案は,自・公政権時に作成されたもので,障害者団体からの反対もありながら,本臨時国会において,補正予算審議との兼ね合いで,2010年11月18日の衆議院で民主党・自民党・公明党などの多数で可決されたものである。改正法案が反対されている理由の一つに,「障がい害者制度改革推進会議や総合福祉部会の議論を制約し,その流れが歪められてしまうことへの懸念」が挙げられている。なお,衆議院での採決にあたって,「障害保健福祉の推進に関する件」という「委員会決議」が可決されているが,「2013年の自立支援法の廃止と新法制定をあいまいなものにしてしまった」という指摘がある。 →筆者は,障害者を,「政争の具」にすることは,恥ずべきことだと思う。(筆者) →●11/10(■「障害者の就労支援対策の状況」),11/1(■障害者雇用に関して,勧告を受けた「22の都道県教育委員会」は恥を知れ!),9/17(■「「障害」の表記についての意見募集」),9/2(■「2010年度発達障害者支援施策の概要」),7/9(■「障害者制度改革の推進のための基本的な方向について」),6/24(■障害者団体からの厳しい追求にキチンと答えず,逃げ出すように途中退席した「山井政務官」),6/17(■「2010年版 障害者白書」),5/12(■精神障害者雇用安定奨励金の創設),4/28(■4月27日の「第1回障がい者制度改革推進会議総合福祉部会」の動画),4/21(■現政権の「障害者自立支援法を廃止し,新たな総合的な福祉法制を創設する」が,「子ども手当」や「米軍普天間飛行場移設問題」の大風呂敷と同じでないことを願う),4/14(■「脳脊髄液減少症の研究について」),4/9(■「障害者福祉施策の見直しを進めています(厚生労働省)」),3/8(■「2009年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査の結果」および「2009年度介護従事者処遇状況等調査の結果」),3/1(■「障害者自立支援法における障害者相談支援事業の実施状況」からみた3福祉士国家試験の受験対策),2/12(■2010年4月から「肝臓機能障害」が身体障害者手帳の対象となり,自立支援医療に追加される),2/3(■2010年度の重点項目とされる「障害者保健福祉」を概観する),2/2(■「障害児施設の入所における措置と契約」)の記事を参照 (障がい者制度改革推進本部に関して) →■「障がい者制度改革推進本部および障がい者制度改革推進会議」(内閣府) →■「障害者制度改革推進会議総合福祉部会」(厚生労働省) |
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12/2 | 厚生労働省 | ■「労働保険適用事業場検索ページ」を開設 ~2010年12月1日から運用開始。厚生労働省ホームページへにリンクしています~ |
=厚生労働省のHPで労働保険を受験勉強をする= ・労働保険とは,労働者災害補償保険(労災保険)と雇用保険とを総称した言葉であり,保険給付は両保険制度で個別に行われているが,保険料の徴収等については,両保険は労働保険として,原則的に一体のものとして取り扱われており,各事業場における賃金総額に労災保険率と雇用保険率を合わせた率を乗じて得た額を労働保険料として徴収している。労働保険は,農林水産の事業の一部を除き,労働者を一人でも雇っていれば,その事業主は成立手続を行い,労働保険料を納付しなければならないことになっている。 ①労災保険 / 労働者災害補償保険制度 ②雇用保険 ③労働保険の加入手続き ④労働保険適用徴収制度 →労働保険(雇用保険・労災保険),社会保険(健康保険・年金保険)は,いざという時の労働者の「セーフティネット」である。労働保険料は,労災保険が全額事業主の負担,雇用保険は労使折半となっている。このたび,勤務(予定)先の労働保険加入状況を,インターネットで確認できることになった。その法的根拠のことは知らないが,労働者にとっては喜ばしいことと思う。心配事があるとすれば,労働者から「未加入」の相談を受けた労働基準監督署の職員が,労働者の側に立ち,杓子定規な対応ではなく,適切な職権発動によって,速やかに保険関係を成立させるために積極的に動いていただけるかどうかである。(筆者) →●10/26(■「第2のセーフティネット支援ガイド」)10/22(■「労働問題Q&A」),,6/15(■「2009年度精神障害等にかかる労災補償状況」(過労死 / 精神障害)),6/1(■「自殺未遂による傷病に係る保険給付等について」(2010年5月21日通知)),4/15(■「労災保険給付の概要」)の記事を参照 |
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12/1 | 厚生労働省 | ■「待機児童ゼロ特命チーム基本構想」と菅首相 ~2010年11月29日の「待機児童ゼロチーム最終会合」~ |
・政府の「待機児童ゼロ特命チーム」は,2010年10月21日に第1回の会合を開き,11月29日に第4回(最終会合)で,待機児童解消策を取りまとめた。国と自治体が一体的に取り組む待機児童解消「先取り」プロジェクト(概要 / 本文)は,「潜在的な保育ニーズを先取りして,待機児童解消を図る」とし,基本姿勢としては,①モデル実施,②待機児童が多い都市部もカバー,③共通部分は国と自治体同で,④保育ニーズの変動に柔軟に対応,⑤質が良ければ認可以外にも,の5項目を挙げている。 ・2011年度予算に200億円を計上して,20程度のモデル自治体を先行支援し,新たに3万5,000人分の保育サービス供給を目指すとされている。 →少子化で子どもの数が減っているのに待機児童が増え続けるのはなぜか,待機児童数が全国で3万人や4万人というのは少なすぎないか,待機児童を解消する義務が地方自治体にないのはおかしくないか,子どもの年齢で厚生労働省だったり文部科学省だったりして連続性がなくてもいいのか,きちんとした財源が示されない対策案などくその役にも立たないのではないか,などと国民が感じている素朴な疑問には,今回の「待機児童ゼロ特命チーム」も,これまでと同様に,「まともに」答える気はなかったらしい。 →左記の動画で,冒頭の岡崎トミ子少子化対策担当大臣の演技じみたしゃべり口にはゾッとしたが,その後,子ども手当との関連には触れず,「財政は厳しい」が,「私自身の判断で予算額を決定する場面がある。しっかりと実現のため頑張る」と菅首相は明言された。「必ず実現させる」ではなく,「実現のため頑張る」とおっしゃったところが菅首相らしい。(筆者) →●10/25(■「第1回待機児童ゼロ特命チーム会合」での菅首相のあいさつ),9/7(■「保育所関連状況(2010年4月1日現在)」),8/26(■「子どもの体験活動の実態に関する調査研究(中間報告)」(要約 / 本文)),8/2(■「子ども・若者ビジョン」),6/4(■「子育て費用に関する調査報告書(概要)」),5/27(■「2010年版 子ども・子育て白書」),5/5(■「2010年4月1日現在におけるこどもの数(15歳未満人口)の推計」),4/29(■5月12日は「民生委員・児童委員の日」),4/19(■「人口推計(2009年10月1日現在)」),4/13(■「2009年版 働く女性の実情(女性労働白書)」),3/26(■「2009年10月の保育所入所待機児童数」 / 都道府県・政令指定都市・中核市別),1/31(■「子ども・子育てビジョン~子どもの笑顔があふれる社会のために~」),2009年12/29(■「子ども手当」は愚策ではないか~ドイツの二の舞を踏むことにならないか~)の記事を参参照 →■「子ども・子育て新システム検討会議」 |
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11/30 | - | ■「ILO第1回世界社会保障報告」(日本文 / 英文) ~危機において重要な役割を果たす社会保障が,世界の多くの国で未整備のままである~ |
→イギリス,フランス,ドイツ,ギリシャ,スペインなど欧州各国は,財政再建計画を柱とした社会保障削減の流れの中にある。この時期に,財政健全化を目的とする行き過ぎた社会保障費削減は,景気回復に悪影響を及ぼす恐れがある,とILO(国際労働機関)は警告した。「強い経済,強い財政,強い社会保障」というごった煮のようなキャッチフレーズを国民に提示した菅首相の耳に,この警告が届いていることを願う。(筆者) (ILO報告書) →■「世界社会保障報告2010-2011年:危機の時代とその後における社会保障の適用範囲」 →■「すべての人に社会保障の拡充を:課題と選択肢ガイド」 →●11/26(■「2008年度 国民医療費の概況」),11/19(■「キャメロン政権の大規模歳出削減策」),11/18(■「社会保障改革」の検討),11/16(■「2008年度 社会保障給付費」(国立社会保障・人口問題研究所),10/29(■「第1回政府・与党社会保障改革検討本部会合」での菅首相のあいさつ)の記事を参照 の記事を参照 |
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11/29 | 厚生労働省 | ■「2012年の介護保険制度見直しに関する意見」 ~第37回社会保障審議会介護保険部会資料~ <「研究会報告書」と介護保険法の関係(やまだ塾まとめ)>
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・2010年4月26日に,「2009年老人保健健康増進等事業」による「地域包括ケア研究会報告書」が公表された。 ・2010年11月25日に,厚生労働大臣の諮問機関である「社会保障審議会介護保険部会」は,2012年度からの介護保険制度改正に関して,高所得者の利用料を1割から2割に引き上げることなどを盛り込んだ意見をとりまとめた。これを踏まえて,政府は,関連法案を2011年通常国会に提出することとされている。 →左記の「2012年の介護保険制度見直しに関する意見」において,制度創設以来,「介護保険制度は,着実に進化してきたところである」とされている。まさか,福祉専門職で,本気でその通りだと思っている人がいるとは思わないが,介護保険制度にかかわる直接の研究会と介護保険法との関連の経緯を左記にまとめてみた。 →介護保険法の制定・改正に際して,必ず研究会から報告書が提出され,それが筋書きとなり,審議会(部会)で具体化されてきた。2012年の法改正も同様の流れである。振り返れば,1996年1月に橋本内閣で厚生大臣に入閣したのは,介護保険制度導入に前向きな新党さきがけの菅直人氏であった。政局に翻弄され,継続審議を繰り返し,3回目の国会である1997年12月17日に,やっと「介護保険法」が可決成立したときの厚生大臣は,菅直人氏の後任である小泉純一郎氏であった。厚生省から厚生労働省になっても,政権が交代しても,大臣が誰になっても,介護保険制度は,「介護の社会化」を最初に言い出して,その後に汚職で堕ちていった岡光元事務次官から始まった官僚主導が脈々と受け継がれてきた。筆者は,報告書の言うように,「進化」してきたとは考えていない。その時々の研究会の座長さんやメンバーのお名前を見ても,官僚にとって都合がいい人物が集められて,官僚主導で進められてきたように思う。介護保険制度の生みの親の一人と言われる大森彌氏が持ち出した「社会保険方式」は,10年経過して相当のほころびが出てきたし,堀田力氏は「2015年」の長期展望に基づいて2006年の介護保険制度の改正をリードし,要支援者と要介護者を2つの窓口に分離するという致命的な過ちを犯したが,その路線を踏襲して,田中滋氏は「2025年」の長期展望に基づいて2012年の介護保険制度の改正リードして,実態と遊離しているとも思える「地域包括ケア」を提言した。2010年11月19日および11月25日の社会保障審議会介護保険部会で具体案が公表される段階であるが,すでに国民には浸透させている。介護対策費用抑制を前面に出さずに,バックでマネジメントしてきた官僚のすごさを実感する(「2010年版厚生労働白書」の介護保険制度の記述を参照のこと)。 2015年=団塊の世代が65歳以上となる年 2025年=団塊の世代が75歳以上となる年 →福祉専門職であれば,左記の「地域包括ケア研究会報告書」は読んでおいていただきたい。「自助と互助の強調」「地域包括支援センターの強化」「24時間地域巡回型訪問サービスの導入」など,耳障りのいい言葉が踊っているが,持続可能で利用者主体の介護保険制度になっていくのか,などを自身で考えてみてほしい。官僚が流す情報を基にしたマスメディアの記事や解説を鵜呑みにするのではなく,「ほんまかいな」という批判的な目を持って見てもらいたいと思う。「薬害エイズ」にかかりっきりだった菅厚生大臣が,事のついでにサインしたと言われる介護保険制度は,菅首相によってとどめが刺されるのではないか,と筆者は思っている。また,介護制度の中身の危うさもさることながら,今の流れは,介護に携わる人を大切にする方向にあるとは思えない。(筆者) →●11/8(■「第1回新しい公共推進会議」),10/23(■「介護労働支援ガイド」),10/10(■「特別養護老人ホームの入所申込者及び待機者(優先入所申込者)の状況」),9/27(■現在の「介護人材の確保と処遇の改善策」),9/19(■「2009年度 介護労働実態調査結果」),8/16(■「今後の介護人材養成の在り方に関する検討会中間まとめ」)),4/27(■「介護福祉士の資格取得方法の見直しに関する意見の募集」の結果),3/30(■「福祉・介護人材確保対策関係予算(2009年度補正予算および2010年度予算)」 / 「今後の介護人材養成の在り方に関する検討会委員名簿」),3/9(■「介護職員基礎研修について(第2版)」),3/6(■「介護福祉士の資格取得方法の見直しに関するご意見の募集」)の記事を参照 |
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11/26 | 厚生労働省 | ■「2008年度 国民医療費の概況」 | <国民医療費の推移>
<社会保障給付費の推移>→11/16記事の再掲
→上記の通り,2008年度の社会保障給付費の2つの機能別分類では,「高齢」と「保健医療」で,総額の81.1%を占め,「国民医療費」は重要な要素であり,現在,高齢者医療制度と介護保険制度の見直しも進められている。 →以前,国民への負担増を言う前にすべきこととしての社会保障給付費の無駄の削減に関して,医療費の3割を占めるともいわれる薬剤費における残薬や重複調剤薬などの無駄について,記事にしたことがあった。最近の話題としては,国民皆保険における高額療養費制度が確立している日本において,最近のメディアでの「民間医療保険」のCMの氾濫と「国民医療費」との関連には,なぜか触れられることが少ないということが一部で指摘されている。公的医療保険は「厚生労働省」の管轄であるが,民間医療保険は「金融庁」が管轄していることとも関連があると言われているが。 →11月16日記事の「社会保障給費費」と同様に,「国民医療費」についても,次回3福祉士国家試験受験者は,上記2007年度分に目を通しておくことを勧める。(筆者) →●11/18(■「社会保障改革」の検討),11/16(■「2008年度 社会保障給付費」(国立社会保障・人口問題研究所),10/29(■「第1回政府・与党社会保障改革検討本部会合」での菅首相のあいさつ)の記事を参照 →■「明確な根拠をもつ」(基本となる統計・調査-社会保障給付費・医療費) |
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11/25 | 厚生労働省 | ■「2009年度 高齢者虐待の防止法に基づく対応状況等に関する調査結果」
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・養護者による2009年度の高齢者虐待件数は,1万5,691件(前年度比4.9%増,統計開始の2006年度の1.24倍以来で最多)であった。なお,2006年4月施行の高齢者虐待防止法は,施行後3年をめどに,課題があれば見直しを行うことが規定されている。
→2010年9月16日,認知症患者2人の足の爪を深く切って出血させたなどとして傷害罪に問われた北九州八幡東病院の元看護課長の控訴審判決が,福岡高裁であり,逆転「無罪」が言い渡された。裁判長は「正当な看護行為であり,傷害罪は成立しない。捜査段階の自白は,捜査官による誘導の疑いが残る」として,懲役6月,執行猶予3年(求刑・懲役10月)とした1審・福岡地裁小倉支部判決を破棄した。その後,福岡高検は上告を断念し,無罪が確定した。本事件は,虐待に関して,「マスメディアの報道姿勢」をはじめとして,いろいろと考えさせられる事件であった。当時,「鬼看護師」「爪を剥して虐待」などと一方的に,不公正に書きたてた有能な新聞・雑誌記者に,左記の模擬問題をやらせてみたいものである。 →3福祉士の国家試験において,高齢者虐待に関する問題は頻出である。なお,調査結果については,受験対策として,上記の2008年度を熟読されたい。(筆者) →■「明確な根拠をもつ」(虐待(児童・高齢者)/DV) |
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11/24 | 厚生労働省 | ■「事業場における産業保健活動の拡充に関する検討会報告書」 |
→2010年6月の「新成長戦略」において,2020年までの目標として「メンタルヘルスに関する措置を受けられる職場の割合100%」が掲げられた。これを受けて,「職場におけるメンタルヘルス対策検討会」が設置され,2010年9月7日に報告書が提出された。その後,「事業場における産業保健活動の拡充に関する検討会」が設置され,2010年11月22日に報告書が提出された。 →10月8日に「新型うつ病」について記事にした。新型うつ病は,アメリカでは発生せず,日本,イタリア,韓国などで見られると言われ,人格的に未熟なまま社会人となった若者に起こりがちと指摘されている。 →今回の検討会や報告書の意味を考えてみた。異論を承知の上で筆者の所感を述べる。今回の報告書から,1999年からの薬価の高い抗うつ薬であるSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)の国内販売と歩調を合わせたように,うつ病患者が2000年以降に特異的に増加したことを思い出した。当時,製薬会社を中心とした「うつ病は心の風邪」というキャンペーンが盛んに展開され,「うつ病は,誰もがかかる可能性があり,適切な治療を受ければ必ず治る」とのメッセージであったが,早期発見・早期治療したら,薬漬けのために,反って重症化していくといううわさ話は,10年経ってもなくならない。「職場のメンタルヘルス」に関わる一連の報告書は,「職場」という新たな切り口で,簡易化された診断基準とも相まって,うつ病患者を作り出すことにつながらないかと,と筆者は危惧する。また,「新型うつ病」を薬物精神医学の対象とする考え方は,精神医療産業の意向に沿うものではないかと考える。 →日本のうつ病患者は100万人を超え,4人に1人は治療が2年以上かかり,半数が再発するとされている現状なのに,「うつ病は治る」という類の本が売れているという不思議な国である。(筆者) →●11/5(■「自殺対策に関連する各府省の役割」),10/8(■「産業医及び産業保健活動の現状と課題」),9/8(■「職場におけるメンタルヘルス対策検討会報告書」),6/30(■「向精神薬等の過量服薬を背景とする自殺について」),6/15(■「2009年度精神障害等にかかる労災補償状況」(過労死 / 精神障害)),6/1(■「自殺未遂による傷病に係る保険給付等について」(2010年5月21日通知)),5/31(■「自殺・うつ病等対策プロジェクトチームとりまとめ」)5/12(■精神障害者雇用安定奨励金の創設),2/22(■「いのちを守る自殺対策緊急プラン」)の記事を参照 →■「明確な根拠をもつ」(心の健康) |
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11/22 | 内閣府 | ■「KAN-FULL BLOG」を知ってますか? ~菅内閣からの新たな情報発信~ |
→失礼を承知で,揶揄ではなく,率直な感想を申し上げる。ホームページの管理の困難さを常に感じている筆者は,急ごしらえの安直な作りと思えたインターネットサイト「KAN-FULL BLOG」を,「お気に入り」に入れないことにした。 →小泉内閣,安倍内閣,麻生内閣,鳩山内閣では,国民に仕事ぶりをアピールする重要な手段として,メールマガジンを発行していたが,菅首相になってからはメールマガジンは発行されなくなった。内閣のメールマガジンを重要視していた筆者は,一向にメールマガジンを発行しない菅首相に対して,国民への情報提供を軽視していると思ったと同時に,インターネットに対する戦略性のなさを感じた。まもなく,「You Tube」による中国漁船衝突の映像流出事件や警視庁の内部資料とみられる国際テロの捜査情報がインターネット上に流出した問題などが発生し,インターネットによって政権の屋台骨が揺らぎ始めた。 →その後,ネット戦略の重要性を認識したのか,急激な支持率低下への苦し紛れの対応なのか分からないが,元TBSキャスターでフリージャーナリストである下村健一氏を,2010年10月21日に広報担当として「内閣府審議官」に任命し,11月18日にインターネットサイト「KAN-FULL BLOG」を開設した。 →菅首相は,問題が大きくなると,リベラルな感じがする国民受けのいい有名人を安易に起用するように思われる。年越し派遣村における湯浅誠内閣府参与や自殺対策での清水康之内閣府参与を思い起こした。 →2010年11月8日,イギリス王室は,Facebook上に公式ページを開設したと発表した。何と,エリザベス女王が自ら毎日更新するということである。やっと,菅首相は,インターネットによって発信するメッセージの影響力の大きさに気づかれたのかも知れないが,自ら筆を取ることをせずに他人任せにしていては,真に国民に訴えかけられないことを,まだ気づいておられないように思う。菅首相は,「石にかじりついて頑張る」と言っておられたが,滑舌が悪くて,「石にしがみついても居座る」と聞こえている可能性があるかも知れないので,インターネットを利用して,国民にきちんと説明された方がいいように思う。でも,ちと遅いかも。(筆者) |
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11/19 | - | ■「キャメロン政権の大規模歳出削減策」 ~(独法)労働政策研究・研修機構にリンクしています~ |
・イギリスは,戦後には「福祉国家モデル」を示し,サッチャー政権時には「市場主義による小さな政府」を提起し,ブレア政権時では「第三の道」により結局官僚組織を肥大化させた。2010年5月に発足したキャメロン政権は,「大きな社会,小さな政府」をめざしている。「大きな社会」とは,「大きな政府」による公共サービスの実施権限を,地方自治体や地域コミュニティなどに委譲するもの,と一般に受け止められている。 ・1997年から政権を担ってきた労働党が総選挙で敗れ,2010年5月に「水と油」と言われていた保守党と自民党による連立政権が誕生し,保守党のキャメロンが首相に,自民党のクレッグが副首相に就いた。 ・キャメロン政権は,財政再建を標榜し,2010年6月の緊縮予算案となる中期財政再建計画の具体策として,10月20日に「歳出レビュー2010」を公表した。2011~2014年の4年間で約10兆円の歳出削減をめざすものである。福祉支出の削減,年金支給開始年齢を2020年までに65歳から66歳に引き上げ,49万人の公務員の人員削減も含まれ,各省庁の歳出限度額は,医療,教育,国防,対外援助などを除いて,25%前後削減されるとされている。 →2010年5月の連立合意で,任期中の議会解散を封じて,5年間で経済を安定させ,2015年5月の次期選挙での再選を目論んでいることには,国民の反発も想定しての「ギャンブル」との評価もある。壮大な「社会実験」との見方もある。しかし,現時点での世論調査において,厳しい削減策を支持する傾向にあることは重要である。 →一方,支持率の低下に歯止めがかからない日本の連立政権において,筆者は,昨日,ねじれを起こしている参議院での予算委員会のNHKテレビ中継における閣僚の答弁の様子をつぶさに観たので,率直な感想を述べる。全閣僚に言えることであるが,特に仙石官房長官,馬渕国土交通大臣,柳田法務大臣,岡崎国家公安委員長,髙木文部科学大臣,北沢防衛大臣らの答弁は,観る(聞く)に耐えないもので,これでは日本の現連立政権は長くは持たないだろうと感じたし,長く持つことが国民のためになるとも思わなかった。同時に,ヒステリックに同じ質問を繰り返し,品位のかけらも感じさせない薄っぺらな多くの野党議員にも嫌悪感を持った。(筆者) →●8/13(■イギリス政府は,2011年4月から「定年制を原則廃止」する方針を示した),6/8(■イギリスのキャメロン新政権における連立政策協定),5/11(■イギリスは,総選挙後,すぐに新首相が決まらない事態に陥っている)の記事を参照 |
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11/18 | 内閣府 | ■「社会保障改革」の検討(「政府・与党社会保障改革検討本部」および「社会保障改革に関する有識者検討会」)
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→上記検討の場の設置は,菅首相が,10月1日の第176回臨時国会の所信表明演説において,社会保障制度と税制の改革に関連して,「必要な財源をどう確保するか,消費税を含め,税制全体の議論を進めたい。政府・与党で改革の全体像を検討する場を設け,野党とも意見交換したい」と述べたことを受けたものである。2010年中に「社会保障改革に関する有識者検討会」で報告書をまとめて,「政府・与党社会保障改革検討本部」に提出するとのことである。その後,野党に協議を呼び掛けると見られている。 →2011年度一般会計歳出の社会保障関係費は27.3兆円(全体の29.5%)で,今後毎年1.3兆円増加していくと言われている。穴(業界の既得権益)の開いたバケツに水(税金)を注ぎ続けて(増税),社会保障関係費を「聖域化」していては,いずれ日本経済が成り立たなくなるのは自明である。先日,総合病院での薬局で,スーパー用のビニール袋がいっぱいになるほどの薬を,元気そうに見える多くの高齢者たちに渡している光景を見ながら,計り知れない無駄が隠されているのではないかと思った。社会保障の財源を考える場合,まず無駄遣いの徹底的な排除が先決である。財政膨張策を推し進める官僚に丸投げしているように見える現菅政権において,国民のための社会保障改革は期待できるのだろうか。 →日本の社会保障は,法学,政治学,行政学,経済学(社会政策学,公共経済学,財政学などを含む),社会学など多様な学問によって,学際的に研究されていると言われる。国の検討会などでは,左記のように「経済学」の有識者が中心になりがちである。「社会福祉学」から,「有識者」が出てこないのはどうしてだと思いますか?(筆者) →●11/16(■「2008年度 社会保障給付費」(概要 / 本文)),10/29(■「第1回政府・与党社会保障改革検討本部会合」での菅首相のあいさつ)の記事を参照 →■「社会保障の現状と課題」(厚生労働省提出資料) |
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11/17 | 厚生労働省 | ■「改正青少年雇用機会確保指針」 ~3年以内既卒者は新卒枠で応募受付を!~ |
・厚生労働省は,11月15日に,雇用対策法に基づく「青少年雇用機会確保指針」を改正した。指針は,「勤務条件の明示」「通年採用の積極導入」など,事業主が若年者を採用する際の努力義務を示したものであり,改正前の指針でも,既卒者を新卒採用枠に含めることなどを求めていたが,実効性を持たせるため,今回の改正で,新たに「卒業後少なくとも3年間は応募できる」との項目を追加したものである。 ・今後は,全国の都道府県労働局およびハローワークが指針改正の周知をするが,厚生労働省は,11月15日に主要経済団体・業界団体に対して,厚生労働大臣から要請書を送付し,事業主の求人提出への協力を要請している。 ・なお,雇用対策法第7条において,事業主の努力義務として,「青少年の雇用機会の確保」が定められており,事業主が具体的に取り組むべき事項を定めたものが「青少年雇用機会確保指針」である。
→厚生労働省は,2010年9月10日に閣議決定された「新成長戦略実現に向けた3段構えの経済対策」に基づいて,新卒者に対するきめ細かな就職支援を集中的に実施し,将来ある新卒者の就職の実現に全力で取り組むこととし,9月24日には,2011年春卒業予定の大学生と卒業後3年以内既卒者を対象とした「新卒応援ハローワーク」を全国の都道府県労働局に設置した。同時に,「新卒者就職実現プロジェクト」として,「3年以内既卒者(新卒扱い)採用拡大奨励金」「3年以内既卒者トライアル雇用奨励金」の取扱いを開始した。これを受けたのが,今回の青少年雇用機会確保指針改正である。 →文部科学省と厚生労働省は,2011年春卒業予定の大学生の就職内定率は,10月1日現在で57.6%で,調査を始めた1996年以降で過去最低である(短大生も22.5%で過去最低)と11月16日に正式発表した。また,高卒の内定者率は,2010年9月末現在40,6%と発表されている。 →このような状況になることは,当然に予想されていたことであるため,歯がゆい思いがする。何度も言うが,新卒者の採用支援策に関して,国民が納得できる「まとまった考え」が一向に示されないし,することが「遅い」し,やることに「知恵」がない。政府は,緊急事態という認識で,11月22日から文部科学大臣やら厚生労働大臣やらというメンバーが集まって,何やら相談を始めるらしい。 異論があることを承知で申し上げるが,筆者は,希望を持った新卒者に「ハローワーク」への出入りを強いている状態を,国民の多くが望んでいるとは到底思えない。また。新卒者やその家族を絶望させるような社会に,輝かしい未来が到来すると思えない。 →一方,就職活動の早期化と長期化による教育への支障への対応として,経団連は,2013年春入社の新卒者の採用活動について,採用活動時期を遅らせるなどの検討を始めたと報道されている。(筆者) →●11/15(■「廃止」と判定されたジョブカードを,「改善し存続する」と国会答弁した細川厚生労働大臣),11/11(■「新卒者雇用について」)の記事を参照 |
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11/16 | 国立社会保障 ・ 人口問題研究所 |
■「2008年度 社会保障給付費」(概要 / 本文) →厚生労働省分:「2008年度社会保障給付費
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<社会保障給付費の推移>
→3福祉士国家試験受験者へのアドバイスである。筆者は,これまでの経験から,左記の模擬問題を,現時点での合否予想の一つの指標としている。次回受験者で,左記の模擬問題がまったくできなかった人は,現状程度の受験勉強では,合格は難しいと思った方がいい。今から受験勉強のやり方を修正すれば,まだ間に合う。焦燥感ではなく,危機感をもって取り組んでいただきたいと思う。 →なお,公表時期から,上記の2007年度分を熟読することを勧める。(筆者) →●10/29(■「第1回政府・与党社会保障改革検討本部会合」での菅首相のあいさつ)の記事を参照 |
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11/15 | 厚生労働省 | ■「廃止」と判定されたジョブカードを,「改善し存続する」と国会答弁した細川厚生労働大臣 | →自・公政権時の2007年2月の「成長力底上げ戦略」で提言されたジョブカード制度は,2008年4月から実施されている。 →2010年6月の「新成長戦略」において,ジョブカード取得者を2020年度に300万人にする目標を盛り込んでいたが(2010年6月時点での登録者は約25万人),事業仕分け第3弾前半戦の10月27日に,「履歴書との違いが分からない」とこれまでにも指摘されてきた質問にも,まともに答えられないという体たらくのために,制度の普及促進など一部(労働保険特別会計を財源とする「ジョブ・カード制度普及促進事業」と「キャリア形成促進助成金(ジョブ・カード関連)」)を「廃止すべき」と判定された。 →にもかかわらず,11月12日の厚生労働委員会で,細川厚生労働大臣は,「啓発,宣伝事業などの効率性の問題を指摘されたと受け止めている。非正規社員の正社員化に意義ある制度だ」とし,ジョブカード制度自体は存続させて,運用面の改善にとどめる旨の答弁したと報道されていた。一歩譲って,新成長戦略の実現性と整合性への疑念を棚上げにするとしても,労働者派遣法改正の成立を延び延びにさせている責任は考慮せざるを得ず,「ちゃらんぽらんを言うにも程がある」と言いたい。「人権派の弁護士」の言いくるめの上手さには感服するが,筆者は,血税のムダ遣いの是正要請に積極的に応えない人物の大臣としての適格性を疑う。最近,筆者は,菅政権の全閣僚について,その職位の適格性に言及される事案が随所で顕在化していることから,現政権維持の不確実さが気にかかる。(筆者) |
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11/13 | 国土交通省 | ■「うみまる」と「うーみん」を知ってる? ~海上保安庁のマスコットである~ |
→筆者は,映画「海猿」を観て,感動していたのに,「海上保安庁」のことは何も知らなかったし,これまで知ろうともしなかった。 →中国漁船衝突の映像流出事件で,11月10日9:30に海上保安官の告白があった旨の連絡を長官が受けていたのに,首相官邸への報告を正午過ぎまで遅らせた者が誰であったかに関して,11月11日の参議院国土交通委員会での答弁において,11月10日9:40頃に長官から第一報の報告を受けていた馬渕国土交通大臣本人の判断で首相官邸への報告を遅らせたということが判明した。国会で厳しく追求されて仕方なく答弁させられるまで,報告を遅らせた責任を,部下の長官に押し付けて,そ知らぬ顔をしていたということである。どの組織にもこういう恥知らずな上司がいるし,事実が明確になった後も,そういう手合いは,おそらく見苦しく言い逃れをするか,厚顔無恥にも居座るかのどちらかの対応をするのが世の習いである。筆者は,馬渕国土交通大臣の外交的なセンスや組織のガバナンスの能力などにはまったく興味はなく,流出させた職員は組織の規律に従がって適切に処分されるべきだと思うが,自分の責任を部下に押し付ける当該大臣の人間性に嫌悪感を持ち,許しがたいと思ったので記事にしたまでである。(筆者) |
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11/12 | 厚生労働省 | ■「高年齢者雇用の現状と課題」 ~第1回今後の高年齢者雇用に関する研究会資料~
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・厚生労働省は,2010年11月5日に,「高年齢者雇用の現状と課題」をテーマとして「第1回今後の高年齢者雇用に関する研究会」を開催した。 ・検討事項は,①希望者全員の65歳までの雇用確保策(定年制,継続雇用制度,高齢者雇用確保措置のための実効性確保のための方策),②年齢に関わりなく働ける環境の整備(年齢差別の禁止,高年齢者の雇用促進策,多様な就業機会の確保策,70歳まで働ける環境の整備策)であり,2011年春を目途に検討することとされている。 →「2010年版厚生労働白書」に,「2010年度高年齢者雇用就業対策の体系」が掲載されている。 →2013年4月から年金支給開始年齢が65歳になるのに伴い,高年齢者を65歳まで雇用するための「高年齢者雇用確保措置」が2004年の「改正高齢者雇用安定法」によって義務づけられた。2010年10月29日に公表された「高年齢者の雇用状況(2010年6月1日現在)」によれば,「高年齢者雇用確保措置実施済み」の企業の割合は96.6%(前年比1.0%増)となっている。 →3福祉士国家試験受験者には,左記資料の通読を勧めたい。(筆者) →●5/20(■「2010年版 高齢社会白書」(概要 / 本文))の記事を参照 (参考) →■「高年齢者雇用対策(2010年4月1日現在)」(厚生労働省) →■「事業主の方へ(高齢者雇用について)」(高齢・障害者雇用支援機構) |
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11/11 | 国家戦略室 | ■「新卒者雇用について」(2010年11月8日) ~第4回新成長戦略実現会議資料~ |
・「新成長戦略実現会議(2010年9月7日の閣議決定)」は,「新成長戦略(2010年6月18日閣議決定)」の推進策を協議するするために設置された。 ・2010年11月8日に「第4回新成長戦略実現会議」が開催され,新卒者雇用に関する緊急対策として「3段構えの経済対策」の進捗状況を検討したほか,新規大学卒業者の就職状況の推移と見込みに関する資料が提出された。
→菅新政権における2010年度の厚生労働省の新卒者支援策は,ハローワークを拠点にして,恒久的な財源確保はされず,2010年度予算の「経済危機対応・地域活性化予備費」を活用して実施されることになった。細川厚生労働大臣,小宮山副大臣,小林政務官の雇用問題を担当する政務三役が,新卒者に対して,実態を無視して,本気で,ハローワークを拠点にして求職活動をさせようとしておられることを知り,筆者は「すごい!」と思った。 →ところで,日本人新卒者の就職難が深刻化している一方で,アジアや新興国での事業強化図るために,外国人採用を増やす企業が増えてきていることなどの近年の雇用情勢の変化については,どのように考えておられるのであろうか。 →さらに追い討ちをかければ,菅首相の「1に雇用2に雇用3に雇用」のキャッチフレーズは頼もしいが,民主党の目玉政策であるはずの労働者派遣法改正成立の断念に次ぐ断念を聞かされると,「なんなん?」と言いたくなる。(筆者) (新卒者雇用に関して) →●8/9(■「2010年度 学校基本調査(速報)」),3/15(■2009年度新卒就職内定状況(大学等 / 高卒等))の記事を参照 →■「新卒者雇用・特命チーム」(内閣府) →■「新卒者・既卒者の皆様へ」 / ■「若年者雇用対策関係 報道発表資料一覧」(厚生労働省) →■「今後の産業動向と雇用のあり方に関する調査結果」(2010年6月14日) →■「企業における若年層の募集・採用等に関する実態調査」(2008年4月25日) →■「大都市の若者の就業行動と移行過程」(2006年11月28日) (新成長戦略に関して) →●9/13(■「第1回新成長戦略実現会議(2010年9月9日)」),6/23(■「厚生労働分野における新成長戦略について」),6/21(■「新成長戦略(~「元気な日本」復活のシナリオ~)」)の記事を参照 |
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11/10 | 厚生労働省 | ■「障害者の就労支援対策の状況」 |
→3福祉士国家試験受験者は,上記資料を熟読されたい。(筆者) →●11/1(■障害者雇用に関して,勧告を受けた「22の都道県教育委員会」は恥を知れ!),7/9(■「障害者制度改革の推進のための基本的な方向について」)6/17(■「2010年版 障害者白書」),5/12(■精神障害者雇用安定奨励金の創設),4/9(■「障害者福祉施策の見直しを進めています(厚生労働省)」)の記事を参照 |
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11/9 | 内閣府 | ■「女性に対する暴力,ひとりで悩まず相談を。」 ~政府広報オンラインにリンクしています~ |
<女性に対する暴力の相談窓口> (1)総合的な相談窓口
→2010年6月に公表されたアメリカ国務省の「Trafficking in Persons Report 2010」において,「日本政府は,人身売買撲滅のための最低基準を十分に満たしていない」「2009年12月,政府は人身取引対策行動計画を発表した。しかしながら,政府による人身売買事案の捜査と起訴,および人身売買被害者の認知と保護への取り組みは,依然として不十分であった」(アメリカ駐日大使館仮訳)と記述されている。日本政府の人身売買に関する政府広報では「日本は,人身取引の被害者の受け入れ国の一つとして,国際社会からも厳しい評価を受けています」としながら,外務省の「日本の人身取引対策(人身取引のない世界へ向けて)」(パンフレット)では「日本政府が一丸となって人身取引問題に積極的に取り組んでいる」と宣伝している。マスメディアも正確に報道していないため,日本国民は,正確な判断ができない状況に置かれている。 →筆者は,女性の人身売買で国際的に厳しい非難を受けている政府が,自国内では平然と「女性に対する暴力をなくす運動(11月12日~11月25日)」を展開することに,違和感を持つ。(筆者) →■「厚生労働省における人身取引被害者への対応」 →■「人身取引」(外務省) |
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11/8 | 内閣府 | ■「第1回新しい公共推進会議」 | ・「新しい公共」は,鳩山前総理大臣が2009年10月の所信表明演説で掲げた理念であり,2010年1月29日の施政方針演説において国家戦略の柱とされ,「新しい公共」円卓会議が設置された。菅政権においても,引き続いて「新しい公共」の推進に取り組むこととされている。 ・政府は,2010年10月27日に,街づくりや教育分野などへの市民参加を促すことを目的とする,「第1回「新しい公共」推進会議」を開催した。
→筆者は,多様な民間の担い手をよく集めたなあ,陳情合戦の場になるのだろうなあ,という感想を持った。このメンバーで,議論が整理され,かみ合っていけるのだろうかとも思うが,「新しい公共」円卓会議の座長である金子郁容慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授の参加によって,日本のめざすべき社会の姿が明確に示されることを期待している。(筆者) →■「新しい公共」(内閣府) |
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11/5 | 厚生労働省 | ■「自殺対策に関連する各府省の役割」 ~第46回労働政策審議会安全衛生分科会資料より~ |
<自殺対策に関連する各府省の主な役割>
→日本の自殺対策に関して,行政・医療機関・民間団体との連携が希薄であること,行政による実態調査や分析が不十分であること,が従来から問題点として指摘されている。また,改めて上記の通り10省庁にまたがっていることを一覧で見ると,行政間で十分な連携を取ることの困難さは容易に想定できる。 →岡崎トミ子内閣府特命担当大臣は,9月18日の国会答弁で,「9月7日に設置した自殺対策タスクフォースでは,内閣府経済社会総合研究所に分析チームを置き,既に分析が始まっている。今後は,この成果を自殺対策の施策のきめ細かで,効果的な立案に活かしていきたい」と答弁したとされるが,筆者は,この程度の認識ではこれまでの大臣と大差なく,まったく期待できないと思った。また,自殺対策は,自治体がこれまで以上に力を発揮すべきだという意見を持つ元鳥取県知事の片山総務大臣の方が適任ではないかと思った。 →3福祉士国家試験受験者には,この際,2010年6月に公表された「2010年版自殺対策白書」(概要 / 本文)にも目を通しておくことを勧める。(筆者) →●10/8(■「産業医及び産業保健活動の現状と課題」),9/8(■「職場におけるメンタルヘルス対策検討会報告書」),6/30(■「向精神薬等の過量服薬を背景とする自殺について」),6/15(■「2009年度精神障害等にかかる労災補償状況」(過労死 / 精神障害)),6/1(■「自殺未遂による傷病に係る保険給付等について」(2010年5月21日通知)),5/31(■「自殺・うつ病等対策プロジェクトチームとりまとめ」)5/12(■精神障害者雇用安定奨励金の創設),2/22(■「いのちを守る自殺対策緊急プラン」)の記事を参照 →■「明確な根拠をもつ」(心の健康-「自殺」) |
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11/4 | 厚生労働省 | ■「医療提供体制の最新まとめ」 ~第12回社会保障審議会医療部会資料より~
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→2010年10月15日に,「医療提供体制のあり方について」をテーマにして,「第12回社会保障審議会医療部会」が10か月ぶりに開催された。医療提供体制の最新情報がまとめられた有用な資料である。 →左記の「新成長戦略・基本方針」との関連にも触れられているので,3福祉士国家試験受験対策としても役立つと思われる。(筆者) →●10/4(■「病院等における必要医師数実態調査の概況」)の記事を参照 |
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11/2 | 厚生労働省 | ■11月は「児童虐待防止推進月間」 ~標語:「見すごすな 幼い子どもの SOS」~ |
→児童虐待防止のためには,市民からの通報が重要である。 →近時,マスメディアで児童虐待のニュースを聞かない日が珍しいという状況であるが,「児童相談所全国共通共通ダイアル」を知っている人の方が少ないのはどうしてだろう。厚生労働省は,共通ダイアルの名刺大のカードを作って配ったり,児童委員の自己紹介用の名刺型リーフレットに共通ダイヤルを入れたりすることなどをメインの対応にするということである。しかし,筆者は,そのような技術的なことよりも,「児童相談所」を市民に身近な公的機関として感じてもらえるようにする施策が優先されるべきであると思う。児童虐待防止のために,2010年度補正予算の「安心子ども基金」の中で,これまで10億円だった予算を100億円に増やしているということであるが,広報啓発に関して,これまでの延長線上にある施策では効果は期待できないと思われる。 →正式名称である「公共職業安定所」(略称:「職安」「安定所」)の呼称を一般公募し,1990年から「ハローワーク」の呼称が採用されたことにより,現在では以前よりも暗いイメージが払拭され,身近で親しみやすい公的機関として定着している。これを参考にして,いかめしくとっつきにくい「児童相談所」の呼称・愛称を,一般公募するという案は役立たないだろうか。ネーミングの重要性を認識すべきである。(筆者) →●10/30(■「民生委員・児童委員」および「個人情報提供状況」),10/7(■「虐待通告を受けた児童の安全確認について」),8/27(■児童虐待が科学的アプローチで研究されていることを知っていますか?),7/29(■「2009年度児童虐待相談対応件数等及び児童虐待等要保護事例の検証結果(第6次報告)」),7/7(■7月は「青少年の非行・被害防止全国強調月間」),5/27(■「2010年版 子ども・子育て白書」),5/5(■「2010年4月1日現在におけるこどもの数(15歳未満人口)の推計」),4/29(■5月12日は「民生委員・児童委員の日」),3/25(■「学校及び保育所から市町村又は児童相談所への定期的な情報提の供に関する指針」),3/17(■「2010年に行う厚生労働省の「児童虐待防止対策」について」),2/2(■「障害児施設の入所における措置と契約」),1/31(■「子ども・子育てビジョン~子どもの笑顔があふれる社会のために~」),1/23(■「児童虐待防止のための親権制度研究会報告書」),2009年11/3(■「児童相談所全国共通ダイヤル」~11月は「児童虐待防止推進月間」~),10/17(■「最新 子ども虐待対応の手引き」(2009年3月)),7/15(■2008年度の児童相談所における児童虐待相談件数および出頭要求等)の記事を参の記事を参照 |
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11/1 | 厚生労働省 | ■障害者雇用に関して,勧告を受けた「22の都道県教育委員会」は恥を知れ! <障害者白書における公的機関法定雇用率の未達成に関する記述(抜粋)>
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<本是正勧告が出されるまでのいきさつ> ・以下の22都道県の教育委員会は,教育委員会に義務付けられている雇用率2.0%を達成できていなかったため,2009年1月に3年間にわたる障害者採用計画を作成させられた。しかし,中間年に当たる2010年6月1日現在,いずれもこの採用計画を適正に実施していないため,2010年10月29日付けで,障害者雇用促進法第39条第2項の規定に基づき,採用計画を適正に実施し障害者の採用を進めるよう,厚生労働大臣名で勧告したというものである。 <恥を知るべき22の教育委員会> ・北海道・千葉県・島根県・青森県・東京都・広島県・岩手県・福井県・山口県・宮城県・山梨県・徳島県・秋田県・静岡県・福岡県・福島県・愛知県・鹿児島県・栃木県・三重県・埼玉県・滋賀県
→「勧告」とは,法的拘束力をもたない非権力的行政作用で,事実行為と解されている。本件に関して,本カテゴリーでは,これまでに何度も「恥を知れ!」とりっぱな教育者やお上に対して失礼な言い方をしてきたが,ここまでくるとさらに「甘えるのもいい加減にしてもらいたい」と言いたくなる。(筆者) (障害者雇用に関して) →■「2010年6月1日現在の障害者雇用状況の集計結果」 →■「障害者雇用対策の体系」(2010年版厚生労働白書より) →●7/9(■「障害者制度改革の推進のための基本的な方向について」)6/17(■「2010年版 障害者白書」),5/12(■精神障害者雇用安定奨励金の創設),4/9(■「障害者福祉施策の見直しを進めています(厚生労働省)」)の記事を参照 (障がい者制度改革推進本部に関して) →■「障がい者制度改革推進本部および障がい者制度改革推進会議」(内閣府) →■「障害者制度改革推進会議総合福祉部会」(厚生労働省) |
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10/30 | 厚生労働省 | ■「民生委員・児童委員」および「個人情報提供状況」
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→2010年7月29日の足立区の事例を契機に,所在不明の高齢者が社会問題化したことによって,「民生委員頼り」で進めてきたこれまでの地域福祉行政のずさんさが浮き彫りにされた。また,活動環境の悪化やなり手不足の問題などを抱えた無給のボランティアである民生委員に,過度の期待や重責を負わせ続けるのは「誤りだ」ということを,行政は知りながら放置してきた。さらに,孤独死対策に関しても,厚生労働省や警察庁は,孤独死の統計すら取っていないという状況だと言われている。2008年3月に厚生労働省が公表した「これからの地域福祉のあり方に関する研究会(報告書)」とは,一体何だったのだろうか。そういえば,この研究会の座長は,当時日本社会事業大学学長の大橋謙策氏であったことを思い出した。ついでに言いたくなったが,2009年の臨時国会で指摘された,「福祉界の東大」といわれるらしい日本社会事業大学が厚生労働省の天下り先になっているという件で,当時の長妻厚生労働大臣が両者で取り交わされていた覚書を廃棄する方針を示していたが,その後どのようになったのだろう。面倒くさいことを言うつもりはないが,福祉の分野では「大学の自治」とか「私学の自由」ということはどうでもいいのだろうか。「消えた高齢者問題」と同時に,「消えた地域福祉の有識者問題」も重要であると,筆者はまじめに考えている。 →あれほど大騒ぎしていた「所在不明高齢者問題」も,最近では,「地域崩壊」「無縁社会」「消えた高齢者」という言葉だけを残して,マスメディアの取り上げがめっきり少なくなったが,本日10月30日午後8時からNHK総合で『「日本の,これから」高齢者の孤立(無縁化)』が放送されるということなので観てみようと思う。(筆者) (民生委員・児童委員に関して) →●4/29(■5月12日は「民生委員・児童委員の日」)の記事を参照 →■名刺型リーフレット(「私はこの地域の民生委員・児童委員・主任児童委員です」① ②) →■「民生委員・児童委員に関するQ&A」(厚生労働省) →■「全国民生委員児童委員連合会」 (所在不明高齢者に関して) →●9/21(■「統計からみた我が国の高齢者のすがた」),8/24(■「身元不明者」をインターネットで探すことができることを知ってますか?(東京都の例)),8/11(■「所在不明の高齢者問題における政府の対応(8月6日)」)の記事を参照 →■「白書(福祉関連)」(2010年版高齢社会白書) |
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10/29 | 首相官邸 | ■「第1回政府・与党社会保障改革検討本部会合」での菅首相のあいさつ | ・2010年10月28日,菅総理は,医療・年金・介護などの社会保障制度の将来的な見直しや,その財源となる税制のあり方などについて検討するために,「政府・与党社会保障改革検討本部」を設置し,第1回会合を開催した。 ・この検討本部の設置は,菅首相が,10月1日の第176回臨時国会の所信表明演説において,社会保障制度と税制の改革に関連して,「必要な財源をどう確保するか,消費税を含め,税制全体の議論を進めたい。政府・与党で改革の全体像を検討する場を設け,野党とも意見交換したい」と述べたことを受けたものである。 ・2010年中に大枠の論点を取りまとめ,野党に協議を呼び掛ける方針とされている。 <事務局の構成> ・事務局長:峰崎内閣官房参与(前財務副大臣) ・事務局ナンバー2:中村秀一氏(厚生労働省元社会・援護局長) ・担当事務局:社会保障に関する分野は「厚生労働省」,納税者の番号制度に関する分野は「財務省」 →自・公政権時において,福田元首相は,2008年1月29日に開催した「社会保障国民会議」への参加を熱心に呼びかけたが,当時の野党であった民主党は冷たくあしらって無視したことを思い起こす。今回,果たして,野党となった自民党が気持ちよく協議の要請に乗ってきてくれるかどうか。「歴史は繰り返す」,とつくづく思う。(筆者) →■「社会保障の現状と課題」(厚生労働省提出資料) |
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10/28 | 厚生労働省 | ■「末期がん等の方への福祉用具貸与の取扱等について」(2010年10月25日通知) |
→「がん末期」の病状は,要介護度に関係なく,急変しやすいことぐらい,医療の素人でも知っている。今回の通知で,厚生労働省老人保健課は,「在宅での療養を希望する人に,サービス面でも適切に利用できるよう考慮した」と見上げたコメントをしたと報道されているが,うろ覚えで間違いがあったら訂正するけれど,以前の何かの調査の折に,「がん患者のみ要介護度を上げるのは公平性に欠ける」と見下げたコメントをしていたことを思い出した。歴史を振り返れば,2000年4月に介護保険がスタートし,2006年4月に「末期がん」を特定疾病に加え,2010年4月に「末期がん」の要介護認定を迅速に認定するようにし,2010年10月に「末期がん」には要介護度に関係なく福祉用具を貸与することにした。命にかかわることは,ちゃっちゃとやりやがれ,といった国民の正しい声を今回報道したマスメディアはなかったように思う。(筆者) →■「末期がん等の方への要介護認定等における留意事項について」(2010年4月30日通知) |
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10/27 | 厚生労働省 | ■「NPO法人における雇用・ボランティアの現状」 |
(関連する政府の取組み) →■「新しい公共」円卓会議 →■社内的責任に関する円卓会議 →■「内閣府NPOホームページ」 |
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10/26 | 厚生労働省 | ■「第2のセーフティネット支援ガイド」 |
→「第2のセーフティネット」の言い出しっぺは,連合である。2007年の政策・制度要求の中で,雇用政策制度と生活保護制度をつなぐ新たな社会的セーフティネットの構築(「就労・生活支援給付」)を提言した。その後の政策動向は,基本的に連合の考えに沿っている。2009年の衆議院総選挙における民主党マニフェストでは,「雇用保険と生活保護の間に第2のセーフティネットを創設する」として盛り込まれた。2011年度に恒久的制度としての求職者支援制度を創設することとしている。 →例えば,「さあ,「第2のセーフティーネット」を使いたおそう!」というキャッチフレーズを公然と使う団体や,「多重債務者等に,連帯保証人がなくても借りれるようになった総合支援資金を利用させる」という弁護士や司法書士の存在を聞くと,暗澹たる気持ちになる。筆者は,恒久的な制度にするには,継続性,持続可能性の十分な検討が必要であると思う。(筆者) |
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10/25 | 内閣府 | ■「第1回待機児童ゼロ特命チーム会合」での菅首相のあいさつ | ・政府は,幼保一元化などを柱とした「子ども・子育て新システム」を,2013年度から本格実施することを目指していた。しかし,認可保育所への待機児童の増加が今後も見込まれることから,可能な政策(企業が経営する認可外保育所への公費支給,小規模保育所に対する支援強化など)については前倒しし,2010年11月中旬に基本構想を取りまとめ,2011年度予算案に反映させる方針,とのことが報道されている。 →左記の「第1回待機児童ゼロ特命チーム会合(2010年10月21日)」での緊張感の感じない菅首相のあいさつをどう思いますか?さらに,事務局長として,郵便不正事件で無罪判決を受けて復職した村木厚子内閣府政策統括官を起用するというパフォーマンスをどう思いますか? →例のたちの悪い大阪地検特捜部との出来事については大いに同情できるが,無罪になったからと言って,氏を「正義の味方」扱いで報道していいものだろうか。筆者は,氏を,廃止が決定している「障害者自立支援法」を強引に成立させた人物としてしか認識していない。また,氏が障害者団体向け割引郵便制度悪用事件で無罪だったとしても,当時の直属の部下が不正をしていた事実は厳然としてあり,管理監督者としての責任を追求されず,被害者の立場だけが尊重され,復職後には行政の要職に抜擢され,出世していくというのは,どこかおかしい,とは報道されない。菅首相は,左記の会合でのあいさつで,「村木さん,おかえりなさい」とお気楽な発言をしている。結局,一連の事件で不正発送されたダイレクトメール(DM)の総数は約3,180万通で,支払われなかった郵便料金の総額37億5千万円の監督責任は不問に付され,税金で賄われたことになり,割を食ったのは国民だけだったということになる。 →特命チームのトップは岡崎トミ子少子化対策担当大臣,事務局長は村木厚子内閣府政策統括官,メンバーに小宮山洋子厚生労働副大臣,という「泣く子も黙る」方たちの名前を聞いて,必ず泣く子も待機児童も「ゼロ」になると確信した。(筆者) →■「第1回待機児童ゼロ特命チーム会合」 |
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10/23 | 厚生労働省 | ■「介護労働支援ガイド」
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→筆者は,このようなパッチワークのような施策からは,介護労働の未来に希望を見出せない。行政の喫緊の課題は,現任の質の高い介護に携わる者をこれ以上介護分野から失わさせないことである。さらに言えば,情熱と使命感を持ち続けて,激務に耐え,社会の基盤を支えている人たちを大切にする施策である。仕事にあぶれた者ややる気のない者を,無理やり介護の仕事に引っ張ってきて,頭数にしようとするような施策では,断じてない。 →「介護労働」に関する民主党マニフェストの経過をたどれば,2009年衆議院選挙では「介護労働者の賃金を月額4万円引き上げる」であったが,2010年参議院選挙では「ヘルパー給与の引き上げに引き続き取り組み,人材を確保する」と見事にヘボくなっていた。振り返れば,介護報酬3%アップでは待遇改善の実効性がほとんどなかったことや,政権交代後に実施された介護職員処遇改善交付金は,自・公政権がレールを引いたものを民主党が実施して手柄にしたものであったことを思い出した。なお,筆者は,第176回臨時国会での新厚生労働大臣の気の抜けたような答弁を聞いていて,現政務三役に大きな期待は持てないと思った。(筆者) (厚生労働省の新政務三役に関して) →●9/22(■「新厚生労働三役」が決定した!),9/18(■新厚生労働大臣に細川副大臣が昇格)の記事を参照 →■「福祉専門職の現状」 |
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10/22 | 労働政策研究・研修機構 | ■「労働問題Q&A」 |
→福祉専門職に,労働法関連の知識が重要であるとして,昨年から情報提供を積極的に行ってきた。よりよいケアを行うためには,働くための条件整備は欠かせない。 →厚生労働省では,長時間労働やこれに伴う問題の解消を図るため,11月を「労働時間適正化キャンペーン」期間としている。(筆者) →■「福祉専門職の現状」 →■「明確な根拠をもつ」(社会福祉の調査・統計,介護・介護労働) |
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10/21 | 厚生労働省 | ■「2009年度福祉行政報告例結果の概況」および「2009年度衛生行政報告例結果の概況」 |
→福祉専門職であれば,知っておくべき基礎的データである。他からの引用や孫引きではなく,基データを自ら確認し,考えながら,記憶しておくことが大切である。 →2010年度の3福祉士国家試験の受験者は,作問時期から,「2008年度福祉行政報告例結果の概況」および「2008年度衛生行政報告例の概況」で記憶しておく必要がある。(筆者) →■「明確な根拠をもつ」(社会福祉の調査・統計) |
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10/20 | 法務省保護局 | ■「更正保護制度について」 ~法務省保護局HPにリンクしています~
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→第22回社会福祉士国家試験における,「更正保護制度(4問出題)」 の問題は,①保護観察の目的,②仮釈放の手続き,③更生緊急保護,④医療観察制度(10/19の記事参照)で,全問難易度は低い。(筆者) →●10/19(■「医療観察制度の現状」)の記事を参照 |
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10/19 | 厚生労働省 | ■「医療観察制度の現状」
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→「医療観察制度」は,社会福祉士国家試験の新専門科目のうち「更生保護制度(4問出題)」に対応し,精神保健福祉士国家試験の専門科目全般に関連するものである。この際,完全な知識としておくことを勧める。「うろ覚えの知識」は,「まったく知らない」よりも正答から遠のくことを知っておいてほしい。 →「更正保護制度」については,後日,改めて取り上げる。(筆者) |
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10/18 | 厚生労働省 | ■「介護福祉士国家試験における難しい用語の今後の取扱いについて~EPAによる外国人候補者などの受験に配慮します~」 | ・厚生労働省は,10月15日,EPA(経済連携協定)に基づき来日している外国人介護福祉士候補者に配慮するため,国家試験の問題中の難しい漢字に平仮名を振るなどの対応策を取ると発表した。看護師国家試験の検討チームが8月24日に公表した対応方針を参考にしたとのことである。2011年1月の2010年度(第23回)試験から実施するとのことである。 →遅きに失する感は否めないが,EPAによる看護師国家試験の受験において,厚生労働省医政局は,2010年6月23日に「看護師国家試験における用語に関する有識者検討チーム」を設置し,2010年8月に「とりまとめ」を公表した。 →一方,介護福祉士国家試験については,厚生労働省社会・援護局と社会振興・試験センターとが共同し,出来合いの「介護福祉士国家試験委員会」において検討を進め,看護師の対応方針を参考にして,2010年10月15日に,左記の取り扱いを決めた。介護福祉士国家試験は,「有識者検討チーム」を設置して検討しなくてもいいということである。筆者は,「介護福祉士」は「看護師」に比べて,軽く扱われているように感じる。「介護福祉士」にかかわる教員,教育・養成機関,有識者,職能団体等が,「看護師に準ずる」というような扱いをされても,何とも思わないのなら仕方がない。もし,そうであるならば,えらそうに,「介護福祉士の自律性」を口にするな。 →日本政府は,EPAによる受験回数では,看護師は3回まで,介護福祉士は1回までに制限し,それ以降の日本滞在を認めない。何とも後ろ向きで,理不尽な扱いであり,血税のムダ遣いにつながることも明白である。EPAがグローバ化に対応した優れた経済対策であるにもかかわらず,既に日本が国際的に大きく立ち遅れていることは周知のことである。グローバル化していない日本政府のEPAの考え方・EPA施策のあり方を,根本的に改める必要性が指摘されている。(筆者) →■「福祉専門職の現状」(外国人介護士の受入れ) |
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10/15 | 消費者庁 ・ 厚生労働省 |
■「医療・介護用の最新ベッドはどうなっているの?」 | ・消費者庁は,2010年10月1日に,介護ベッド用手すり全体で,手すりのすき間に頭や首,手足などを挟む事故等が,これまでに計37件(死亡15件,重傷22件)発生していることを受け,「医療・介護ベッド用手すりのすき間に頭や首,手足などを挟む事故等に係る関係施設への注意喚起及び関係事業者・団体への働き掛けについて」を作成し,関係施設への注意喚起を「厚生労働省」に,関係事業者・団体への働き掛けを「経済産業省」に対して依頼した。これを受けて,2010年10月8日,厚生労働省は,「医療・介護ベッド用手すりのすき間に頭や首、手足などを挟む事故等に係る施設管理者に対する注意喚起について」を,各都道府県と各団体に通知した。 →「改正消費生活用製品安全法」が,2007年5月14日に施行され,新たに,死亡・重傷・火災など重大な製品事故が発生した場合のメーカー・輸入業者の報告義務,国の公表が規定された。厚生労働省は,2008年3月11日に,「医療機関用・介護用ベッドのサイドレール・手すりによる事故について(注意喚起)」を,各都道府県に通知し,経済産業省は,2009年3月20日に,JIS規格を改正した。なお,2009年9月1日に,消費者庁が発足している。 →法改正しても,注意喚起をしても,消費者庁を新設しても,医療・介護用ベッドでの重大事故がなくならなかった。今,国のなすべきことは,注意喚起の通知を出すことだけだろうか。筆者は,お役所仕事を続けている限り,重大事故はなくならないと思う。(筆者) |
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10/14 | 国土交通省 | ■「認知症高齢者グループホームの建築基準法の適合に係る調査状況」
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・厚生労働省は,2010年3月13日に発生した北海道札幌市の認知症高齢者グループホームの火災を受け,2010年3月16日に「グループホーム火災を踏まえた対応策についての3省庁緊急プロジェクト」を設置し,2010年6月にはその緊急調査結果および対処方針を発表した。その後,国土交通省は,左記の対処方針に沿って,全国の特定行政庁に認知症高齢者グループホーム9951施設を対象とした建築基準法の適合状況に関するる調査を依頼し,2010年7月31日時点の調査の状況をとりまとめ,2010年10月13日に今回の調査状況を公表した。それによれば,2010年7月31日までに調査を終えた8711施設のうち,14.0%に当たる1222施設で防火・避難関係の法令違反があり,違反が見つかった施設の事業者に対して,早期に是正措置を講じる指導を行うよう,都道府県などに要請したとのことである。
→筆者は,今回の国土交通省の調査状況公表までの経緯を,詳細に辿ってみた。認知症高齢者グループホームの防災対策を徹底するまでには,複雑な行政システムとそれに伴う相当のムダがあることを知った。 →介護保険関係の参考情報である。本日19:30~19:56,NHK総合テレビの番組「クローズアップ現代」において,タイトル「介護を担う家族を救え」の放送が予定されている。海外では,「介護する側」を支える法律を制定した国もあるが,日本でもようやく介護する側の家族を支える取組みの必要性が,マスコミでも取り上げられるようになった。観てみようと思う。(筆者) →●3/29(■2010年3月13日の札幌市の認知症高齢者グループホームの火災の原因は,「特定の施設・職員の常識欠如」,と正確に報道すべきではないか)の記事を参照 |
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10/13 | 消費者庁 | ■「トランス脂肪酸の情報開示に関する指針(案)の概要」
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・日本人一日当たりの平均摂取量は,総エネルギー摂取量の0.6%程度となっているが,脂肪の多い菓子類や食品の食べ過ぎなど偏った食事をしている場合は,これを大きく上回る摂取値となる可能性があるとされている。 ・そこで,2010年3月以降,消費者庁において,食品事業者による自主的な情報開示の取組を促進するため,「トランス脂肪酸の情報開示に関する指針」を取りまとめ,トランス脂肪酸の表示に向けた取組を進めていくこととしていた。2010年10月8日に,消費者庁より「トランス脂肪酸の情報開示に関する指針(案)についての意見募集」および左記の「トランス脂肪酸の情報開示に関する指針(案)の概要」が公表された。 →左記の通り,アメリカ,カナダ,フランス,韓国では,加工食品の栄養成分表示にトランス脂肪酸を義務づけられていることに対して,従来から,日本の消費者団体は表示の義務づけや含有量規制を求めていた。これを受けて,2009年11月24日に,福島元消費者担当大臣は,「健康の増進を図る観点」からトランス脂肪酸の食品中の含有量の表示について検討する」と明言したことに端を発し,今回の指針案が公表された。しかし,今回の指針案は,義務化ではなく,トランス脂肪酸について,食品含有量の自主的表示を求める方針で,表示方法の指針案をまとめたものに過ぎない。 →なお,現在の岡崎消費者行政担大臣は,2010年10月8日に,トランス脂肪酸の表示義務化について,有識者による検討会を設置し,現在任意となっているナトリウムや脂質なども含めて,上記⑤の「食品表示に関する一元化法案」での義務づけをする方向で,2011年夏をめどに検討会の結論を取りまとめ,2012年の通常国会への法案提出をめざすと明言している。 →筆者は,「たかが,トランス脂肪酸の表示を義務化するだけのことで,ぐずぐずするな」と言いたいが,泣く子も黙る筋金入りのフェミニストお二人をもってしても,何年もかかることを知って,改めて問題の難しさを認識した。かな。ついでに,消費者庁は,2009年9月1日に発足し,既に3人目の担当大臣であるが,トランス脂肪酸の表示が義務化されるまでに,再び担当大臣が変わらないことを,国民の一人として祈っている。(筆者) |
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10/12 | 国交省 観光庁 |
■「休暇分散化」を強引に進める「観光庁」に疑問を感じる! ~10月6日に「休暇改革国民会議」を開催~ |
→国土交通省観光庁や経済産業省は,すでに国民の7割が反対している「休暇分散化」を,何が何でもやるつもりらしい。2011年の通常国会に「祝日法改正案」を提出し,2012年以降の分散化実施をめざしているとのことである。実現のために,2010年9月29日に「休暇改革国民会議」(事務局:観光庁)を発足させ,10月6日に「第1回休暇改革国民会議」を開催したと報道されている。筆者は,「国民会議」の設置はアリバイ作りではないかと思う,と同時に,「国民会議」という看板を,こういうメンバーで使うのは,羊頭狗肉ではないかと思う。 →年次有給休暇の取得率の問題とも関係すると指摘されている「休暇分散化案」や,国民の生命を守るための医師を金儲けの方に回すために医師確保の問題とも関係すると指摘されている「医療ツーリズム案」は,国民生活に直結している重要案件で,国民的な議論が必要である。筆者は,これらの案件を,「国土交通省観光庁」や「経済産業省」あたりに任せておくべきではないと思う。(筆者) →●8/10(■「観光庁の休暇分散化案」の意見募集の結果 ~64%が「効果なし」,68%が「メリットなし」~),2008年10/4(■結局,「観光庁初代長官」には官僚がなった)の記事を参照 |
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10/10 | 厚生労働省 | ■「特別養護老人ホームの入所申込者及び待機者(優先入所申込者)の状況」 | ・10月7日の第34回社会保障審議会介護保険部会において,サンプル調査の結果,特別養護老人ホーム(特養)の入所申し込み者のうち,実際の待機者(優先入所申し込み者)は,
22.5%(1,176人/5,236人)であることが報告された。サンプル調査は,20109月に,全国の特養15施設を対象に実施された。 ・今回の調査は,サンプル数が少ないとして,さらに大規模な調査を実施し(各都道府県で10施設程度,全国で400~500施設を対象),2010年度内をめどに取りまとめる予定とのことである。
→筆者には,厚生労働省の一連の調査は,マッチポンプのように思える。厚生労働省は,2006年の調査では約38万5,000人,2009年12月22日には調査約42万1,000人の特別養護老人ホームの待機者数(入所申込者数)がいると発表した。長妻前厚生労働大臣は「非常に多い。状況は深刻だ」とし,待機者の状況をさらに詳しく把握するために,サンプル調査を実施するとしていた結果が左記の資料である。約42万人と発表した直後から,実際には重複申し込みや申し込みを一応しておこうというレベルの待機者が多く含まれている可能性が指摘されていたが,サンプル調査の結果,実際の待機者は約2割だということを報告したものである。 →実態調査をするならば,約42万人のうちの在宅で要介護4・5の人(6.7万人)に対する実態調査とその早急な対策が最優先されるべきではないかと思う。筆者は,在宅で孤立し,追い詰められ,喘いでいる認知症者および重度の要介護者とその家族を救い出すことが,大切ではないかと考える。(筆者) →●1/17(■「特別養護老人ホームの入所申込者の状況」 (全国 / 都道府県別 / 要介護度等の内訳))の記事を参照 |
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10/8 | 厚生労働省 | ■「産業医及び産業保健活動の現状と課題」 ~第3回事業場における産業保健活動の拡充に関する検討会資料~ |
→厚生労働省は,2010年9月16日に,「事業場における産業保健活動の拡充に向けての検討会」を発足させた。検討会は,2010年9月7日にまとめられた「職場におけるメンタルヘルス対策検討会報告書」において提起された検討項目(①産業医等で構成される事業場外組織のあり方,②メンタルヘルス不調者への対応の重点化等を想定した地域産業保健センターのあり方を検討するとされている。 →ところで,精神保健福祉士の方(PSWをめざされている方)に問いかけたいことがある。それは,「仕事の時だけうつになる」や「やる気が起こらない」という20~30代の若者に対して,「新型うつ病」と診断する精神医療をどうとらえるかということである。また,2007年頃から流行し始めたとされる「新型うつ病」には,批判的な意見に基づいた書籍も出版されている。うつ病患者を増やしていると指摘されている現状に関して,DSM-ⅣーTR(アメリカ精神医学会の診断基準),SSRI(新型抗うつ薬),薬物精神医療,などをキーワードにして,日本の精神医療について考えていただきたい。筆者は,改訂が進められているといわれるDSM-Ⅳ-TRが,DSM-Ⅴ(2013年発表予定とされている)になったときには,アメリカの精神医療産業の意向がより強く反映された診断基準となり,精神的に健康な人の範囲がさらに狭くなるのではないかと思っている。(筆者) →●9/8(■「職場におけるメンタルヘルス対策検討会報告書」)の記事を参照 (「自殺」に関して) →●6/30(■「向精神薬等の過量服薬を背景とする自殺について」),6/15(■「2009年度精神障害等にかかる労災補償状況」(過労死 / 精神障害)),6/1(■「自殺未遂による傷病に係る保険給付等について」(2010年5月21日通知)),5/31(■「自殺・うつ病等対策プロジェクトチームとりまとめ」)5/12(■精神障害者雇用安定奨励金の創設),2/22(■「いのちを守る自殺対策緊急プラン」)の記事を参照 |
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10/7 | 厚生労働省 | ■「虐待通告を受けた児童の安全確認について」 | ・2010年4月~6月の調査において,虐待通告13,469件,うち8月30日時点で安全が確認できないケースが261件あり,「虐待通告のあった児童の安全確認の手引き」を作成し,9月30日に全国の都道府県・指定都市・児童相談所設置市に対して通知された。 →昨日(10月6日)のNHK番組「あさイチ」で,「しつけ?虐待?子育て新事情」というテーマで,大きな社会問題となっている児童虐待について,番組で緊急アンケートをとった結果として,「虐待の行為自体は認められないが,そのときの気持ちは理解できる」という意見が全体の44%であったとし,告白や最近の子育て事情を紹介していた。総じて,いい番組であったと思う。 →筆者は,虐待は絶対悪で,断じて容認してはならないとの立場に立っており,児童虐待防止にはこのような社会意識の醸成が重要だと考えているので,この種の番組の構成によっては,「気持ちが分かる=仕方がない」という風に受け止められる危険性があると感じた。(筆者) →●8/27(■児童虐待が科学的アプローチで研究されていることを知っていますか?),7/29(■「2009年度児童虐待相談対応件数等及び児童虐待等要保護事例の検証結果(第6次報告)」),7/7(■7月は「青少年の非行・被害防止全国強調月間」),5/27(■「2010年版 子ども・子育て白書」),5/5(■「2010年4月1日現在におけるこどもの数(15歳未満人口)の推計」),4/29(■5月12日は「民生委員・児童委員の日」),3/25(■「学校及び保育所から市町村又は児童相談所への定期的な情報提の供に関する指針」),3/17(■「2010年に行う厚生労働省の「児童虐待防止対策」について」),2/2(■「障害児施設の入所における措置と契約」),1/31(■「子ども・子育てビジョン~子どもの笑顔があふれる社会のために~」),1/23(■「児童虐待防止のための親権制度研究会報告書」),2009年11/3(■「児童相談所全国共通ダイヤル」~11月は「児童虐待防止推進月間」~),10/17(■「最新 子ども虐待対応の手引き」(2009年3月)),7/15(■2008年度の児童相談所における児童虐待相談件数および出頭要求等)の記事を参照 →■「明確な根拠をもつ」(虐待(児童・高齢者)/DV) |
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10/6 | 外務省 | ■2006年実施の「日中関係に関する意識調査結果」と「日米安全保障体制に関する意識調査結果」を改めて見る |
→現在の民主党政権における「外交」を評価するうえで重要な意識調査結果であると思うので,今回掲載した。 →尖閣諸島の領土問題や普天間米軍基地問題については,未だに多くの日本国民は他人事というレベルでしかなく,歴史的な経過など深く知らされていないので,興味が沸かないという状況だと思う。その要因について,筆者は,政府が国民への説明責任を果たしていないことに尽きると考えている。日本国領土である尖閣諸島が侵犯されたとき,収めどころも考えず闇雲に喧嘩を売った末に,だらしなく弱腰で引き下がったり,尖閣諸島には日米安保条約は適用されるというアメリカの口先の言葉だけで満足していたりする現政権には,多くの国民は落胆している。 →臨時国会より,日中関係の修復の糸口を探るためにブリュッセルで行われたアジア欧州会議(ASEM)首脳会議への出席を優先させた菅首相は,英語通訳だけで,中国語通訳を同行させずに,10月4日に中国の温家宝首相と会談したと報道されている。ちなみに,温家宝首相は,日本語ができる通訳(在日大使館員経験者)を同行させ,中国語を日本語に通訳させていたとのことである。リーダーの資質について考えさせられるエピソードである。当然であるが,思いつきで出席し,途中抜けした菅首相と余裕を持って出席し通した温家宝首相との格の違いは,歴然としていたとのことである。(筆者) |
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10/5 | 総務省統計局 | ■「2010年国勢調査票」の提出期限は10月7日! ~「総務省10月号」より~ |
・2010年の国勢調査は,従来の国勢調査と同様に,国勢調査員が各家庭に調査票を配布する。国勢調査員は,総務大臣の任命による非常勤の国家公務員と位置づけられている。回収も,原則として国勢調査員が各家庭を訪問して回収するが,2010年国勢調査では,プライバシー意識に配慮して,調査票を封入して提出することとされた。東京都では,インターネット回答を利用することができることになっている。 ・国勢調査の結果は,選挙区の画定,議員定数の基準,地方交付税交付金の算定の根拠となり,また,国民の生活設計,企業の事業計画,学術研究機関の実証研究などにも利用される。国勢調査結果を利用している白書は,①厚生労働白書,②労働経済の分析,③経済財政白書,④子ども・子育て白書,⑤高齢社会白書,⑥働く女性の実情,である。 →■「国勢調査コールセンター」(~10月31日まで設置) →■「22年国勢調査」(統計局) |
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10/4 | 厚生労働省 | ■「病院等における必要医師数実態調査の概況」 | ・厚生労働省は,9月29日に,全国の医療機関が必要と考える医師数などの実態調査結果を発表した。地域別・診療科別に適切な数の医師を確保する対策づくりに向けた初めての調査である。2010年6月1日現在において,病院・分娩取扱い診療所(計8,698施設)から回答を得たものである。
→「必要医師数は,現員医師数の1.14倍の約2万4千人」については,大騒ぎするほどの医師不足はない,と思わせるような結果であった。 →しかし,日本の医師数は,OECD加盟30か国中26位であり(ヘルスデータ2008),日本の医師数をOECD平均並みにするには,約14万人の増員が必要になるとの指摘がある。この数値を,「2005年賃金構造基本統計調査報告」による医師の平均給与は賞与込み(年額 1046万円)にかけると,約 1兆 4,000億円の財源が必要になる。さらには,新生児,0~11か月の乳幼児死亡率の低さに比べて,乳幼児1~4歳の幼児死亡率のみがOECD加盟30カ国中21位であることなど,医師数不足に関する諸外国との比較において,国民に知らされていないことが多くあるのではないかと思う。 →今後は,「本調査結果のほか,様々な制度のあり方,諸外国の状況等を踏まえ検討していく」と記載されているが,都合のいい調査結果やデータを,その都度宣伝する姿勢は改めてもらいたい。国家規模で「医は算術」を具現化する「医療ツーリズム」という施策を含めて,しっかりとしたデータに基づいて検討された医師確保策の提示を,国民は期待している。(筆者) |
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10/1 | - | ■「2010年10月から福祉関連分野で何が変わったか?」 |
→第176回臨時国会は,本日(10月1日),召集され,会期は12月3日までの64日間とされている。政府は,景気失速の回避のために,2010年度の補正予算案の成立をめざすとしている(本国会の重要案件は,①尖閣問題,②補正予算案,③郵政改革法案,④公務員制度改革における改正給与法案である)。しかし,筆者は,中国漁船衝突事件などもろもろの失策や不手際を追求されることから,国会は空転して,会期は延長され,越年するのではないかと予想している。(筆者) |