2013年4月1日~2018年5月31日の記事
<2006年4月1日 ~ 2018年5月31日>
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2006年4月1日~2006年9月30日


日付 関係省庁等 項 目 ポイン
3/2 首相官邸,厚生労働省 「働き方改革関連法案」等に関する安倍首相の会見(裁量労働制の削除) ・2018年3月1日,安倍首相は,政府が「働き方改革国会」と名付けた「第196回通常国会」において,最重要法案と位置づけている「働き方改革関連法案」について,「裁量労働制の対象拡大」を法案から全面削除することを表明した。
・2018年1月29日,安倍首相は,衆議院予算委員会で「2013年度労働時間等総合実態調査」を根拠に「裁量労働制のほうが一般労働者より労働時間が短いというデータもある」旨答弁したが,野党からデータの信ぴょう性に疑問が提出され,2月14日謝罪し答弁を撤回したが,その後も国会で厚生労働省のデータ管理,調査の杜撰さが問題とされていた。

項目 関連8法 修正
①「裁量労働制」の対象拡大 労働基準法
労働安全衛生法
削除
②「高度プロフェッショナル制度」の新設 -
③「残業時間上限超過」に罰則
④「勤務間インターバル」の促進 労働時間等設定改善法 -
⑤「産業医機能」の強化 じん肺法
労働安全衛生法
-
⑥「同一労働同一賃金」の実現 パートタイム労働法
労働契約法
労働者派遣法
-
⑦「働き方改革の理念」の規定 雇用対策法 -

→そもそも,「ニッポン一億総活躍プラン」(2016年6月2日閣議決定)において,「長時間労働は,仕事と子育てなどの家庭生活の両立を困難にし,少子化の原因や,女性のキャリア形成を阻む原因,男性の家庭参画を阻む原因となっている。」とし,「長時間労働を規制すること」が政府の認識であった。これを受け,2016年9月26日に「働き方改革実現会議」が発足し,2017年3月28日に「働き方改革実行計画」が決定された。2017年9月8日,厚生労働省は「労働政策審議会」に諮問し,「おおむね妥当」と答申された法案には,「長時間労働を規制すること」と逆行する「裁量労働制の対象拡大」と「高度プロフェッショナル制度の新設」が潜り込んでおり,労働関連8法一括での「働き方改革関連法案」とされた。
→振り返れば,「裁量労働制の対象拡大」と「高度プロフェッショナル制度の新設」は,2015年の「第189回通常国会」において,「労働基準法等改正法案」として提出されたが,一度も審議されずに継続審議となり,2017年9月28日の「衆議院解散」により廃案となったという経緯がある。いわば,「ゾンビ法案」である。
→「働き方改革関連法案」に対しては,経営者側が賛成し,労働組合側が反対する構図である。経営者側は,他の事柄に目をつぶっても「裁量労働制の対象拡大」と「高度プロフェッショナル制度の新設」に期待を示し,労働組合側である神津連合会長は,「長時間労働を抑制する法案の中に,一緒くたにするからおかしな話になる」と批判してきた。
→今後は,「裁量労働制の対象拡大」の片割れである「高度プロフェッショナル制度の新設」が国会での焦点の一つになる。
→今後,安倍政権が,どのような手段を使って「裁量労働制の対象拡大」を「ゾンビ法案」として,復活させててくるのか,を筆者は注目している。(筆者)
2/2 厚生労働省 「2017年度 全国厚生労働関係部局長会議資料」 ・2018年1月18日,厚生労働省は,全国厚生労働関係部局長会議を開催し,各局長が2018年度の重点的な取り組みや予算の執行方針について説明した。
・「全国厚生労働関係部局長会議」は,厚生労働行政の次年度の政策および現状と課題について,都道府県,指定都市および中核市に周知し,円滑な事業運営を図ることを目的として,毎年1月~2月に開催されている。

→本会議の参加対象自治体は,「都道府県,指定都市および中核市」であり,「2017年度 全国厚生労働関係部局長会議次第」を見れば,各部局等の説明時間はまずか10分~30分に過ぎない。こういう状況でも,国は地方自治体に「周知し,円滑な事業運営を図れるように説明した」と言うんでしょうね。
→福祉専門職にとって,「全国厚生労働関係部局長会議資料」は,厚生労働行政の各分野の動きを把握するのに大変役立つものである。例えば,「老健局」の事業について,2018年度は,診療報酬・介護報酬・障害福祉報酬のトリプル改定だけでなく,国民健康保険制度改革の施行,改正介護保険法の施行など,さまざまな変革が実際に動き始めるということを知っていれば,マスメディアの報道についての理解も深まると思う。
→さらに,福祉関連の教育機関の授業においても,こういう生きた資料を利用し,リアルな福祉行政に対して,もっと関心を示してほしいと思う。(筆者)
1/24 首相官邸,財務省 ■2018年1月22日に「第196回通常国会」が召集され,「安倍首相の施政方針演説」が行われ,「2017年度補正予算案」および「2018年度予算案」が国会に提出された ・2018年1月22日に「第196回通常国会」が開会し,安倍首相が施政方針演説を行った。会期は2018年6月20日までの150日間である。
<施政方針演説のポイント>
①働き方改革,人づくり革命,生産性革命の実行
②憲法改正の前進
③北朝鮮問題への対応と防衛力の強化
④日中関係の改善
⑤天皇陛下退位と新天皇の即位の実施
⑥財政健全化に向けた新計画の策定
・同日,政府は,「 2017年度補正予算案」および「2018年度予算案」を国会に提出した。2018年3月末までの成立をめざす。
<予算案のポイント>
2017年度 補正予算案(一般会計)
①生産性革命・人づくり革命(前倒し) 4,822億円
②災害復旧等・防災・減災事業 1兆2,567億円
③総合的なTPP等関連政策大綱実現に向けた施策 3,465億円
④その他喫緊の課題等への対応 6,219億円
(合計)
2兆7,073億円

2018年度 予算案(一般会計)
歳入 歳出
税収 60.5% 政策経費 社会保障費 33.7%
地方交付税 15.9%
公共事業費 6.1%
文教・科学振興費 5.5%
防衛費 5.3%
税外収入 5.1% (小計)74兆4,108億円
国債発行 34.5% 国債費 国債費 23.8%
(小計)23兆3,020億円
(合計)
97兆7,128億円
(合計)
97兆7,128億円

→安倍首相は,第196回通常国会について,2018年1月22日の記者会見で,「(2017年10月の)総選挙で,国民の皆様から力強い支持を頂きました。この国会は,その国民の皆様の負託に応えていくために,一つ一つお約束したことを実行していきたいと思っております。緊張感を持って臨んまいります。」と述べた。いわば,「選挙公約を実行する国会」としているが,当然のことをあえて声高に公言するところに,安倍首相の特異な考え方が垣間見える。
→予算案は,2017年12月22日に閣議決定されたもので,「2017年度補正予算案」では,大筋合意したEUとのEPAにおける「農業政策」,看板政策の「生産性革命・人づくり革命」関連費用の前倒しなどに総額2兆7,073億円を,「2018年度予算案」では,一般会計総額が過去最大となる97兆7,128億円を計上している。巧妙なからくりが仕組まれていることを知ろうとすることが大切である。例えば,補正予算案と次年度当初予算案をはあわせて編成するという「事実上の15か月予算」を6年続けており,「2017年度補正予算案」で防衛費を2,345億円も膨張させるとともに次年度予算の生産性革命・人づくり革命の事業4,822億円を前倒し計上し,「2018年度予算案」で社会保障費の自然増分を1,345億円を削減している。
→経済,社会保障に対する2020年以降の方向性が示されなかった「施政方針演説」であり,2018年度は官僚の意向が色濃く出た「寄せ集め予算」に基づく「ばらまき政策」が実施されると筆者は受け止めた。(筆者)
2018

1/10
厚生労働省 ■2018年4月から「精神障害者の雇用義務化」および「障害者の法定雇用率引き上げ」が実施される 「障害者雇用促進法」第37条に基づく雇用義務が課せられる障害者は,身体障害者または知的障害者のみであったが,2006年以降,精神障害者については,雇用義務の対象ではないが,雇用した場合は雇用している障害者の数に入れることができる,という位置付けだった。2013年の「改正障害者雇用促進法」に伴い,2018年4月からこの法定雇用率の対象となる対象障害者に,身体障害者と知的障害者に加え,新たに「精神障害者」が含まれることとなった。なお,ここでの精神障害者とは,精神障害者保健福祉手帳を所持者をいう。
・また,2018年4月から,「障害者法定雇用率」も以下の通り引き上げられることになっている。
民間企業 2.0% ➡ 2.3%
国,地方公共団体等 2.3% ➡ 2.5%
都道府県等の教育委員会 2.2% ➡ 2.4%

→本件に関して,2018年1月9日付中日新聞(朝刊)における,民間が実施したアンケート調査結果の記事を紹介する。
・「2018年4月から,民間企業に義務付けられている障害者雇用の対象に,精神障害者が加わることについて,企業の48%が「知らない」と回答した。対象拡大を知らない企業のうち,障害者を雇用していない企業は71%だった。障害者を雇用していない企業に理由(複数回答)を尋ねると,「障害者に適した業種・職種ではない」が52%,「受け入れる施設が未整備だ」が50%を占めた。」。
・「法定雇用率が2.0%から2.2%に引き上げられることについて「知らない」とした企業は40%であった。」
→このような結果になっている責任を「厚生労働省」だけに押し付けているだけでは,いつまでたっても社会的認知は進まない。
→筆者は,日本の企業・国民が,障害者雇用の世界的な潮流や世界における日本の現在位置を知ることが,社会的認知の改善に有効であると考える。例えば,各国の障害者雇用施策の構成比較では,日本=割当雇用,アメリカ=差別禁止,イギリス=差別禁止と保護雇用,ドイツ・フランス=割当雇用と保護雇用,北欧=政府による雇用となっており,各国がどういう問題や課題を抱えているかを知ることが,日本の障害者雇用の理解促進に結び付くのではないかと思う。障害者雇用の関係者,マスメディアも,これまでの情報提供への不作為の責任を負うべきであると思う。(筆者)


(参考)
「障害者に関する世論調査」(2017年8月調査)

12/26 厚生労働省 「社会保障審議会生活困窮者自立支援及び生活保護部会報告書」(概要 / 本文 ・2017年5月に「生活困窮者自立支援法及び生活保護法の見直し」をテーマとして「社会保障審議会生活困窮者自立支援及び生活保護部会」が設置され,2017年12月15日に「報告書」が公表された。
<「生活困窮者自立支援及び生活保護部会 報告書(見直しのポイント)」>
①地域共生社会の実現を見据えた包括的な相談支援の実現
②「早期」,「予防」の視点に立った自立支援の強化
③居住支援の強化
④貧困の連鎖を防ぐための支援の強化
⑤制度の信頼性の確保


(参考)
「生活困窮者自立支援法の施行状況」
「生活保護制度の現状」

→①「生活困窮者自立支援法」の施行3年後の検討規定,②「改生活保護法」の施行5年後の検討規定,③「経済・財政再生計画 改革工程表」による必要な措置等に基づいて設置された部会による本報告書を受けて,政府は,2018年の通常国会に生活保護法と生活困窮者自立支援法の改正案を提出する予定とされている。
→「生活困窮者自立支援制度と生活保護制度が,国民の思いと願いに沿ったかたちでさらなる発展をとげるように・・・多面的な検討を行ってきた」とするが,肝心の「国民の思いと願い」を的確に言い当てているとは思えない。(筆者)

11/30 厚生労働省 「小児・未成年者がインフルエンザにかかった時は、異常行動にご注意下さい」 ・2017年11月27日,厚生労働省は,インフルエンザにより未成年の患者が自宅で療養する場合,治療開始から2日間はマンションなどの玄関や窓にかぎをかけ,ベランダに面していない部屋で寝かせるなど,患者が外に出ないための対策をとるよう全国の自治体に通知した。
<今回の通知内容>
(1)これまでにも注意喚起を行っている内容
●原則 :小児・未成年者がインフルエンザにかかった時は,抗インフルエンザウイルス薬の種類や服用の有無によらず、少なくとも治療開始後2日間は小児・未成年者を一人にしない。

(2)今回,新たに示した対策(例)
①高層階の住居の場合
・玄関や全ての部屋の窓の施錠を確実に行う。(内鍵,補助錠がある場合はその活用を含む)
・ベランダに面していない部屋で寝かせる。
・ 窓に格子のある部屋で寝かせる。(窓に格子がある部屋がある場合)
②一戸建ての場合
・①に加え,できる限り1階で寝かせる。

(参考)
「2017年度 今冬のインフルエンザ総合対策について」(厚生労働省)

→インフルエンザは,インフルエンザウイルスを病原体とする急性の呼吸器感染症であり,毎年世界中で流行がみられている。
→日本の感染症対策は,他の先進国より20年遅れていると言われて久しい。感染症対策は,疾病予防の利益と副反応の存在をどう考えていくかに尽きると言われている。日本では,1948年に「予防接種法」が制定されたが,その後,日本の特有のマスメディアの特異な誘導に基づく世論の形成とそれに萎縮した予防接種行政が,現在も継続されている。
→日本のインフルエンザ対策は,インフルエンザワクチンの予防接種とインフルエンザウィルスを増やさないために発熱期間を1日程度縮めるという限定的な効果のタミフル等の薬剤投与がある。海外との比較として,先進国では効果が限定的な高価なタミフルを処方するという習慣はなく,アメリカでは,インフルエンザワクチンの予防接種はすべての人に無料であり,日本でのタミフルの消費量は,世界の消費量の80%と,日本特有の状況を多くの一般国民は知らされていない。なお,厚生労働省によれば,インフルエンザ罹患による異常行動は,現時点では,タミフル等の薬剤投与によるものか,インフルエンザそのものによるものかは不明とされている。本質的な議論はいつになれば・・・。(筆者)

11/3 外務省 「国際女性会議WAW!(WAW! 2017)」が開催された ・2017年11月1日,外務省(総合外交政策局 )は,「国際女性会議WAW!(WAW! 2017)」を開催し,11月3日に閉会した。なお,11月3日の特別イベントにイバンカ・トランプ米国大統領補佐官が出席し,「女性活躍」について講演を行った。
・国際女性会議WAW(WAW:World Assembly for Womenは,安倍政権の最重要課題の1つである「女性が輝く社会」を国内外で実現するための取組の一環として2014年から開催している国際会議で,今回が4回目の開催であった。
・WAW!2017では,「WAW! in Changing World」をテーマとして,女性支援の具体的な取組・実績に焦点を当てつつ,変化する世界において女性が活躍していくために戦略的に行動するための方策,女性起業家支援について議論が行われた。

→女性蔑視発言の前歴のあるトランプ大統領の娘が「女性の地位向上」を訴えた。さらに,トランプ大統領の腰ぎんちゃくのように見える安倍首相が,イバンカ氏の講演に駆け付け,「安倍政権の女性活躍の本気度がお分かりいただけると思います」と発言した。なお,イバンカ氏の講演会場の半分が空席であった。その上,安倍首相はイバンカ氏が2017年に立ち上げた女性起業家への国際的な「イバンカ基金」に約57億円の資金援助を申し出た。とのことである。筆者は,トランプファミリーの太鼓持ちと化した安倍首相およびイバンカ氏を必要以上に持ち上げる日本のメディアが世界から嘲笑されると思った。
→「女性活躍」に関わる国内施策の経緯(1985年~2016年)を以下にまとめる。本質的,系統的な施策であったかは疑問である。
時期 項目 内容
1986年 「男女雇用機会均等法」の施行
(1985年成立)
コース別人事制度(一般職,総合職)
1992年 「育児休業法」の施行
(1991年成立)
男女に育児休業適用
1999年 「育児・介護休業法」の施行
(1995年成立)
介護休業の適用
「改正男女雇用機会均等法」の施行
(1997年成立)
差別を「努力義務規定」から「禁止義務規定」に変更
2003年 「少子化対策基本法」の施行
(2003年l成立)
企業の子育て支援対策を推進
「次世代育成支援対策推進法」の施行
(2003年成立)
◎10年間の時限立法
「くるみん」認定企業
「2020年30%」の政府目標の設定 指導的地位に女性が占める割合
2007年 「改正男女雇用機会均等法」の施行 男性に対する差別・セクハラも禁止対象
2008年 「改正次世代育設定成支援対策推進法」の施行 行動計画の策定および従業員への周知義務
2013年 「日本再興戦略」で「女性の活躍推進」を設定 女性活躍推進を最重要課題に
2014年 「改正次世代育成支援対策推進法」の施行 ◎2014年までの時限立法を10年延長
2016年 「女性活躍推進法」の施行
(2015年成立)
◎10年間の時限立法
「えるぼし」認定企業
→「第4次安倍政権」の女性活躍の政策に関わる大臣群をまとめてみる。「女性活躍」の政策に関して,これほど細分化し寄ってたかってかからなければ対処できないということは,「安倍政権の女性活躍の施策はパッチワークである」は言い過ぎか・・・。
重要政策 担当大臣
女性活躍担当 野田総務大臣
一億総活躍担当 松山一億総活躍担当大臣
少子化担当
働き方改革担当 加藤厚生労働大臣
人づくり革命担当 茂木経済再生担当大臣
社会保障・税一体改革担当
地方創生担当 梶山内閣府特命担当大臣(地方創生,規制改革)
まち・ひと・しごと担当
国際女性会議WAW 河野外務大臣
→一般国民として,「日本における女性活躍は進んでいる」という実感はありますか?(筆者)
11/2 首相官邸 ■2017年11月1日に「第4次安倍内閣」が発足した ・2017年11月1日,衆議院解散総選挙(9月28日解散,1月10日公示,10月22日投開票)後に予定されていた「第195回特別国会」が召集され(会期:11月1日~12月9日の39日間),衆参両院の本会議において首相指名選挙が行われ,第98代首相として安倍首相が選出された。その後,2017年8月3日に発足した第3次安倍第3次改造内閣の閣僚19名全員が再任され,「第4次安倍内閣」が発足した。
安倍首相の記者会見
基本方針(閣議決定)
内閣総理大臣談話(閣議決定)
閣僚等名簿


→「第4次」とは,国会で4回首相に指名されたことを意味する。
→衆院選の結果,「安倍一強」の巨大与党と小党分立の多弱野党の構図となった。今後,民主的な国会運営は期待できない。しかし,自民党の石破氏のように「国民の考えていることと議席数は乖離がある(衆院選の小選挙区での自民党の投票数は有権者全体の約25%に過ぎない)。注意しながらやっていくことが重要」との意見も出ている。安倍首相の「謙虚,真摯」という言葉の具体化が見ものである。(筆者)

10/30 厚生労働省 「2017年版 厚生労働白書」(概要 / 本文 / 資料 ・2017年10月24日,厚生労働省は,「2017年版 厚生労働白書」(~社会保障と経済成長~)を公表した。

→「厚生労働白書」の副題(特定のテーマ)の変遷であるが,厚生労働行政分野についての国民の理解が深まっているとは思えない。
2011年版 社会保障の検証と展望
2012年版 社会保障を考える
2013年版 若者の意識を探る
2014年版 健康長寿社会の実現に向けて~健康・予防元年
2015年版 人口減少社会を考える~希望の実現と安心して暮らせる社会を目指して
2016年版 人口高齢化を乗り越える社会モデルを考える
2017年版 社会保障と経済成長
→日本では現役世代に比べて高齢者を手厚く支える仕組みになっており,世代や世帯の状況に応じ,きめ細かな政策を考えていくべきで,高齢者に偏らない全世代型の社会保障への転換が必要だとしている。
→元来,社会保障とはそういうものでなければならないのに,社会保障を政治に利用し,世代間に大きなひずみを生じさせた責任には触れられていない。(筆者)
10/29 内閣官房 「尖閣諸島に関する世論調査結果(2017年8月)」および「竹島に関する世論調査結果(2017年7月)」 ・2017年10月27日,内閣府は,尖閣諸島(沖縄県)および竹島(島根県)に関する世論調査結果を公表した。
<2014年調査との比較>
項目 ポイント 2014年 2017年
尖閣諸島問題 知っていた 63.3% 65.3%
関心がある 74.5% 62.2%
沖縄県に属している(認知) 58.6% 52.4%
竹島問題 知っていた 63.9% 66.1%
関心がある 66.9% 59.3%
島根県に属している(認知) 60.0% 58.0%

→内閣官房は「広報啓発活動を強化して,国民の理解と関心を高めていきたい」としているが,自公政権が「国家主権にかかわる領土問題の無関心化」を助長させてきたという反省が微塵も感じられない。
→広報活動を強化すると言うなら,例えば,台風情報や天気予報において,沖縄県の尖閣諸島や島根県の竹島の情報を日本国民に対して日常的に広報することも考慮すべきである。「今日,尖閣諸島は雨で,竹島は晴れです」と毎日テレビでやり続ければすぐに国民の意識は変わり,関心は深まる。一方,政府の政策としての無策の責任が追求されないのでは辻褄が合わない。(筆者)

10/11 厚生労働省 「2017年版過労死等防止対策白書」(概要 / 本文 ・2017年10月6日,厚生労働省は,「2017年版過労死等防止対策白書」を公表した。
・「過労死等防止対策白書」は,過労死等防止対策推進法第6条に基づき,国会に毎年報告を行う年次報告書であり,2016年度ら始まり今回で2回目となる。
<「2017年版過労死等防止対策白書」の構成>
第1章 労働時間やメンタルヘルス対策等の状況
第2章 過労死等の現状
第3章 過労死等をめぐる調査・分析結果
第4章 過労死等の防止のための対策の実施状況


【過労死の定義】
◎ 「過労死等」とは,業務における過重な負荷による脳血管疾患もしくは心臓疾患を原因とする死亡,もしくは業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡またはこれらの脳血管疾患,心臓疾患,精神障害をいう。

→過労死等防止対策推進法が2014年11月に施行され,「『過労死等ゼロ』緊急対策」(2014年1226日「長時間労働削減推進本部」決定),「過労死等の防止のための対策に関する大綱」(2015年7月24日閣議決定),「働き方改革実行計画」2017328日「働き方改革実現会議」決定)等が施策されている。また,厚生労働省では,①「過労死防止対策のページ」 ,②「健康で充実して働き続けるために」 ,③「過労死等防止対策白書」(2016年版 概要 / 本文
を実施している。
→2016年版の白書との大きな違いは,過労死等の実態解明のための調査研究結果について取りまとめられていることである。
→本白書の公表し際し,厚生労働省は,『「過労死をゼロにし,健康で充実して働き続けることのできる社会」の実現に向け,引き続き過労死等防止対策に取り組んでいきます』と本気度を疑わせるようなコメントをしている。毎年,判で押したような同じコメントが出されるように思えてならない。(筆者)

10/10  - 「第20回介護支援員(ケアマネ)試験の問題文および解答例」 ・2017年10月8日に「第19回介護支援専門員実務研修受講試験」(ケアマネ試験)が実施された。なお,合格発表日は2017年11月28日(火)である。
<ケアマネジャーに関する最近の動向>
時期 項目
2016年11月 ◎「介護支援専門員の法定研修に関するガイドライン」
・2016年度から,介護支援専門員の資質向上を図るため,各研修時間数を拡充し,医療介護連携や家族支援等の視点を強化した新カリキュラムに基づく介護支援専門員の法定研修が,各都道府県で実施されている。
「介護支援専門員実務研修ガイドライン」

「介護支援専門員専門研修ガイドライン」
「主任介護支援専門員研修ガイドライン」
「主任介護支援専門員更新研修ガイドライン」
2016年4月 「新ケアマネジャー研修制度」
・研修時間数を拡充し,医療介護連携や家族支援等の視点を強化した新カリキュラムに基づくケアマネジャーの法定研修が,2016年度から実施されている。
・2014年6月2日告示公布(主任更新は2015年2月12日公布),専門研修等は2016年4月1日から施行
(参考)
「介護支援専門員と相談支援専門員」(2016年3月)
2016年3月 「ケアマネの業務等の実態に関する調査研究事業 (結果概要)」
・2015年度の介護支援専門員の業務実態を把握と事業運営の在り方の検討に資する基礎資料の収集を目的とする調査研究事業
2015年2月 「介護支援専門員実務研修受講試験の実施について」の一部改正
・受験要件,法定資格取得者に対する試験の解答免除の取扱いの見直し
・2017年(第20回)試験までは,改定前の受験資格での受験が可能
2014年6月 介護保険法第69条の34第3項の新設
・2014年6月成立の「地域医療介護総合確保法」に基づき介護保険法が改正され,「介護支援専門員は,要介護者等が自立した日常生活を営むのに必要な援助に関する専門的知識及び技術の水準を向上させ,その他その資質の向上を図るよう努めなければならない。」と規定された。
2013年12月 「社会保障審議会介護保険部会 介護保険制度の見直しに関する意見(概要 / 本文)」
2013年1月 「ケアマネジャーの資質向上と今後のあり方に関する検討会 中間的な整理(概要 / 本文)

「介護支援専門員実務研修受講試験の実施について」の一部改正により,受験要件,法定資格取得者に対する試験の解答免除の取扱いの見直しが行われた。経過措置として,2017年(第20回)試験までは,改正前の受験資格で受験が可能であったが,2018年以降の試験からは,実務経験とみなされる業務の部分で,これまで対象だった介護等の業務やケース・ワーカーが対象外になり,介護職員初任者研修,ホームヘルパー2級,実務者研修などの資格者向けの受験資格制度は廃止になる。
→介護支援専門員は,介護保険制度の中核的な役割を担い,資格取得の厳格化や研修の拡充によって、ケアマネジメント技術のスキルアップがさらに求められていく。筆者は,社会福祉援助技術としてのソーシャルワークの一部であるケアマネジメント技術偏重の考え方で,2025年に向けた「地域包括ケアシステム」の実現が果たせるかどうか疑問を持っている。なお,これは介護支援専門員およびその資格取得を目指す人たちの問題でないことは言うまでもない。(筆者)
10/5 厚生労働省 「介護人材に求められる機能の明確化とキャリアパスの実現に向けて(報告書)」(概要 / 本文 ・2017年10月4日,厚生労働省は,社会保障審議会福祉部会福祉人材確保専門委員会の「介護人材に求められる機能の明確化とキャリアパスの実現に向けて(報告書)」を公表した。
・2015年2月25日公表の「2025年に向けた介護人材の確保~量と質好循環立に向けて~」および2015年6月24日公表の「2025年に向けた介護人材かかる需給推計(確定値)について」を踏まえて,本専門委員会は,2016年10月5日から2017年9月26日までに6回開催された。
<報告書の概要>
(1)現状・課題への対応
・業務内容に応じた各人材層の役割・機能に着目するのではなく,利用者の多様なニーズに対応できるよう,介護職のグループによるケアを推進していく上で,介護人材に求められる機能や必要な能力等を明確にし,介護分野に参入した人材が意欲・能力に応じてキャリアアップを図り,各人材が期待される役割を担っていけるようにすべき。
(2)実現に向けた具体的な対応
項目 ポイント
①介護職のグループにおけるリーダーの育成 介護福祉士がリーダーを担うことが適当であり,介護福祉士がその役割を適切に担えるようにするためには,現場での実践を通じて育成していくことが必要である。
②介護人材のすそ野の拡大に向けた入門的研修の導入 ・現在実施されている130時間の介護職員初任者研修よりも受講しやすい入門的研修の導入が必要である。
③介護福祉士養成課程におけるカリキュラムの見直し 介護福祉士の既存のカリキュラムにおける教育内容も見直し,内容の統合を行うなど,養成施設等や学生に過度な負担とならないよう留意すべきである。
④介護福祉士等による医療的ケアの実態の把握 介護福祉士等による医療的ケアについては,喀痰吸引や経管栄養の医療的ケアを必要としている利用者に対して,質・量ともに対応できているか,喀痰吸引等研修の体制が十分に整備されているかといったことについて,速やかにその実態を把握した上で検討すべきである。

→この報告書の「おわりに」において,『2025年までに「地域包括ケアシステム」の構築を実現するにあたり,必要な介護人材の量と質の確保につながるものである』と記述されている。この人たちでは改善も改革も進まないということがさらに明確になった(社会保障審議会福祉部会福祉人材確保専門委員会委員)。
→なお,もっとも重要な「介護報酬によるインセンティブの必要性」には触れているが,『関係の審議会で検討を進めることが重要である』という記述にはあきれるばかりである。(筆者)

10/2 厚生労働省 2017年10月から厚生労働関係で何が変わったか <2017年10月からの「厚生労働省関係の主な制度変更」一覧>
区分 項目 内容
(1)年金関係 ①厚生年金保険料率の引上げ ・0.118%引上げ(9月分~:18.3%)
(2)医療関係 ②入院時生活療養費の見直し (1)医療の必要性の低い者(医療区分1):370円/日(50円の引き上げ)
(2)医療の必要性の高い者(医療区分2,3(指定難病患者を除く)):200円/日(200円の引き上げ,2018年4月~:370円)
(3)指定難病患者,老齢福祉年金受給者,境界層該当者:0円/日(変更なし)
(3)雇用・労働関係 ③育児・介護休業法の改正施行

(1)子が1歳6か月に達した時点で,保育所に入れない等の場合に育児休業期間を「最長2歳まで」延長
(2)労働者又はその配偶者が妊娠・出産した場合,家族を介護していることを知った場合に,当該労働者に対して,個別に育児休業・介護休業等に関する定めを周知する努力義務の創設
(3)小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者が,育児に関する目的で利用できる休暇制度を設ける努力義務の創設

④最低賃金額の改定 (1)都道府県ごとに定められている地域別最低賃金が改定
(2)すべての都道府県で、時間額22円から26円の引上げとなる(全国加重平均額848円)

→間近に迫った衆議院選挙において(2017年10月10日公示,10月22日投開票),これまでの安倍政権の政治姿勢が問われることになるが,衆議院解散からわずか数日で内閣支持率が40.6%と減少しており,流動的ではあるが,現在の「1強多弱」が転換する可能性も出てきた。
→選挙公約が間もなく明確にされるが,争点としての「社会保障」への各党のアプローチを注目したい。(筆者)
9/29 - ■2017年9月28日に「第194回臨時国会」が招集され,「衆議院冒頭解散」が行われた ・2017年1月20日に招集された「第193回通常国会」が2017年6月18日に閉会した(会期:150日間)。2017年6月22日には野党4党からの憲法第53条に基づく臨時国会召集要求が衆参両議院に提出された。
・しかし,安倍政権および与党(自民党,公明党)は,2017年8月3日に「第3次安倍第3次改造内閣 (結果本位の仕事人内)」が発足した後,2017年9月28日までの98日間も臨時国会召集要求を放置し続けた。同日「第194回臨時国会」が招集され,直後に「衆議院冒頭解散」が実施された。
・結局,内閣改造後の首相演説や代表質問が一度も行われず衆議院を解散した。
・なお,「森友・加計学園問題の追及」への対応として,「第193回通常国会」閉会後に,衆議院の予算委員会において2017年7月24日,25日の2日間のみ「首相出席の国会閉会中審査」が実施された。

→今回の衆議院選挙は,2017年10月10日公示,10月22日投開票の予定で,第2次安倍政権以降の政治姿勢が問われる選挙である。
→筆者は,「国難突破解散」というキャッチフレーズには嫌悪感を覚える。国民を甘く見過ぎた安倍首相への厳しい審判となるように思う。そうあってほしいと願う。(筆者)
9/19 厚生労働省 「地域力強化検討会 最終とりまとめ」(概要 / 本文 ・2017年9月12日,厚生労働省は,「地域における住民主体の課題解決力強化・相談支援体制の在り方に関する検討会(地域力強化検討会) 最終とりまとめ~地域共生社会の実現に向けた新しいステージへ~」を公表した。
・2016年6月2日に閣議決定した「ニッポン一億総活躍プラン」において,地域包括ケアシステムを深化させた「地域共生社会の実現」が掲げられ,6月21日に厚生労働大臣は子どもや高齢者などさまざまな立場の 住民が助け合う「地域共生社会」の推進本部を省内に設置すると発表した。2016年7月15日に地域共生社会の実現を福祉改革の基本コンセプトとした『「我が事・丸ごと」地域共生社会実現本部』の初会合が開催された。2016年12月26日には「地域力強化検討会 中間とりまとめ」が公表され,2017年9月12日に「地域力強化検討会 最終とりまとめ」が公表された。

→「地域力強化検討会」の座長は原田正樹教授(日本福祉大学社会福祉学部社会福祉学科教授)である(地域力強化検討会委員名簿)。「第10回委員会での各委員の発言まとめ」も是非一読されたい。人口減少・少子高齢社会時代に向けた社会保障の大転換期に際して,この程度のメンバーでまとめられたものをベースにしていいのかという疑念を持つ。
→今後,厚生労働省は,この最終とりまとめを踏まえて,改正社会福祉法第106条の3に基づく指針の策定,地域福祉計画のガイドラインの改定,さらにはその後の「我が事・丸ごと」の地域づくりを進めるとしている。
→2016年に厚生労働省が打ち出した「地域共生社会」という概念は,福祉サービスを「縦割り」から「丸ごと」へと転換する「地域包括ケアシステム」を進化させたものだと説明されている。「最終とりまとめ」からは,福祉サービスの財源確保ができない国が,自らの責任を放棄して地域へ役割を丸投げしするために編み出した概念だという批判的な意見を説得できるものではないと思った。
→なお,2017年の第193回通常国会では,介護保険の財源不足からサービス制限を目的とする「地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律」が成立している。(筆者)
9/5 厚生労働省 「2016年度 介護給付費等実態調査の概況」 ・2017年8月31日,厚生労働省は,「2016年度 介護給付費等実態調査の概況」(2016年5月審査分~2017年4月審査分)を公表した。
項目 ポイント内容
介護・介護予防サービスの実受給者数 ・613万8,100人(前年度比1.4%増)
介護サービスの受給者 ・497万5,500人(前年度比2.8%増)
・内訳=居宅サービスは373万5,200人(0.8%増),居宅介護支援は344万5,700人(2.8%増),施設サービスは125万700人(1.5%増),地域密着型サービスは111万9,300人(約2倍)
居宅サービスの受給者 ・受給者数が最も多かったのは福祉用具貸与の223万2,200人(4.8%増)
・訪問介護も144万500人(1.1%増)で増加。一方,通所介護は153万300人(20.2%減)で減少
施設サービスの受給者 ・介護福祉施設サービス(特別養護老人ホーム)は65万6,600人(2.6%増),介護保健施設サービス(介護老人保健施設)が55万2,200人(0.8%増)で増加。一方,介護療養施設サービス(介護療養型医療施設)は9万1,600人(5.7%減)で減少
地域密着型サービスの受給者 ・地域密着型通所介護の58万5,500人,短期利用を除いた認知症対応型共同生活介護の24万700人(2.6%増),小規模多機能型居宅介護の12万7,500人(6.0%増)などが多かった
都道府県別の受給者1人当たりの介護サービスの費用額 ・都道府県の平均額は19万1,200円
・最も多かったのが沖縄(20万9,400円)。石川(20万4,200円)や鳥取(20万3,900円)も多かった

→介護給付費の増減の鍵は,ケアマネジャーが握っているということは周知のことである。居宅ケアプラン作成(新規,更新)において,住宅改修も含めて利用者に真に必要なサービスが設定されているか,過度のサービス提供となっていないかが問題点であることも周知のことである。さらに,介護給付費の過剰な支出への解決策は,サービス事業所のケアマネジャー等における保険制度の理解・能力不足の解消と,ケアプランの的確・厳格なチェック体制の構築であるということも周知である。介護給付費の適正化の課題は,厚生労働省が分かり切ったことを本気でやる,やらせるかだということも周知のことである。(筆者)
8/31 厚生労働省 「第138回労働政策審議会労働条件分科会」が開催された ・2017年8月30日,厚生労働省は,労働者の働き方に関連する重要な変更事項を審議するため,「第138回労働政策審議会労働条件分科会」を開催した。
労働政策審議会では,「働き方改革実行計画」(2017年3月28日働き方改革実現会議決定)及び「労働政策審議会の建議」(2017年6月)を踏まえ,8月30日の労働条件分科会での調査審議を皮切りに,各分科会・部会において,調査審議を始めるとしている。
<厚生労働省の方針>
①収入が高い一部専門職を労働規制から外す「高度プロフェッショナル制度(残業代ゼロ制度)」の創設を中心とする労働基準法法改正案と,罰則付きで残業時間の上限規制を設ける労働基準法改正案を一本化する。
②労働基準法改正案のほか,「同一労働同一賃金」(正社員と非正社員の格差是正)に向けた労働契約法改正案などを「7法案一括法案」とする。

→厚生労働省は,目的の全く異なる働き方に関する7法案を一括法案として,2017年秋の臨時国会に提出する予定としている。一括法案とする理由は,審議時間を短縮するためであるとされているが,残業時間規制をなくす「残業代ゼロ制度」と残業上限規制を一本化することへの疑問や「残業代ゼロ制度」は2015年に国会に提出されたが,これまで一度も審議入りしたことがない法案で審議時間を短縮することへの強い疑問が提起されている。
→労働者の働き方に関する重要な法案が,不十分な審理でかつ強行的な採決で成立することが予想されるが,それを止めることができるのは「世論」以外にはないと思われる。(筆者)
8/6 厚生労働省 「第20回精神保健福祉士国家試験の施行について」 ・2017年8月4日,厚生労働省は,「第30回社会福祉士国家試験の施行について」を公表した。なお,2016年は8月5日に公表されている。
・同日,社会福祉振興・試験センターは,
「試験概要」・「受験申し込み手続き」を公表した。

試験日程
◎受験書類の受付期間  :2017年9月7日~10月6日
試験日          :2018年2月3日(土),2月4日(日)
◎発表日          :2018年3月15日(木)
試験委員(敬称略)・・・赤の太字は新任
・試験委員長
鹿島晴雄
・副委員長
伊藤秀幸,菅野庸,竹島正,田中英樹,長崎和則,
和気康太
・委員
相原佳子,明渡陽子,天田城介,荒井浩道,今村浩司,井村修,岩崎香,岩本操,大岡由佳,大久保善朗,大塚俊弘,
荻野剛史,越智あゆみ,小原眞知子,影山隆之,風間朋子,勝又陽太郎,上山泰,菊池馨実,吉川隆博,倉知延章,近藤あゆみ,今野広紀,齊藤晋治,坂本明子,佐藤博,嶋﨑尚子,白石弘巳,須藤昌寛,髙木憲司,田澤あけみ,玉野和志,茶屋道拓哉,辻井誠人,所めぐみ内藤佳津雄永田祐,難波利光,西田和弘,畑本裕介,原元彦,福原宏幸,藤井博志,伏見惠文,堀越由紀子,松本すみ子,丸谷浩介,丸山桂,道中隆,宮岡等,宮岡佳子,森川美絵,森谷就慶,柳田正明,山田晋,吉川公章,吉澤豊,吉田光爾,吉益晴夫,四方田清
8/5 厚生労働省 「第30回社会福祉士国家試験の施行について」 ・2017年8月4日,厚生労働省は,「第30回社会福祉士国家試験の施行について」を公表した。なお,2016年は8月5日に公表されている。
・同日,社会福祉振興・試験センターは,
「試験概要」・「受験申し込み手続き」
を公表した。

試験日程
◎受験書類の受付期間  :2017年9月7日~10月6日
◎試験日          :2018年2月4日(日)
◎発表日          :2018年3月15日(木)

試験委員(敬称略)・・・赤の太字は新任
・試験委員長
坂田周一
・副委員長
秋元美世,小笠原浩一,川崎二三彦,
後藤澄江鶴岡浩樹,野村豊子,福田素生(2016年は委員)和気康太
・委員
相原佳子,青柳親房,明渡陽子,上之園佳子,朝日雅也,天田城介,荒井浩道,石川正興,井村修,岩崎香,
岡田直人,荻野剛史,小原眞知子,金子恵美,上山泰,川島ゆり子菊池馨実,木村容子,今野広紀,佐藤博,潮谷恵美,澁谷昌史,嶋崎尚子,生島浩,須藤昌寛,諏訪徹,高木憲司,田澤あけみ,田中尚,玉野和志,得津愼子所めぐみ内藤佳津雄,長倉真寿美,永田祐中村高康, 難波利光,西岡正次,西田和弘,西村幸満,畑本裕介,原元彦,福原宏幸,藤井博志,伏見惠文,堀越由紀子,松原由美,丸谷浩介,丸山桂,道中隆,宮岡佳子,宮崎清恵宮島渡,森川美絵,柳田正明,山縣文治,山口麻衣山田晋吉田輝美,綿祐二
8/4 首相官邸 2017年8月3日に「第3次安倍第3次改造内閣」が発足した ・2017年8月3日,内閣支持率の急落という状況を受けて,「第3次安倍第3次改造内閣」が発足した。安倍首相は「結果本位の仕事人内閣」と明言した。
・今回の内閣改造は,麻生副総理・財務大臣や菅官房長官ら政権の骨格を維持しつつ,19閣僚のうち閣僚経験者13人,留任7人と党内バランスをとった人選とし,人事の目玉として河野外務大臣 (54)と野田総務大臣(56)を配置したものである。
・女性閣僚は,野田総務大臣・女性活躍担当大臣(56)と上川法務大臣(64)の2人で,初入閣は,斎藤農林大臣(58),中川環境大臣(70),小此木国家公安委員長(52),江崎沖縄・北方担当大臣(73),松山1億総活躍担当大臣(58),梶山地方創生担当大臣(61)の6人である。
・また,厚生労働大臣には加藤勝信1億総活躍担当大臣(61)が横滑りし,「働き方改革」を継続して担当する。さらに,新たな重要政策となる「人づくり革命」は,茂木敏経済再生担当大臣(61)が担当する。


■第3次安倍第3次改造内閣 (「結果本位の仕事人内閣」 :2017年8月3日発足)
安倍首相の記者会見
基本方針(閣議決定)
内閣総理大臣談話(閣議決定)
閣僚等名簿 / 総理大臣補佐官


→安倍首相が命名した内閣のキャッチフレーズの変遷は,以下の通りであるが,これまでの実績から無意味なものであると推測できる。
・2014年12月24日発足の「第3次安倍内閣」 :「実行実現内閣」
・2015年10月7日発足の「第3次安倍改造内閣」 :「未来へ挑戦する内閣」
・2016年8月3日発足の「第3次安倍第2次改造内閣」 :「未来チャレンジ内閣」
・2017年8月3日発足の「第3次安倍第3次改造内閣」 :「結果本位の仕事人内閣」

→なお,安倍首相に近い新厚生労働大臣に対しては,直近の課題として,「働き改革問題」,「残業代ゼロ制度」,「受動喫煙問題」への対応を注目している。(筆者)
7/25 厚生労働省 「第30回介護福祉士国家試験の施行について」
・2017年7月21日,厚生労働省は,「第30回介護福祉士国家試験の施行について」を公表した。なお,2016年度は7月1日の公表であった。

試験センターによる「試験概要・受験申し込み手続き」の案内
「試験概要」・「受験申し込み手続き」(2017年7月21日公表)
『受験の手引』請求窓口の開設(2017年7月3日公表)

試験日程
◎受験書類の受付期間  :2017年8月9日(水)~9月8日(金)
◎筆記試験日       :2018年1月28日(日)
◎実技試験日       :2018年3月4日(日)
◎発表日          :2018年3月28日(水)


筆記試験時間・領域・出題数・形式・・・赤の太字は第29回からの変更箇所
(1)試験時間 :220分
(2)出題領域 :
4領域
(3)出題数  :
125問

(4)出題形式 :筆記試験の出題形式は五肢択一を基本とする多肢選択形式とし,問題に図表等を用いることがある
(午前)10時00分~11時50分
[領域:人間と社会](16問)

①人間の尊厳と自立<④と同じ群>
②人間関係とコミュニケーション<⑤と同じ群>
③社会の理解
[領域:介護](52問)
④介護の基本<①と同じ群>
⑤コミュニケーション技術<②と同じ群>
⑥生活支援技術
⑦介護過程
(午後)
13時45分~15時35分
[領域:こころとからだのしくみ](40問)
⑧発達と老化の理解
⑨認知症の理解
⑩障害の理解
⑪こころとからだのしくみ
[領域:医療的ケア](5問)
⑫医療的ケア

[総合問題](12問)
⑬総合問題

試験委員(敬称略)・・・赤の太字は新任
試験委員長
臼井正樹
(2016年は副委員長)
副委員長
尾崎章子,川井太加子,川手信行,小池竜司(2016年は委員),谷口敏代,平野方紹,峯尾武巳,山野英伯
・委員(筆記)

天野由以,飯干紀代子,伊藤直子,井上善行,梅垣宏行,大木和子,
大塚晃大西基喜岡田忍,小川純人,奥田都子,金井守,金子英司,北村世都,木村琢磨工藤雄行小平めぐみ柴山志穂美志水幸鈴木智敦諏訪さゆり,高岡理恵,高木剛,高山由美子,田口潤,竹内美幸,武田卓也,辻哲也,津田理恵子,永井優子,長谷憲明,中西正人,中村大介,二瓶さやか朴美蘭,原口道子,柊崎京子,藤井徹也藤田秀剛,古田伸夫,堀江竜弥,本名靖,壬生尚美,森田慎二郎,八木裕子,吉田清子
・委員(実技) :省略
7/5 厚生労働省 「厚生労働省の組織再編」が2017年7月11日に施行される ・2017年7月4日,厚生労働省は,「2017年度の厚生労働省の組織再編(7月7日公布,7月11日施行)」を公表した。
<組織再編のポイント>
①「医務技監(次官級)」の新設
②「雇用環境・均等局」の新設
③「子ども家庭局」の新設
④「人材開発統括官」の新設

→2016年8月26日,厚生労働省は,安倍政権が第3次再改造内閣での「最大のチャレンジ」と位置づける「働き方改革」を進めるため,現在の「雇用均等・児童家庭局」を分割し,「雇用環境・均等局」(仮称)と子育て支援を担う「子ども家庭局」(仮称)とする組織再編方針を公表し,2017年度の機構・定員要求に盛り込むとしていた。
→今回のような小手先の組織再編では,何も変わらないだろうというのが筆者の感想である。
→従来から,巨大官庁である厚生労働省の「分割論」が問題提起されてきている。2016年4月22日付の毎日新聞(「厚労省分割論-若手議員ら主張,塩崎氏は反発」)の記事に対しての,塩崎厚生労働大臣の記者会見での「国土交通省など巨大官庁はいくつかある。厚労省だけに絞っても日本全体の問題解決にはならないと述べ,不快感を示した」という発言から,安倍政権の認識レベルが明確になった。
→国外の厚生労働省の業務分担は,以下の通り2~3省庁で行われている。
①アメリカ :「社会保障」,「年金」,「労働政策」の3省庁
②フランス :「社会保障」,「労働政策」の2省庁
③スウェーデン :「社会保障」,「労働政策」の2省庁
④イギリス :「社会保障」,「年金・労働政策」の2省庁
⑤ドイツ :「社会保障」,「年金・労働政策」の2省庁
しかし,塩崎厚生労働大臣は2016年5月13日の衆議院厚生労働委員会で,「厚生労働省分割論」に対して,「組織をどう分けようとも,あるいは大臣を2人にしようと,3人にしようとも,この業務量と職員の数というのはバランスは変わらない」と驚愕の答弁をしている。 この人物とやり取りしても得るものはないと思った。(筆者)


(参考)
「厚生労働省再編案に関する質問主意書」(2016年5月25日提出)
7/4 厚生労働省 「2016年版 働く女性の実情」(女性労働白書) ・2016年6月30日,厚生労働省は,「2016年版 働く女性の実情」を公表した。
・「働く女性の実情」は,女性の労働力人口,雇用者数,現金給与額,就業者,完全失業ほか,雇用の状況をまとめた統計資料で,1953年から毎年公表している報告書である。
<「2016年版 働く女性の実情」の構成>
【Ⅰ】 働く女性の状況

(1)2016年の働く女性の状況
(2)地域別にみた女性の就業状況


【Ⅱ】 働く女性に関する対策の概況
①雇用における男女の均等な機会と待遇の確保等対策の推進
②仕事と生活の調和の実現に向けた取組
③パートタイム労働対策の推進
④在宅ワーク対策の推進
⑤家内労働対策の推進
⑥女性の能力発揮促進のための援助

→「指導的地位に占める女性の割合」に関する動向である。
・1999年制定の「男女共同参画社会基本法」に基づいて「第3次男女共同参画基本計画」が2010年12月に閣議決定され,「社会のあらゆる分野において,2020年までに指導的地位に女性が占める割合を少なくとも30%とする」という目標が設定された。2015年12月に閣議決定された「第4次男女共同参画基本計画」では,当該目標を「引き続き更なる努力を行う」こととした。
・2016年4月1日施行の「女性活躍推進法」により,職場における女性の活躍を促す取り組みが始まり,常用雇用労働者301人以上の企業は,「一般事業主行動計画」を策定し,都道府県労働局への届出しが義務化された。
→「2016年版 働く女性の実情」において,民間企業の管理職に占める女性の割合は,2013~2015年の全国平均で8.2%であり,30%という目標の達成は不可能と見られている。安倍政権の「いい加減さ」は,こんなところからも見て取れる。なお,「指導的地位」とは,①議会議員,②法人・団体等における課長相当職以上の者,③専門的・技術的な職業のうち特に専門性が高い職業に従事する者と定義されている。(筆者)

6/28 厚生労働省 「2016年 国民生活基礎調査の概況」(大規模調査) ・2017年6月27日,厚生労働省は,「2016年 国民生活基礎調査の概況」を公表した。
「国民生活基礎調査」は,保健・医療・福祉・年金・所得など国民生活の基礎的事項を調査し,厚生労働行政の企画や運営に必要な基礎資料を得ることが目的で,1986年を初年として3年ごとに大規模な調査,中間の各年に簡易な調査を実施しており,2016年は大規模調査にあたる。
<「国民生活基礎調査結果」の構成>
項目 高齢者に関する主な結果
(1)世帯数と世帯人員の状況 ①65歳以上の者のいる世帯の状況 ・2,416万5千世帯(全世帯の48.4%)
②65歳以上の者の状況 ・3,531万5千人
・「夫婦のみの世帯」(夫婦の両方又は一方が65歳以上)38.9%,「子と同居」38.4%),「単独世帯」18.6%
(2)各種世帯の所得等の状況 ①所得の種類別の状況 ・全世帯では「稼働所得」74.0%,「公的年金・恩給」19.1%
・高齢者世帯では「公的年金・恩給」65.4%,「稼働所得」21.0%
②貧困率の状況 ・2015年の貧困線は122万円
・「相対的貧困率」は15.6%(「子どもの貧困率」(17歳以下)は13.9%
(3)世帯員の健康状況 ①自覚症状の状況 ・有訴者率は「10~19 歳」166.5で,年齢階級が高くなるにしたがって上昇し,「80歳以上」では520.2
②通院の状況 ・通院者率は「10~19 歳」141.1 で,年齢階級が高くなるにしたがって上昇し,「80歳以上」では730.3
(4)介護の状況 ①要介護者等のいる世帯の状況 ・「核家族世帯」37.9%,「単独世帯」28.9%,「その他の世帯」18.3%
②主な介護者の状況 ・要介護者等と「同居」58.7%,「事業者」13.0%
・「同居」の主な介護者の要介護者等との続柄は,「配偶者」25.2%,「子」21.8%,「子の配偶者」9.7%
・「同居」の主な介護者の性別は,男性34.0%,女性66.0%で,男女とも「60~69歳」28.5%,33.1%
・介護者と要介護者等の組合せは,「60歳以上同士」27.3%,「65歳以上同士」27.9%,「75歳以上同士」30.2%
・介護が必要となった主な原因の多い順は,「認知症」18.0%,「脳血管疾患(脳卒中)」16.6%,「高齢による衰弱」13.3%

→介護が必要な65歳以上の高齢者を「65歳以上の高齢者が介護する「老老介護」の世帯の割合が54.7%に達した。
→「要介護者」が介護が必要となった主な原因の第1位は「認知症」(24.8%)であることから,「老老介護」のうち認知症の要介護者を認知症の介護者が介護する「認認介護」が,今後更に増加していくと想定されている。
→現行の介護保険制度において,「老老介護」や「認認介護」になってしまってからの実効ある選択肢は極めて少ないと思う。筆者は,「要介護4」の実母を77歳からの10年を在宅介護で看取った経験を持つ。「介護」は介護が始まる前,すなわち準備期間からの「介護する者の覚悟のあり様」次第で,「殺すか,心中するか」という「地獄」の一歩手前で,死ぬほどの苦悩を繰り返しながらも,何とか介護生活を送ることも可能だと信じている。思いやりから始まったであろう「介護」から,被害者も加害者も出ないことを祈るばかりである。(筆者)

6/20 首相官邸 第193回通常国会閉会後の「安倍首相の記者会見」 ・2017年1月20日に招集された「第193回通常国会」が,2017年6月18日に閉会した(会期:150日間)。これを受け,2017年6月19日,「安倍首相の記者会見」が行われた。
・文科省の再就職問題,財務省・文科省・内閣府が関わる森友学園問題,文科省・内閣府が関わる加計学園問題,テロ等準備罪の審議・採決方法問題,が次々と噴出し,国会閉会直近の世論調査(毎日新聞)における内閣支持率は36%,不支持率は44%となっていた。

・結果として,内閣提出の法律案72本(今国会提出66本+継続6本)中,67本が成立し,成立率は93%で,議員立法は10本が成立した。その他,予算案が5本,条約承認案が20本,国会承認案が5本,国会同意人事案が23本,決算案が5本,国有財産等承認案が8本,北朝鮮への非難決議1本が成立している。

→「これまでの画一的な発想にとらわれない『人づくり革命』を断行し,日本を誰にでもチャンスがあふれる国へと変えていく」,そのために「『みんなにチャンス!構想会議』を,この夏立ち上げ」て,内閣に新たに設ける担当大臣には,「有名マルチ商法の広告塔疑惑」のあった「加藤一億総活躍担当相・働き方改革担当大臣」が指名されるのではないかとみられている。そんなのに「人づくり」をやらせるんだ,というのが,筆者の感想である。
→これまでの総括を行わず,新たな政策を脈絡もなく唐突に打ち上げ,その政策を優遇する身内に担当させ,安倍一強体制での「官邸主導」で,今後も強引に進められていくことになる。具体案を示さないのが「安倍首相」の常とう手段である。国民から,これではよくないのではないかという空気が漂い始めてきた,ことを安倍首相が一番感じ取っているのかもしれない,と会見を観ていて思った。
→会見で,官邸スタッフが指名して馴れ合いの質問をしたメディアは,いつも官邸寄りの報道をしてくれるロイター通信,NHK,日本経済新聞,フジテレビの4社であった。例の文科省の再調査の引き金となったと言われる,菅官房長官を追い詰めた「東京新聞の望月記者」を恐れて排除したところが,「安倍政権」のアリの一穴と感じたのは筆者だけではないはずである。(筆者)
6/18 内閣府 「2017年版 少子化社会対策白書」(概要 / 本文 ・2017年6月16日,内閣府は,「2017年版 少子化社会対策白書」を公表した。
・「少子化社会対策白書」は,「少子化社会対策基本法」第9条に基づく年次報告書で,2004年から作成され,毎年,国会に報告されている。
<「2017年版 少子化社会対策白書」の構成>
第1部 少子化対策の現状
①少子化をめぐる現状
②少子化対策の取組


第2部 少子化社会対策の具体的実施状況
①重点課題
②きめ細かな少子化対策の推進

→元民主党衆議院議員,元厚生省児童家庭局企画課長でおられた大泉博子氏が,2016年にWEBに公開された「少子化対策はなぜ効果をあげられないのか~問題の検証と今後の展望」をぜひ読んでいただきたいので,URLを紹介したい。氏の提言はともかく,氏の厚生省官僚時代からの経験に基づく「少子化対策の経過」の解説は大変参考になる。
(URL)http://ippjapan.org/archives/1537
→なお,「2017年度社会保障関係予算」(32兆4,735億円)に占める「少子化対策」の比率は0.06%(2兆1,149億円)である。これが,「少子化対策は国にとって喫緊の課題」と言い続けている現政権の本音である。(筆者)

6/17 内閣府 「2017年版 高齢社会白書」(概要 / 本文 ・2017年6月16日,内閣府は,「2017年版 高齢社会白書」を公表した。
・「高齢社会白書」は,「高齢社会対策基本法」第8条に基づいて,1996年から毎年政府が国会に提出している年次報告書である。
<「2017年版 高齢社会白書」の構成>
(A)「2016年度 高齢化の状況及び高齢社会対策の実施状況」
第1章 高齢化の状況
①高齢化の状況
②高齢者の姿と取り巻く環境の現状と動向
③高齢者の暮らし~経済や生活環境に関する意識

第2章 高齢社会対策の実施の状況
①高齢社会対策の基本的枠組
②分野別の施策の実施の状況


(B)2017年度 高齢社会対策

①2017年度の高齢社会対策
②分野別の高齢社会対策

→「高齢社会白書」では,毎年,意識調査を実施し,第1章第3節において「結果の紹介とともに特徴的な事項を考察する」としている。
・2017年版 ;「高齢者の暮らし~経済や生活環境に関する意識~」
・2016年版 :「国際比較調査に見る日本の高齢者の意識」
・2015年版 :「一人暮らし高齢者に関する意識」
・2014年版 :「高齢期に向けた「備え」に関する意識」
・2013年版 :「団塊の世代の意識」
→「高齢社会白書」は,官僚が考察したものを,政治家で構成する内閣が閣議決定し,国会に報告するという代物である。近時,安倍首相の国民への裏切りを必死にかばう官僚や政治家の姿がテレビで連日放映されるという出来事が立て続けに起こった。
→第193回通常国会の「森友事案と加計事案」において,官僚と政治家が結託して幼稚なウソをつき通そうとする惨めで哀れな姿を観ていて,情けない気持ちになった国民は多いと思う。安倍一強体制での「官邸主導」は,官僚制度まで飲み込んでしまった。そんな理不尽に歯止めをかけられるのは国民以外にないことを思い知った国民も多くいる。国会閉会で,「罰」から逃れられたかどうか・・・。「天網恢恢疎にして漏らさず」という言葉もある。日本の将来のためには,いいモノ?を国民にさらけ出してくれたのかも知れない。ただし,負け戦を承知で行政官僚の矜持を示した「前川喜平前文科次官」のような人物を受け入れる度量が日本国民にあるかどうかであるが。(筆者)
6/16 内閣府 「2017年版 男女共同白書」(概要 / 本文 ・2017年6月9日,内閣府は,「2017年版 男女共同参画白書」を公表した。
・男女共同参画白書は,「男女共同参画者社会基本法」第12条に基づく年次報告書で,2001年から作成され,毎年,国会に報告されている。
<「2017年版 男女共同参画白書」の構成>
【Ⅰ】2016年度 男女共同参画社会の形成の状況

特集 女性活躍推進法による女性活躍の加速・拡大に向けて

【Ⅱ】男女共同参画社会の形成の促進に関する施策
第1部 2016年度に講じた男女共同参画社会の形成の促進に関する施策
第2部 2017年度に講じようとする男女共同参画社会の形成の促進に関する施策

→「女子に対する差別」を,1985年に日本が批准した「女子差別撤廃条約」で確認する。
『「女子に対する差別」とは,性に基づく区別,排除又は制限であって,政治的,経済的,社会的,文化的,市民的その他のいかなる分野においても,女子(婚姻をしているかいないかを問わない。)が男女の平等を基礎として人権及び基本的自由を認識し,享有し又は行使することを害し又は無効にする効果又は目的を有するものをいう。』

→「男女共同参画社会」の定義とその実現の重要性を,1999年に成立した「男女共同参画社会基本法」で確認する。
『少子高齢化の進展,国内経済活動の成熟化等我が国の社会経済情勢の急速な変化に対応していく上で,男女が,互いにその人権を尊重しつつ責任も分かち合い,性別にかかわりなく,その個性と能力を十分に発揮することができる男女共同参画社会の実現は,緊要な課題となっている。』
→「男女共同参画白書」が特集したテーマの経過である。
・2009年版 :男女共同参画の10年の軌跡と今後に向けての視点−男女共同参画社会基本法施行から10年を迎えて−
・2010年版 :女性の活躍と経済・社会の活性化
・2011年版 :ポジティブ・アクションの推進-「2020年30%」に向けて-
・2012年版 :男女共同参画の視点からの防災・復興
・2013年版 :成長戦略の中核である女性の活躍に向けて
・2014年版 :変わりゆく男性の仕事と暮らし
・2015年版 :地域の活力を高める女性の活躍
・2016年版 :多様な働き方・暮らし方に向けて求められる変革
・2017年版 :女性活躍推進法による女性活躍の加速・拡大に向けて
→2016年4月に施行した「女性活躍推進法」の経緯である。
2014年6月24日に,安倍首相が「新成長戦略」の一環として「女性が輝く日本」を唐突に打ち出した。女性が輝くのは働きに出ることなのか,経済成長させるために女性を働きに出したいということか,という素朴な疑問を持った国民は少なくなかったと思う。2014年臨時国会に「女性活躍推進法案」が提出されたが,衆院解散で廃案になった。2015年の通常国会で再度「女性活躍推進法案」が提出され,2015年8月28日に「女性活躍推進法」が成立し,公布・施行され,「事業主行動計画の策定」については,2016年4月1日に施行された。なお,本法は10年間の時限立法である。
→筆者は,「男女共同参画社会」とは,性別にかかわらず個人の個性や能力を認め合う社会,個人の生き方の多様性が認められる社会で,目指すべき社会であると考えるが,「男女共同参画白書」からその実現の可能性が全く読み取れない。もしかすると,「男女共同参画利権が巣くう社会」がすでに構築されているのではないかと勘ぐってしまう。(筆者)

(参考)
2016年4月から施行の「女性活躍推進法」(内閣府男女共同参画局) / 「女性活躍推進法」特集ページ(厚生労働省)
「事業主行動計画策定指針」(2015年11月20日告示)
「女性活躍加速のための重点方針2016」(2016年5月20日すべての女性が輝く社会づくり本部決定)

「女性の活躍推進に関する世論調査」(2014年11月1日)
6/15 内閣府 「2017年版 障害者白書」(概要 / 本文 ・2017年6月13日,内閣府は,「2017年版 障害者白書」を公表した。
・「障害者白書」は,「障害者基本法」第13条に基づく年次報告書として,1994年から作成され,毎年,国会に報告されている。
<「2017年版 障害者白書」の構成>
第1編 共生社会の実現に向けて
第2編 障害者支援の充実に向けた動き
第3編 障害者施策の実施状況


<参考資料>
「障害者施策の主な歩み」
「障害者の状況」
「障害者施策関係予算の概要(2015年~2017年)」

→「2017年版障害者白書」の特徴としては,相模原市の「知的障害者施設殺傷事件」の背景にある偏見や差別意識をなくすための取り組みの粘り強い展開を訴えていること,2020年東京五輪・パラリンピックに備え、ハード・ソフト両面でバリアフリーを推進していく方針を強調していること,が挙げられる。しかし,筆者は,通り一遍で,国に当事者意識の希薄さを感じ,心に届くものがないと思った。
→2016年4月に「障害者差別解消法」が施行され,6月に「改正障害者総合支援法」が公布され,7月に「知的障害者施設殺傷事件」が起こった。「障害者差別解消法」は,2013年6月に成立したが,法の趣旨を周知するため,3年の準備期間を経て,2016年4月に施行されたことを考えれば,国の不作為の責任は厳しく追及されなければならないはずである。
→「合理的な配慮」を義務付けた「障害者差別解消法」において,市町村に策定が義務付けられている「地方公共団体における対応要領」の策定率は61.6%で,「地方公共団体における地域協議会」の設置率は37.8%である。これは,いかに政策と実態とが遊離しているかの証明でもある。
→「2017年版障害者白書」について,メディアは,次のような見出しで,一過性に取り上げるだけである。
・日本経済新聞 :「障害者雇用、13年連続最多 障害者白書」
・東京新聞 :「17年版障害者白書を閣議決定 相模原事件に言及,共生訴え」
・NHK :「障害者白書 “偏見や差別意識なくす取り組みを”」
「言ってることととやってることが違う」と訴え続けるのがメディアは責任ではないのかと思う。(筆者)

6/14 内閣府 「2017年版 子供・若者白書」(概要 / 本文 ・2017年6月13日,内閣府は,「2017年版 子供・若者白書」を公表した。
・「子供・若者白書」(旧青少年白書)は,「子ども・若者育成支援推進法」第6条に基づく年次報告書として,2010年から作成され,毎年,国会に報告されている。
<「2017年版 子供・若者白書」の構成>
【特集】若者にとっての人とのつながり 
第1章 :子供・若者育成支援施策の総合的な推進
第2章 :全ての子供・若者の健やかな育成
第3章 :困難を有する子供・若者やその家族の支援
第4章 :子供・若者の成長のための社会環境の整備
第5章 :子供・若者の成長を支える担い手の養成
第6章 :創造的な未来を切り拓く子供・若者の応援
第7章 :施策の推進体制等

<参考資料>
「子供・若者育成支援施策関係予算の概要(2016年~22017年)」

→子ども・若者の生存や発達は危機的な状況にあり,総合的な実践が必要だと言われて久しい。
→「2017年版 子供・若者白書」に関する新聞の見出しは,以下の通りである。
・日本経済新聞 :「ニート,4年ぶり増加 子ども・若者白書 」
・毎日新聞 :「無職だと孤立の恐れ 居場所少なく」
・東京新聞 :「無職だと孤立の恐れ 居場所少なく,若者白書」
・NHK :「「自分の居場所多い子は充実感」子供・若者白書」
→近年の「子供・若者育成施策」の経緯である。
・2003年6月に内閣に「青少年育成推進本部」が設置され,2003年12月に「青少年育成施策大綱」が策定された。5年後の見直しで,2008年12月に「新青少年育成施策大綱」が策定された。
・2009年7月に成立した「子ども・若者育成支援推進法」が2010年4月1日に施行された。同時に,内閣に「子ども・若者育成支援推進本部」が設置され,2010年7月には「子供・若者育成支援推進大綱(子ども・若者ビジョン)」が策定された。5年後の見直しで,2016年2月に「新子供・若者育成支援推進大綱」が策定された。日本の子ども若者政策は,従来の「健全育成」や「パターナリスティック」な政策から「社会包摂」の枠組みへと転換した。しかし,「子ども・若者育成支援推進法第19条」において,地方公共団体に「子ども・若者支援地域協議会」の設置を努力義務とされたものの,2017年4月現在の設置数は105地域に過ぎない。
→とにかく,国の政策実行への本気度が示されなければ,地方は動かない。当然に,実効あるものにはならない。(筆者)

6/11 首相官邸 2017年の4政策計画(骨太の方針2017,成長戦略2017,規制改革実施計画2017,まち・ひと・しごと創生基本方針2017)が公表された ・2017年6月9日,政府は,「4政策計画」(経済財政運営と改革の基本方針<骨太の方針>2017,未来投資戦略<成長戦略>2017,規制改革実施計画2017,まち・ひと・しごと創生基本方針2017)を閣議決定し,公表した。
2017年の4政策計画 ポイント
経済財政運営と改革の基本方針2017~人材への投資を通じた生産性向上~(骨太の方針2017) ・人材投資による「生産性向上」をめざす
・幼児教育と保育の早期無償化と待機児童対策に取り組む
・これらは歳出削減,増税,こども保険が財源の候補
・財政健全化として,2020年度までに基礎的財政収支を黒字化する目標を維持する
・同時に,GDPに対する政務残高比率を引き下げる
・なお,社会保障費の膨張を抑える策として素案に示されていた薬価引き下げは,自民党の反対で消滅した
未来投資戦略2017~Society5.0の実現に向けた改革~
(成長戦略)
・小型無人機ドローンを使った荷物配送を,山間部に続き都市部でも2020年代に本格化させる
・トラックの隊列自動走行を2022年に高速道路で商業化する
・規制を一時凍結して,迅速な実装実験を促す「サンドボックス制度」を導入する
規制改革実施計画2017 ・政府が今後取り組む,141項目の規制緩和や制度の見直し策が盛り込まれてい(行政手続きを簡素化して,企業の作業を2割削減する,労働基準監督署業務の民家員委託など)
まち・ひと・しごと創生基本方針2017 ・地方創生の新展開に向け,アベノミクスを浸透させるため,地方の「平均所得の向上」を目指す
なお「ニッポン一億総活躍プラン」(2016年6月2日)については,2017年5月27日に「ニッポン一億総活躍プランフォローアップ会合」が設置され,ロードマップのフォロー等が実施される。

→「2017年度 4政策計画」に関する新聞の見出しは,以下の通りである。
・読売新聞 :「「骨太」など閣議決定…GDP600兆へ4計画」
・日本経済新聞 :「骨太方針決定 アベノミクス5年,「安倍1強」生かせず 経済の力低下 社会保障・財政は「落第」 」
・東京新聞 :「幼・保無償化1.2兆円超 骨太方針を閣議決定」
・毎日新聞 :「骨太方針決定 小粒な成長戦略 経済運営,財政頼み」
・朝日新聞 :「暮らしの課題解決し成長 人材へ投資し生産性向上 成長戦略・骨太の方針,閣議決定」
→「潜在成長率は上向かない,規制改革などを武器とした成長力のエンジンは不完全燃焼のまま」であるのに,「成長と好循環を拡大するため,人材への投資を通じた生産性の向上を図る」とする安倍首相の強弁がむなしく響いている。
→財源にめどがたっていない見栄えのいい事業を並び立て,歳出抑制を後回しにする意図がある「骨太の方針」や,国際競争が激しい技術革新での税収の見通しの不透明な「成長戦略」に対して,総じて政策の継続性に疑問が呈せられている。(筆者)

6/3 厚生労働省 「2016年人口動態統計月報年計(概数)の概況」 ・2017年6月2日,厚生労働省は,「2016年人口動態統計月報年計(概数)の概況」を公表した。
項 目 ポイント
①出生数➡減 ・出生数は97万6,979人(前年比2万8,698人減,現在の形で統計を取り始めた1899年以降初めて100万人を割り込んだ)
・第1子出生時の母の平均年齢は上昇傾向で,2016年は30.7歳

・合計特殊出生率は1.44 (前年比0.01減)
②死亡数➡増 ・130万7,765人(前年比1万7,321人増,過去最大)
・死因順位 :(1)悪性新生物(全死亡者の28.5%),(2)心疾患(同15.1%),(3)肺炎(同9.1%)で,死亡者の3.5人に1人は悪性新生物で死亡
③自然増減数➡減 ・出生数と死亡数の差である自然増減数は△33万786人(前年比4 万6,019人減)
・沖縄県(4910 人)のみが自然増減数が増加
④死産数➡減 ・2万938胎(前年比1,679胎減)
⑤婚姻件数➡減 ・62万523組(前年比1万4,633組減)
・平均初婚年齢は夫31.1歳,妻29.4 歳(夫妻ともに前年と同年齢)
⑥離婚件数➡減 ・21万6,805組(前年比9,410組減)

→本統計により,安倍政権が,2015年に「アベノミクス第2段階」で目標設定した「2025年度末までに出生率1.8」,「2060年に人口1億人程度維持」が,いずれも不可能になったと受け止められている。これらは,2年ももたずに科学的な根拠を持たない希望的ないしはその場しのぎの目標数値であったことが分かった。
→2017年の通常国会において,安倍首相が公私混同と指摘されている事案・事件について,平然と臆面もなく「嘘」をつき通し,その嘘に口裏を合わせることに汲々としている官僚の哀れな姿を国民は目の当たりにした。これによって,安倍政権の提出する公的な計画等の信ぴょう性に疑いを持った国民は少なくないと思う。(筆者)

5/31 厚生労働省 「2017年版 自殺対策白書」(概要 / 本文 ・2017年5月30日,厚生労働省は,「2017年版 自殺対策白書」を公表した。
・「自殺対策白書」は,「自殺対策基本法」第10条に基づいて,2007年から毎年政府が国会に提出している年次報告書である。
<「2017年版 自殺対策白書」の構成>
第1章 自殺の現状
第2章 自殺対策の基本的な枠組みと動向
第3章 2016年度の自殺対策の実施状況

資料編

→「2017年版 自殺対策白書」に関するマスメディアの取り上げ方・見出しは,通り一遍で以下の通りである。メディアの責任感のなさには恐れ入る。
・日本経済新聞 :日本の自殺率6位 政府が2017年版白書 若年層ほど深刻」
・読売新聞 :「自殺者2万1897人,7年連続減少」
・東京新聞 :「日本の自殺率はワースト6位 女性では3位 若年層が深刻」
・NHK :「自殺対策白書 若い世代の自殺に歯止めを」
→2015年度以降,「自殺対策」に関して,大きな動きが3点あった。
(1)第189回通常国会において,2015年9月4日,内閣府提出の「改正国家行政組織法」が成立し,2016年4月1日から施行された。内容は,内閣府本府から各省等に所掌事務を移管するもので,「自殺対策」が「厚生労働省」に移管され,大綱の見直し,「自殺総合対策会議」の運営,自殺対策白書の取りまとめが行われることになった。
(2)第190回通常国会において,2016年3月22日に議員立法である「改正自殺対策基本法」が成立し,2016年4月1日から施行された。改正のポイントは,①目的規定の改正,②基本理念の追加,③都道府県自殺対策計画等,④基本的施策の拡充,である。
(3)2016年12月より「新たな自殺総合対策大綱の在り方に関する検討会」が開催され,現行の「自殺総合対策大綱~誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指して~」の見直しが行われており,2017年8月には「新自殺総合対策大綱」が閣議決定される予定である。
→毎年同じコメントになるが,「日本の自殺対策」は課題満載である。厚生労働省に移管されたが,政策・施策が機動的になったという評価は出ていない。今後,自殺対策=うつ病対策に矮小化されるのではないかという懸念を提示する説得力のある意見がある。「うつ症状を感じた人の64.7%がはじめに内科を受診するが,精神科・心療内科の受診率は10%未満である」という事実は伏せられたままである。また,これまでの年間3万人が2万5,000人に減少したというのは意味のない算術であり,単純に年間2万5,000人が毎年増加しているという認識を国民に定着させることが重要であると思われる。
→誠に失礼とは思うが,「新たな自殺総合対策大綱の在り方に関する検討会のメンバー」には,『こころの科学186号~「死にたい」に現場で向き合う~』を熟読してもらいたいと思っているのは筆者だけではないと思う。(筆者)
5/8 厚生労働省 「介護分野の最近の動向」 ・2017年4月26日,「第137回社会保障審議会介護給付費分科会」が開催され,会議資料が公表された。
<「介護分野の最近の動向」の項目>
①介護保険をとりまく状況
②2015年度介護報酬改定について
③2017年度介護報酬改定について
④2017年介護保険制度改正案について


(参考)
介護保険の各介護サービスについて

→介護保険法第116条で「基本指針」を定めることが規定されており,「都道府県及び市町村は,基本指針に即して,3年を1期とする都道府県介護保険事業支援計画および市町村介護保険事業計画を定める」こととされ,基本指針は計画作成上のガイドラインの役割を果たしている。現行の第6期基本指針では,第6期(2015年度~2017年度)以降の市町村介護保険事業計画は,「地域包括ケア計画」と位置付け,2025年までの各計画期間を通じて地域包括ケアシステムを段階的に構築することとしている。次期の第7期基本指針(2018年度~2020年度)においては,第6期で目指した目標や具体的な施策を踏まえ,地域包括ケアシステムの着実な構築に向けた取組を進めていくために,第7期の位置付けを明らかにすることが求められており,「社会保障審議会介護保険部会」で2017年2月27日から検討されている。(筆者)
4/14 厚生労働省 「日本の将来推計人口=2016年~2065年=(2017年推計)」 ・2017年4月10日,「第19回社会保障審議会人口部会」が開催され,「日本の将来推計人口=2016年~2065年=(2017年推計)」が公表された。
<前回推計(2012年)との比較>
比較項目 2012年(2011年~2060年) 2017年(2015年~2065年)
総人口が1億人を下回る時期 2048年 2053年
老年人口の割合 40.4% 38.4%
合計特殊出生率 1.35 1.44
平均寿命 女性:90.93歳
男性:84.19歳
女性:91.35歳
男性:84.95歳

→今回の推計は,2015年国勢調査の確定数が公表されたことを受けて算出されたものである。
→菅官房長官は4月10日の記者会見で,『「一億総活躍プラン」に掲げた子育て支援などの施策を推進すれば「合計特殊出生率や総人口の推計値はさらに上昇する』との危機感のない発言をしている。なお,安倍政権は,1億総活躍社会に向け「希望出生率1.8」の実現を掲げている。(筆者)

4/6 厚生労働省 2017年4月から厚生労働関係で何が変わったか <2017年4月からの「厚生労働省関係の主な制度変更」一覧>
区分 項目 内容
(1)年金関係 ①2017年度の国民年金保険料 ・16,260円→16,490円
②2017年度の老齢基礎年金額 ・月65,008円→月64,941円
③中小企業等に対する被用者保険の適用拡大 ・2017年4月:500人以下の企業も,労使の合意に基づき,企業単位で短時間労働者への適用拡大が可能(2016年10月から,5つの条件を全て満たす場合は,社会保険が適用)
(2)医療関係 ④後期高齢者の保険料軽減特例の段階的な見直し (1)所得の低い方の所得割軽減:5割→2割
(2)元被扶養者の均等割の軽減:9割→7割
⑤地域医療連携推進法人制度の創設 ・医療機関相互間の機能の分担及び業務の連携を推進するため,地域医療連携推進法人の認定制度を創設
(3)福祉関係 ⑥医療費助成の対象となる小児慢性特定疾病の追加 ・童福祉法に基づく医療費助成の対象となる小児慢性特定疾病として新たに18疾病を追加
(4)疾病対策関係 ⑦医療費助成の対象となる指定難病の追加 ・難病の患者に対する医療等に関する法律に基づく医療費助成の対象となる指定難病として新たに24疾病を追加
(5)雇用・労働関係 ⑧労災保険の介護(補償)給付額の改定

(1)常時介護を要する方
・最高限度額:月額105,130円(180円の引き上げ)
・最低保障額:月額57,110円(80円の引き上げ)
(2)随時介護を要する方
・最高限度額:月額52,570円(90円の引き上げ)
・最低保障額:月額28,560円(40円の引き上げ)

雇用保険法等の一部を改正する法律の一部施行 <雇用保険法関係>
(1)雇用保険料率(失業等給付):0.8%→0.6%
(2)雇用情勢が悪い地域に居住する者の給付日数を60日延長する暫定措置を5年間実施。また,災害により離職した者の給付日数を原則60日(最大120日)延長できる
(3)雇止めされた有期雇用労働者の所定給付日数を倒産・解雇等並みにする暫定措置を5年間実施。
(4)倒産・解雇等により離職した30~45歳未満の者の所定給付日数を引き上げ
<職業安定法関係>
・職業紹介の機能強化及び求人情報等の適正化
⑪次世代育成支援対策推進法施行規則の改正施行 ・次世代育成支援対策推進法に基づく認定(くるみん認定)及び特例認定(プラチナくるみん認定)の基準の見直し
(5)各種手当て・手数料関係 ⑫2017年度の児童扶養手当等の手当額 ・2018年3月までの額は0.1%の引下げ(2016年4月比)

→毎年4月の暮らしに関わる変更は,この国がどういう方向に進もうとしているのかを考えてみるいい機会になる。(筆者)(筆者)
3/28 首相官邸 「2017年度予算についての安倍首相会見」 ・2017年3月27日,「2017年度政府予算案」(一般会計総額:97兆4,547億円<過去最大>)は,参議院本会議で政府案通り可決,成立した。
<「2017年度予算」のポイント>
◎「経済・財政再生計画」2年目の予算として、経済再生と財政健全化の両立を実現する予算
(1)経済再生
誰もが活躍できる一億総活躍社会を実現し,成長と分配の好循環を強化。
保育士・介護人材等の処遇改善,待機児童解消加速化プランに沿った保育の受け皿拡大,年金の受給資格期間の短縮,育児休業制度の拡充,雇用保険料の軽減,給付型奨学金の創設等
経済再生に直結する取組を推進。
官民一体となっての日本経済の成長力を高めるような施策への重点配分,科学技術振興費の伸長,第4次産業革命の推進,公共事業関係費の成長分野への重点化等
働き方改革を推進。
賃金アップを図る企業への助成,勤務間インターバルを導入する中小企業への支援,非正規労働者の正社員転換や待遇改善に取り組む企業の支援等

(2)財政健全化
⼀般歳出の伸びについて,2年連続して「経済・財政再生計画」の「目安」を達成(+5,300億円)。
社会保障の持続可能性を確保するために,社会保障関係費の伸びも「目安」に沿って抑制(+5,000億円)。
負担能力に応じた公平な負担,給付の適正化などの観点から,高額療養費/高額介護サービス費の見直し,後期高齢者医療の保険料軽減特例の見直し,介護納付金の総報酬割の導入などの改革を推進。
国債発行額(34.4兆円)を引き続き縮減(前年度から▲622億円)。

→一般会計総額は5年連続で過去最大規模となり,「国の基礎的財政収支は悪化するなど,財政再建の道筋は全く見えない」,「社会保障費についても,とりあえず自然増を5,000億円の枠内に収めるために,理念の乏しいツギハギを行っただけにすぎない」との指摘がある。
→予算案成立後の後半国会において,政府は,「共謀罪」の新設法案や天皇陛下の退位に関する特例法案の重要法案の成立を目指すとされている。(筆者)
3/15 厚生労働省 「第29回社会福祉士国家試験合格発表」および「第19回精神保健福祉士国家試験合格発表」 「第29回社会福祉士国家試験の合格発表」
区分 内容
合格率(合格者数/受験者数) 25.8%(11,828人/45,849人
合格者内訳 男性:女性 35.7%:64.3
保健福祉系大学等卒業者:養成施設卒業者 56.7%:43.3
年齢 47.4%(30歳以下),38.4%(31~50歳)

「第19回精神保健福祉士国家試験の合格発表」

区分 内容
合格率(合格者数/受験者数) 62.0%(4,446人/7,174人)
合格者内訳 男性:女性 33.1%:66.9%
保健福祉系大学等卒業者:養成施設卒業者 36.4%:63.6%
年齢 43.9%(30歳以下),42.1%(31~50歳)

→これらの有意の人たちを正しく評価し,活躍できる場を提供する環境は,現在の日本にはない。3福祉士資格の現状を把握するために,トップのページの「トピックス」のうち,「3福祉士の資格に関わる最新の行政情報」をご覧いただきたい。
→社会的認知度の向上や処遇・待遇の改善は,他力本願では進まない。職能団体(介護福祉士社会福祉士精神保健福祉士)のあり方が重要になっている。また,社会福祉士および精神保健福祉士に関しては,養成機関(社会福祉士精神保健福祉士)の不作為の責任は追及されるべきである。(筆者)
2/17 - ■「第29回介護福祉士国家試験の受験申込者半減等の報道」に関する「日本介護福祉士会」の公式声明 ・2017年1月29日に「第29回介護福祉士国家試験」が実施されたが,今回の受験者数は7万9,113人であり,前回16万919人,前々回16万2,433人の5割を下回る急激な落ち込みとなった。
・「実務経験ルート」では,今回から「実務者研修」(最大で450時間)が必須とされており,これが受験者数の急激な落ち込みの最大要因であるとの報道がなされた。
・「高邁な理想を優先して現場の実情を考慮しなかった結果。介護福祉士を志す人が減ってしまっては,サービスの質の向上にもつながっていかない。まさに本末転倒で完全な失敗だ」と淑徳大学の結城教授が指摘したことも報道されていた。
・これらの報道を受けて,2017年2月7日に職能団体である「日本介護福祉士会」が公式声明を提出したものである。
<介護福祉士国家試験の受験申込者半減等の報道について>(原文のまま)
 この度,介護福祉士国家試験の受験申込者の半減や介護福祉士養成施設入学者が定員の5割を切った等の報道がされている。この事実は一定のインパクトはあるが,日本介護福祉士会では,この事実のみをもって「資格取得方法の一元化」を否定するものではないと考える。
 介護人材不足の状況は,極めて危機的な状況にある。しかし,質の確保なくして量の確保を図ることは困難である。例えば,処遇の改善は重要な課題ではあるが,質の確保が図られないままに処遇が改善されても,根本的な解決にはならない。提供される介護サービスの質を担保し,介護職に対する信頼や社会的評価を確保することこそが,量の確保を図るための本質的な解決策である。
 私たち介護福祉士は,身体的な介助業務を行うだけでなく,その業務を行いつつ,個々の要介護者等の状態に応じ,目の前の方のもつ可能性を信じ,その方の人生そのものを支える支援を行っており,これこそが,介護サービスの質の追及である。
 現在,厚生労働省の福祉人材確保専門委員会では,介護福祉士を介護職チームの中核に位置づける方向性が示されており,介護福祉士が求められる役割を適切に担うことが出来る環境を整備することこそが重要である。
 資格取得方法の一元化は,資格に対する一定の信頼性を獲得するための土台になるものであり,介護福祉士が求められる役割に適切に応えていくことが,介護サービスの質の向上や,介護福祉士資格の社会的評価,介護職の訴求力にも結びつくことになる。そして,そのことが,結果として介護人材不足の解消に一定の影響をもたらすことになる。
 日本介護福祉士会としては,昨年末に介護福祉士に求められる役割等について意見書を提出したところである。そこでお示しした役割を適切に担うことができる介護福祉士の育成を図りつつ,介護職の処遇改善や労働環境の整備,介護職に対するイメージアップ,潜在的介護人材の発掘に取り組むなど,「質と量の好循環」を目指します。
 なお,今回の介護福祉士国家試験の受験者数の激減を受け,絶対基準を採用している合格基準を,政策的に歪める対応は行われるべきではないことを付言する。

→日本介護福祉士会の公式声明を読んで,「言い分に誤りはないと思うが,もっと穏やかな言い方で理解を求めることが大切ではないか」と悲しい気持ちになった。同時に,厳しい就労環境にある弱い立場の介護職に対して,研修費用(10〜15万円程度)を一方的に負担させることに疑問を持たない職能団体に憤りを感じる。(筆者)
2/6 厚生労働省 「児童相談所の現状」 ・2017年2月1日,「第5回子ども家庭福祉人材の専門性確保ワーキンググループ」が開催され,会議資料が公表された。
・「子ども家庭福祉人材の専門性確保ワーキンググループ」は,2016年5月27日に成立した「児童福祉法等の一部を改正する法律」における「児童相談所の体制強化」を踏まえた児童福祉司等に義務付ける研修の内容・実施体制等を構築するためのワーキンググループである。
<「児童相談所の現状」のポイント>
項目 内容
①児童相談所での相談対応件数の推移 ・2015年度の児童相談所での相談対応件数は439,200件で,「障害相談」42.2%,「養護相談(虐待相談を含む)」36.9%で,「児童虐待防止法」が施行される前の1999年度の8.9倍である。
②児童相談所での虐待相談の内容別件数の推移 ・2015年度は「心理的虐待」47.2%,「身体的虐待」27.7%,「ネグレクト」23.7%である。
③児童相談所での虐待相談の経路別件数の推移 ・2015年度の通告は,「警察等」37%,「近隣知人」17%,「家族」9%,「学校等」8%である。
④主たる虐待者の推移 ・2015年度は,「実母」50.8%,「実父」36.3%である。
⑤虐待を受けた子どもの年齢構成の推移 ・2015年度は,「小学生」34.7%,「3歳から学齢前児童」23.0%,「0歳から3歳未満」19.7%で,小学校入学前の子どもの合計の割合は42.7%である。
⑥虐待相談の対応状況 ・「面接指導」89.5%,「施設入所等」4.0%,「里親等委託」0.4%である。
⑦児童相談所での所内一時保護の状況 ・2015年度の一時保護所内の一時保護件数は23,276件で,保護理由では「児童虐待」49.9%,「虐待以外の養護」25.5%である。

→現状,「児童相談所の体制」に関して,国家資格である社会福祉士も精神保健福祉士も無縁である。
→近時,社会福祉士・精神保健福祉士を「児童相談所の体制強化」の蚊帳の外に置いた報告書を受け,「社会福祉士・精神保健福祉士関係5団体,日本社会福祉学会」が,自分たちの活用を内容とするお願い文書を提出したことを知っていますか?
2015年8月28日に「児童虐待防止対策のあり方に関する専門委員会報告書」が提出され,2015年9月17日に『「児童虐待防止対策のあり方に関する専門委員会報告書」に関する提案及び依頼』が提出された。
→福祉専門職は,これらの報告書,依頼文書を見てどのように感じましたか?現状,社会福祉士と精神保健福祉士がこのような扱いを受けていることを,ソーシャルワーク教育を標榜する教育機関は,生徒,学生にきちんと伝えているのだろうか?このままでいいわけがない。(筆者)

1/24 厚生労働省 「2016年度全国厚生労働関係部局長会議」が開催された ・厚生労働省は,2017年1月19日・20日に開催された「2016年度全国厚生労働関係部局長会議(厚生分科会および労働分科会)」の資料を公表した。
全体会議,厚生分科会資料
(1/19~1/20)
労働分科会資料
(1/19)
①大臣官房総務課
②大臣官房厚生科学課
③医政局
④医薬・生活医衛生局
⑤健康局
⑥老健局
⑦保険局
⑧政策統括官(総合政策担当)
⑨医薬・生活衛生局(生活衛生・食品安全部)
⑩雇用均等・児童家庭局
⑪社会・援護局
⑫社会・援護局(障害保健福祉部)
⑬職業安定局
⑭政策統括官(統計・情報政策担当)
⑮年金局
①政策統括官(総合政策担当)
②労働基準局
③雇用均等・児童家庭局
④政策統括官(統計・情報政策担当)
⑤職業安定局
⑥社会・援護局
⑦職業能力開発局

→「全国厚生労働関係部局長会議」は,厚生労働行政の次年度の政策及び現状と課題について,都道府県等に周知し,円滑な事業運営を図ることを目的として,例年1月~2月に開催されている。
→福祉専門職として,把握しておかなければならない最重要の会議資料である。(筆者)
1/23 首相官邸 ■2017年1月20日に「第193回通常国会」が召集され, 「安倍首相の施政方針演説」が行われた ・2017年1月20日に「第193回通常国会」が開会し,安倍首相が施政方針演説を行った。「第193回通常国会」の会期は2017年6月18日までの150日間である。
・なお,政府・与党は,「第3次補正予算案」の早期成立と「2017年度予算案」の3月末までの成立を目指すとしている。

→施政方針演説に関する新聞各社の見出しは,以下の通りである。
産経新聞 :「日米同盟「不変の原則」を強調 憲法改正発議に向けた国会論議の加速を呼びかけ」
読売新聞 :「安倍首相,退位法整備に意欲…施政方針演説」
日経新聞 :「首相,一億総活躍へ働き方改革を加速 施政方針演説」
東京新聞 :「首相施政方針演説 「都合の悪い事実触れず」」
毎日新聞 :「安倍首相「未来」を24回連呼」
→日本で,2017年1月20日14:00頃に安倍首相が施政方針演説を行い,アメリカでは,1月21日2:00頃(日本時間)にトランプ新大統領が誕生し,就任式後,トランプ新政権は,TPP(環太平洋パートナーシップ協定)から離脱する方針を正式に表明した。2017年1月23日,トランプ大統領は「TPPからの離脱に関する大統領令」に署名した。これにより,TPPの発効は不可能となり,安倍政権は「成長戦略」「アベノミクス」の見直しが必要となった。
→2017年2月20までのオバマ政権においては,「第3次アーミテージ・ナイ報告書(The U.S-Japan Alliance ANCHORING STABILITY IN ASIA)」(2012年8月15日)が安倍政権の政策の「指針」であり「シナリオ」であった。「虎の巻」をなくした安倍首相の施政方針演説に虚無と哀れを感じのは筆者だけではないと思う。

時期 「第3次アーミテージ・ナイレポート」と整合する日本の重要な施策
2013年12月 「特定秘密保護法」が成立
2014年4月 「原発を重要な基幹電源とするエネルギー基本計画」を閣議決定
2014年4月 「武輸出器三原則を全面的に見直し,輸出を原則解禁」
2014年7月 「集団的自衛権行使を容認する解釈改憲」を閣議決定
2015年9月 「安全保障関連法」が成立
2015年11月 安倍首相が,日米首脳会談で,南シナ海への自衛隊派遣の検討を表明
2015年12月 慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的」な解決で韓国と合意
2016年12月 南スーダンPKOで,駆け付け警護などの新任務が可能になる
2016年12月 「TPP」を国会承認
→さて,「未来」を多用する安倍首相は.,あからさまに「アメリカ・ファースト」を掲げるトランプ新大統領に,どのようにすり寄っていくのかを楽しみにしている。(筆者)
1/17 厚生労働省 「2016年度民生委員・児童委員の一斉改選結果」 ・2017年1月16日,厚生労働省は「2016年度民生委員・児童委員の一斉改選結果」を公表した。任期は,2016年12月1日から2019年11月30日までの3年間である。
<改選結果>
項目 2013年度 2016年度
定 数 236,271人 238,352人(2,081人増)
委嘱数 229,488人 229,541人(53人増)
うち新任委員:72,578人<31.6%>,再任委員:156,963人<68.4%>
充足率 97.1% 96.3%
(参考)
「民生委員・児童委員の概要」
「民生委員・児童委員の活動状況」(2015年度福祉行政報告例より)

「民生委員・児童委員に関するQ&A」

→民生委員・児童委員に関する最近の動向である。
厚生労働省は,2013年10月に「民生委員・児童委員の活動環境の整備に向けた検討会」を設置し,2016年4月21日に「民生委員・児童委員の活動環境の整備に関する検討会報告書」を公表した。また,2016年7月15日に『「我が事・丸ごと」地域共生社会実現本部』が設置され,2016年12月16日に「地域力強化検討会中間とりまとめ」が公表された。なお,地域力強化検討会は,「中間とりまとめ」で示した「我が事・丸ごと」の体制の具体的な展開および地域福祉計画のガイドラインの見直し等について,2017年夏を目処に検討を続ける予定とされている。
→2018年版厚生労働白書の「社会福祉の実施体制」を見ていると,「民生員・児童委員制度」を効果的なものにするための知恵を絞り出すべき時期に来ていると思う。宝の持ち腐れになっており,もったいない。(筆者)

2017年
1/5
首相官邸 安倍首相の「2017年 年頭記者会見」 ・2017年1月4日に,安倍首相の「年頭記者会見」が行われた。
<「年頭記者会見」のポイント>
項目 ポイント
経済 ・2017年も経済最優先。(デフレ脱却に向け,金融政策,財政政策,成長戦略の「3本の矢」を打ち続けていく)
外交 ・鳥の目のように,世界地図を俯瞰する積極的な外交を展開する。
国会 ・憲法施行70年の節目の年に当たり,次の70年を見据え,「新しい国づくり」を進める。
・2017年1月20から始まる通常国会は「未来を拓く国会」である。
衆議院解散 ・今年になって,「解散」の2文字を考えたことは全くない。
天皇陛下の退位 ・極めて重い課題であり,「政争の具」にせず,静かな環境で議論を進めるべきである。

→安倍首相は,2017年1月1日の「2017年 年頭所感」では,経済については,『誰もが,その能力を発揮できる一億総活躍社会を創り上げ,日本経済の新たな成長軌道を描く』とし,外交・世界の中の日本の位置づけについては,『積極的平和主義の旗をさらに高く掲げ,日本を,世界の真ん中で輝かせる』とした。そして,『新たな国づくりを本格的に始動する。この国の未来を拓く一年とする』としている。
→安倍首相は,「新しい国づくり」を,具体的に明確にしていない。それを厳しく聞き質すことがメディアの役割ではないのか,と腹立たしく思ったのは筆者だけではないはずである。「戦後レジュームからの脱却」を言い出した安倍首相は,当初厳しい批判を受けたので,その後はその表現を避けているが,撤回したわけではない。現行憲法下での「集団的自衛権の行使」を容認してきた。憲法改正による「自衛隊の国軍化」を残された課題としていることは周知である。さらに,外交においても,アメリカ一辺倒で,特に中国との外交関係が極めて不安定で,危機的な状況となっており,「世界地図を俯瞰する積極的な外交を展開する」,「日本を,世界の真ん中で輝かせる」とは矛盾している。(筆者)

12/19 - 2016年12月17日に「第192回臨時国会」が閉会した。 ・第192回臨時国会は,2016年9月26日に召集され,「TPP承認案・関連法案」「年金制度改革法案」を成立を成立させるため12月14日までの会期を延長し,さらに「特定複合観光施設区域整備推進法案(IR整備推進法案・カジノ解禁法案)」を成立させるために,12月17日まで再延長され,12月17日に閉会した。結果として,会期は83日間にわたった。
・今国会の政府新規提出法案19本のうち18本(不成立の1本は商法・国際海上物品運送法改正法案で継続審議となった)「が成立し,成立率は94.7%であった。
・政府・与党は,第190回通常国会から継続審議となっていた「環太平洋連携協定(TPP)関連法案」と「年金制度改革法案」が国会延長で成立させ,さらに「特定複合観光施設区域整備推進法案(IR整備推進法案・カジノ解禁法案)」を再延長国会で成立させた。
・また,「第189回通常国会」で提出され,継続審議となっていた労働時間規制の緩和を目的とする「労働基準法改正案」は審議されず,「第193回通常国会」に継続審議となった。この法案には,野党からは「残業代ゼロ法案」との批判のある。
・なお,議員立法では,新規提出の「ストーカー規制法改正案」「がん対策基本法改正案」などが成立した。
<厚生労働省に関連する主な法律案・法律(まとめ)>
区分 法案名 概要 施行
新規 公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律案
(2016年9/26提出,11/16成立)
・年金受給資格期間を25年から10年に短縮することについて,2017年度中から実施できるよう,年金機能強化法を改正し,施行期日を消費税10%引上げ時から,2017年8月1日に改める。 公布日
継続 公的年金制度の持続可能性の向上を図るための国民年金法等の一部を改正する法律案(年金制度改革関連法案)
(第190回通常国会からの継続審議,12/14成立)
①短時間労働者への被用者保険の適用拡大の促進
②国民年金第1号被保険者の産前産後期間の保険料の免除
③年金額の改定ルールの見直し
④年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の組織等の見直し
⑤日本年金機構の国庫納付規定の整備
-
外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律案
(第190回通常国会からの継続審議,11/18成立)
①技能実習制度の適正化
②技能実習制度の拡充
公布日から1年以内
労働基準法等の一部を改正する法律案
(継続審議に)
①長時間労働抑制策・年次有給休暇取得促進策等
②多様で柔軟な働き方の実現
-
議員立法 がん対策基本法改正法案
(12/9成立)
・がん患者の雇用継続について「配慮に努める」と事業主の責務を定める。
・がんで治療を受ける子どもが学業を続けられるよう国などが環境整備などを行う。
・「希少がん」について研究の推進を明記する。
-

→「環太平洋連携協定(TPP)承認・関連法」「年金カット法」「カジノ解禁推進法」の成立のために2度の会期延長をし,いずれも野党からは「採決強行」との批判を受けた。
→2016年9月26日の開会から12月17までの会期中に,安倍首相は「アメリカ次期大統領に選出されたトランプ氏と初会談」し,「ロシアのプーチン大統領と首脳会談」を行った。会談の結果,トランプ氏からは会談直後に「就任時にTPPからの離脱を明言」され,プーチン大統領からは「北方領土には触れられず」というみじめなものであった。特に,プーチン大統領との首脳会談については,二階俊博自民党幹事長から「国民の皆さんの大半は,がっかりしているということを,我々も含めて,心に刻んでおく必要があると思う。」という発言は,今後の国政には重要と思われる。
(筆者)
12/14 厚生労働省 「社会福祉士のあり方」および「社会福祉士の現状と各種制度の動向」 ・2016年12月13日,「第8回社会保障審議会福祉部会福祉人材確保専門委員会」が開催され,会議資料が公表された。
<社会福祉士の活用・活躍に関わる国会や審議会等の動向(まとめ)>
●1989年に「社会福祉士及び介護福祉士法」が成立した。
「社会保障審議会福祉部会 介護福祉士制度及び社会福祉士制度の在り方に関する意見(2006年12月12日)」
・これまでの福祉サービス利用に向けた相談援助だけでなく,「第2社会福祉士制度の在り方 ①社会福祉士に求められる役割」が示された

「社会保障審議会 生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会報告書(2013年1月25日)」

・「Ⅲ 2.(5)新たな相談支援事業で配置する職員について」を参照
「衆議院厚生労働委員会 生活困窮者自立支援法に対する附帯決議(2013年12月4日)」
・自立相談支援事業の相談員については,その責務の一環として訪問支援にも積極的に取り組むこととし,ケースワーカーや民生委員等,関係者間の連携と協力の下,生活困窮者に対し漏れのない支援を行い,そのために社会福祉士等の支援業務に精通する人員を十分に配置することを検討し,適切な措置を講ずる
「第6回福祉人材確保対策検討会(2014年10月3日)」
・「2.社会福祉士に求められる役割について」を参照
「社会保障審議会児童部会 児童虐待防止策のあり方に関する専門委員会報告書(2015年8月28日)」
・「3.(1)④ウ.スクールソーシャルワーカー等の積極的活用」を参照
「新たな福祉サービスのシステム等のあり方検討プロジェクトチーム(誰もが支え合う地域の構築に向けた福祉サービスの実現~サービスの実現新たな時代に対応した福祉の提供ビジョン~)(2015年9月)」
・「4.新しい地域包括支援体制を担う人材の育成・確保」を参照
「中央教育審議会 チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について(答申)(2015年12月21日)」
・スクールソーシャルワーカーを学校等において必要とされる標準的な職として,職務内容等を法令上,明確化すること,将来的には学校教育法等において正規の職員として規定し,義務標準法において教職員定数として算定し,国庫負担の対象とすることを検討する
「「ニッポン一億総活躍プラン」(2016年6月2日閣議決定)」
・介護離職 ゼロの実現(安心した生活(地域課題の解決力強化と医療・福祉人材の活用)⑨地域共生社会の実現)
・「育児,介護,障害,貧困,さらには育児と介護に同時に直面する家庭など,世帯全体の複合化・複雑化した課題を受け止める,市町村における総合的な相談支援体制作りを進め,2020年~2025年を目途に全国展開を図る

⑧司法領域における社会福祉士の活用状況(2008~2016年)
「犯罪に強い社会の実現のための行動計画2008(~「世界一安全な国、日本」の復活を目指して~)(2008年12月22日犯罪対策閣僚会議)」
「再犯防止に向けた総合対策」(2012年7月20日犯罪対策閣僚会議)」
「「世界一安全な日本」創造戦略」(2013年12月10日閣議決定)」
「薬物依存者・高齢犯罪者等の再犯防止緊急対策(~立ち直りに向けた“息の長い”支援につなげるネットワーク構築~)」(2016年7月12日犯罪対策閣僚会議)」

「改正社会福祉法第24条第2項の創設(2016年3月31日成立)」
・社会福祉法人の公益性・非営利性を踏まえ,「地域における公益的な取組」の実施に関する責務規定が創設され,今後,社会福祉法人には,他の事業主体では対応が困難な福祉ニーズに対応していくことが求められることから,多様化・複雑化する地域の福祉ニーズを把握し,対応することができる人材が必要とされている
「「我が事・丸ごと」地域共生社会実現本部の設置(2016年7月)」
・「地域力強化ワーキンググループ」の「地域における住民主体の課題解決力強化・相談支援体制の在り方に関する検討会」(地域力強化検討会)」が開催され,住民主体による地域課題の解決力強化・体制づくりのあり方や市町村による包括的相談支援体制の整備のあり方等について検討を行っている

→「社会福祉士には地域社会の実情に応じて,分野横断的・包括的な支援を担う機能と役割を果たすことが期待されている」,「今後,具体的にはどのような分野においてどのような活用の仕方が考えられるか検討する必要がある」としている。同じことの繰り返し,同じ言葉の繰り返しと思いませんか?
→1989年以来,活躍が期待されていると言われ続けてきたが,一向に社会福祉士のソーシャルワーカーとしての任用・活用が進展しない。その背景には,「高い専門性・実践力を有する社会福祉士が養成されていない」「社会福祉士の活動が見えにくく社会的認知度が低い」「社会福祉士には更新制度はなく,研修体系等の整備が進んでいない」などがある,という分かり切った指摘にも閉口しませんか?
→他力本願ではなく,社会福祉士自らが行動を起こす以外に,ソーシャルワーカーとして活躍できる場は増えていかないことぐらい関係者はとっくに気づいている,と思いませんか?(筆者)

12/12 厚生労働省 「社会保障審議会介護保険部会 介護保険制度の見直しに関する意見書」(概要 / 本文 ・2016年12月9日,社会保障審議会介護保険部会は,「介護保険制度の見直しに関する意見書」を公表した。
・厚生労働省は,本意見書を基にした「介護保険法改正案」を取りまとめ,「2017年通常国会」に提出するとされている。

<意見書の構成とポイント>
【1】地域包括ケアシステムの深化・推進
(1)自立支援・介護予防に向けた取り組みの推進 ① 保険者等による地域分析と対応
⇒市町村の取り組みの実績評価や,評価結果に従い財政的なインセンティブの付与を検討する。
②地域支援事業・介護予防・認知症施策の推進
③ 適切なケアマネジメントの推進等
(2)医療・介護の連携の推進等 -
(3)地域包括ケアシステムの深化・推進のための基盤整備等 ①地域共生社会の実現の推進
⇒介護保険サービスの一類型として,「共生型サービス」を創設し,障害福祉サービスの相談支援専門員と介護保険の介護支援専門員の連携を進めるため,居宅介護支援事業所の運営基準を検討する。「共生型サービス」の具体化や居宅介護支援事業所の運営基準については,2018年度に予定される「介護報酬改定」に向けて検討する。
②介護人材の確保(生産性向上・業務効率化等)
⇒介護人材の確保推の一環として,業務の負担の軽減や効率化を図る必要性がある。現場における介護ロボット技術の活用や介護記録のICT化を推進する事業所に,介護報酬や人員・設備基準の見直しなどを「2018年度介護報酬改定」の際に検討する。
③サービス供給への保険者の関与
⇒「小規模多機能型居宅介護」などのサービスの普及を図るため,競合サービスとなり得る「地域密着型通所介護」については,一定の条件を満たす場合,市町村が指定をしない仕組みを導入する。また,都道府県と市町村が介護サービス事業者の指定について調整する「市町村協議制」の対象に,「短期入所生活介護」を加える。
④安心して暮らすための環境の整備
【2】介護保険制度の持続可能性の確保
(1)利用者負担のあり方 ⇒利用者負担については,1人暮らしで年収が383万円以上など,現役並みの所得がある高齢者には3割の自己負担に引き上げ,高額介護サービス費の一般区分の上限を37,200円から44,400円に引き上げる。
(2)給付のあり方 ①軽度者への支援のあり方
②福祉用具・住宅改修
⇒国がすべての商品の全国平均貸与価格を公表する仕組みを作り,貸与価格に一定の上限を設定する。また,福祉用具専門相談員には,利用者に対し,貸与しようとする商品の全国平均貸与価格の説明や,機能や価格帯の異なる複数商品の提示を義務化する。
(3)費用負担 ①総報酬割
⇒40歳から64歳までが支払う保険料については,健保組合などの加入者の数で頭割りする今の仕組みから,収入に応じて負担額を決める仕組み(総報酬割)に段階的に切り替える。
②調整交付金
【3】その他の課題
(1)保険者の業務簡素化(要介護認定)
(2)被保険者範囲
(3)介護保険適用外施設の住所地特例の見直し

→「社会保障審議会介護保険部会」は,3年に一度行われる「2018年度介護保険制度見直し」に向けた議論を2016年2月17日から始めたが,参議院選挙で与党が過半数を占める結果を見届けた7月20日から本格的な検討に着手し,2016年12月9日に厚生労働省が示した「介護保険制度の見直しに関する意見」を,同部会の意見の取りまとめとすることを了承した。検討のやり方からも政府の姑息さが見て取れる。
→「失政による消費税10%増税が再延期がされた中で,膨らみ続ける社会保障費用をいかに抑制するか」が議論の焦点であった。
→一方,介護保険料の負担対象を,現在の40歳以上から,収入のあるすべての者に拡大することも検討されたが,若い世代の理解を得られない恐れがあるとして,結論は先送りされた。
→2017年通常国会で提出される。与党過半数の状況下で,実のある国会審議は望めないが,福祉専門職としては,「改正介護保険制度」の内容,問題点,課題を正確に把握しておかなければならない。(筆者)
11/22 厚生労働省 「男女労働者それぞれの職業生活の動向」および「男女労働者をめぐる政府の動向」 ・2016年11月21日に「第177回労働政策審議会雇用均等分科会」が開催され,会議資料が公表された。
男女労働者それぞれの職業生活の動向
(1)男女労働者を取り巻く経済社会の動向 ①景気の動向,②有効求人倍率,③完全失業者数及び完全失業率の推移,④日本の人口の推移
(2)男女労働者の職業生活の動向 ①雇用の動向,②労働条件,③ハラスメントの状況,④ポジティブ・アクションの状況,⑤均等法に関する相談等の状況,⑥行動計画・認定の状況,⑦仕事と家庭の両立の状況,⑧短時間労働者の状況,⑨男女労働者の意識
男女労働者をめぐる政府の動向
(1)2015年 ①「少子化社会対策大綱(抄)」(2015年3月)
②「日本再興戦略 改訂2015(抄)」(2015年6月)
③「第4次男女共同参画基本計画」(2015年12月)
(2)2016年 ④「雇用環境・均等部(室)の設置」(都道府県労働局の組織を見直し)(2016年4月)
⑤「女性活躍加速のための重点方針2016(抄)」(2016年5月,すべての女性が輝く社会づくり本部決定)
⑥「ニッポン一億総活躍プラン(抄)」(2016年6月)
⑦「経済財政運営と改革の基本方針2016 ~600兆円経済への道筋~(骨太方針)(抄)」(2016年6月)
⑧「日本再興戦略2016(抄)」(2016年6月)

→男女労働者をめぐる職業生活および政府の動向である。「隔靴掻痒」の感がある。(筆者)


(参考)
「雇用における男女の均等な機会と待遇の確保のために」(厚生労働省)

11/15 消費者庁 2016年12月から衣類等の洗濯表示(取り扱い表示)が変わる! ・衣類等の繊維製品の洗濯表示に関して,「家庭用品品質表示法」に基づく「繊維製品品質表示規程」が2015年3月31日に改正され,2016年12月1日から施行される。
・現在の洗濯表示は,1968年の「現行JIS(日本工業規格)」に基づく日本独自のものである。一方,海外からの輸入繊維製品は「ISO(国際標準化機構)」規格の取り扱い表示であるため,国内で販売する場合には,日本の「現行JIS」の表示に付け替えている。そこで,2016年12月1日からは,「新JIS(JIS L 0001)」と「ISO(国際標準化機構)」の統合が図られ,国内外で洗濯表示が統一されることになる。なお,「新JIS」では,表示の種類は22種類から41種類に増える。

→衣類等の繊維製品の洗濯表示(取り扱い表示)とは,洋服のタグに書いてある洗濯機やアイロンのマークのことで,市場には2017年春夏物から順次登場し,一定の併用期間を経た後,全面的に刷新されるとされている。従来の「取り扱い表示」と比較すれば,「絵」というより「記号」のようである。
→これまでの経緯は以下の通りである。
そもそも世界の「洗濯表示」は,日本独自の「JIS」,ヨーロッパの「ISO(国際標準化機構)」,アメリカ独自の「ASTMインターナショナル」に分かれていた。1995年に,WTO(世界貿易機関)加盟国に国内規格を国際規格に合わせるように求める協定(WTO/TBT協定)が発効したことから規格の標準化が図られてきた。ISOとASTMの表示は類似し,互いに類推することが可能であるため,形状や分類が大きく異なるJISとISOの統合が懸案事項になっていた。ようやく,2014年10月20日に「新JIS」が制定され,JISとISOの整合性が図られることになった。
→素人考えであるが,「日本が無駄にねばっても,,ダメなものはダメ,さっさと方向転換せよ」と言いたくなる。直近のことでは,2016年の臨時国会で,「TPP」にへばりついているあきらめの悪い安倍首相の言動にも重なる。(筆者)

11/1 厚生労働省 「児童虐待防止対策の推進」(動画) ・2016年10月29日,政府広報オンラインにおいて,「児童虐待防止対策の推進」(動画)が公開された。
<「児童虐待に関わる最近の動き>
「児童相談所全国共通短縮ダイヤル(189)」(2015年7月1日)
「新たな子ども家庭福祉のあり方に関する専門委員会報告(提言)」(2016年3月10日)
「児童相談所強化プラン」(2016年4月25日)
「児童福祉法等の一部を改正する法律」(2016年5月27日)
「全国児童福祉主管課長等会議」(2016年6月17日)

→児童虐待の相談件数は年々増加し,2015年度には10万件を超えた。
→2016年5月27日に成立した「児童福祉法等の一部を改正する法律」のポイントは以下の通りである。
①「児童福祉法の理念の明確化」と「しつけを理由とした児童虐待の禁止」
②「子育て世代包括支援センターの法定化」
③「児童相談所設置自治体の拡大」
→「そもそも,日本の児童虐待の多くは,貧困や格差社会と現行法システムの欠陥に要因が求められる」という有力な意見への直接的なアプローチはない。政府の防止対策では,劇的な改善は期待できない。(筆者)


(参考)
「児童虐待防止対策」(厚生労働省)

10/27 総務省 「2015年国勢調査 人口等基本集計結果(確定値)」 ・2016年10月26日,総務省は,「2015年国勢調査 人口等基本集計結果(確定値)」を公表した。
<「2015年国勢調査 人口等基本集計結果」のポイント>
【我が国の人口】

◎2015年10月1日現在の我が国の人口は1億2709万5,000人で,1920年(大正9年)の調査開始以来,初めての減少(2010年から0.8%減,年平均0.15%減)し,沖縄県,東京都,埼玉県,愛知県など8都県で人口増加,39道府県で減少し,全国1,719市町村のうち,1,419市町村(82.5%)で人口減少
【年齢別人口】
◎総人口に占める65歳以上人口の割合は23.0%から26.6%に上昇し,15歳未満人口の割合は世界で最も低く,65歳以上人口の割合は世界で最も高い水準
【外国人人口】
◎国籍が「中国」の者が51万1,000人と最も多く,2010年に引き続き割合が上昇し,外国人人口が多い都道府県は,東京都,愛知県,大阪府とその周辺
【世帯の状況】
◎2015年10月1日現在の我が国の世帯数は5344万9,000世帯で,都道府県別の一般世帯の1世帯当たり人員は東京都が1.99人と最も少なく,比較可能な1970年以降初めて2人を下回る

→2015年の国勢調査で,人口減少,少子高齢化とともに東京圏への一極集中が顕著になっていることがわかった。
→「人口減少社会に歯止めをかける方策は,①少子化対策,②社会保障改革,③地方創生である」というおおよその方向性は2014年からあった。その後,政府がまじめに取り組んでいたとすれば,次回の2020年国勢調査では,何らかの成果が出てきてもいいはずであるが・・・。(筆者)
10/19 厚生労働省 「介護人材の処遇改善について」 ・2016年10月12日に開催された「第131回社会保障審議会介護給付費分科会」の資料が公表された。
・「介護人材の処遇改善」に関して,「未来への投資を実現する経済対策」(2016年8月2日閣議決定)において,「月額平均1万円相当の改善を2017年度から実施する」とされ,2016年度の介護報酬改定で実現される見通しである。


→介護職員の月収平均は約22万円(2015年)で,全産業平均より10万円以上低い。それに対する改善が「月額1万円の増額」では「焼け石に水」である。このようなことを繰り返していても到底解決には至らない。「2020年代初頭には介護職員は25万人不足すること」はわかっている。「財源が確保できれば解決できること」もわかっている。「税源全般の見直しが必要だということ」もわかっている。(筆者)
10/12 厚生労働省 「2016年版 過労死等防止対策白書」(概要 / 本文 ・2016年10月7日,厚生労働省は,「2016年版 過労死等防止対策白書」を公表した。
・「過労死等防止対策白書」は,「過労死等防止対策推進法」(議員立法により2014年成立・施行)第6条に基づく年次報告書で,2016年から作成され,毎年,国会に報告される。
<「2016年版 過労死等防止対策白書」の特徴と構成>
【特徴】

①過労死等防止対策推進法に基づく初の白書
②過労死等防止対策推進法が制定に至るまでの経緯などについて記載
③過労死等の実態を解明するための調査研究(労働者の労働時間だけでなく, 生活時間の状況等の労働・社会面からみた調査や、労災認定事案のデータ ベース構築など)など,2015年度に行われた過労死等防止対策の取組について記載
④過労死等防止対策に取り組む民間団体の活動をコラムとして紹介


【構成】
第1章 過労死等の現状
第2章 過労死等防止対策推進法の制定
第3章 過労死等の防止のための対策に関する大綱の策定
第4章 過労死等の防止のための対策の実施状況

<「過労死等防止対策推進法」における「過労死等」の定義>
『第2条 この法律において「過労死等」とは、業務における過重な負荷による脳血管疾患若しくは心臓疾患を原因とする死亡若しくは業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡又はこれらの脳血管疾患若しくは心臓疾患若しくは精神障害をいう。』

→1日8時間労働を原則とする「労働基準法」は1947年に制定され,1990年後半から過労自殺が激増し,社会問題化した。2008年頃から「過労死防止基本法」の制定を求める声が上がり,ようやく,2014年6月20日に「過労死等防止対策推進法」が議員立法として成立した。「過労死等防止対策推進法」は,具体的な労働時間の上限規制などはなく,過労死等の防止対策を効果的に推進するために,国,地方公共団体,事業主,国民がそれぞれ担う義務などを定めた法律に過ぎない。
→2015年7月24日,「過労死等防止対策推進法」に基づいて,
「過労死等の防止のための対策に関する大綱」が閣議決定された。
→2016年9月27日,政府は安倍首相が議長を務める「働き方改革実現会議」を発足・開催した。当会議の検討テーマは以下の通りの雑多で,最優先としなければならない「長時間労働の是正」は,そのうちの一つに過ぎないという位置づけである。また,「長時間労働の是正」の有効な対応策となる「残業時間の上限規制」や「インターバル規制」は,フランスやドイツなどではすでに導入されているが,当会議ではまともに議論される気配がない。
①同一労働同一賃金など非正規雇用の処遇改善
②賃金引き上げと労働生産性の向上
③時間外労働の上限規制の在り方など長時間労働の是正
④雇用吸収力の高い産業への転職・再就職支援,人材育成,格差を固定化させない教育の問題
⑤テレワーク、副業・兼業といった柔軟な働き方
⑥働き方に中立的な社会保障制度・税制など女性・若者が活躍しやすい環境整備
⑦高齢者の就業促進
⑧病気の治療、そして子育て・介護と仕事の両立
⑨外国人材の受入れの問題

→2016年10月8日朝刊において,「世界でも例がない過労死等防止対策白書の公表」と「電通の24歳女性社員の自殺が長時間過重労働が原因とする労災として認定」の記事が,平然と同一紙面で掲載されていた。
→筆者は,『政府が口にする「過労死ゼロ」は,「本気度ゼロ」ではないか』と勘ぐっている。また,過労で亡くなられた女子社員の母親の「労災認定されても娘は戻ってこない。命より大切な仕事はありません。過労死を繰り返さないで」という訴えに対するメディアや国民の関心の薄さがこの国の未熟さを表していると思う。(筆者)

10/5 厚生労働省 「2016年版 厚生労働白書」(概要 / 本文 ・2016年10月5日,厚生労働省は,「2016年版 厚生労働白書」(~人口高齢化を乗り越える社会モデルを考える~)を公表した。
<「2016年版 厚生労働白書」の構成>
第1部テーマ :「人口高齢化を乗り越える社会モデルを考える」
第1章 :我が国の高齢者を取り巻く状況
第2章 :高齢期の暮らし,地域の支え合い,健康づくり・介護予防,就労に関する意識
第3章 :高齢期を支える医療・介護制度
第4章 :人口高齢化を乗り越える視点


第2部テーマ :現下の政策課題への対応
特集① :一億総活躍社会の実現に向けて
特集② :2016年熊本地震への厚生労働省の対応について
第1章 :子どもを産み育てやすい環境づくり
第2章 :経済社会の活力向上と地域の活性化に向けた雇用対策の推進
第3章 :安心して働くことのできる環境整備
第4章 :自立した生活の実現と暮らしの安心確保
第5章 :若者も高齢者も安心できる年金制度の確立
第6章 :医療関連イノベーションの推進
第7章 :国民が安心できる持続可能な医療・介護の実現
第8章 :健康で安全な生活の確保
第9章 :障害者支援の総合的な推進
第10章 :国際社会への貢献と外国人労働者問題などへの適切な対応
第11章 :行政体制の整備・情報政策の推進


(参考)
「高齢社会に関する意識調査」(概要 / 本文)(2016年2月実施)

→「厚生労働白書」の副題(特定のテーマ)の変遷であるが,厚生労働行政分野についての国民の理解が深まっているとは思えない。
2011年版 社会保障の検証と展望
2012年版 社会保障を考える
2013年版 若者の意識を探る
2014年版 健康長寿社会の実現に向けて~健康・予防元年
2015年版 人口減少社会を考える~希望の実現と安心して暮らせる社会を目指して
2016年版 人口高齢化を乗り越える社会モデルを考える
→「2016年版厚生労働白書」に関するメディアの興味は,「2016年版厚生労働白書」作成のために2016年2月に実施した「高齢社会に関する意識調査」の結果の一部分に集中している。
◎何歳まで働きたいか? 「働けるうちはいつまでも」29%,
「65歳まで」25.7%,「60歳まで」18.5%
◎高齢者だと思う年齢は? 「70歳以上」41%,「65歳以上」20%,「75歳以上」16%(なお,WHOの高齢者の定義は「65歳以上」である)
◎高齢期の一人暮らしへの不安? 「不安」81.7%
◎地域で困っている人がいたら? 「助けようと思う」69.6%
◎育児と介護のダブルケアを身近な問題と思うか? 「思う」45.4%,「わからない」20.6%
→「厚生労働白書」は,『厚生労働行政の現状や今後の見通しなどについて,広く国民に伝えることを目的に毎年とりまとめ』られているが,その閣議決定と公表が2年続けて10月になっているが,「遅いぞ」という意見は有識者からもメディアからも出てこない。(筆者)
10/4 厚生労働省 2016年10月から厚生労働関係で何が変わったか <2016年10月からの「厚生労働省関係の主な制度変更」一覧>
区分 項目 内容
(1)年金関係 ①短時間労働者への被用者保険の適用拡大 ・1週間の所定労働時間および1月の所定労働日数が通常の労働者の3/4未満であっても,①週の所定労働時間が20時間以上,②勤務期間が1年以上見込まれること,③月額賃金が8.8万円以上,④学生以外,⑤従業員501人以上の企業に勤務していることの全条件を全て満たす場合は,社会保険が適用される
⇒約30万人弱に影響が及ぶとされる
②被用者保険の標準報酬月額下限の引下げ ・98,000円→88,000円
③厚生年金保険料率の引上げ ・17.828%→18.182%(10月支給の9月分の給料から適用)
⇒月収が20万円であれば,年間約4,000円の負担増となる
(2)医療関係 ①健康サポート薬局の届出及び表示の開始 ・2016年4月の「健康サポート薬局基準」の施行
・基準に適合する薬局は届出をすることにより,健康サポート薬局である旨の表示及び公表を行える
(3)疾病対策関係 B型肝炎の予防接種の定期接種化 ・2016年4月生まれ以降が対象となる
(4)雇用・労働関係 ①最低賃金額の改定 全都道府県で,時間額21円~25円の引上げ(全国加重平均額823円)
⇒安倍政権は「最低賃金1,000円」の中期目標を示している

→2012年に成立した「社会保障・税一体改革関連法」のうち,「公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律」に関するパートタイム,アルバイト等の短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険適用拡大が,2016年10月より施行された。これにより,社会保険の「年収の壁」が130万円から106万円に変更された。国が短時間労働者へ社会保険の適用拡大を決定した主たる理由は,①社会保険格差の是正,②働き手の増加であり,3年後には「301人以上」の企業が対象になる。扶養を外れて働く女性が増えるかどうか・・・。(筆者)
9/28 首相官邸 ■2016年9月27日に「働き方改革実現会議」が開催された ・2016年9月27日,「第1回働き方改革実現会議」が開催され,会議資料が公表された。
・会議では,2017年3月末までに実行計画を策定し,政府は2017年の通常国会への関連法案提出を目指すとされている。
「働き方改革実現会議」の概要>
(1)開催趣旨
・働き方改革の実現を目的とする実行計画の策定等に係る審議に資するために開催
(2)検討テーマ
①同一労働同一賃金など非正規雇用の処遇改善
②賃金引き上げと労働生産性の向上
③時間外労働の上限規制の在り方など長時間労働の是正
④雇用吸収力の高い産業への転職・再就職支援,人材育成,格差を固定化させない教育の問題
⑤テレワーク、副業・兼業といった柔軟な働き方
⑥働き方に中立的な社会保障制度・税制など女性・若者が活躍しやすい環境整備
⑦高齢者の就業促進
⑧病気の治療、そして子育て・介護と仕事の両立
⑨外国人材の受入れの問題

(3)会議議長
・安倍首相(議長代理:加藤働き方改革担当大臣,塩崎厚生労働大臣)
(4)構成メンバー
・国務大臣(6名)と有識者(15名)

→「第1回働き方改革実現会議」開催までの経緯である。
2015年10月29日に安倍首相を議長とする「一億総活躍国民会議」が設置され,2016年6月2日に政府は「ニッポン一億総活躍プラン」が閣議決定された。プランでは,誰もが活躍できる「一億総活躍社会」を目指し,①「戦後最大の名目GDP600兆円」,②「希望出生率1.8」,③「介護離職ゼロ」の実現という3つの目標を設定し,そのためには①「希望を生み出す強い経済」,②「夢をつむぐ子育て支援」,③「安心につながる社会保障」の「アベノミクス新3本の矢」で構成する政策が求められるとして何をいつまでに実行するかというロードマップが示された。安倍首相は,「アベノミクス新三本の矢」に共通する課題として「働き方改革」を最重視するとした。参院選後の2016年8月3日に発足した「第3次安倍第2次改造内閣」において,「今後3年間の最大のチャレンジ」と位置付けて「働き方改革担当大臣」を新設のうえ,加藤一億総活躍大臣が兼任し,塩崎厚労大臣と緊密に連携しながら「働き方改革実現会議」を開催するとされていたものである。
→安倍首相は,「第1回働き方改革実現会議」において,「働き方改革は,社会問題であるだけでなく,経済問題です。働き方改革こそが,労働生産性を改善するための最良の手段であると思います」と述べているが,労働者のための政策と生産性向上のための政策を同時にバランスをとって行わなければならないはずである。経済問題に前のめりになりすぎている安倍首相は「しくじる」ことは目に見えているという有力な意見もある。
→もともと,「働き方改革実現会議」には,労働政策審議会(労政審)を形がい化させ,政府主導で労働政策を決めるものとの批判があった。さらに,構成メンバーに労働者の代表が少なくて,企業寄りの結論になるとの懸念も強い。(筆者)
9/27 - ■2016年9月26日に「第192回臨時国会」が招集された ・2016年9月26日,「第192回臨時国会」が召集された。会期は11月30日までの66日間である。安倍首相は,第192回臨時通常国会を「アベノミクス加速国会」と位置づけている。
・今国会では,①第2次補正予算案,②TPPの承認案と関連法案, ③消費税10%への引き上げを再延期する税制改正関連法案が焦点である。また,衆参両院の「憲法審査会」での与野党の憲法論議も注目されている。

今後の予定(9/26~11/30)
9月26日 「安倍首相所信表明演説」
9月27日~29日 衆参両院の代表質問
10月中旬までに ①第2次補正予算案(公共事業や低所得者への現金給付)の成立予定
11月8日までに ②TPPの承認案と関連法案の成立予定
・アメリカのクリントン,トランプ両大統領候補はともにTTPに反対の姿勢があり,11/8のアメリカ大統領選挙2017年1月20日のアメリカ新大統領就任式のスケジュールが重要となってきている

→演説を聞いていて,「未来」や「世界一」などの耳障りの言い単語が繰り返され,現実感のない言葉やフレーズが上滑りしているように思った。また,安倍首相の「(自衛隊員らに)心から敬意を表そうでありませんか」との呼び掛けに,自民党議員が起立して拍手を送るという幼稚な光景を見て,この国の未成熟さと前時代的な危うさを痛感した。なお,2009年の民主党政権下のあの鳩山首相の所信表明演説での能天気なスタンディングオベーションとは異質なものを感じた。
→安倍首相は,経済成長を最優先して前のめりで,「第192回臨時通常国会」を「アベノミクス加速国会」と位置づけてたにも拘らず,所信表明演説が始まった14:00過ぎには,地震速報とともに日経平均株価が下がり始めた。「アベノミクス」を繰り返し言い続けると,誠に失礼ではありますが,「安倍のみクズ」に聞こえてきた。(筆者)
9/14 厚生労働省 「2015年度 医療費の動向」 ・2016年9月13日,厚生労働省は,「2015年度 医療費の動向」を公表した。
<調査結果のポイント>
①2015年度の医療費 :41.5兆円(前年度比3.8%増)
②診療種類別内訳 :入院16.4兆円(構成割合39.5%),入院外14.2兆円(34.3%),歯科2.8兆円(6.8%),調剤7.9兆円(19.0%)

③1人当たり医療費 :75歳未満(22.0万円),75歳以上(94.8万円)

→本件に関して,「医療費41兆円 最高更新」が,マスメディアの代表的な取り上げ方である。また,医療費の伸びが大きい後期高齢者の入院診療費と入院外診療費には注目が集まっている。
→一般的に,医療費の上昇する要因としては,①高齢化の進展,②医療サービス価の向上,③医療技術の進歩であるとされている。また,劇的に医療費を削減する方策としては,①医療サービスの水準を低下させるか,②国民負担を増加する以外にはないということは周知である。
→2025年には,団塊の世代が75歳に達する。結論だけを言えば,医療費削減の具体的方策として,筆者は,①歯科医師の医師認定(医師不足を解消し,需給のバランスをとる),②疫学的な裏付けのない検診の廃止(特定検診など),③後期高齢者医療制度の廃止(救済への挙証責任は低所得者に持たせる)など,思い切った施策が必要ではないかと考える。(筆者)

9/7 試験センター 「2015年度社会福祉士,介護福祉士,精神保健福祉士 就労状況調査結果」 ・2016年8月31日,社会福祉振興・試験センターは,2015年11月1日現在における「2015年度社会福祉士,介護福祉士,精神保健福祉士 就労状況調査結果」を公表した。
<「調査結果」のポイント>
資格
(有効回答)
就労分野 雇用法人 職場の種類 雇用形態 勤続年数 全体平均年収
介護福祉士
(58,513人)
「高齢者福祉関係」84.0% 社会福祉協議会以外の社会福祉法人」29.7%,「民間企業」27.5% 「訪問介護員・介護職員・生活支援員」56.5% 「正規職員」63.9% 「10年以上」30.2% 260万円
社会福祉士
(9,000人)
「高齢者福祉関係」43.7% 「社会福祉協議会以外の社会福祉法人」35.6%、「医療法人」15.9% 「相談員・指導員」34.0% 「正規職員」82.8% 「10年以上」35.4% 377万円
精神保健福祉士
(3,859人)
「医療関係」32.4%,「障害者福祉関係」30.8% - 「相談員・指導員」47.7% 「正規職員」78.7% 「10年以上」30.2% 347万円

→社会的認知度の向上や処遇・待遇の改善は,他力本願では進まない。職能団体(介護福祉士社会福祉士精神保健福祉士)のあり方が重要になっている。(筆者)
9/6 内閣府 「どんな場合に,どう呼べばいいの? もしものときの救急車の利用法」 ・2016年9月5日,政府広報オンラインにおいて,「どんな場合に,どう呼べばいいの? もしものときの救急車の利用法」が広報された。
<「政府広報オンライン」での前書き>
『突然の重い病気やひどいケガをした人に,応急手当を行い適切な医療機関に搬送するのが救急隊の役目です。
近年,救急車の出動件数は増加傾向であり,また,救急要請を受けてから現場に到着するまでの時間も伸びています。
救急車は,今すぐに医療が必要な人のための限りある資源なので,症状の軽い方が安易な救急要請をすることは望ましくありません。
症状の軽い方はご自分で病院に行き,緊急性が高いと判断したときは,迷わず救急車を要請してください。
ぜひ一緒に救急車の正しい使い方や,応急手当について学んでみましょう。』

→海外での救急車利用に関して,外務省の「世界の医療事情」によれば,以下の通りである。
・アメリカのニューヨークでは,救急車は全て有料で600ドルほどの費用を請求される。
・フランスでは,S.A.M.U.(Service d' Aide Medicale Urgente=公営)という公的な緊急医療援助の機関に連絡するが,救急車の依頼料金は基本料金(約60ユーロ)に移送距離料金(約2ユーロ/Km)が加算される。
→日本では救急車の利用は「基本無料」であるが,2015年5月に行われた財務省の「財政制度等審議会財政制度分科会」で,2013年における救急出動件数は,過去10年間で20%増え,年591万件となる中,49.9%が軽症患者が占めることを踏まえて,諸外国の例などを参考に,軽症の場合の有料化の検討を案が提示されている。
→救急車の有料化のデメリットを強調する意見もあるが,「救急医療は大切な社会資源」という認識には異論はないと思う。結論だけを述べるが,筆者は,「救急車利用は基本有料」への早期の移行に賛同する。(筆者)

9/1 厚生労働省 「2017年度厚生労働省予算概算要求」 ・2016年8月30日,厚生労働省は,「2017年度厚生労働省予算概算要求」を公表した。
・2016年8月31日,国の2017年度の予算編成に向けた各省庁の概算要求が出そろった。
◎2017年度国家予算概算要求額 :101兆円台となる見込み(前年度96兆7,218億円)
◎2017年度厚生労働省予算概算要求額 :31兆1,217億円(前年度比2.7%増)
・今後,財務省は査定作業に入り,各省庁との折衝を経て2016年末に予算案を策定する。
「2017年度厚生労働省予算概算要求の主要施策」
(1)希望を生み出す強い経済(第1の矢)

①医療分野のイノベーション・ICT化の推進
②医療の国際展開・国際保健への貢献
③観光先進国の実現・TPPの推進

(2)夢をつむぐ子育て支援(第2の矢)
①待機児童の解消
②女性・若者の活躍推進
③総合的子育て支援の推進

(3)安心につながる社会保障(第3の矢)
①介護の環境整備
②障害者、難病・がん患者等の活躍支援
③地域共生社会の実現

(4)横断的課題である働き方改革と生産性向上
①同一労働同一賃金の実現に向けた非正規雇用の待遇改善・最低賃金の引上げ
②長時間労働の是正
③高齢者・障害者等の活躍促進
④労働生産性の向上に向けた労働環境の整備

(5)成長と分配の好循環を実現するための基盤の整備
①質が高く効率的な医療提供体制の確保
②国民の安心につながる所得の底上げや社会基盤整備・防災対策の推進

(6)その他の主要施策
①自殺対策の推進
②戦没者遺骨収集、中国残留邦人等の援護

→厚生労働省は,概算要求で高齢化の進展に伴う社会保障費の伸びを6,400億円と想定している。政府は,財政健全化計画で2016~2018年度の伸びを1.5兆円に抑える目安を掲げており,1,400億円程度圧縮する必要があるとされている。さらに,消費税増税が2017年4月から2年半再延期されたにもかか関わらず,増税と同時に実施予定だった社会保障の充実策の実施も求められてくる。さて,どんな妙案を示すのか・・・。
→また,厚生労働省は,現在の「雇用均等・児童家庭局」を分割し,安倍政権が「最大のチャレンジ」と位置づける「働き方改革」を進める「雇用環境・均等局」(仮称)と子育て支援を担う「子ども家庭局」(仮称)とする組織再編方針を公表している。2017年度の機構・定員要求に盛り込まれるとみられている。「働き方」は2重行政(「雇用環境・均等局(仮称)」(労働政策審議会)と「働き方改革実現推進室」(働き方改革実現会議)),「子ども子育て」は3重行政(厚生労働省,文部科学省,内閣府)。一体どうしたいのか・・・。(筆者)

8/10 厚生労働省 ■「第3次安倍第2次改造内閣」における厚生労働省の政務三役(大臣・副大臣・政務官) 厚生労働省政務三役(「第3次安倍第2次改造内閣」)
厚生労働省の新政務三役 (2016年8/10) 敬称略
大臣 塩崎恭久 ・昭和25年11月7日生,愛媛県,自民党,衆議院,東京大学教養学部卒・ハーバード大学大学院修了
・「第1次安倍内閣」では官房長官,2014年9月の「第2次安倍改造内閣」からの現職留任
・なお,今回の改造内閣で新設された「働き方改革担当大臣」は,加藤1億総活躍担当大臣が兼務する。
・安倍首相は,2016年7月3日の会見で,「最大のチャレンジは,『働き方改革』だ。長時間労働を是正し,また同一労働同一賃金を実現し,非正規という言葉をこの国から一掃する」とした。そのうえで,「『働き方改革実現会議』を開催し,塩崎厚労大臣と緊密に連携しながら,年度内を目途に『働き方改革』の具体的な実行計画を取りまとめてもらう。スピード感をもって実行していく」と述べた。
・塩崎厚生労働大臣は,2016年7月4日の記者会見で,「できる限り早く36協定のあり方についてしっかり検討する」とし,「有識者検討会」を設置すると述べた。

【筆者の所感】(2015年10月20日)
→2015年9月24日,安倍首相は,唐突に「アベノミクスは第2ステージに移る」と宣言し,2020年に向けた経済成長の推進力として新たに「新3本の矢」を発表した。脈絡のなさはさておき,問題は『新3本の矢』を実現する具体策である。然したるアイデアもないので,国民の意見を求めていると,筆者は勘ぐっている。
→2016年夏の参議院選挙に向けての目くらましでないことを望むばかりである。(筆者)


【筆者の所感】(2014年9月5日)
→安倍首相は,党政調会長代理と日本経済再生本部の本部長代行を務め,成長戦略策定に関わってきたGPIF改革推進派の塩崎氏を,脛に傷を持つ田村氏の後任に起用した。
→安倍首相が,厚生労働大臣に求めているのは,厚生労働省が管轄する120兆円の年金積立金の大胆な活用によるアベノミクスの推進である。塩崎大臣は、「経済こそ最優先で,経済成長が大事」と公言している。厚生労働省のトップに,「医療・介護・福祉の専門家」ではない日銀出身の人物を持ってきたということは,今後,算術が前面に出てくる厚生労働行政の姿が窺えるようである。(筆者)
副大臣 古屋範子 ・厚生担当
・昭和31年5月14日生,埼玉県出身,早大卒,公明党,衆議院
・公明党の副代表。2003年の比例南関東ブロックから5期連続当選。総務大臣政務官,衆院厚生労働委員会理事,消費者問題特別委員会理事など歴任。2012年12月の「第2次安倍内閣が発足当初から,厚生労働副大臣のポストの一つは公明党議員から選出されている。
橋本岳 ・労働担当
・昭和49年2月5日生,岡山4区(3回当選),慶応大大学院卒,自民党,衆議院
・衆院外務委員会理事,自民党外交部会長や労働力確保に関する特命委員会の幹事・事務局次長など歴任。2014年9月の「第2次安倍改造内閣」の厚労政務官では主に医療・介護分野を担当。
・父親は元首相の故橋本龍太郎氏。
政務官 馬場成志
・厚生担当
・昭和39年11月30日生,熊本県,熊本工業高卒,自民党,参議院
・熊本県議5期,熊本市議2期を経て,2013年の参院選で熊本選挙区から初当選。参院の議院運営委員会理事、党農林部会副部会長,党水産部会副部会長など歴任。
堀内詔子 ・労働担当
・昭和40年10月28日生,学習院大卒,自民党,衆議院
・2012年の衆院山梨2区で初当選,2014年に比例南関東ブロックで復活当選で現在2期目
・義父は労働大臣や通産大臣を務めた堀内光雄氏。

安倍首相は,2016年7月3日の会見で,「最大のチャレンジは,『働き方改革』だ。長時間労働を是正し,また同一労働同一賃金を実現し,非正規という言葉をこの国から一掃する」とした。そのうえで,「『働き方改革実現会議』を開催し,塩崎厚労大臣と緊密に連携しながら,年度内を目途に『働き方改革』の具体的な実行計画を取りまとめてもらう。スピード感をもって実行していく」と述べた。また,塩崎厚生労働大臣は,2016年7月4日の記者会見で,「できる限り早く36協定のあり方についてしっかり検討する」とし,「有識者検討会」を設置すると述べている。
→なお,今回の改造内閣で新設された「働き方改革担当大臣」は,「加藤1億総活躍担当大臣」が兼務し,労働担当の橋本副大臣は同郷(岡山県)という具合である。健全な議論が期待できるかどうか。(筆者)
8/4 首相官邸 2016年8月3日に「第3次安倍第2次改造内閣」が発足した ・2015年6月17日の「改正公職選挙法」による選挙権年齢の20歳以上から高校生を含む18歳以上への変更および2015年7月28日の「改正公職選挙法」による定数10増10減への変更から初めての国政選挙となる「第24回参議院議員通常選挙」が2016年7月10日に投開票された。選挙結果は,与党など改憲に前向きな勢力で2/3の議席を獲得できるものとなった。
・これを踏まえ,2016年8月3日に「第3次安倍第2次改造内閣」が発足した。安倍首相は,記者会見において,改憲については「自民党の党是であり,党総裁として任期中に果たしたいと考えるのは当然のことだ」とした。また,第2次改造内閣を「未来チャレンジ内閣」と位置付け,「最優先課題は経済」とし,一億総活躍社会の柱の一つである「働き方改革」に関して,「働き方改革担当大臣」を新設し,加藤一億総活躍担当相大臣を兼務させることとし,「働き方改革実現会議」を設置させて,2016年度内をめどに具体的な実行計画を取りまとめるとした。
・19閣僚のうち8人が初入閣で,留任は8人,大臣経験者が3人である。女性閣僚はいずれも大臣経験者で,留任(高市総務大臣),再入閣(稲田防衛大臣),横滑り(丸川五輪大臣)の3人である。副大臣は,自民党22人,公明党が3人の計25人で,うち女性は古屋範子厚生労働副大臣(公明)のみである。政務官は,計27人で,、女性は3人である。なお,官房長官,財務・金融,外務の3閣僚は,自・公政権となった2012年12月の「第2次安倍内閣」以来、交代していない。
安倍首相の記者会見
基本方針(閣議決定)
内閣総理大臣談話(閣議決定)
閣僚等名簿 / 総理大臣補佐官

(参考)
▼第3次安倍改造内閣(「未来へ挑戦する内閣」 :2015年10月7日発足) 安倍首相の記者会見 / 閣僚等名簿
第3次安倍内閣(「実行実現内閣」 :2014年12月24日発足) : 安倍首相の記者会見 / 閣僚等名簿

→安倍首相が命名した内閣のキャッチフレーズの変遷であるが,見事に事柄の焦点をぼかしていると思う。
・2014年12月24日発足の「第3次安倍内閣」 :「実行実現内閣」
・2015年10月7日発足の「第3次安倍改造内閣」 :「未来へ挑戦する内閣」
・2016年8月3日発足の「第3次安倍第2次改造内閣」 :「未来チャレンジ内閣」
→「第2次安倍改造内閣」で「石破茂地方創生大臣」を,「第3次安倍改造内閣」で「加藤勝信一億総活躍大臣」を,「第3次安倍第2次改造内閣」で「加藤働き方改革担当大臣」を誕生させた。いずれも,厚生労働省の主導すべき政策であるにも拘らず,あえて縦割り行政を助長させている理由は,問題の本質や責任の所在を不明確にさせるための姑息な布石だと筆者は受け止めている。消費税10%増税の再延長により破たんした「社会保障制度改革」の本質的な論議や責任追及が霧散させられた手法と同じである。「同じ詐欺に何度も引っかかる方が悪い」ということか・・・。
→さらに,「一国の経済の発展」は,政治的安定が不可避である。稲田防衛大臣や松野文部科学大臣のような偏執的な政治家を主要閣僚とした日本は,世界経済からみれば政治的不安定要因を抱えたことぐらいアホでもわかる。「最優先課題は経済」は聞いてあきれる。(筆者)
8/1 - 「障害者入所施設における殺傷事件に関する見解」(日本精神保健福祉士協会) ・2016年7月28日,「障害者入所施設における殺傷事件に関する見解」が公益社団法人日本精神保健福祉士協会のホームページに掲載された。

→2016年7月28日,安倍首相は「障害者施設における殺傷事件への対応に関する関係閣僚会議」を開催し,「厚生労働大臣を中心に関係閣僚が協力して,施設の安全確保の強化,措置入院後のフォローアップなど,様々な観点から必要な対策を早急に検討し,できるところから速やかに実行に移していくよう指示をした」,と報道されている。
→一方,2016年7月26日未明に発生した元施設職員で措置入院退所者が犯人の事件でありながら,まさに当事者である日本精神保健福祉士協会としての最初の見解のタイミングおよびその内容のいずれにも,「職能団体としての主体性」に疑問を持った。(筆者)
7/1 厚生労働省 「認知症の本人及び家族への地域資源を活用した支援に関する調査結果」(概要 / 本文 ・2016年6月24日,厚生労働省は,「認知症の本人及び家族への地域資源を活用した支援に関する調査結果-自治体における新オレンジプランの実施状況について-」を公表した。
・本調査結果は,地域資源を活用して実施している自治体の中から,4自治体(北海道砂川市,岩手県岩手郡岩手町,兵庫県川西市,熊本県山鹿市)を対象とした実施状況の調査結果である。
<調査結果の概要(各自治体の取組事例)>
①認知症サポーターの養成と活動の支援

・受講対象者(民生委員・企業・学校等)に応じたサポーター養成講座内容の工夫
②認知症初期集中支援チームの設置
・認知症の人の緊急性等の判断に基づく往診・訪問介護サービス等の調整
③医療・介護関係者等の間の情報共有の推進
・医療介護情報連携ツールの地域医師会等との協力による導入・普及
④地域での見守り体制の整備
・地域の事業所(郵便・水道・ガス・新聞等)の参加による日常的な見守り

→認知症者は,現在約500万人であるが2025年には約700万人に達すると想定されている。
→2015年1月27日に「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)~認知症高齢者等にやさしい地域づくりに向けて~」(厚生労働省)が公表された。なお,新プランの対象期間は団塊の世代が75歳以上となる2025年である。
→2015年11月2日に「認知症に関する世論調査」(内閣府)が公表された。20歳以上の成人1,682人へのわずかな調査であるが,「認知症になったらどのように暮らしたいか」という質問には,43.7%の人が「今まで暮らしてきた地域で生活していきたい」としている点が認知症対策の理由づけに利用されているように思う。しかし,47.7%の人が「介護施設で暮らしたい」,4.6%の人が「誰にも迷惑をかけないよう,ひとりで暮らしていきたい」と答えている。民主主義的なとらえ方をすれば,国は6割の人が望む施策を指向すべきであるが,4割の人が望む施策を戦略の基本に据えている。
→認知症の家族介護に関わる殺人,心中事件の増加を考えれば,国の施策は多くの国民の望む方向にはないように思われる。筆者は,「認知症施策」は介護保険制度の枠内だけでは対処できないと考える。「認知症施策」には,ケアラーを総合的に支援する仕組み作りが大きなポイントになると思う。(筆者)

6/14 厚生労働省 「2014年度 介護保険事業状況報告(年報)」 ・2016年6月13日,厚生労働省は,「2014年度 介護保険事業状況報告(年報)」を公表した。
<2014年度 介護保険事業状況報告(年報)」の主なポイント>
項目 2014年3月末現在
or
2014年度
2015年3月末現在
or
2015年度
増減
①第1号被保険者数 3,202万人 3,302 万人 3.1%増
②要介護 (要支援 )認定者数 584万人 606万人 3.8%増
③第1号被保険者に占める要介護(要支援)認定者の割合(認定率) 17.8% 17.9% 0.1%増
④サービス受給者数(1か月平均) 482万人 503万人 4.3%増
⑤-1
保険給付(介護給付・予防給付)費用額
9兆1,734億円 9兆5,783億円 4.4%増
⑤-2
保険給付(介護給付・予防給付)額(利用者負担を除く)
8兆5,121億円 8兆9,005億円 4.6%増

→2016年末までに「介護保険制度改革案」が、まとめられる予定とされているが,給付費抑制策が主題となるとみられている。(筆者)

(参考)
「介護保険制度の概要」(厚生労働省)
6/7 内閣府 「2016年版 少子化社会対策白書」(概要 / 本文 ・2016年6月6日,内閣府は,「2016年版 少子化社会対策白書」を公表した。
・「少子化社会対策白書」は,「少子化社会対策基本法」第9条に基づく年次報告書で,2004年から作成され,毎年,国会に報告されている。
<「2016年版 少子化社会対策白書」の構成>
第1部 少子化対策の現状

第1章 少子化をめぐる現状
第2章 少子化対策の取組

第2部 少子化社会対策の具体的実施状況
第1章 重点課題
第2章 きめ細かな少子化対策の推進

→「少子化対策は国にとって喫緊の課題」は口先だけであった。「少子化対策」と「その白書名」の変遷が,その迷走ぶりを物語る。
(少子化対策)
・エンゼルプラン(文部,厚生,労働,建設の4大臣合意) :1995年度~1999年度
・新エンゼルプラン(大蔵,文部,厚生,労働,建設,自治の6大臣合意) :2000年度~2004年度
・次世代育成支援対策推進法(10年の再延長) :2003年7月~
・少子化社会対策基本法 :2003年9月~
・少子化社会対策大綱 :2004年6月~2010年1月
・子ども・子育て応援プラン :2005年度~2009年度
・新しい少子化対策について :2006年6月~2007年度
・子どもと家族を応援する日本 重点戦略 :2007年12月~
・少子化社会対策大綱(子ども・子育てビジョン) :2010年1月~2015年3月
・子ども・子育て支援新制度(子ども・子育て関連3法) :2010年8月~
・待機児童の解消に向けた取組 :2013年4月~
・少子化危機突破のための緊急対策 :2013年6月~
・選択する未来 委員会 :2014年1月~11月
・放課後子ども総合プラン :2014年7月~
・地方創生の取組 :2014年9月~
・新たな少子化社会対策大綱 :2015年3月~


(白書名)

・「少子化社会白書」 :2004~2009年度版
・「子ども・子育て白書」 :2010~2012年度版(民主党政権)
・「少子化社会対策白書」 :2013年度版~
→人口減少,少子高齢化社会への効率的・効果的な対応は,部分最適から全体最適をめざす「横断的な行政システムの構築」が不可欠である。現政権が,それを実現しようとしているとは思えない。なお,2016年度の社会保障費予算は約32兆円で,そのうち「少子化対策費」は1%未満となっていることを知る国民は少ない。(筆者)
6/6 内閣府 「2016年版 障害者白書」(概要 / 本文 ・2016年6月2日,内閣府は,「2016年版 障害者白書」を公表した。
・「障害者白書」は,「障害者基本法」第13条に基づく年次報告書として,1994年から作成され,毎年,国会に報告されている。
<「2016年版 障害者白書」の構成>
第1章 障害者差別解消法の施行に向けた取組
第2章 障害者権利条約批准後の動き
第3章 相互の理解と交流
第4章 社会参加へ向けた自立の基盤づくり
第5章 日々の暮らしの基盤づくり
第6章 住みよい環境の基盤づくり

→「障害者施策」において,2016年4月から「合理的な配慮」を義務付けた「障害者差別解消法」が施行されたという重大な変化があった。にもかかわらず,「2016年版障害者白書」のメディアの取り上げは,例えば,「障害者の民間雇用,6月時点で45万人 12年連続最多」(日本経済新聞),「障害者白書を決定」(時事通信)という程度で,関心は低いと思われた。
「障害者差別解消法」は,2013年6月に成立したが,法の趣旨を周知するため,3年の準備期間を経て,2016年4月に施行された。法律で市町村に策定が義務付けられている「障害者差別解消法に基づく対応要領」の策定率は,2016年4月1日時点で21%であった。策定が進まなかった主たる理由として,「政府の対応の遅れ」が指摘されている。法律では,「政府は自治体の対応要領策定に協力しなければならない」と定めているが,2015年11月9日に「都道府県・政令指定都市に対する対応要領・対応指針に関する説明会」を1度しか開催しなかったことから,「国際的な非難をかわせる法的な形づくりができればよい」という政府の本音が表われているとの意見がある。それを見透かした地方自治体の対応が,「対応要領」の策定率21%「障害者差別解消支援地域協議会」の設置率6%,となっていると受け止めば,今後の進展・深化の困難さが理解しやすくなる。さらに,例えば,障害児への合理的配慮を公立学校にも義務付けられているが,前例となるイギリスの1995年からの経過を知ると,これからの「障害」の大きさに圧倒される。(筆者)


(参考)
「障害者差別解消法について」(厚生労働省)

6/5 首相官邸 ■2016年6月2日,「4政策計画」(骨太の方針,成長戦略,規制改革実施計画,1億総活躍プラン)が公表された ・2016年6月2日,政府は,「4政策計画」(骨太の方針2016,成長戦略2016,規制改革実施計画2016,1億総活躍プラン)を閣議決定し,公表した。
<アベノミクス「新3本の矢」と4計画の関係>
アベノミクス
「新3本の矢」
4政策計画
(1)成長戦略 (2)規制改革実施計画 (3)1億総活躍プラン (4)骨太の方針
①強い経済
(目標:GDP600億円)
・ITやロボットで産業革命
・農業改革,観光立国
・民泊
・返済浮揚の給付型奨学金
・同一労働同一賃金
・保育士,介護職員の処遇改善
・「アベノミクスの成果」を財源に活用
②子育て支援
(目標:希望出生率1.8)
③安心の社会保障
(目標:介護離職ゼロ)

→「2016年度 4政策計画」に関する新聞の見出しは,以下の通りである。
・日本経済新聞 :「骨太方針・成長戦略を閣議決定 健全化目標の堅持明記 」
・東京新聞 :「政府「骨太方針」 消費刺激策は従来型 持続的成長に疑問」
・毎日新聞 :「<骨太の方針>財源不明で実効性に疑問符 税増収の保証なし」
・朝日新聞 :「「ふかす」政策,道筋は 骨太の方針・1億総活躍プラン決定 採算・実現性に疑問も」
→今回の経済政策計画は,「従来型の消費刺激策や多数の項目を並べた総花的な内容も目立つ」,消費税増税を再延期したことによる「税収増の保証もない計画の実効性に疑問をもつ」は国民の代表的な感想ではないかと思う。「アベノミクスのエンジンを最大限吹かせる」に対して,「カラ吹かしやな」はまるでかけ合い漫才である。
→なお,消費税の5%から10%への引き上げは,2012年当時の民主党政権(野田佳彦首相),自民党,公明党の3党合意としてまとめた「社会保障と税の一体改革」の原点であった。消費税10%への増税再延期により,前提が完全に崩れており,「社会保障と税の一体改革」は破たんしたとみるべきである。例えば,「子ども・子育て支援」では,消費税⒑%で1兆円賄う予定であったが,8%のままであると4,000億円が不足する。しかし,現政権は「何とかする」といい加減なことを言っている・・・。(筆者)

6/3 内閣府 「2016年版 子供・若者白書」(概要 / 本文 ・2016年5月31日,内閣府は,「2015年版 子供・若者白書」(旧青少年白書)を公表した。
・「子供・若者白書」(旧青少年白書)は,「子ども・若者育成支援推進法」第6条に基づく年次報告書として,2010年から作成され,毎年,国会に報告されている。
<「2016年版 子供・若者白書」の構成>
第1章 :子供・若者育成支援施策の新たな展開
第2章 :全ての子供・若者の健やかな育成
第3章 :困難を有する子供・若者やその家族の支援
第4章 :子供・若者の成長のための社会環境の整備
第5章 :子供・若者の成長を支える担い手の養成
第6章 :創造的な未来を切り拓く子供・若者の応援
第7章 :施策の推進体制等

→2016年2月に策定された「子供・若者育成支援推進大綱」に関する経緯である。
・2003年6月に内閣に「青少年育成推進本部」(本部長:内閣総理大臣)が設置され,2003年12月に「青少年育成施策大綱」が策定され,2008年12月に「新青少年育成施策大綱」が策定された。
・2009年7月に「子ども・若者育成支援推進法」が成立し,2010年4月1日に施行された。2010年7月に「青少年育成推進本部」は法に基づく大綱である「子ども・若者ビジョン」策定した。
・2011年7月より,有識者からなる「子ども・若者育成支援推進点検・評価会議」が開催され,2015年11月に「新たな大綱に盛り込むべき事項について(意見の整理)」において,社会的な生活を送る上で困難を有する子供・若者について,生育環境において様々な問題に直面した経験を有している場合が多く,例えば,貧困,児童虐待,いじめ,不登校,ニート等の問題が相互に影響し合うなど,様々な問題を複合的に抱え,非常に複雑で多様な状況となっていること等が指摘された。
・2016年2月に「青少年育成推進本部」は,新たな「子供・若者育成支援推進大綱」を策定し,①全ての子供・若者の健やかな育成,②困難を有する子供・若者やその家族の支援,③子供・若者の成長のための社会環境の整備,④子供・若者の成長を支える担い手の養成,⑤創造的な未来を切り拓く子供・若者の応援,という5つの課題について重点的に取り組むことを基本的な方針としている。いつもながら,お話としては,うまくまとめられている。
→実効あるものにするためには,日本国民が,身を削っても日本の次代を担う子供・若者への財源投入を承認し,さらに国が地域行政や地域社会を本気で実行させられるかどうかに尽きる。(筆者)
6/2 首相官邸 ■第190回通常国会閉会後の「安倍首相の記者会見」 ・2016年1月4日に召集された第190回通常国会が2016年6月1日に閉会した(会期:150日間)。2016年7月の参議院選挙を受け,例年より新規提出の閣法法案が56本と抑制され,成立率は89%(50/56本)であったが,環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の承認案など重要法案の成立は秋の臨時国会に継続審議となった。
<「安倍首相の記者会見」のポイント>
▽第190回通常国会

・通常国会で成立した法律や予算で,「1億総活躍社会」に向けた新たな取り組みがスタートする。
▽経済認識
・新興国や途上国の経済が落ち込んでおり,世界経済が大きなリスクに直面している。こうした認識を伊勢志摩サミットで世界のリーダーと共有した。
・熊本地震では,九州の広い範囲にわたって経済や暮らしが打撃を受けている。これらが日本経済にとって新たな下振れリスクとなっている。最悪の場合,再びデフレの長いトンネルへと逆戻りするリスクがある。

▽経済・社会政策
・アベノミクス3本の矢をもう一度力いっぱい放つため,総合的かつ大胆な経済対策をこの秋講じる。
・G7で協力し,世界的な需要を強化するため,将来の成長に資する分野で大胆に投資を進める。

▽増税再延期
・2017年4月に予定されている消費税率の10%への引き上げについて,内需を腰折れさせかねない消費税率の引き上げは延期すべきだと判断した。
・2019年10月に10%へ引き上げ,その際に軽減税率を導入する。
▽参議院選挙とその争点
・参院選を6月22日公示,7月10日投開票の日程で行う。
・アベノミクスをもっと加速するのか,それとも後戻りするのか。これが来る参院選の最大の争点である。

→安倍首相の記者会見で理解できたことは,サミットも熊本地震も,公約である10%への増税時期を再延期するために,つじつま合わせに利用したことだった。ひょっとしたら,10%への増税がどうであれ,すでにアベノミクスが破たんしていることを知らないのは日本国民だけではないかと・・・。
→第190回通常国会で成立した主な法律および主な継続審議となった法案は以下の通りである。
●通常国会で成立した主な法律
改正公職選挙法(衆院議員の定数を10減し「1票の格差」を是正),改正民法(女性の再婚禁止期間を6か月→100日に短縮),第189回通常国会からの継続法案であった改正刑事訴訟法(警察や検察による取り調べの録音・録画を義務付け),ヘイトスピーチ対策法(国に相談体制整備の責務,自治体に努力義務を課す),成年後見制度利用促進法(後見人の人材育成と家庭裁判所の監督体制の強化),改正児童扶養手当法(低所得のひとり親家庭に支給する児童扶養手当を増額),改正児童福祉法(児童虐待への対応のためベテランの児童福祉士や弁護士の児童相談所への義務付け),改正発達障害者支援法(学校の個別計画,事業主の雇用確保など発達障害者支援の充実)
●継続審議となった主な法案
・TPP関連法案(関税引き下げ,著作権保護期間の延長,畜産支援など),年金制度改革関連法案(将来の年金水準確保のため高齢者への給付抑制を強化),第189回通常国会からの継続法案である労働基準法改正案(高所得の一部労働者を労働時間規制の対象から外す制度の導入)
→なお,2016年秋の臨時国会は,8月の早期召集もあり得るとみられている。(筆者)
6/1 内閣府 「2016年版 男女共同参画(概要 / 本文 ・2016年5月31日,内閣府は,「2016年版 男女共同参画白書」を公表した。
・男女共同参画白書は,「男女共同参画者社会基本法」第12条に基づく年次報告書で,2001年から作成され,毎年,国会に報告されている。
<「2016年版 男女共同参画白書」の構成>
【Ⅰ】2015年度男女共同参画社会の形成の状況

特集 多様な働き方・暮らし方に向けて求められる変革

【Ⅱ】男女共同参画社会の形成の促進に関する施策
第1部 2015年度に講じた男女共同参画社会の形成の促進に関する施策
第2部 2016年度に講じようとする男女共同参画社会の形成の促進に関する施策

(参考:特集のテーマ)
2016年版 :多様な働き方・暮らし方に向けて求められる変革
2015年版 :地域の活力を高める女性の活躍
2014年版 :変わりゆく男性の仕事と暮らし
2013年版 :成長戦略の中核である女性の活躍に向けて
2012年版 :男女共同参画の視点からの防災・復興
2011年版 :ポジティブ・アクションの推進-「2020年30%」に向けて-
2010年版 :女性の活躍と経済・社会の活性化
2009年版 :男女共同参画の10年の軌跡と今後に向けての視点−男女共同参画社会基本法施行から10年を迎えて−

→「2016年版 男女共同参画白書」に関するマスメディアの取り上げ方・見出しは,以下の通りである。
・日本経済新聞 :「長時間労働,子育て期の男性が最多」
・時事通信 :「仕事と家庭,両立進まず=1億活躍社会実現求める」
・NHK :「働き方変革の必要」
→男女共同参画に関する最近の動向である。2015年8月28日に「女性活躍推進法」が成立し,2016年4月1日から労働者301人以上の大企業には,女性の活躍推進に向けた数値目標を盛り込んだ行動計画の策定・公表や,女性の職業選択に資する情報の公表が事業主(国や地方公共団体,民間企業等)に義務付けられた。なお,常時雇用する労働者が300人以下の民間企業等は努力義務である。
「2016年度男女共同参画基本計画関係予算」は約8兆円である。白書を読んで,国が実現しようとしている「男女共同参画社会」を具体的にイメージできる国民はどれほどいるだろうか。(筆者)
5/31 厚生労働省 「2016年版 自殺対策白書」(概要 / 本文 ・2016年5月31日,厚生労働省は,「2016年版 自殺対策白書」を公表した。
・「自殺対策白書」は,「自殺対策基本法」第10条に基づいて,2007年から毎年政府が国会に提出している年次報告書である。
<「2016年版 自殺対策白書」の構成>
第1章 自殺の現状
第2章 自殺対策の10年とこれから
第3章 2015年度の自殺対策の実施状況

→「2016年版 自殺対策白書」に関するマスメディアの取り上げ方・見出しは,以下の通りである。
・日本経済新聞 :「高齢・若年層の自殺深刻 16年版対策白書,全体では減少」
・読売新聞 :「自殺,50代男性の割合低下…自殺対策白書」
・東京新聞 :「若者と高齢者の自殺深刻 政府,16年版白書」
・NHK :「自殺者 2万5,000人下回る 」
→2015年度以降,「自殺対策」に関して,大きな変更が2点あった。
(1)第189回通常国会において,2015年9月4日,内閣府提出の「改正国家行政組織法」が成立し,2016年4月1日から施行された。
・改正内容は,内閣府本府から各省等に所掌事務を移管するもので,「自殺対策」が「厚生労働省」に移管された。移管された主な自殺対策業務は,大綱の見直し,「自殺総合対策会議」の運営,自殺対策白書の取りまとめ,である。
(2)第190回通常国会において,2016年3月22日に議員立法である「改正自殺対策基本法」が成立し,2016年4月1日から施行された。
・改正のポイントは,①目的規定の改正,②基本理念の追加,③都道府県自殺対策計画等,④基本的施策の拡充,である。
→社会福祉士・精神保健福祉士国家試験において,「自殺」に関する出題は頻出である。

(第27回社会福祉士・第17回精神保健福祉士 共通問題)
問題37 地域福祉のネットワーク推進に関する各種報告書や白書の記述として, 正しいものを1つ選びなさい。
×5 自殺予防における「ゲートキーパー」は, 周りの人の異変に気づき, 行動する人のことであり, 弁護士, 司法書士, 薬剤師などの専門職に限られる (「2013年版自殺対策白書」 (内閣府) より) 。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(第17回精神保健福祉士 専門科目)
問題12「2014年版自殺対策白書」 (内閣府) による日本の自殺に関する次の記述のうち, 正しいものを1つ選びなさい。
×1 自殺死亡率は, 男性より女性が高い。
×2 自殺死亡率は, アメリカよりも低い。
×3 自殺者の半数が失業者である。
〇4 自殺者の原因・動機特定者のうち, およそ3分の2が原因・動機として健康問題を挙げている。
×5 過去に自殺未遂歴がある自殺者数の割合は, 女性より男性が高い。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(第18回精神保健福祉士 専門科目)
問題13→「子どもの自殺が起きたときの緊急対応の手引き(文部科学省)」関連
問題64→「ゲートキーパー」関連
→「日本の自殺対策」は課題満載である。厚生労働省に移管されたことで,政策・施策が機動的になるより,自殺対策=うつ病対策に矮小化される懸念を提示する説得力のある意見がある。また,これまでの年間3万人が2万5,000人に減少したというのは意味のない算術であり,単純に年間2万5,000人増加したということが理解できていないようではどうしようもない。(筆者)
5/23 内閣府 「2016年版 高齢社会白書」(概要 / 本文 ・2016年5月20日,内閣府は,「2016年版 高齢社会白書」を公表した。
・「高齢社会白書」は,「高齢社会対策基本法」第8条に基づいて,1996年から毎年政府が国会に提出している年次報告書である。
<「高齢社会白書」の構成>
(A)「2015年度 高齢化の状況及び高齢社会対策の実施状況」
(1)高齢化の状況
①高齢化の状況
②高齢者の姿と取り巻く環境の現状と動向
③国際比較調査に見る日本の高齢者の意識(アメリカ,ドイツ,スウェーデンの60歳以上の男女を対象にした意識調査)

(2)高齢社会対策の実施の状況
①高齢社会対策の基本的枠組み
②分野別の施策の実施の状況

(B)「2016年度 高齢社会対策」

→「2016年版 高齢社会白書」に関するマスメディアの取り上げ方・見出しは,以下の通りである。
・日本経済新聞 :『60歳以上「まだ働きたい」71.9%』
・東京新聞 :『友達少ない日本の高齢者 内閣府が国際比較調査』
・毎日新聞 :『高齢者国際意識調査:「友達少ない」日本』
・NHK :『老後の準備と孤立防ぐ取り組み推進を 』
・テレビ朝日 :『65歳以上が4割に 衝撃的な“超高齢化社会”を予測』
・毎日放送 :『「老後の備え足りない」60歳以上の6割近く』
→「2016年版」での特有の事柄は,「高齢者国際意識調査結果」である。筆者は,この調査結果は,日本の高齢社会対策には重要であり,福祉専門職として知っておかなければならない知識であると考える。こういう事柄こそ,適切に2016年度の「3福祉士国家試験」に取り上げてもらいたいと思う。
→時事的な事象に関する適時性に関して,筆者は,2015年度の「第28回社会福祉士国家試験 問題126」の「2015年版高齢社会白書」に関する出題の意図や質に疑義があるので,所感を述べる。
問題126 「2015年版高齢社会白書」(内閣府)で紹介されている高齢者の生活や意識等に関する事項のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
①アメリカ,ドイツ,スウェーデンと比較して,日本の高齢者が医療サービスを利用する頻度は高いとは言えない。
②常時雇用する労働者が31人以上の,60歳定年企業における過去1年間の定年到達者のうち,継続雇用された人の割合は約5割となっている。
③高齢者の若い世代との交流の機会への参加意向についてみると,約9割の高齢者が若い世代との交流に参加したいと考えている。
④高齢者の約9割は,体が弱ったときには老人ホームへ入居したいと考えている。
⑤高齢者の貯蓄の目的として最も多いものは,病気や介護への備えである。
正答は⑤である。疑問を感じるのは,この正答選択肢の内容が2015年版に特有の事柄ではないことである。つまり,201212年版~2016年版のすべてに,『第2節 高齢者の姿と取り巻く環境の現状と動向 - 2 高齢者の経済状況 - (4)世帯主が65歳以上の世帯の貯蓄は全世帯平均の1.4倍で,貯蓄の主な目的は病気や介護への備え』の記述がある。「2015年版 高齢社会白書」において,国家試験で求められる知識が「これ」では,悲しすぎる。「その知識」を求めるにしても,問題文は,『「2015年版高齢社会白書」(内閣府)で紹介されている・・・』ではなく,『2012年版~2015年版の「高齢社会白書」(内閣府)で紹介されている・・・』とすべきではなかったかと思う。国家試験にふさわしい質の高い問題作りを望むものである。(筆者)
4/13 内閣府 「社会意識に関する世論調査の結果」(2016年2月調査) ・2016年4月9日,内閣府は,「社会意識に関する世論調査」(2016年2月調査)の結果を公表した。
・調査項目は、(1)国や社会との関わりについて,(2)社会の現状に対する認識について ,③ (3)国の政策に対する評価について,である。
<「(3)国の政策に対する評価について」のポイント>
調査項目 結果
(1)国の政策への民意の反映程度 「反映されている」が増加(前回27.6%→29.9%)・・・男性>女性,60歳以上で高率,無職>雇用者
「反映されていない」が低下(前回69.4%→66.8%)・・・男性<女性,30~50歳代で高率,無職<雇用者
(2)良い方向に向かっている分野 ・「医療・福祉」29.2%,「科学技術」が29.1%,「治安」19.8%,「防災」19.1%
(3)悪い方向に向かっている分野 ・「国の財政」38.0%,「景気」29.5%,「地域格差」27.9%,「雇用・労働条件」26.8%

→新聞各社の記事の「見出し」は以下の通りで,各社の立ち位置が明確に出ていると思う。
・外交・防衛「良い」最高 安保法成立など評価(産経新聞)
・「社会に満足」62%で過去最高(日本経済新聞)
・「現在の社会に満足」最高の62%(読売新聞)
・「景気は悪化」前回同水準29%(東京新聞)
・社会満足度…若者ほど低く(毎日新聞)
・「景気,悪化している」29.5%(朝日新聞)
→「社会全体に不満のある国民が少ない」となれば,現在の自民党政権が継続する,と一般的には考えられる。4月12に「北海道5区補選」が告示され,4月24日に投開票される。この補選の「野党共闘モデル」の成否次第では,夏の参院選が衆参同日選挙となる可能性もあると見られている。(筆者)

4/6 経済産業省 「将来の介護需要に即した介護サービス提供に関する研究会報告書」 ・2016年3月24日,経済産業省は,2015年12月からの検討を踏まえて,「将来の介護需要に即した介護サービス提供に関する研究会報告書」を公表した。
<報告書の要旨(発表原文のまま)>
『将来の介護需要に即した介護サービス提供の在り方について,地域特性や将来の高齢者の経済的・社会的環境も踏まえ,団塊の世代が85歳を越える2035年に向けた対応の方向策について提言をしています。将来にわたって必要な介護サービスを確保していくためには,
・介護機器・IT等を活用した介護サービスの質・生産性の向上
・地域ごとの介護需要の密度や介護従事者数に即した介護サービス提供体制の構築
・高齢者を支える機能の構築
を,官と民がそれぞれの役割を明確にしつつ,官民の協調が必要な領域については協調しながら,総合的に進めていくことが必要と考えられます。』

→筆者は,介護の本質的な議論を避け,「介護ロボットの実用化への進展」だけが目的と思われる経済産業省の本報告書の提言に期待はしていなかったが,「現状の延長線上において,2035年に68万人不足すると考えられる介護職員は,機器・ITの導入による労働時間,労働負荷の軽減,高齢者などの潜在的なリソースの活躍,集住の促進などによる介護需要密度の向上によって克服することが可能(65万人不足が51万人不足となる)」,「IT・ロボット導入による生産性向上により,2035年時において,8,000億円の生産性向上の効果が見込まれる(介護給付費対比で7%生産性が向上する)」という無謀な試算を見て,「介護の質の向上」ではなく「介護の質の低下」つながる危険性を感じた。
→もともと経済産業省は,関係する業界団体・企業・他省庁の協力がなければ政策が遂行(自己完結)できない官庁であり,筆者は,言葉は悪いが,「介護ロボットの実現」に関しては,「あなた任せで,当てにできない」と思っている。
→「介護」に関する結論だけを言えば,筆者は,介護保険制度の廃止を含めた抜本的な制度の見直しをすべきと考えている。それを実行できる政治家の出現を待たなければどうしようもないが,介護の可能性のある人たちには,「自分の家族は自分で守る(介護する)」という覚悟を持たなければならないときが近い将来に訪れると思う。「在宅介護」は,腹をくくらなければやりこなせない,介護は命がけである,というのが筆者の経験からの感想である。「介護離職ゼロ」は,チャンチャラおかしいとほとんどの国民は思っているはずである。政府もメディアも,インチキ臭い介護の専門家の意見を多く取り上げることで国民をごまかしている。(筆者)
4/1 厚生労働省 2016年4月から厚生労働関係で何が変わるか <2016年4月からの「厚生労働省関係の主な制度変更」一覧>
区分 項目 内容
(1)年金関係 2016年度の国民年金保険料 15,590円→16,260円
2016年4月からの年金額 ・据え置き(月65,008円)
(2)医療関係 診療報酬改定 ・診療報酬本体0.49%のプラス改定
・2025年度に向けて,地域包括ケアシステムの構築と質が高く効率的な医療提供体制の構築に取り組む
④紹介状なしの大病院受診時定額負担の導入 ・特定機能病院及び一般病床500床以上の地域医療支援病院については,紹介状なしで受診した患者に対し,定額を徴収
・初診は5,000円(歯科は3,000円),再診は2,500円(歯科は1,500円)を最低金額とし,医療機関が個別に設定
患者申出療養の創設 ・患者からの申出を起点とする新たな保険外併用療養の仕組みとして創設
入院時の食費の負担額の見直し ・これまでの食材費相当額に加え,新たに調理費相当額を負担
・1食あたり260円→2016年4月から360円→2018年4月から460円
・ただし,住民税非課税世帯や指定難病,小児慢性特定疾病の患者などの負担額は据え置き
被用者保険の標準報酬月額上限の引上げ ・健康保険・船員保険の標準報酬月額上限:47等級(121万円)→50等級(139万円)
・標準賞与額の年間上限:540万円→573万円
後期高齢者医療の保険料率の改定 ・各都道府県の後期高齢者医療広域連合において2年ごとに保険料率を改定
・2016-2017年度の被保険者一人当たり平均保険料額は,全国平均で月5,632円→5,659円
国民健康保険の保険料(税)の賦課(課税)限度額の見直し ・国民健康保険の保険料(税)の賦課(課税)限度額:85万円→89万円
(3)子ども・子育て関係 届出対象となる1日に保育する乳幼児の数の変更 ・ベビーシッター事業を行う場合の届出:6人以上→1人以上
(4)雇用・労働関係 「改正障害者雇用促進法」の一部施行 ・全ての事業主を対象に募集・採用など雇用に関するあらゆる局面で障害者に対する差別を禁止
・障害者一人一人の状態や職場の状況などに応じて合理的配慮の提供が求められる
「職業能力開発促進法」の一部施行等 ・「キャリアコンサルタント」の登録制度を創設
「女性活躍推進法」の全面施行 ・常時雇用する労働者の数が301人以上の一般事業主は,行動計画の策定・届出や情報公表等が義務付け
・300人以下は努力義務
「労働者災害補償保険法」に基づく介護(補償)給付の最高限度額及び最低補償額 ・最高限度額の引き上げ:月額104,950円,57,030円
・最低補償額の引き上げ:月額52,480円,28,520円
(5)各種手当関係 2016年度の児童扶養手当等の手当額 ・0.8%の引上げ

→その他の変更として,税制(エコカー減税,軽自動車税,ジュニアNISA,空き家売却の所得税),生活(電力の小売り自由化,燃油サーチャージ,ディズニーリゾート,ガリガリ君,たばこ)などがある。4月の暮らしに関わる変更は,この国がどういう方向に進んでいるのかを考えてみる機会になる。(筆者)
3/30 首相官邸 「2016年度予算」の成立を受けた「安倍首相の記者会見」 ・2016年3月29日,「2016年度予算(政府案)」が参議院で可決・成立した。
・前半国会の焦点であった「2016年度予算」の特徴として,一般会計総額(96兆7,218億円)と,高齢化による医療費などの増加のために社会保障関係費(31兆9,738億円)が過去最大を更新し,防衛費が初めて5兆円を超えたことが挙げられる。
・4月以降の後半国会での焦点は,TPP(環太平洋経済連携協定)の承認案,「一票の格差」是正に向けた衆議院の選挙制度改革,消費税率10%への引き上げの是非,などとみられている。
<「2016年度予算」のポイント>
(1)経済再生と財政健全化の両立する予算
①一億総活躍社会の実現に向けて,「希望出生率1.8」,「介護離職ゼロ」に直結する,子育て支援や介護サービス等の充実を図るほか,教育費の負担軽減等を進める。また,地方創生の本格展開を図る。
②持続可能な社会保障制度の確立に向けて,社会保障関係費の伸びを「経済・財政再生計画」の「目安」に沿って抑制(+4,400億円)診療報酬の適正化,改革工程表の策定などの改革を推進。
③事前防災・減災対策の充実や老朽化対策など国土強靭化を推進。また,「攻めの農林水産業」に向けた施策を推進。
④伊勢志摩サミットの議長国として,充実した外交予算により「地球儀を俯瞰する外交」を推進。また,防衛予算を充実し,防衛力を着実に整備。
⑤教育の質向上に向けた取組みや科学技術の基盤強化を推進。
⑥復興ステージに応じた課題に対応し,復興を加速化。


(2)財政健全化
①一般歳出の伸びを「経済・財政再生計画」の「目安」に沿って抑制(+4,700億円)。
②国債発行額(34.4兆円)は前年度から▲2.4兆円の減額。公債依存度は35.6%とリーマン・ショック以前(2008年度当初予算以来)の水準まで回復。

→筆者は,安倍首相の記者会見を聞いていて,誠に失礼ではあるが,相変わらずの滑舌の悪さによって話の中身に集中できないが,話しぶりから狡猾さ(ずるく悪賢いさま)には磨きがかかってきたように思った。
→安倍政権は,すでに補正予算による景気の下支えによるアベノミクスの効果の維持が不可欠とされている。2017年4月の10%への増税先送り=「アベノミクスの失敗」とされるとの批判をかわすために,衆参同時選挙は格好の手段になるはずで,「頭の片隅にもない」は疑わしい。(筆者)

3/24 厚生労働省 「2016年4月1日から入院時の食費の負担額が変わり,新たに調理費の負担が追加される」 ・2015年5月27日に「医療保険制度改革関連法」が成立した。その一環として,2016年4月1日から,入院時の食事代について,健康保険法等の規定に基づき,これまでの食材費相当額に加え,新たに調理費相当額を段階的に負担することになった。ただし,住民税非課税世帯者や,指定難病,小児慢性特定疾病の患者などの負担額(100円or210円)は据え置かれる。
2016年3月まで 2016年4月~ 2018年4月~
①一般 260円 360円 460円
②非課税世帯 100円or210円

→「医療保険制度改革関連法」の段階的施行は以下の通りである。
施行 ポイント
2015年度 ・国保への財政支援を1,700億円拡充
2016年度 ・入院時の食事代の自己負担が260円→360円/食
・紹介状なしの大病院受診に定額負担(5,000円以上)
・保険料算定の基準月収が121万円以上の会社員は保険料アップ
・患者申し出による「混合診療」がスタート(患者申出療養)
2017年度 ・会社員・公務員の組合の後期高齢者医療支援金負担を2,400億円引き上げ
・会社員の組合に700億円財政支援
・国保への財政支援を3,400億円に拡充
(参考)
・改革法とは別に75歳以上が加入する後期高齢者医療制度の特例的な軽減措置が廃止され,保険料は2017年度から段階的に引き上げ
2018年度 ・国保の運営を市町村から都道府県に移管
・入院時の食事代の自己負担を360円→460円/食
・国保など保険者の健康増進や予防の取組みへの奨励策強化
→2015年の通常国会では,本題でない「安保法制」に紛れて,ほとんど注目されずに,入院時の食事代値上げや大病院受診の定額負担導入など,患者の負担増につながる重要な医療保健制度の見直しが盛り込まれた「医療保険制度改革関連法」が成立していたということである。
→ちなみに,「2013年社会保障制度改革に関する意識等調査結果(2013年7月調査)」によれば,「社会保障制度に関する情報」について,29歳以下では,「興味はない」とした者は69.5%という数値であった。これが現状である。(筆者)

3/2 厚生労働省 ■女性活躍推進法認定マークの愛称が「えるぼし」に決定した ・2016年2月28日,厚生労働省は,「女性活躍推進法」に基づく認定マークの愛称を,応募作品から「えるぼし」に決定したことを公表した。
・2015年8月28日,女性が,職業生活において,その希望に応じて十分に能力を発揮し,活躍できる環境を整備するための「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)」が成立し,9月4日に公布された。2015年11月20日には「事業主行動計画策定指針」が告示され,2016年4月1日から施行される。
・「女性活躍推進法」では,従業員301人以上の企業に,現状を把握・分析したうえでの行動計画作りを義務付け,2016年4月1日までに届け出る義務があるとしている。なお,300人以下の企業は「努力義務」である。
・先進的な取り組みが認められれば,3段階の評価認定マーク(愛称「えるぼし」)が発行される。今後,厚生労働省では,女性の活躍をさらに推進していくため,認定制度や認定マークと愛称(「えるぼし」)の周知を図っていくとしている。

→「女性活躍推進法」は,①罰則がない,②対象範囲が極端に狭い,という法律である。いわゆる「ざる法」に基づく認定マークの価値をどう見るか・・・。
→ところで,「くるみんマーク・プラチナくるみんマーク」というのを知ってますか?「次世代育成支援対策推進法」(2004年4月~2014年3月)および「改正次世代育成支援対策推進法」(2014年4月~2025年3月)に基づく認定制度で,「子育てサポート企業」として,厚生労働大臣の認定を受けた企業の優良?
の証である。「知らんがな」というのが大方の意見であると思う。(筆者)


(参考)
「女性活躍推進法特集ページ」(厚生労働省)
2/24 厚生労働省 「事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン」 ・2016年2月23日,厚生労働省は,「事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン(~がんなどの疾病を抱える方々の治療と職業生活の両立を支援する企業に向けて~)」を公表した。
・本ガイドラインは,事業場が,がん,脳卒中などの疾病を抱える労働者に対して,適切な就業上の措置や治療に対する配慮を行い,治療と職業生活が両立できるようにするため,事業場における取組などをまとめたもので,職場における意識啓発のための研修や治療と職業生活を両立しやすい休暇制度・勤務制度の導入などの環境整備,治療と職業生活の両立支援の進め方に加え,特に「がん」について留意すべき事項をとりまとめている。また,がん対策基本法に基づく就労支援策の一環であるが,がんだけでなく,脳卒中など継続して治療が必要な病気も対象となっている。
<ガイドラインのポイント>
(1)ガイドラインの概要

①背景・現状
②治療と職業生活の両立支援を行うための環境整備
③治療と職業生活の両立支援の進め方

(3)がんに関する留意事項
①治療の長期化や予期せぬ副作用による影響に応じた対応の必要性
②がんの診断を受けた労働者のメンタルヘルス面へ配慮

(4)ガイドラインの普及と企業支援の取組(今後の予定)
①厚生労働省主催セミナーの開催
②都道府県労働局・労働基準監督署、関係団体との連携による周知
③産業保健総合支援センターによる支援

→2016年1月20日,国立がん研究センターは,がん治癒の目安とされる5年生存率は63.1%で,10年生存率が58.2%であると発表した。がんの生存率は確実に向上している。
→柔軟な働き方の社会的認知が進み,よりよい形で定着していくかは,今後の行政や関係機関の啓発活動の良し悪しにかかっている,と一般的には受け止められている。(筆者)

2/10 厚生労働省 ■第190回通常国会における「厚生労働省の提出法案(11本)」のまとめ 2016年1月4日に召集された第190回通常国会において,1月20日に「2015年度補正予算案」が成立し,2月から「2016年度予算案」の本格審議が始まった。
・本国会の政府提出法案(55本)のうち厚生労働関係は新規が7法案,継続審議が4法案である。
区分 法案名 概要 提出
新規 雇用保険法等の一部を改正する法律案 ・改正雇用保険法,改正育児・介護休業法,改正高年齢者雇用安定法,改正男女雇用機会均等法,改正労働者派遣法,改正労働保険徴収法の6本で構成する。 2016年1/29
戦傷病者等の妻に対する特別給付金支給法及び戦没者等の妻に対する特別給付金支給法の一部を改正する法律案 ・戦傷病者等の妻に対する特別給付金の継続支給が柱である。 2016年1/29
児童扶養手当法の一部を改正する法律案 ・児童扶養手当の第2子加算額(5,000円→10,000円),第3子以降の加算額(3,000円→6,000円)引き上げる 2016年2/9
特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法の一部を改正する法律案 ・特定B型肝炎ウイルス感染者給付金の請求期限を5年間延長し,死亡または発症後提訴までに20年を経過した「死亡・肝がん・肝硬変」の患者に対する給付金を新設する。 2016年2/9
⑤児童福祉法等の一部を改正する法律案 ・(1)理念の明確化,(2)子育て世代包括支援センター(仮称)を法定化,(3)児童相談所の体制や専門性の強化,(4)施設入所等措置の解除時の助言,関係機関による安全確認の実施 2016年3月予定
公的年金制度の持続可能性の向上を図るための国民年金法等の一部を改正する法律案 (1)短時間労働者への被用者保険の適用拡大,(2)国民年金第1号被保険者の産前産後期間の保険料免除,(3)年金額の改定ルールの見直し,(4)年金積立金管理運用独立行政法人のガバナンス体制の強化,(5)日本年金機構の不要財産に関する国庫納付規定の創設 2016年3/11
障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律及び児童福祉法の一部を改正する法律案 低所得の高齢障害者について,(1)介護保険サービスを利用する際の負担を軽減(高額障害福祉サービス等給付費の見直し),(2)新たなサービス類型を追加(自立生活援助の創設等)する。 2016年3/1
追記
衆議院継続 労働基準法等の一部を改正する法律案 2015年4/3
外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律案 2015年3/6
参議院継続 社会福祉法等の一部を改正する法律案 2015年4/3
確定拠出年金法等の一部を改正する法律案 2015年4/3
2/8 厚生労働省 「2014年度 高齢者虐待防止法に基づく対応状況等に関する調査結果」(概要 / 本文 ・2016年年2月5日,厚生労働省は,「2014年度 高齢者虐待防止法に基づく対応状況等に関する調査結果」を公表した。
・本調査は,2006年4月に施行された「高齢者虐待防止法」に基づき,全国の市町村及び都道府県において行われた高齢者虐待への対応状況を2007年度から毎年度調査を実施しているものである。
<調査結果のポイント>
養介護施設従事者等によるもの 養護者によるもの
虐待判断件数 相談・通報件数 虐待判断件数 相談・通報件数
2013年度 221件 962件 15,731件 25,310件
2014年度 300件 1,120件 15,739件 25,791件

(参考)<昨年2月6日のコメント>
→日本の虐待に関する法律の制定は以下の通りである。
児童虐待防止法(2000年制定)
DV防止法(2001年制定)
高齢者虐待防止法(2005年制定)
障害者虐待防止法(2011年制定)
→日本の「虐待防止」における最大の特徴は,国際的な条約批准等の外圧を受けて法制度が整備されてきたものであり,法と日本社会・日本国民の感覚・意識のずれが大きいことにある。
→「家庭内の養護者による虐待」については,日本特有の根の深い問題を抱えている。しかし,「養介護施設従事者等による虐待」はゼロにすることは可能である。今回の調査結果を受けて,厚生労働省は,「研修を徹底し,防止に努めたい」で済ますのではなく,「施設での虐待はゼロにさせる」とコメントすべきであろう。職能団体も蚊帳の外でいい分けがない。(筆者)
→年々状況は悪くなっている。安倍政権は,「介護離職ゼロ」に向けて,介護の受け皿を50万人分増やすとしている。人権侵害であるはずの「虐待」を,「どこにでもある話」として肯定する風潮がある限り,虐待はなくならない。いっそ,「高齢者虐待」を,昔話題になった「シルバーハラスメント」という用語に変え,新たに定義づけるのも一策である。(筆者)
2/1 内閣府 「ベビーカーマークに関する世論調査(2015年12月調査)」 ・2016年1月28日,内閣府は,「ベビーカーマークに関する世論調査(2015年12月調査)」を公表した。
<世論調査のポイント>
①ベビーカーマークの認知度
・「見た,知っていた」(52.6%)のうち,「見たことがあり,内容まで知っていた」は24.9%である。
②ベビーカーマークの認知度向上のための取組(複数回答)
・「テレビや新聞などを通じた周知活動」76.9%,「公共施設や公共交通機関を通じた周知活動」49.6%
③環境整備のために重要な施策(複数回答)
・「公共施設や公共交通機関におけるベビーカー優先スペースなどの設置」55.3%,「ベビーカーマークの掲出場所の拡大」47.7%

→2015年3月20日に策定した「少子化社会対策大綱」における施策の数値目標では,ベビーカーマークの認知度を2020年までに50%にするとされている。
→今回の世論調査では,国が認知度とする「見たことがあり内容まで知っている人」は24.9%と極めて低調であった。きちんとした普及のための理解活動をやっていないのだから,こういう結果になるのは当然であった。
→管轄する「国土交通省」は,浸透させるために,世論調査の結果を裏付けにして,ありきたりに「ポスター掲示などを通じて周知を図る」としている。最も重要なことは,国が国民に熱意を示すことである,と筆者は思う。(筆者)
1/21 - 「2015年度補正予算(3兆3,213億円)」が成立 ・2016年1月20日,一般会計総額3兆3,213億円の「2015年度補正予算」が,第190回通常国会における参院本会議で可決,成立した。
<「2015年度補正予算(3兆3,213億円)」の主な項目>
【1】「1億総活躍社会」の実現に向けた緊急施策(1兆1,646億円)
(1)「希望出生率1.8」および「介護離職ゼロ」に直結する緊急対策等(3,951億円)
①「希望出生率1.8」(第2の矢)関連

・保育所等の整備〔511億円〕
・保育士修学資金貸付等事業〔566億円〕
・保育所等におけるICT化推進等事業〔148億円〕
・三世代同居・近居の推進〔161億円〕
・地域における結婚に向けた活動の支援等〔36億円〕
・公立学校等施設整備〔438億円〕
・ひとり親家庭等の支援〔117億円〕
・児童虐待防止対策の強化〔91億円〕

②「介護離職ゼロ」(第3の矢)関連
・介護基盤の整備加速化事業〔922億円〕
・介護人材の育成・確保・生産性向上〔444億円〕
・サービス付き高齢者向け住宅の整備〔189億円〕

(2)アベノミクスの果実の均てんによる消費喚起・安心の社会保障(3,624億円)
・年金生活者等支援臨時福祉給付金〔3,390億円〕(別途事務費234億円)
(3)投資促進・生産性革命(2,401億円)
(4)地方創生の本格展開等(1,670億円)


【2】環太平洋連携協定(TPP)大筋合意を受けた国内対策(3,403億円)
・攻めの農林水産業への転換(体質強化対策)〔3,122億円〕
・TPPの活用促進・TPPを通じた「強い経済」の実現〔280億円〕280億円


【3】災害復旧・防災・減災事業(5,169億円)

【4】復興の加速化等(8,215億円)

→今後の予算関係の予定は,次のとおりである。
・1月22日 :「2016年度予算案」を国会に提出(3月末までの成立を目指す)
・1月22日 :安倍首相の「施政方針演説」
・1月26日 :衆院本会議での「各党代表質問」開始
→例えば,補正予算(3兆3,213億円)の約1/3が「1億総活躍社会の実現に向けた経費(1兆1,646億円)」で,さらにその約1/3が低所得高齢者約1,100万人を対象に1人当たり3万円を支給する「年金生活者等支援臨時福祉給付金」(3,624億円)」である。さらに,臨時給付金は2016年7月に予定されていいる参院選の前後に現金を配るということや2014年度から支給されている「子育て世帯臨時特例給付金」の2016年度支給が見送られたことから,投票率が高い高齢者を意識した選挙向けの「ばらまき政策,愚策」との批判が多い。しかし,外野からの批判はあるが提言がない,というのが現状である。
→野党がだらしなくても,まっとうな提言がなくても,2016年に世界的な景気後退と金融危機が表面化すれば,アベノミクスをバックグラウンドにする安倍政権が霧散することもあり得る。(筆者)
1/18 厚生労働省 ■「2015年度全国厚生労働関係部局長会議」が開催される ・厚生労働省は,1月19日~20日に開催する「2015年度全国厚生労働関係部局長会議(厚生分科会および労働分科会)」の資料を公表した。
厚生分科会資料
(1/19~1/20)
労働分科会資料
(1/19)
(1)大臣官房総務課
(2)政策統括官(社会保障担当)
(3)医政局
(4)大臣官房厚生科学課
(5)雇用均等・児童家庭局
(6)老健局
(7)大臣官房統計情報部
(8)保険局
(9)職業安定局
(10)医薬・生活衛生局
(11)健康局
(12)年金局
(13)社会・援護局
(14)社会・援護局(障害保健福祉部)
(15)医薬・生活衛生局(生活衛生・食品安全部)
(1) 政策統括官(労働担当)
(2) 労働基準局
(3) 雇用均等・児童家庭局
(4) 大臣官房統計情報部
(5) 職業安定局
(6) 社会・援護局
(7) 職業能力開発局
(8) 大臣官房地方課

→「全国厚生労働関係部局長会議」は,厚生労働行政の次年度の政策及び現状と課題について,都道府県等に周知し,円滑な事業運営を図ることを目的として,例年1月~2月に開催される。
→福祉専門職として,把握しておかなければならない最重要の会議資料である。(筆者)

1/15 厚生労働省 「一億総活躍社会の実現に向けた介護分野の取組」 ・2016年1月12日,厚生労働省は,「第1回介護のシゴト魅力向上懇談会」の資料を公表した。
・「介護のシゴト魅力向上懇談会」は,介護の仕事や職場の魅力向上を更に進めるため,業務プロセスの改善とテクノロジー(介護ロボット・ICT等)の活用による業務負担の軽減,生産性の向上等について,先進的な現場の実践を踏まえた有識者による議論を行い,今後の政策の検討の参考にすることを目的として,厚生労働省に設置された。
<一億総活躍社会の実現に向けた介護分野の取組>
(1)「介護離職ゼロ」(第3の矢「安心につながる社会保障」)への重点的取組
①在宅・施設サービス等の整備の充実・加速化
・在宅・施設サービス等の整備を前倒し,上乗せ(2020年代初頭までに約38万人分増→約50万人分増)
②介護サービスを支える介護人材の確保
・介護人材の追加確保
・介護者の負担軽減に資する生産性向上
③介護サービスを活用するための家族の柔軟な働き方の確保
・介護休業の制度改革や働き方改革
④働く家族等に対する相談・支援の充実
・介護サービス等の情報提供など周知強化や相談・支援の充実


(2)2015年度補正予算(444億円)における「介護人材(約25万人)確保のため主な対策」
①離職した介護人材の呼び戻し
・再就職準備金貸付事業の新設 :2年勤務で返還免除(20万円×1回限り)
②新規参入促進(学生)
・介護福祉士を目指す学生への学費貸付の大幅拡充 :5年勤務で返還免除(80万円/年×2年),国庫負担9/10相当
③新規参入促進(中高年齢者)
・ボランティアを行う中高年齢者への入門的研修・職場体験の実施等
④離職防止・定着促進,生産性向上
・雇用管理改善の推進(コンテスト・表彰の実施,助成金の拡充(2016年当初予算)
・事業所内保育所の整備・運営支援,介護ロボット・ICTの活用推進


(3)2015年度補正予算案および2016年度当初予算案における「介護の生産性向上関係施策」
①介護事業所における文書量の半減
・2015年度補正=600万円
・2016年度当初=1.3億円
②介護ロボットの効果的な活用方法の検討・開発
・介護ロボットを活用した介護技術開発支援モデル事業 :2015年度補正=1.5億円
・介護ロボット開発等加速化事業 :2016年度当初=3億円
③ロボット等の導入支援
・介護ロボット等導入支援特別事業 :2015年度補正=52億円

→介護の仕事の魅力を上げて人手不足の解消につなげ,生産性を向上させる新たな施策の立案に向けて,有識者から意見を 聞く会議を発足させることは重要である。しかし,根本的な対策となる「介護サービス単価の増額」は話題にも上らない。また,「介護離職ゼロ」は単なるキャッチコピーであり,子供だましであることへの批判すら出ない。「介護」をなめていると,自分の身に降りかかった時にその大変さを思い知ることになる。(筆者)
1/8 厚生労働省 「精神保健医療福祉の現状(最新データ)」 ・2016年1月7日,厚生労働省は,「第1回これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会」の資料を公表した。
・2013年の「改正精神保健福祉法」の附則において,施行後3年(2017年4月)を目途として,医療保護入院の手続の在り方等について検討を加え,所要の措置を講ずるものとされており,「これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会」は,これに対応するものである。
<近年の精神保健福祉法と医療法に関連する施策>
時期 精神保健福祉法 医療法
2004年9月 「精神保健医療福祉の改革ビジョン」(厚生労働省精神保健福祉対策本部報告)
⇒「入院医療中心から地域生活中心へ」改革を進めるため,①国民の理解の深化,②精神医療の改革,③地域生活支援の強化を今後10年間で進める。
2005年11月 精神保健福祉法改正
⇒①精神科病院等に対する指導監査体制の見直し,②精神障害者の適切な地域医療等の確保(救急医療体制・退院促進),③その他(精神保健指定医の指定に関する政令委任事務の明確化,地方精神保健福祉審議会の必置規制の見直し,「精神分裂病」の「統合失調症」への呼称の変更)
2006年6月 第5次改正
⇒①都道府県の医療対策協議会制度化,②医療計画制度の見直し,③4疾病5事業の具体的な医療連携体制を位置付け
2009年9月 「精神保健医療福祉の更なる改革に向けて」(今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会報告書)
⇒「精神保健医療福祉の改革ビジョン」の中間点において,後期5か年の重点施策群の策定に向け,有識者による検討をとりまとめたもので,「地域を拠点とする共生社会の実現」に向けて,「入院医療中心から地域生活中心へ」という基本理念に基づく施策の立案・実施を更に加速するとしている。
2011年7月 医療計画への精神疾患の追加(省令改正)
2012年6月 「入院制度に関する議論の整理」(新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チーム(第3R))
⇒①医療保護入院の見直し,②退院後の地域生活の支援,③入院の契機(34条移送関係),④措置入院
2013年6月 精神保健福祉法改正
①精神障害者の医療の提供を確保するための指針の策定,②保護者制度の廃止,③医療保護入院の見直し,④精神医療審査会に関する見直しを行うこととされていた。施行は2014年4月1日であるが,精神医療審査会委員の規定は2016年4月1日。
2013年12月 「良質かつ適切な精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針とりまとめ」
「良質かつ適切な精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針」
2014年6月 第6次改正
⇒①病床機能報告制度の創設,②地域医療構想の策定,③地域医療介護総合確保基金の創設,④地域医療構想調整会議の設置
2014年7月 「長期入院精神障害者の地域移行に向けた具体的方策に係る検討会とりまとめ」
⇒①長期入院精神障害者の地域移行及び精神医療の将来像,②長期入院精神障害者本人に対する支援,③病院の構造改革

→2004年9月から10年(2014年)を一応の期間とした「精神保健医療福祉の改革ビジョン(改革ビジョン)」の目標は,①精神病床を2015年までに2割削減(約35万床のうち約7万床)し,また,社会的入院患者を72,000人減少するとしていた。その結果,精神病床数は354,923床(2004年)から338,174床(2014年)で,わずか16,749床の削減であり,社会的入院患者においても,72,000人うち11,000人が地域に戻ったに過ぎなかった。このような重要な結果を,厚生労働省は公式に公表しないし,マスメディアも報道しない。
→これに関して,日本精神科病院協会会長は,精神病床削減については『精神保健医療福祉の改革ビジョンが出されたのは,高齢化が進んで社会保障制度の危機が叫ばれていた2004年のことです。クラーク勧告からすでに40年経っており,遅きに失した印象は拭えません。』と政府の責任を前面に出し,社会的入院患者については『私としては全ての患者さんを地域に帰す必要はないのではないかと考えています。地域に戻りたい人には経済的・人的支援の手を差し伸べ,どうしても退院できずに病院に残る人は,居住系施設などへ移行すればよいのではないかと考えています。』と述べている。詳しくは以下のURLで確認されたい。
https://ds-pharma.jp/gakujutsu/contents/partnering/pass/72_01.html
→これから先,政府や官僚がこういう人たちをコントロールできると思えますか?精神保健医療福祉に関わる不透明な部分の顕在化が,精神医療や精神障害者を正しく理解することにつながる,と筆者は思う。(筆者)

1/5 - ■2016年1月4日に「第190回通常国会」が召集された ・2016年1月4日,「第190回通常国会」が召集された。通常国会の会期は6月1日までの 150日間である。安倍首相は,第190回通常国会を「未来へ挑戦する国会」と表明している。
<今後の予定>
(前半国会)1/4~3/31
1月4日 衆参両院の本会議で,安倍首相が外交報告を,麻生財務大臣が2015年度補正予算案に関する財政演説を行った。
1月6日~7日 各党代表質問を実施する(6日は衆院,7日は参院)。
1月8日~ 衆院予算委員会において,2015年度補正予算案の実質審議が始まる。
1月22日 安倍首相の施政方針演説など政府4演説が行われる。
1月中旬 2015年度補正予算案(3兆5,030億円)が成立する。
1月末~3月末 2016年度予算案(96兆7,218億円)の実質審議を始め,2016年3月末までに成立する。
(後半国会)4/1~6/1
4月~6月1日 ・環太平洋連携協定(TPP)の国会承認が焦点となり,与党は衆参両院に特別委員会を設置して想起の承認の方向であるが,野党は徹底審議を求めている。 また,2017年4月の消費税再増税に伴って導入される軽減税率や2016年3月末までに施行される安全保障関連法における自衛隊の具体的な任務など実質審議が必要な重要テーマが山積しており,6月1日まででは審議時間が不足することは自明である。しかし,現在,政府・与党は会期を延長せず,2016年7月上旬の参院選に臨む方針と見られている(7月25日が参院議員任期満了)。
(関連事項)
1月24日 沖縄県宜野湾市長選(米軍普天間飛行場の地元で移設問題が争点)が投 開票される。
~3月末 「安全保障関連法」が施行される。
4月24日 衆院北海道5区補選が投開票される。
5月26日~27日 主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)が開催される。
6月19日 「18歳選挙権」が施行される。
2017年4月 消費税率10%への引き上げが実施される。

→安倍首相は,1月4日の年頭記者会見で,2016年7月の参院選では,改憲を争点とするとし,衆参同日選挙の可能性を全く考えないとしている。 なお,参院選に合わせて衆院解散・総選挙に踏み切るとの臆測では,通常国会会期末の6月1日に解散すれば,公職選挙法の規定により,7月10日の同日選が可能となる。その場合,2015年11月の最高裁判決において,2014年の衆院選が「違憲状態」と指摘された「1票の格差是正」への対応が条件となる。
→2016年通常国会では,あからさまな「1強体制」のための参院選対策や国会軽視が予想されているが,アベノミクスや閣僚の不祥事次第で状況は一変するとの見方もある。(筆者)

1/4 厚生労働省 「2015年 人口動態統計の年間推計」 ・2016年1月1日,厚生労働省は,「2015年人口動態統計の年間推計」を公表した。
推計項目 2015年 2014年からの増減
出生数 1,008,000 4,000
死亡数 1,302,000 29,000
死因順位 第1位 悪性新生物
第2位 心疾患
第3位 肺炎
第4位 脳血管疾患
-
自然増減数 △ 294,000 △ 25,000
死産数 23,000 △ 1,000
婚姻件数 635,000 △ 9,000
離婚件数 225,000 3,000

→安倍首相は,2016年1月1日の年頭所感で『「少子高齢化」という構造的な課題に,真正面から,立ち向かう。「一億総活躍」社会への挑戦です。・・・「国内総生産(GDP)600兆円」「希望出産率1.8(現在1.43)」「介護離職ゼロ」という3つの明確な「的」を掲げ,新しい「三本の矢」を放ちます。いよいよ「一億総活躍・元年」の幕開けです。』と述べている。出生数の正しい分析は重要な要素となる。
→『厚労省は出生数が増えた理由について,「雇用情勢の改善や保育施設の増加が影響した可能性がある」と指摘した』という報道があったが,一過性の速報値に自分たちに都合のいいコメントをする厚生労働省とそれをそのまま流すマスメディアの姿勢には疑問を感じる。(筆者)

12/21 厚生労働省 「2014年患者調査(概況)」 ・2015年12月17日,厚生労働省は,「2014年患者調査(概況)」 を公表した。
<「2014年患者調査(概況)」の構成>
(1)推計患者数

①施設の種類・性・年齢階級別
②傷病分類別
③在宅医療の状況
④入院(重症度等)の状況

(2)受療率
①性・年齢階級別
②傷病分類別
③都道府県別

(3)退院患者の平均在院日数等
①施設の種類・年齢階級別
②傷病分類別
③推計退院患者数の構成割合
(4)入院前の場所・退院後の行き先
(5)主な傷病の総患者数

→3年に1回に実施される「2014年患者調査」で最も重要なことは,2011年では震災直後のために福島県などの医療御施設が除外されていたが,2014年では含まれているということである。この点について,マスメディアもほとんど触れていない。
→筆者は,2011年に除外されていた震災に関係する福島県などの特異性(特に,放射線・放射能の関連についての変化)を2008年と2014年の比較で知りたいと思っていたが,どこをどう見ても分からない(「2014年患者調査(詳細)」)。チェルノブイリ事故から,少なくとも,子どものがん患者が増えているのではないかと妄想している。都合の悪いことに蓋をする行政およびその片棒を担ぐマスメディアと,都合の悪い現実にはいつでも目を瞑れる国民の未来が明るいかどうか・・・。(筆者)
12/10 厚生労働省 「2014年国民健康・栄養調査の結果」 ・2015年12月9日,厚生労働省は,「2014年国民健康・栄養調査の結果」を公表した。なお,2014年は重点項目として,所得と生活習慣等に関する状況について把握している。
<「厚生労働省」の指摘する調査結果のポイント>
(1)所得と生活習慣等に関する状況
所得の低い世帯では,所得の高い世帯と比較して,穀類の摂取量が多く野菜類や肉類の摂取量が少ない,習慣的に喫煙している者の割合が高い,健診の未受診者の割合が高い,歯の本数が20歯未満の者の割合が高いなど,世帯の所得の違いにより差がみられた。

(2)健診の受診に関する状況
健診を受診していない者では,健診を受診している者と比較して,男女ともに現在習慣的に喫煙している者の割合,運動習慣がない者の割合,血圧の平均値が高く,女性に関しては肥満者の割合も高かった。

(3)基本項目に関する状況
肥満者の割合,糖尿病が強く疑われる者の割合は,男女ともに増加せず推移し,収縮期血圧の平均値は経年的にみて男女ともに低下傾向にあるなど,生活習慣病の予防対策に一定の効果がみられている。
喫煙している者の割合は,2010年以降男女とも減少しておらず,このうち,たばこをやめたいと思う者の割合が男性26.5%,女性38.2%にとどまるなど,引き続き対策が必要である。

→通読すると,厚生労働省やマスメディアが挙げるポイント以外にも興味深い事柄が散見される。筆者は,厚生労働省から「健康・栄養」と聞くと,どうしても「利権」という言葉を想起してしまう。当然に,「国民健康・栄養調査の結果」についても,「国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基礎資料」としてではなく「利権のための基礎資料」として利用されているのではないかと勘ぐっている。(筆者)
12/3 厚生労働省 「生活保護 被保護者調査(2015年9月分)」 ・2015年12月2日,厚生労働省は,「生活保護 被保護者調査(2015年9月分)」を公表した。
<被保護者調査(2015年9月分)のポイント>
①被保護実人員 :2,163,584人
②生活保護受給世帯 :162万9,598世帯

→マスメディアは,生活保護の被保護実人員が201万を超え,生活保護世帯数が162万を超えて過去最高であったことをセンセーショナル報道にしている。なお,1951年時点での人口8,457万人のうち生活保護の被保護利用者が204万6,000人であったことを知る国民は少ない。
→以下の質問項目のうちいくつ答えられますか?
①生活保護の利用率
②生活保護の捕捉率
③生活保護の再就業率
④生活保護における不正受給の割合(件数,金額)
⑤生活保護における医療扶助の割合(人員,金額)
⑥生活保護における高齢者世帯の割合(世帯数,金額)
⑦日本の生活保護費のGDPにおける割合と国際比較
→生活保護に関する政府の広報やマスメディアの報道からは,国民は生活保護の実態を把握できない状況に置かれており,一定方向に民意が誘導されているのではないかという疑念を抱く。(筆者)
11/30 厚生労働省 「2015年 障害者雇用状況(6月1日現在)」 ・2015年11月27日,厚生労働省は,「2015年 障害者雇用状況(6月1日現在)」を公表した。
<2015年 障害者雇用状況」のポイント>
(1)民間企業(法定雇用率2.0%)
・実雇用率 =1.88%
・法定雇用率達成企業の割合 = 47.2%
(2)国,地方公共団体等(法定雇用率2.3%)
・国の実雇用率 =2.45%
・市町村の実雇用率 =2.41%
(3)都道府県等教育委員会(法定雇用率2.2%)
・実雇用率 =2.15%
(4)独立行政法人など(法定雇用率2.3%)
・実雇用率 =2.32%

→2013年4月1日から障害者法定雇用率が引き上げになった(民間企業:1.8%→2.0%,国,地方公共団体等:2.1%→2.3%,都道府県等教育委員会:2.0%→2.2%)。なお,制裁措置を含む「納付金制度」は,障害者の雇用に伴う事業主かの経済的負担の調整を図ることを目的とし,障害者雇用率未達成事業主から,①障害者雇用納付金を徴収し,障害者雇用率達成事業主には,②障害者雇用調整金を支給するものである。
→厚顔にも,法定雇用率の未達成を継続し続けている「都道府県等教育委員会」とそれを許している「厚生労働省」は,救いようのない「・・」である。現行制度では,地方自治体,教育委員会等の公務部門は,納付金の対象外であり,民間との公平性を担保する手段として,何らかの制裁措置を講じる必要があると思う。(筆者)


(参考)
「障害者雇用率制度」(厚生労働省)
11/24 厚生労働省 「2014年 医療施設(静態・動態)調査・病院報告の概況」 ・2015年11月19日,厚生労働省は,「2014年 医療施設(静態・動態)調査・病院報告の概況」を公表した。
<医療施設調査・病院報告の項目>
(1)医療施設調査

施設数
病床数
診療等の状況
従事者の状況

(2)病院報告
患者数
病床利用率
平均在院日数

→本概況で,マスメディアが取り上げたのは「医療施設調査」における「診療科目別にみた施設数」での産婦人科・産科の減少であり,産婦人科・産科を掲げる施設数は1,361施設(前年比14施設減)となり,24年連続減少,1972年以降過去最少であったことである。そして,「少子化による出生数の減少や,夜間・休日対応が多いなど厳しい勤務環境による産婦人科医の不足が背景にある」との厚生労働省担当者の分析も紹介している。その程度の取り上げ方でいいのかどうか,疑問がある。
→2015年6月20日,日本産科婦人科学会は,産科医不足への対応策をまとめた行動計画(「産婦人科医療改革グランドデザイン2015(GD2015)」)を公表している。
→産科医減少・産科医不足の主な原因は,①長時間の連続勤務や一人当たりの過重負担業務になっている,②産科医のうち常勤医の4割を女性医師が占め,20~30歳代が6割を超え,女性医師の約半数が妊娠中もしくは小学生以下の子どもを抱えている,③訴訟リスクが大き過ぎる,④都道府県間で産業医数の格差が著しい,という現状の放置であることは周知である。
→産科医,小児科医,助産師の不足の責任は,現場からの指摘に対する対応策が後手に回り続けている厚生労働省にある。さらに,介護福祉士,保育士の不足も同様である。(筆者)

11/17 国立社会保障・人口問題研究所 「2013年度 社会保障費用統計(旧社会保障給付費)」(概要 / 本文 ・2015年10月23日,国立社会保障・人口問題研究所は,「2013年度 社会保障費用統計(旧社会保障給付費)」を公表した。
<「2013年度 社会保障費用統計」のポイント>
(1)社会支出(OECD基準)

①社会支出の総額 =114兆1,356億円(前年度比1.4%増,1980年度以降過去最高)
②国民1人当たりの社会支出 =89万6,600円

・政策分野別の割合では,社会支出に占める「高齢」(47.9%)「保健」(33.0%)の割合が8割を超え,全体への寄与度が大きく,社会支出の伸びを牽引している。
・諸外国の社会支出を対国内総生産比では,2011年度時点でアメリカより大きくイギリスをやや上回っているが,スウェーデンやフランス・ドイツなど大陸ヨーロッパ諸国に比べると小さくなっている。


(2)社会保障給付費(ILO基準)
①社会保障給付費の総額 =110兆6,566億円(前年度比1.5%増,1950年度以降過去最高)
②国民1人当たりの社会保障給付費 =86万9,300円

・社会保障給付費を「医療」,「年金」,「福祉その他」に分類した部門別割合では,「医療」32.0%,「年金」49.3%,「福祉その他」18.7%である。
・部門別給付費の対前年度伸び率は,「医療」2.1%,「年金」1.2%,「福祉その他」1.5%,「福祉・その他」のうち、介護対策は4.7%の伸びである。


(3)社会保障財源(ILO基準)
①収入総額 =127兆594億円(前年度比0.0%)
・財源項目別割合では,「社会保険料」49. 6%,「公費負担」33.9%である。

→これからも,社会支出も社会保障給付費も,「過去最高」を更新し続けると想定されている。現在,その財源を確保する手段として,「増税」と「社会保障費削減」を包括的に実施する「社会保障と税の一体改革」が遂行されている。
→しかし,今後,増税も社会保障費削減も困難な状況になることが現実味を帯びてくると,結局,「国債発行」という先送り策に落ち着くのではないかという有力な意見が説得力を持ってくる。国民が最も求める「他の政策経費の削減」が,第一解決策となる可能性はゼロである。(筆者)
11/12 厚生労働省 ■障害者差別解消法に基づく「福祉事業者向けガイドライン」 ・2015年11月11日,厚生労働省は,2013年6月に成立した新法である「障害者差別解消法」に基づく「福祉分野における事業者が講ずべき障害を理由とする差別を解消するための措置に関する対応指針(福祉事業者向けガイドライン)」を公表した。
<「福祉事業者向けガイドライン」の前書き>
2016年4月1日から「障害者差別解消法」が施行されます。この法律は,障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本的な事項や,国の行政機関,地方公共団体等及び民間事業者における障害を理由とする差別を解消するための措置などについて定めることによって,すべての国民が障害の有無によって分け隔てられることなく,相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現につなげることを目的としています。この対応指針は,「障害者差別解消法」の規定に基づき,福祉分野における事業者が障害者に対し不当な差別的取扱いをしないこと,また必要かつ合理的な配慮を行うために必要な考え方などを記載しています。日々の業務の参考にしていただき,障害者差別のない社会を目指しましょう。

(参考)
「障害者差別解消法リーフレット」(内閣府)

→「障害者差別解消法」制定までの概略は以下の通りである。
・2006年12月 :「障害者権利条約」が国連総会で採択された。
・2007年9月 :日本は「障害者の権利に関する条約」に署名した。
・2008年5月 :「障害者の権利に関する条約」が発効した。
・2009年12月 :国内法整備のために「障がい者制度改革推進本部」と「障がい者制度改革推進会議」を設置した。
・2010年11月 :推進会議の下で「差別禁止部会」を設置した。
・2012年3月 :「差別禁止部会」の「論点の中間整理」を公表した。
・2012年7月 :「改正障害者基本法」に基づき,推進会議の機能を発展的に引き継ぐものとして「障害者政策委員会」が発足したことから,差別禁止法のあり方の検討の場も推進会議から政策委員会へと移され,政策委員会の下に新たに「差別禁止部会」を設置した。
・2012年9月14日 :「差別禁止部会」の意見が取りまとめられた。
・2013年4月26日 :「障害者差別解消法案」が閣議決定され,第183回通常国会に提出された。
・2013年6月26日 :「障害者差別解消法」が成立・公布された。
・2013年12月4日 :参議院本会議において「障害者の権利に関する条約」の批准が承認された。
・2014年1月20日 :日本は,「障害者の権利に関する条約」の批准書を国際連合事務総長に寄託した。
・2014年2月19日 :日本について「障害者の権利に関する条約」が発効した。
→第183回通常国会では,障害者差別は解消されるべきものとする重要な2つの法案が可決された。「雇用」の分野での障害者差別をなくそうという趣旨の「改正障害者雇用促進法」と,「雇用以外」の分野での差別をなくそうとする趣旨の新法「障害差別解消推進法」である。一般に指摘されている問題点として,「障害者雇用促進法」では,障害者雇用を義務付けてはいるが「非正規雇用でもよい」とする点であり,「障害者差別解消法では,民間の事業者による「差別的取り扱い」は禁止したが,「社会的障壁の除去」は努力義務とした点が挙げられている。
→「国民の意識変化が伴わなければ,立派で精緻な法律を作っても根本的な障害者差別はなくならない」ことぐらい,本当はみんな気づいている。(筆者)
11/10 厚生労働省 「2014年度衛生行政報告例の概況」 ・2015年11月5日,厚生労働省は,「2014年度衛生行政報告例の概況」(①精神保健福祉関係,②栄養関係,③生活衛生関係,④食品衛生関係,⑤薬事関係,⑥母体保護関係,⑦特定疾患(難病)関係 )を公表した。
<2014年度の「精神保健福祉関係」>
区 分 項 目
精神保健福祉関係 ①一般・警察官等からの「申請通報届出数」
・24,729件(前年度比6.7%増)
②措置入院患者数
・1,479人(前年度比0.2%減)
③医療保護入院届出数
・170,079件(前年度比19.8%減)
④精神障害者保健福祉手帳交付台帳登載数
・803,653人(前年度比7.0%増)
⑤精神保健福祉センターにおける相談延人員
・147,478人で,主な相談内容は,「社会復帰」46.6%,「思春期」11.5%),「心の健康づくり」10.0%の順である。

→精神保健に関する最近の動向である。2013年成立の「改正精神保健福祉法」のうち,①「精神障害者の医療の提供を確保するための指針(精神医療指針)」の策定(2015年3月7日策定),②保護者制度の廃止,③医療保護入院の見直しが,,2015年4月1日から施行された。また,2014年成立の「改正労働安全衛生法」のうち,2015年12月1日から「ストレスチェック制度」が施行される。
→日本には,いまだに30万人を超える精神科入院患者がおり,生活保護費総額の50%は医療扶助で,医療扶助の25%は精神科入院という現状への抜本的な解決策は示されていない。また,「ストレスチェック制度」は精神科病院や精神科クリニックにつなげることが目的ではないと政府は公言している。
→筆者は,「日本の精神医療に欠落しているのは哲学である」という意見に同意している。(筆者)

10/29 内閣府 「認知症に関する世論調査(2015年9月実施)」の結果 ・2015年10月23日,内閣府は,初めて実施した「認知症に関する世論調査(2015年9月実施)」の結果を公表した。
調査項目 質問
(1)認知症の人と接する機会の有無 ①認知症の人と接する機会の有無 問1 あなたは今までに認知症の人と接したことがありますか?
・ある(56.4%)
・ない(43.3%)
①-1認知症の人と接する機会
(問1で「ある」と答えた人に)
問1-1 経験したことがあるものをあげてください。(複数回答)
(2)認知症に対するイメージ 問2 あなたは認知症に対してどのようなイメージを持っていますか。(1つだけ回答)
(3)認知症になった場合の暮らし 問3 もし,あなたが認知症になったとしたら,どのように暮らしたいと思いますか。(1つだけ回答)
(4)認知症に対する不安(本人自身) 問4 もし,あなたご自身が認知症になったとしたら,どのようなことに不安を感じると思いますか。(複数回答)
(5)認知症に対する不安(家族) 問5 もし,あなたのご家族が認知症になったとしたら,あなたはどのようなことに不安を感じると思いますか。(複数回答)
(6)国や自治体に求める認知症施策 問6 認知症の人は現在の約500万人から,2025年には約700万人に増えることが見込まれています。今後,増加が予想される認知症の人への取り組みとして,国や自治体はどのような施策に重点を置くべきだと思いますか。(複数回答)

→厚生労働省は,2015年1月に「2025年には認知症者が700万人を超える」と推計した。これは65歳以上の高齢者のうち,5人に1人が認知症に罹患することを意味する。内閣府は,今回の調査の目的を「認知症に関する国民の意識を把握し,今後の施策の参考にする」ためとしている。
→結論だけを言えば,筆者は,認知症ケアは「自宅近くの施設・病院」などに委ねられるサポートシステムの構築が必要であると思う。また,認知症は「地域包括ケアシステム」で対応できるほど生易しい精神疾患ではないと考える。2015年10月28日,認知症の73歳の男性が宮崎車暴走事故を起こし,6人の死傷者を出した。(筆者)

10/27 厚生労働省 「2015年版 厚生労働白書」(概要 / 本文 ・2015年10月27日,厚生労働省は,「2015年版 厚る生労働白書」(~人口減少社会を考える-希望の実現と安心して暮らせる社会を目指して-~)を公表した。
<「2015年版 厚生労働白書」の構成>
第1部 :「人口減少社会を考える ~希望の実現と安心して暮らせる社会を目指して~」
序章 :人口減少の見通しとその影響
第1章 :人口減少社会
第2章 :人口減少克服に向けた取組み


第2部 :現下の政策課題への対応
第1章 :子どもを産み育てやすい環境づくり
第2章 :経済社会の活力向上と地域の活性化に向けた雇用対策の推進
第3章 :安心して働くことのできる環境整備
第4章 :自立した生活の実現と暮らしの安心確保 [1,808KB] 第5章  若者も高齢者も安心できる年金制度の確立
第6章 :医療関連イノベーションの推進
第7章 :国民が安心できる持続可能な医療・介護の実現
第8章 :健康で安全な生活の確保
第9章 :障害者支援の総合的な推進
第10章 :国際社会への貢献と外国人労働者問題などへの適切な対応
第11章 :行政体制の整備・情報政策の推進


(参考)
「人口減少社会に関する意識調査」(概要 / 本文(2015年3月実施)

→「2015年版厚生労働白書」は,「人口減少社会」をテーマとして取り上げ,以下のように述べている。
・日本の人口は,現状のままでは2020年から2015年にかけてすべての都道府県で減少になり,2060年に8,674万人,65歳以上が約40%になると推計している。
・未婚率が上昇し,「生涯未婚率」(50歳時点で一度も結婚したことのない者の割合)は,現在が男性20.1%・女性10.6%であるが,2035年には男性29%・女性19.2%になると推計している。
・経済的事情や異性と出会う機会が少ないなどの理由で,若者の晩婚化や非婚化が進んでいるとし,上記の「人口減少社会に関する意識調査」では,83.2%が「公的な婚活支援に取り組むべきだ」と回答している。また,同調査で,15歳以下の子どもがいる者のうち男性67.4%,女性77.3%が「子育てに負担・不安がある」と回答している。
・これらを踏まえて,若者の雇用の安定的な確保や地方での雇用拡大,待機児童解消と妊娠・出産・子育て期にわたる相談体制や支援の充実,長時間労働の是正等の働き方の見直しなどに,重点的に取り組む必要があるとしている。
→塩崎厚生労働大臣は,記者会見で,「この白書が,人口減少に関する問題意識を国民の皆さんと共有するきっかけにることを期待している。厚生労働省としても関係省庁としっかり連携し,人口減少の克服と一億総活躍社会の実現に向けて全力で取り組んでいきたい」と傍観者的なコメントをしている。
→人口減少・少子化の進行において,国民が求めていること,すなわち国が最優先で取り組まなければならないことは明確である。「人口減少社会に関する意識調査」で,若者世代が出産・子育てにより前向きになり,安心して楽しく子育てできるための要素(複数回答)として,全回答者の70.9%が「安定した雇用と収入」と回答している。
→例年8月に公表される厚生労働白書が10月末とは・・・。いい加減にもほどがある。(筆者)

10/26 厚生労働省 「2015年度市町村職員を対象とするセミナー(市町村セミナー)」の資料 ・「市町村職員を対象とするセミナー(市町村セミナー)」は,『市町村厚生労働行政交流研修事業として,市町村に関連の深い厚生労働行政をテーマに採り上げ,市町村職員間相互及び市町村職員と厚生労働省職員間で情報や意見の交換等を行うことを通じて,市町村が地域の特性に応じた保健福祉サービス等の向上を図るために必要な情報や企画立案の手法を得る機会を提供し厚生労働行政の理解の推進を図るとともに,市町村の厚生労働行政に対する考え方や行政需要等を把握し,厚生労働行政の企画立案に資することを目的としている。』と説明されている。
<2015年度の実施テーマ>
第111回:地域支援事業の充実/介護予防・日常生活支援総合事業の推進について①2015年5/27
◎追加開催:医療保険制度改革について6/19
第112回:社会保障分野への社会保障・税番号制度の導入へ向けて7/17
第113回:子ども・子育て支援新制度の施行後の状況について9/18
第114回:障害者福祉における協議会の活性化、計画相談支援の推進及び虐待防止対策の強化について10/9

<今後の予定(2015年度分)>
◎生活困窮者自立支援制度施行後の状況11/20
地域支援事業の充実/介護予防・日常生活支援総合事業の推進について②2016年1/22
「健康日本21(第2次)の推進~健康寿命の延伸に向けた取組~」(仮)2/19
医療介護連携等に関する取組について3/18


<参考>
2014年度の実施テーマと資料
2013年度の実施テーマと資料

→実施テーマは,厚生労働省が,市町村に徹底を図りたいと考えている事柄である。半端な国の厚生労働施策の市町村への押し付けを目的とするセミナーではないか,という視点から見ると合点がいく。(筆者)
10/22 厚生労働省 「「一億総活躍社会」の実現に向けた『新3本の矢』について,ぜひ,皆さまからのご意見をお寄せください。 」(厚生労働省)

(2015年11月12日追記)
意見の結果
・2015年10月21日から2015年11月6日まで,厚生労働省は,「一億総活躍社会」の実現に向けた『新3本の矢』について,希望やそれを実現するために必要だと思われることについて,意見を求めている。
<アベノミクスの第2ステージでの『新3本の矢』とは>
・アベノミクスの第2ステージでは,国民一人ひとり,子どもや高齢者も含めた誰もが,家庭で,職場で,地域で,活躍する場所があり,将来の夢や希望に向けて取り組むことができる社会を創るとし,この「一億総活躍社会」の実現に向けた政策が,アベノミクスの経済成長の推進力としての『新3本の矢』である。
①全産業の生産性革命の実現 (第1の矢:希望を生み出す強い経済)
②希望出生率1.8の実現 (第2の矢:夢をつむぐ子育て支援)
③介護離職ゼロや生涯現役社会の実現 (第3の矢:安心につながる社会保障)


<アベノミクスの第1ステージでの『旧3本の矢』とは>
・安倍政権は,「デフレからの脱却」と「富の拡大」を目指し,これらを実現する経済政策が,アベノミクス『旧3本の矢』である。
①市場のお金を増やしてデフレ脱却 (第1の矢:大胆な金融政策)
②政府支出でスタートダッシュ (第2の矢:機動的な財政政策)
③規制緩和でビジネスを自由に (第3の矢:民間投資を喚起する成長戦略)

→2012年12月に「第2次安倍政権」が発足し,株価は2倍超になり, 企業の業績も過去最高水準に回復してきたと言われている。しかし,「成長戦略に必須の規制緩和は進んでいない。財政の健全化に必要な社会保障費などの削減も手付かずである。利害調整が難しい施策よりも金融緩和だけが先行している。」と一般的には見られている。
→2015年9月24日,安倍首相は,唐突に「アベノミクスは第2ステージに移る」と宣言し,2020年に向けた経済成長の推進力として新たに「新3本の矢」を発表した。脈絡のなさはさておき,問題は『新3本の矢』を実現する具体策である。然したるアイデアもないので,国民の意見を求めていると,筆者は勘ぐっている。
→2016年夏の参議院選挙に向けての目くらましでないことを望むばかりである。(筆者)
10/20 厚生労働省 ■「第3次安倍改造内閣」における厚生労働省の政務三役(大臣・副大臣・政務官) 厚生労働省政務三役(「第3次改造安倍内閣」)
厚生労働省の新政務三役 (2015年10/7) 敬称略
大臣 塩崎恭久 ・昭和25年11月7日生,愛媛県出身,自民党,衆議院,東京大学教養学部卒・ハーバード大学大学院修了
・「第2次安倍改造内閣」からの留任

【筆者の所感】(2014年9月5日)
→安倍首相は,党政調会長代理と日本経済再生本部の本部長代行を務め,成長戦略策定に関わってきたGPIF改革推進派の塩崎氏を,脛に傷を持つ田村氏の後任に起用した。
→安倍首相が,厚生労働大臣に求めているのは,厚生労働省が管轄する120兆円の年金積立金の大胆な活用によるアベノミクスの推進である。塩崎大臣は、「経済こそ最優先で,経済成長が大事」と公言している。厚生労働省のトップに,「医療・介護・福祉の専門家」ではない人物を持ってきたということは,今後,算術が前面に出てくる厚生労働行政の姿が窺えるようである。(筆者)
副大臣 竹内譲 ・厚生担当
・昭和33年6月25日生,京都府出身,公明党,衆議院
・京都大学法学部卒,京都市議を経て,1993年に衆院初当選,4期目(近畿比例ブロック)である。2012年12月から2013年9月まで財務政務官。公明党政調副会長,衆院議院運営委員会理事を経験。
とかしきなおみ ・労働担当
・昭和37年7月16日生,京都府出身,自民党,衆議院
・昭和大学薬学部卒,資生堂に入社。東京都杉並区議を経て,2005年の衆院で初当選,3期目(大阪7区)である。2012年12月から2013年9月までは厚労省政務官。
政務官 三ッ林裕巳 ・労働担当
・昭和30年9月7日生,埼玉県出身,自民党,衆議院
・日本大学医学部卒,同大医学部付属板橋病院の内科医,2009年に日本歯科大付属病院副院長。2012年の衆院選で初当選,2期目(埼玉14区)である。衆院厚生労働委員を経験。祖父は元衆院議員の三ツ林幸三氏,実父は元衆院議員で元科学技術庁長官(現文部科学省)の三ツ林弥太郎氏。
太田房江 ・厚生担当
・昭和26年6月26日生,広島県出身,自民党,参議院
・東京大学経済学部卒,通商産業省(現経済産業省)に入省,岡山県副知事を経て,1999年に大臣官房審議官。2000年2月から2008年2月まで大阪府知事,2013年の参院で初当選,1期目(比例代表)である。

→2014年12月の「第2次安倍改造内閣」で,「石破茂地方創生大臣」が誕生し,2015年10月の「第3次安倍改造内閣」では,「加藤勝信一億総活躍大臣」が誕生した。いずれも,巨大省庁である厚生労働省が主導すべき政策を含むものであるが,縦割り行政と無責任体質を助長する以外の成果は期待できない,と筆者は受け止めている。むしろ,それが目的ではないかとも思える。
→前任の副大臣である山本香苗・公明党参議院議員(年金・労働・子育て支援担当)と永岡桂子・自民党衆議院議員(医療・福祉・介護担当),前任の政務官である高階恵美子・自民党参議院議員(年金・労働・子育て支援担当)と橋本岳・自民党衆議院議員(医療・福祉・介護担当)の名前すら知らなかった国民は多い。筆者は,在任中,義務も期待もなく気楽に過ごしていたのではないかと思っている。(筆者)
10/8 首相官邸 2015年10月7日に「第3次安倍改造内閣」が発足した ・2015年10月7日,「第3次安倍改造内閣」が発足した。安倍首相は,記者会見において,第3次改造内閣を「未来へ挑戦する内閣」と位置付け,今後の政策運営は,「経済政策の一層の強化」であるとした。
・また,安倍首相は,政権が新たな課題とした,国内総生産(GDP)の大幅増(2020年ごろまでの600兆円)を目指す「1億総活躍社会」実現に向けて,工程表(「日本1億総活躍プラン」)の策定を急ぎ,2015年内に具体策の第1弾を打ち出す考えを表明した。さらに,2015年10月5日に日米など12か国が大筋合意した「環太平洋連携協定(TPP)」に伴い,2015年度補正予算編成において,農業関係者への海外産品流入に対する総合対策的な対策を検討する考えも示した。

→政権が新たな課題として取り組むとした「1億総活躍社会」という用語は,戦時中の「一億玉砕」,敗戦後の「一億総懺悔」,高度成長期の「一億総中流」や「一億総白痴化」というネガティブな用法を連想させる。また,新設の「1億総活躍担当大臣」に「一億総活躍国民会議」の設置と2015年注に第一弾の具体化を指示したということである。ゴロの悪いキャッチフレーズの具体化(工程表,具体策)を,何の準備もなく,これから考えるらしい。思い付き程度のものには,期待しづらいと思った。(筆者)
10/7 厚生労働省 2015年10月5日に「社会保障・税番号制度(マイナンバー制度)」が施行された ・2015年10月5日に,日本に住む一人一人に割りふられる12桁の番号に,「税」や「社会保障」などの個人情報を結びつけるマイナンバー制度に必要な「マイナンバー法」が施行された。
<今後の予定>
●個人の「マイナンバー」は,10月中旬から11月にかけて,自治体から郵送される「通知カード」で確認できる。
●配達時に不在だった場合は,郵便受けに不在票が入れられ,原則7日間は郵便局に保管され,郵便局に連絡すれば再配達してもらえるが,保管期限がすぎると発送の市区町村に戻されることになっている。
●「通知カード」は,世帯ごとに家族分まとめて簡易書留で届き,原則としてマイナンバーは生涯変わらない。
●市区町村によって発送時期は異なり,自治体のホームページなどで発送が行われたかどうかが確認できる。発送済みなのに手元に届かなければ,10月5日時点で住民登録している自治体に問い合わせる必要がある。
●希望者には各自治体に,顔写真付きの「マイナンバーカード」を申請でき,早ければ2016年1月から無料で入手できる。
2016年1月1日からマイナンバーの利用を始める。

→総務省は,対象者の手元に届かない「通知カード」が一定数出る見通しだとしているが,「通知カード」を国内に住むすべての人に確実に届けられなければどうなるのだろうか。また,個人情報を国家レベルで管理すると言っても,実際に運用する一般公務員への信頼性に問題を抱えている。筆者には,マイナンバー制度が犯罪を助長する元凶になるように思えてならない。(筆者)
10/1 厚生労働省 2015年10月から厚生労働関係で何が変わるか <2015年10月からの「厚生労働省関係の主な制度変更」一覧>
区分 項目 内容
(1)年金関係 「被用者年金一元化法」の施行 ・2012年8月に成立した「被用者年金一元化法」により,被用者年金制度が厚生年金保険制度に統一
②厚生年金保険料率の引上げ ・17.474%→17.828%(10月分給与の源泉徴収から)
③国民年金保険料の5年後納制度の開始 ・2012年10月から3年間の時限措置としての「10年後納制度」が終了し,2015年10月から3年間の時限措置としての「5年後納制度」が開始
(2)医療関係 ④医療事故調査制度の施行 ・医療事故が発生した医療機関において,「医療事故調査・支援センター」が調査報告する
⑤看護師等免許保持者の届出制度の創設 ・保健師・助産師・看護師・准看護師の免許を持ちその仕事をしていない人に,復職への働きかけを行う
⑥特定行為に係る看護師の研修制度 ・今後の在宅医療等の推進を図っていくため,特定行為を手順書により実施する場合の看護師の研修制度を創設
(3)疾病対策関係 ⑦特定配偶者等支援金制度 ・ハンセン病療養所退所者給与金受給者の遺族に対して,月額12万8千円を支給
(4)雇用・労働関係 ⑧地域別最低賃金額の改定 ・時間額16円から20円の引上げ(全国加重平均額798円)
「青少年雇用促進法」の施行 ・優良な中小企業を厚生労働大臣が認定し,これらの企業の情報発信を支援する
・ジョブ・カードを「生涯を通じたキャリア・プランニング」及び「職業能力証明」のツールとして見直し,その普及・促進を図る
「改正労働者派遣法」の施行 ・2015年7月に「改正労働者派遣法」が成立した。
・派遣事業の健全化,派遣労働者の雇用安定とキャリアアップ,労働者派遣の位置付けの明確化,より分かりやすい派遣期間規制への見直し,派遣労働者の均衡待遇の強化
・労働契約申込みみなし制度

(参考)
2015年4月から厚生労働関係で何が変わるか
→2015年4月1日の記事を参照
9/30 - ■2015年9月27日に「第189回通常国会」が閉会した。 ・第189回通常国会は,2015年1月26日に召集され,6月22日に「安保に関連法案」を成立させるため6月25日までの会期を延長し,9月27日閉会した。結果として会期は245日にわたった。
・今国会の法案成立率は88.0%であった。安保関連法案,改正労働者派遣法(派遣労働者の受け入れ期間を一定の条件の下で延長可能にする),青少年雇用促進法(ブラック企業対策が盛りこまれた),改正公職選挙法(選挙権年齢を「20歳以上」から「18歳以上」に引き下げる),改正公職選挙法が(参議院選挙の「鳥取と島根」「徳島と高知」の各選挙区を統合する「2合区」を柱とした「10増10減」),改正農協法(JA全中の一般社団法人化),改正マイナンバー法(マイナンバーの利用範囲を預金口座や特定健康診査(メタボ健診)にも拡大する)など,国民生活に直結する重要な法案が成立している。
<厚生労働省に関連する主な法律案・法律>
成立した
法律
内容 施行日
医療保険制度改革関連法
(5/27成立)
・国民健康保険の安定化
・後期高齢者支援金の全面総報酬割の導入
・負担の公平化等
・その他
法案成立後,同法に基づき各種改革を順次実施される。
医療保険制度改革関連法公布等について(2015年7月)

医療保険制度改革について(2015年6月)
→医療保険制度改革骨子(概要)(本文)(1/13)
2018年4月1日
改正医療法
(9/16成立)
①地域医療連携推進法人制度の創設
②医療法人制度の見直し
公布の日から2年
改正労働者派遣法
(7/11成立)
・派遣事業の健全
・派遣労働者の雇用安定とキャリアアップ
・労働者派遣の位置付けの明確化
・より分かりやすい派遣期間規制への見直し
・派遣労働者の均衡待遇の強化
2015年労働者派遣法の改正について
2015年9月30日
青少年雇用促進法
(9/11成立)
・円滑な就職実現等に向けた取組の促進(勤労青少年福祉法等の一部改正)
・職業能力の開発・向上の支援(職業能力開発促進法の一部改正)
2015年10月1日
女性活躍推進法
(8/28成立)
▼内閣府提案
●10年間の時限立法
・基本方針等の策定
・事業主行動計画の策定等
・女性の職業生活における活躍を推進するための支援措置
女性活躍推進法が成立しました!
2016年4月1日
改正国家行政組織法
(9/4成立)
▼内閣府提案
●内閣府本府から各省等に所掌事務を移管

自殺対策 →厚生労働省
・食育推進 →農林水産省
2016年4月1日
公認心理師法
(9/9成立)
▼議員立法
●心理職に国家資格を設ける
2017年4月1日
継続審議の
法案名
内容 備考
社会福祉法等の改正案 ①社会福祉法人制度の改革
②福祉人材の確保の促進
-
労働基準法等の改正案 ①長時間労働抑制策・年次有給休暇取得促進策等
②多様で柔軟な働き方の実現
-
外国人実習生機構法案 ①技能実習制度の適正化
②技能実習制度の拡充
-

→政府は今国会を「改革断行国会」と位置付けていたにも拘らず,「安保関連法案」の成立を最優先として処理を進めたことにより,政府提出法案75件の成立率は88.0%で,2014年通常国会の97.5%から大きく下落している。
→「安保関連法案」の成立は,衆参両院における与党の多数を占める議会構成から,既定路線であった。なお,政府・与党のバックグラウンドである「日本会議」という集団の存在をマスメディアが取り上げることは少ないが,「日本会議」の主張を知っていれば,「安保関連法案」は序の口ということが理解できる。
→筆者は,これ以上の政府・与党の暴走を止められるのは,次回以降の国政選挙において,今回の「安保関連法案」に賛成した議員を選ばないことに尽きると思う。(筆者)

9/25 内閣府 「少年非行に関する世論調査(2015年7月実施)」 ・2015年9月19日,内閣府は,「少年非行に関する世論調査(2015年7月実施)」の結果を公表した。
<「少年非行に関する世論調査」の項目>
①少年非行に関する意識
②少年非行の問題点
③少年による不良行為の現状
④少年非行の防止と立ち直りの支援
⑤警察などの行政機関に対する要望等

→新聞各社の記事の見出しは以下のとおりである。
・朝日新聞 :『少年の重大事件「増えている」78% 内閣府世論調査』
・東京新聞 :『スマホやネットで有害情報69% 少年非行の内閣府世論調査』
・日本経済新聞 :『少年非行「増えた」78% 内閣府調査,スマホの影響懸念』
→少年非行の事実を正しく認識している者(「少年非行は減っている」)が2.5%という前提で,「スマートフォンやインターネットなどの普及により,簡単に暴力や性,自殺その他少年に有害な情報を手に入れられる」という社会環境に問題があると答えた者が69.8%であった。それにも拘わらず,マスメディアは,「少年非行は増加しているとする大多数の国民の事実誤認に基づく世論」に対する問題意識は明確に示していない。国も,「少年犯罪は減っている」ことを周知させるより,「スマートフォンやインターネットが少年非行の根源」として焦点化し,単純化しておいたほうが何かと都合がいいのであろうと思える。筆者は,「少年非行に関する世論調査結果」の公表は,マスメディアを利用し,国民の目を核心的な問題から遠ざけるための国の企みではないかと勘ぐっている。(筆者)


(参考)
「2014年版 犯罪白書」(法務省)
9/18 厚生労働省 「子宮頸がんワクチン副反応追跡調査結果(2009年~2014年)」 ・2015年9月17日,厚生労働省は,「第15回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会,2015年度第4回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会」を開催し,会議資料を公表した。
・実態調査を受け,検討会は,接種との因果関係について,「これまでの見解を覆す知見は加わっていない」とし,健康被害を接種時の痛みや不安が原因の「心身の反応」とした2014年1月の見解を変更しないこととし,「更に調査研究が必要」で,今後も引き続き「接種を積極的に勧めることを控える」,とした。
<「子宮頸がんワクチン副反応追跡調査結果(2009年~2014年)」 のポイント>
・子宮頸がん予防ワクチンの販売が始まった2009年12月から2014年11月までに接種した約338万人のうち,副反応疑い報告があったのは2,584人で, 発症日・転帰等が把握できた1,739人のうち,回復又は軽快し通院不要は1,550人,未回復は186人であった。

<回復していない186人の症状【複数回答,多い順】>
頭痛 66人
倦怠感 58人
関節痛 49人
接種部位以外疼痛 42人
筋肉痛 35人
筋力低下 34人
運動障害 29人
認知機能の低下 29人
めまい 25人
月経不整 24人
不随意運動 19人
起立性調節障害 17人
失神・意識レベルの低下 16人
感覚鈍麻 16人
けいれん 13人

→2013年4月1日から子宮頸がん予防ワクチンは定期の予防接種となり,対象者は,小学6年生(12歳相当)から高校1年生(16歳相当)の女子となっている。また,2013年6月から,厚生労働省は,ワクチンを積極的に勧めることを控えている。「ワクチン副反応追跡調査」は,若い女性とその家族の痛みや苦しみに関わる重大な事柄である。
→本調査結果は,ワクチン接種を受けた約338万人のうち,医師や製薬会社から副作用報告があった2,584人の症状のうち追跡できた1,739人(約68%)についての医師への調査票をまとめたものに過ぎない。このようないい加減な実態調査を公表していいものかどうか・・・。
→「厚生労働省は結論を急がず,今後の大規模疫学調査も含めた実態把握と原因解明に力を注ぐべきだ。」という意見には真摯に耳を傾け,誠実に対応すべきである。なお,検討会は,調査を理由に厚生労働省が止めていた患者への医療費や医療手当の支給手続きについては「審査を進めるべきだ」とし,厚生労働省は2015年9月18日から審査を始めることとなった。一歩前進である。(筆者)


(参考)
「子宮頸がん予防ワクチン接種の「積極的な接種勧奨の差し控え」についてのQ&A」
9/16 厚生労働省 「2015年版 労働経済白書」(要約 / 本文 ・2015年9月15日,厚生労働省は,「2015年版 労働経済の分析~労働生産性と雇用・労働問題への対応~」」(通称「労働経済白書」)を公表した。
・「労働経済白書」は,雇用,賃金,労働時間,勤労者家計などの現状や課題について,統計データを活用して経済学的に分析する報告書で,今回で67回目となる。
・「2015年版 労働経済白書」では,経済活力の維持・向上に向け,少子高齢化の中での労働力の減少という供給制約を克服し,さらに持続的な賃金の上昇を可能にするため,「労働生産性と雇用・労働問題への対応」と題し,分析が行われている。
<「2015年版 労働経済白書」の構成とポイント>
第1章 労働経済の推移と特徴

・2014年度平均で完全失業率は3.5%と17年ぶりの水準となり,有効求人倍率も1.11倍と23年ぶりの水準となるなど,雇用情勢は着実に改善が進んでいる。
第2章 経済再生に向けた我が国の課題
・経済の好循環の継続に向けて,賃金の上昇が消費の喚起に重要であり,そのためには労働生産性向上の取組が不可欠である。
第3章 より効率的な働き方の実現に向けて
・就労参加を促すには,長時間労働の是正等,働き方の見直しが必要となる。
第4章 人口減少下における地域経済の在り方
・我が国全体の経済成長にとって,地域経済の活性化は重要。地域経済の成長には,民間最終消費支出が大きく寄与しており,所得水準の引上げの前提となる労働生産性を高めるとともに,女性や高齢者の労働参加を進めることが肝要である。

→「労働経済白書」の副題は以下のとおりである。
2015年版 :労働生産性と雇用・労働問題への対応
2014年版 :人材力の最大発揮に向けて
2013年版 :構造変化の中での雇用・人材と働き方
2012年版 :分厚い中間層の復活に向けた課題
2011年版 :世代ごとにみた働き方と雇用管理の動向
2010年版 :産業社会の変化と雇用・賃金の動向
2009年版 :賃金,物価,雇用の動向と勤労者生活
2008年版 :働く人の意識と雇用管理の動向
2007年版 :ワークライフバランスと雇用システム
2006年版 :就業形態の多様化と勤労者生活
→筆者は,「労働経済白書」の最大の欠陥は,毎年,問題点を指摘するだけで労働行政を担う厚生労働省としての「反省」がないことであると思う。(筆者)

9/9 厚生労働省 「社会保障審議会児童部会児童虐待防止対策のあり方に関する専門委員会報告書」 ・2015年9月7日,厚生労働省は,「社会保障審議会児童部会児童虐待防止対策のあり方に関する専門委員会報告書」を公表した。
<「児童虐待防止対策の在り方」の構成>
①妊娠期からの切れ目のない支援の在り方
②初期対応の迅速化や的確な対応のための関係機関の連携強化
③要保護児童対策地域協議会の機能強化
④児童相談所が虐待通告や子育ての悩み相談に対して確実に対応できる体制整備
⑤緊急時における安全確認,安全確保の迅速な実施
⑥児童の安全確保を最優先した一時保護の実施
⑦親子関係再構築等のための取組み
⑧措置児童の確実な自立につなげていくため,施設,里親等に養育されている間に必要な取組み
⑨退所者の円滑な自立のための居場所づくりの取組みと工夫
⑩上記以外の論点

→2013年度に全国の児童相談所が対応した虐待件数(7万3,802件)は1999年度の約6.3倍だが,配置されている児童福祉司数(2,771人)は1999年度の約2.3倍に過ぎず,一線の職員の増員は最優先課題となっている。
→厚生労働省は,児童相談所側の要員不足という課題を抱えたまま,2015年7月1日から,児童虐待などの通報や相談を24時間受け付ける「児童相談所全国共通ダイヤル:189番」の運用をスタートさせた。
→こういう状況の中で本報告書が提出された。本報告書で注目されているのが,「児童福祉司の国家資格化」(報告書p.14)の提言である。『児童福祉司の専門性向上を担保するため,ソーシャルワークに着目した国家資格化を目指した検討が必要。ただし,資格化に至るまでには様々な課題を整理することが必要。』と記述され,今後は,新設された「子ども家庭福祉の在り方に関する専門委員会」で検討され,2016年の通常国会に児童福祉法等の改正案が提出されるのではないかとみられている。
→筆者は,「一線職員の増員」と「児童福祉司の国家資格化」を同時に進めることは現実的ではないと考える。また,ソーシャルワークの国家資格である社会福祉士や精神保健福祉士の配置を進めようという動きにならなかったことを悲しく思う。
→「国家資格化」に関する最近の話題である。2015年9月3日,民間資格である臨床心理士などに関わる心理系分野において,心理職でははじめての国家資格化となる「公認心理師法案」が衆議院で可決され,参議院へ送付されている。2015年9月27日までの第189回通常国会で成立する見通しとされている。
→ソーシャルワークが,「国家資格化」により細分化され,さらに,社会福祉士や介護福祉士の職能団体のように,行政の片棒を担いで,国家資格内で「認定資格」や「上級資格」の屋上屋を架する動きになる。一般国民には,ますます分かりづらくなっていく。ありていに言えば,筆者は,「国家資格化」は,利権や天下り先の獲得の手始めとして格好の言い訳になっているのではないかと勘ぐっている。(筆者)


(参考)
「社会福祉士について」(2014年10月)

9/7 厚生労働省 「2014年度 医療費の動向」 ・2015年9月3日,厚生労働省は,「2014年度 医療費の動向」を公表した。
<調査結果のポイント>
項 目 内 容
(1)2014年度の医療費 ①医療費 ・約40兆円(前年度比約0.7兆円増)
②診療種類別医療費 ・入院16.0兆円(構成割合40.2%),入院外13.8兆円(34.5%),歯科2.8兆円(7.0%),調剤7.2兆円(18.0%)
(2)医療費の伸び率 ・1.8%(入院1.7%,入院外1.3%,歯科2.9%,調剤2.3%)
(3)1日当たり医療費の伸び率 ・2.1%(入院2.5%,入院外1.9%,歯科1.9%,調剤0.5%)
(4)受診延日数の伸び率 ・▲0.3%(入院▲0.8%,入院外▲0.6%,歯科0.9%)

→社会保障給付費(医療費)は, 2013年度の社会保障給付費110.6兆円(医療費:36兆円)が,2025年度には約149兆円(医療費:54兆円)にまで増加すると推計されている。1・5倍となる「医療費」の抑制は,「社会保障制度改革」の重要課題とされている。
→2015年5月27日に「医療保険制度改革関連法案」が成立した。国民健康保険法,健康保険法,船員保険法,高齢者医療確保法,支払基金法を一括にした改正法である。これにより,都道府県は2018年度から国保の財政運営の責任主体となるとともに国保運営の中心的役割を担うこととなった。「地域医療構想の推進」を初めとする「医療費抑制」と「医療提供体制整備」の責任を都道府県に負わせる仕組みである。(筆者)

9/4 厚生労働省 「生活保護の被保護者調査結果(2015年6月分)」 ・2015年9月2日,厚生労働省は,「生活保護の被保護者調査結果(2015年6月分)」を公表した。
<被保護人員および被保護世帯(2015年6月分)>
2015年
6月分
2015年
5月比
2014年
6月比
①被保護実人員 2,163,128人 1,686人増 1,686人増
②被保護世帯数 1,625,941世帯 3,416世帯増 21,527世帯増

→生活保護受給世帯(約162万世帯)の半数(49.2%)が高齢者世帯であり,高齢者の生活保護受給者は年々増加傾向にある。「2015年版 高齢社会白書」によれば,2013年における65歳以上の生活保護受給者は88万人で,65歳以上人口に占める生活保護受給者の割合は2.76%で,全人口に占める生活保護受給者の割合(1.67%)より高くなっている。
→なお,「高齢者の経済状況」では,経済的な暮らし向きに心配ないと感じる高齢者は約7割で,高齢者世帯の約7割の世帯は公的年金・恩給の総所得に占める割合が8割以上である。
→生活保護制度において,高齢者への効果的な対策が最重要である。従来から,一例として,年金を受給している高齢者で,住居の確保ができれば生活保護を受けなくて済む人が多いと言われている。また,生活保護費3.7兆円の半分は医療費であり,国際的に突出した長期入院による日本の精神科医療の構造的な問題には触れられない。闇の部分の多い生活保護制度に関しては,国民への納得できる改善策の明示とともに,国民の意識改革が必要と思われる。(筆者)
9/2 厚生労働省 「周産期医療体制の現状について」 ・2015年8月31日,厚生労働省は,「第1回周産期医療体制のあり方に関する検討会」を開催し,会議資料を公表した。

・2009年3月4日に「周産期医療と救急医療の確保と連携に関する懇談会報告書」が提出された。2010年1月26日の「周産期医療体制整備指針」に基づき,各都道府県は周産期医療体制整備計画を策定し,地域の実情に応じた周産期医療体制を計画的に整備し,リスクの高い妊産婦や新生児等に高度な医療が適切に提供されるよう,周産期医療の中核となる総合周産期母子医療センター及び地域周産期母子医療センターを整備し,地域の分娩施設との連携を確保すること等により,周産期医療体制の充実・強化を進めている。2014年度には全国で総合周産期母子医療センター104施設,地域周産期母子医療センター292施設が整備されている。
・2010年1月26日の「周産期医療の確保について」において,各都道府県は周産期医療体制整備計画を概ね5年ごとに変更するとされており,2015年8月に「周産期医療体制のあり方に関する検討会」が設置された。

→「周産期」とは,妊娠22週から生後満7日未満までの期間で,合併症妊娠や分娩時の新生児仮死等の母体・胎児・新生児の生命に関わる事態が発生する可能性があると言われる。「周産期医療」とは,その前後の期間を含めて産科と小児科が一体となって母子をケアする医療で,一貫した総合的な体制が必要であるとされている。
→現在,「周産期医療体制の整備」により,妊婦死亡率や周産期死亡率が低下している。一方で,分娩件数と分娩取扱施設数は減少し,産婦人科医は増加傾向であるが,分娩取扱医師の偏在が続いている,という切実な問題を抱えているとされている。(筆者)
8/31 厚生労働省 「2013年 社会保障制度改革に関する意識等調査結果」 ・2015年8月28日,厚生労働省は,今後の厚生労働行政施策の企画・立案のための基礎資料を得ることを目的とした「2013年 社会保障制度改革に関する意識等調査結果」を公表した。
<調査結果のポイント>
調査項目 ポイント
(1)社会保障制度に関する情報についての意識 ①社会保障制度に関する情報 ・「見かけた時には興味を持って見るようにしている」51.9%
・29歳以下では,「興味はない」69.5%
②情報の内容や提供状況 ・「不満と感じている」54.5%
・不満の理由(複数回答)は,「得られる情報が分かりづらい」66.8%
③社会保障制度に関する授業 ・「受けたことがある」のうち,「内容を覚えている」38.0%,「覚えていない」61.5%
(2)社会保障制度改革についての意識 ①今後充実させる必要があると考える社会保障の分野(複数回答) ・「老後の所得保障(年金)」64.5%
②現在の税や社会保険料の負担水準 ・「生活にあまり影響しないが負担感がある」50.5%,「生活が苦しくなるほど重い」39.1%
③今後の社会保障制度を維持するための財源 ・「どちらかと言えば税で賄うべき」38.4%,「どちらかと言えば社会保険料で賄うべき」23.1%
④今後の社会保障の給付水準・負担の水準 ・給付水準は,「維持すべき」48.2%,「ある程度引き上げるべき」29.4%
・負担の水準は,「現状程度とすべき」43.6%,「ある程度減らすべき」21.8%,「ある程度の負担増はやむを得ない」20.7%

→この程度の調査結果の公表までに2年以上もかかることにあきれる。
「社会保障制度に関する情報」について,29歳以下では,「興味はない」が約7割という結果であった。驚愕の数値である。社会保障に関心を持たない無知な国民が多いとだれが喜ぶ?(筆者)
8/28 厚生労働省 「今後の仕事と家庭の両立支援に関する研究会報告書」(概要 / 本文 ・2015年8月7日,厚生労働省は,「今後の仕事と家庭の両立支援に関する研究会報告書」(座長:佐藤博樹中央大学大学院戦略経営研究科教授)を公表した。
<「報告書」の構成>
(1)介護離職を防止し,仕事と介護の両立を可能とするための制度の整備
①介護休業(一の要介護状態ごとに通算して93日)の分割取得等
②介護休暇(要介護者1人につき年5日,2人以上の場合年10日)の取得単位の見直し
③選択的措置義務(短時間勤務制度等のうちいずれかを事業主が選択して措置する義務)・所定外労働の免除
④仕事と介護の両立に向けた情報提供

(2)多様な家族形態・雇用形態に対応した,育児期の柔軟な働き方の実現
①育児休業の対象となる子の範囲(法律上の親子関係)の見直し
②有期契約労働者に係る育児休業の取得要件の見直し
③有期契約の派遣労働者に係る育児休業の取得促進
④子の看護休暇の取得単位の見直し
⑤所定労働時間の短縮措置等の対象年齢(子が3歳まで)
の引き上げ

(3)男性の子育てへの関わりを可能とするための環境整備
・効果的な育児休業の取り方,利益取扱の禁止の周知徹底などの取組,各種制度の周知,育児休業取得の促進
(4)その他
・テレワークの活用,経済的支援,転勤配慮等

→本報告書に対する主な労働者団体の評価を紹介する。
●連合事務局長(談話) :「一定の前進はみられるものの抜本的な解決には不十分である。」
●全国労働組合総連合事務局長(談話) :「いくつかの前進面を持ちつつ,実際の効果としては不十分な内容に止まったといわざるを得ない。」
→「介護離職の防止」に関しては,重度の親を10年間在宅介護をした者からすれば,コメントしようもない。(筆者)

8/24 介護労働安定センター 「2014年度 介護労働実態調査結果」 ・2015年8月7日,「公益財団法人 介護労働安定センター」が「2014年度 介護労働実態調査結果(調査実施期間:2014年10月1日~10月31日)」を公表した。
<調査結果のポイント>
【1】事業所における介護労働実態調査
(1)離職率・採用率

・離職率 :16.5%、採用率 :20.6%
(2)従業員の過不足
①不足感 :59.3%
②不足理由では,「採用が困難」が72.2%
③採用が困難な原因では,「賃金が低い」が61.3%,「仕事がきつい」が49.3%
(3)介護サービスを運営する上での問題点
・「良質な人材の確保が難しい」が53.9%,「今の介護報酬では人材の確保・定着のために必要な賃金を払えない」が49.8%
(4)賃金
・労働者の所定内賃金(月給) :215,077円

【2】介護労働者の就業実態と就業意識調査
(5)仕事を選んだ理由

・「働き甲斐のある仕事だと思ったから」が52.6%
(6)労働条件等の不備
・「人手が足りない」が48.3%,「仕事のわりに賃金が低い」が42.3%,「有給休暇が取りにくい」が34.9%
(7)家族の介護
①「現在介護している」が11.1%,「ここ数年のうち,可能性がある」が31.1%,「当面ない」が55.5%
②仕事と介護の両立については,「両立できる」が34.2%,「両立できない」が63.3%
③「両立ができる」との回答者は「両立できない」の回答者に比べて,「休んだ時に,自分の仕事を代りに担当できる人がいる」などすべての項目で回答割合が高かった。

→本調査項目のうち,「(7)家族の介護」は2014年度から新設された項目である。「現在介護している」と「ここ数年のうち,可能性がある」の合計が42.2%であり,現業の介護職員の4割がここ数年で介護する側になり,また,その6割が「仕事と介護の両立ができない」で離職するという結果になっている。「介護人材の確保」に対して,近い将来,有能な多くのベテランを失うという新たな難問が提起されたと認識すべきである。
→なお,2015年2月25日には,「社会保障審議会福祉部会」から「2025 年に向けた介護人材の確保~量と質の好循環の確立に向けて~」が公表されている。(筆者)
8/12 内閣府 「東京オリンピック・パラリンピックに関する世論調査(2015年6月調査)」 ・2015年8月10日,内閣府は,2020年に開催される「東京オリンピック・パラリンピックに関する世論調査(2015年6月調査)」を公表した。
東京オリンピック 東京パラリンピック
周知度 ・「知っている」が98.1%(「オリンピックは知っているが,パラリンピックは知らない」が0.7%)
・「知っている」は大都市,男性,60歳代で割合が高いのが特徴である。
関心度 ・「関心がある」が81.9%(「非常に関心がある」30.5%+「ある程度関心がある」51.4%)
・「関心がある」は男性,40歳代で割合が高いのが特徴である。
・「関心がある」が70.3%(「非常に関心がある」18.4%+「ある程度関心がある」51.9%)
・「関心がある」は60歳代で割合が高いのが特徴である。
観戦に行きたいか ・「観戦に行きたい」が51.2%(「ぜひ観戦に行きたい」12.2%+「できれば観戦に行きたい」39.0%)
・「観戦に行きたい」は男性,40歳代・50歳代で割合が高いのが特徴である。
・「観戦に行きたい」が36.4%(「ぜひ観戦に行きたい」4.5%+「できれば観戦に行きたい」31.9%)
・「観戦に行きたい」は20歳代・40歳代で割合が高いのが特徴である。

→1964年の東京オリンピック前の1964年3月の世論調査では,「関心がある」は75.1%であったことから,今回の5年前での81.9%は,関心の高まりの早さを表わしている。
→ただし,「競技場などに観戦に行きたい」が51.2%であることには,「時代の推移」という重要な意味があると考えられる。これに対して,『文部科学省の担当者は「より多くの人に競技場に足を運んでもらえるようにしたい。」と話しています。』という新聞報道があり,またしても「元総理大臣や現担当大臣,官僚の認識が根本的に古臭いかズレているのではないか」という心配が沸き起こる。
→さらに,パクリ疑惑のあるエンブレムは,日本の品格に関わる問題であり,即刻取りやめにしてもらいたい。(筆者)
8/8 厚生労働省 「第28回社会福祉士国家試験の施行について」 ・2015年8月7日,厚生労働省は,「第28回社会福祉士国家試験の施行について」を公表した。
受検の手引き
『受検の手引き』の請求窓口  :2015年7/17~(発送は8/7以降)
試験日程
◎受験書類の受付期間  :2015年9月10日(木)~10月9日(金)
◎筆記試験日       :2016年1月24日(日)
◎発表日          :2016年3月月15日(火)午後


試験科目(150問:240分)
【試験科目(共通)】・・・83問(問題数配分:2014年度実績)
①人体の構造と機能及び疾病(7問)
②心理学理論と心理的支援(7問)
③社会理論と社会システム(7問)
④現代社会と福祉(10問)
⑤地域福祉の理論と方法(10問)
⑥福祉行財政と福祉計画(7問)
⑦社会保障(7問)
⑧障害者に対する支援と障害者自立支援制度(7問)
⑨低所得者に対する支援と生活保護制度(7問)
⑩保健医療サービス(7問)
⑪権利擁護と成年後見制度(7問)


【試験科目(専門)】・・・67問
(問題数配分:2014年度実績)
①社会調査の基礎(7問)
②相談援助の基盤と専門職(7問)
③相談援助の理論と方法(21問)
④福祉サービスの組織と経営(7問)
⑤高齢者に対する支援と介護保険制度(10問)
⑥児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度(7問)
⑦就労支援サービス(4問)<⑧と同じ群>
⑧更生保護制度(4問)<⑦と同じ群>

試験委員一覧(敬称略)・・・赤の太字は新任
試験委員長
坂田周一
副委員長
秋元美世,小笠原浩一,萱場一則,後藤隆,高橋紘士,野村豊子,橋本宏子,前橋信和
委員
相川充,相原佳子,青柳親房,明渡陽子,朝日雅也, 荒井浩道,石川正興,石田道彦,石橋敏郎,井村修,岩崎香,岡田まり,荻野剛史,小原眞知子,上山泰,加山弾,川崎二三彦,北本佳子,木村 容子,小山充道,今野広紀,潮谷恵美,澁谷昌史,嶋崎尚子,生島浩,嶋崎尚子諏訪徹高木憲司,高野和良,高野龍昭,田中尚,玉野和志,
長倉真寿美中島隆信,中瀬 剛丸,中田知生,長友祐三,難波利光,西岡正次,西田和弘,西村幸満,狭間香代子,畑本裕介,原元彦,福田素生,福原宏幸,堀越由紀子,松端克文,松原 由美,丸谷浩介,道中隆,宮岡佳子,村社卓,森川美絵,柳田正明,矢原隆行,山田篤裕山本克也山本真実,綿祐二
参考情報
「福祉人材確保対策検討会における議論の取りまとめ」→社会福祉士の活用及び障害福祉分野の人材確保の方向性(2014年10月)
「社会福祉士について」(2014年10月)
8/8 厚生労働省 「第18回精神保健福祉士国家試験の施行について」 ・2015年8月7日,厚生労働省は,「第18回精神保健福祉士国家試験の施行について」を公表した。
受検の手引き
『受検の手引き』の請求窓口  :2015年7/17~(発送は8/7以降)

試験日程
◎受験書類の受付期間  :2015年9月10日(木)~10月9日(金)
◎筆記試験日       :2016年1月23日(土),1月24日(日)
◎発表日          :2016年3月月15日(火)
午後

試験科目(163問:275分)
【試験科目(共通)】・・・83問(問題数配分:2014年度実績)
①人体の構造と機能及び疾病(7問)
②心理学理論と心理的支援(7問)
③社会理論と社会システム(7問)
④現代社会と福祉(10問)
⑤地域福祉の理論と方法(10問)
⑥福祉行財政と福祉計画(7問)
⑦社会保障(7問)
⑧障害者に対する支援と障害者自立支援制度(7問)
⑨低所得者に対する支援と生活保護制度(7問)
⑩保健医療サービス(7問)
⑪権利擁護と成年後見制度(7問)


【試験科目(専門)】・・・80問(問題数配分:2014年度実績)
①精神疾患とその治療(10問)
②精神保健の課題と支援(10問)
③精神保健福祉相談援助の基盤(15問)
④精神保健福祉の理論と相談援助の展開(25問)
⑤精神保健福祉に関する制度とサービス(12問)<⑥と同じ群>
⑥精神障害者の生活支援システム(8問)<⑤と同じ群>


試験委員一覧(敬称略)・・・赤の太字は新任
試験委員長
鹿島晴雄
副委員長
伊藤真人,菅野庸,住友雄資,髙橋紘士,田中英樹,古屋龍太
委員
相川充,相原佳子,青木聖久,明渡陽子,荒井浩道,石田道彦,石橋敏郎,伊東秀幸,今村浩司,井村修,岩崎香岩本操,大久保善朗,越智あゆみ,小原眞知子,影山隆之,勝又陽太郎,上山泰,加山弾,倉知延章,小山充道,今野広紀,佐藤光正,嶋﨑尚子,白石弘巳,鈴木孝典髙木憲司,高野和良,竹島正,玉野和志,茶屋道拓哉 ,辻井誠人,長崎和則,中田和生,長友祐三,長沼葉月,中村和彦,難波利光,西田和弘,橋本みきえ,畑本裕介,原元彦,福田素生,福原宏幸,堀越由紀子,松岡克尚,松端克文,松本すみ子,丸谷浩介,道中隆,宮岡等,宮岡佳子村社卓,森川美絵,柳田正明,山田篤裕,山野尚美,山本克也,吉川公章,吉益晴夫
8/7 文部科学省 「2015年度学校基本調査(速報値)」 ・2015年8月6日,文部科学省は,「2015年度学校基本調査(速報値)」を公表した。
< 調査結果の項目>
①在学者
②高等学校卒業者の進学
③卒業者に占める就職者の割合
④一時的な職に就いた者,進学も就職もしていない者の占める割
⑤女性教員の割合
⑥長期欠席者数
⑦1年以上居所不明者数

→本調査結果において,「小学生の不登校率は過去最悪となり,2年連続で増加した」ことをほとんどのメディアが主たる記事として取り上げている。
→日本における「不登校」に関する名称の変遷である。
1960年代には「学校恐怖症」という名称が使われ,その後1980年代前半頃までは「登校拒否」という名称が使われ,1980年代半ば以降から「不登校」と呼称されるようになった。
→現在では,「不登校への対応」は, 学校現場の枠を超え,医療・福祉などの関係機関との連携が必要であると認識されている。しかし,今の胡散臭さ満載の文部科学大臣に何か期待できることがあるかどうか・・・。(筆者)


(参考)
「不登校」(文部科学省)
8/6 首相官邸 「介護保険の第6期計画(2015年~2017年度)及び 2025年における第1号保険料及び サービス見込み量について」 ・2015年8月3日,内閣は,「第5回社会保障制度改革推進会議」の会議資料を公表した。厚生労働省老健局から「介護保険の第6期計画(2015年~2017年度)及び 2025年における第1号保険料及び サービス見込み量について」が報告された。
<資料の構成>
①地域包括ケアシステムの構築について
②介護保険事業(支援)計画について
③2025年を見据えた介護保険事業計画の策定等
④第6期介護保険事業計画におけるサービス量等の見込み
⑤介護給付と保険料の推移
⑥介護保険の第6期及び2025年等における第1号保険料

2013年の「持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律(プログラム法)」に基づき,受益と負担の均衡がとれた持続可能な社会保障制度の確立を図るため,2014年1月12日に,関係閣僚により構成される「社会保障制度改革推進本部」が内閣に設置され,2014年6月12日に,有識者により構成される「社会保障制度改革推進会議」が内閣に設置された。
→社会保障制度改革の関連情報である。消費税率の10 %への引上げを2017年4月から実施することを踏まえ,社会保障の充実を2014年12月24日に閣議決定された「第3次安倍内閣」の「基本方針」に基づいて,2015年1月13日,社会保障制度改革推進本部(本部長:安倍首相)は,厚生労働省の「第85回社会保障審議会医療保険部会」における「医療保険制度改革骨子」及び「社会保障制度改革のスケジュール等について」を決定した。なお,「持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案」は,第189回通常国会において2015年5月27日に可決されている。(筆者)
7/21 厚生労働省 「第28回介護福祉士国家試験の施行について」 ・2015年7月17日,厚生労働省は,「第28回介護福祉士国家試験の施行について」を公表した。
受検の手引き
『受検の手引き』の請求窓口  :2015年6/26~(発送は7月下旬以降)

試験日程
◎受験書類の受付期間  :2015年8月5日(水)~9月4日(金)
◎筆記試験日       :2016年1月24日(日)
◎実技試験日       :2016年3月6日(日)
◎発表日          :2016年3月月28日(月)午後


筆記試験科目(120問)
(時間・問題数配分:2014年実績)
(午前) 10時00分~11時50分(時間・問題数配分:2014年実績)
①人間の尊厳と自立(2問)<④と同じ群>
②人間関係とコミュニケーション(2問)<⑤と同じ群>
③社会の理解(12問)
④介護の基本(16問)<①と同じ群>
⑤コミュニケーション技術(8問)<②と同じ群>
⑥生活支援技術(20問)
⑦介護過程(8問)
(午後) 
13時45分~15時25分
⑧発達と老化の理解(8問)
⑨認知症の理解(10問)
⑩障害の理解(10問)
⑪こころとからだのしくみ(12問)
⑫総合問題(12問)


試験委員一覧(敬称略)・・・赤の太字は新任
試験委員長 
根本嘉昭
副委員長
朝倉京子,臼井正樹,遠藤英俊,川井太加子,川手信行,谷口敏代,峯尾武巳,山野英伯
委員(筆記)
天野由以,飯干紀代子,伊藤秀一,
伊藤直子,井上善行,梅垣宏行,梅本旬子大木和子,大原昌樹,小川純人,奥田都子,小倉毅,金井守金子英司川越正平,北村世都,藏野ともみ,小池竜司,小林理,澤宣夫,白井孝子高山由美子田口潤,竹内美幸,武田卓也,辻哲也,津田理恵子,東海林初枝,永井優子, 長谷憲明,中村大介,奈良環朴美蘭,鳩間亜紀子,花畑明美,阪東美智子,柊崎京子,古田伸夫,本名靖,松本由美子水谷なおみ八木裕子,吉賀成子
委員(実技)・・・-割愛

試験センターからの注意事項
第27回介護福祉士国家試験から,筆記試験において、図・表・イラスト・グラフを用いた試験問題を出題することがある。(2014年7/4)

参考情報
「介護福祉士国家試験の出題範囲等の今後の在り方について(報告書)」(2013年12月16日)
「2015年度 介護技術講習会」(受付期間:2015年4/1~8/21)
「実技試験の免除について」(2015年4/17)
7/15 厚生労働省 ■2015年10月に「地域限定保育士試験」が実施される ・2015年7月10日,厚生労働省は,2015年度の「地域限定保育士試験の実施について」を公表した。
・2015年通常国会で成立した「国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律」により,資格取得後3年間は当該自治体内のみで保育士として働くことができ,4年目以降は全国で働くことができる 「地域限定保育士(正式名称:国家戦略特別区域限定保育士)」となるための試験制度が新たに創設された。
・「地域限定保育士試験」は,8月に全国で実施される保育士試験に加えて,2015年度の2回目の試験と位置づけられる。
<試験日程>
・地域限定保育士筆記試験:2015年10月24日(土),25日(日)
・地域限定保育士実技試験:2015年12月13日(日)


<地域限定保育士試験実施自治体>
・神奈川県・大阪府・沖縄県・千葉県(対象地域:成田市)

(参考)
「全国保育士養成協議会HP」

→「保育士試験」は,毎年1回,都道府県が行っているが,『「日本再興戦略」改訂2014』において,保育士試験の年2回実施を関係都府県に要請されたものであり,2015年通常国会で成立した「国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律」により,「地域限定保育士試験」として2015年度より実施されることになった。
→周知されている保育士不足の最大の原因は,保育士の待遇の悪さである。魅力のある職業であるのにもかかわらず,潜在保育士が約60万人もいることがその証明である。今の保育士環境の改善を放置して,試験の回数を増やし,保育士資格取得者数を増やしても,保育士確保につながるとは考えにくい。現業の保育士の待遇を大幅に改善すれば解消する問題であることは自明である。
→さらに,待機児童数や保育士試験受験生が最も多い東京都が「地域限定保育士試験」の実施自治体になっていないところが笑うに笑えない。(筆者)


(参考)
保育士確保(厚生労働省)

7/6 内閣府 「2015年版 少子化社会対策白書」(概要 / 本文 ・2015年7月3日,内閣府は,「2015年版 少子化社会対策白書」を公表した。
・「少子化社会対策白書」は,「少子化社会対策基本法」第9条に基づく年次報告書で,2004年から作成され,毎年,国会に報告されている。
<「2015年版 少子化社会対策白書」の構成>
第1部 少子化対策の現状と課題

第1章 少子化の現状
第2章 少子化対策の取組


第2部 少子化社会対策の具体的実施状況
第1章 重点課題
第2章 きめ細かな少子化対策の推進

→「白書」の名称の変遷である。
2004~2009年度版 :「少子化社会白書」
2010~2012年度版 :「子ども・子育て白書」(民主党政権)
2013年度版~   :「少子化社会対策白書」
→少子化対策に関する最近の動向である。
2014年1月に経済財政諮問会議の下に「選択する未来委員会」が設置された。2014年5月に民間機関の「日本創生会議」が衝撃的な分析結果を発表した。2014年12月に「まち・ひと・しごと創生長期ビジョン」・「まち・ひと・しごと創生総合戦略」が策定された。2015年3月に「少子化社会対策大綱」が策定された。
→人口減少,少子高齢化社会への効率的・効果的な対応は,部分最適から全体最適のための横断的な行政システムの構築と実施以外にはあり得ないことはみんな認識している。ただ,やろうとしないだけである。(筆者)
7/3 厚生労働省 「2014年 国民生活基礎調査の概況」 ・2015年7月2日,厚生労働省は,「2014年 国民生活基礎調査の概況」を公表した。
<「2014年 国民生活基礎調査」の構成>
(1)世帯数と世帯人員数の状況
①世帯構造及び世帯類型の状況
②65歳以上の者のいる世帯の状況
③65歳以上の者の状況
④児童のいる世帯の状況
⑤15歳以上の者の就業の状況


(2)各種世帯の所得等の状況
①年次別の所得の状況
②所得の分布状況
③世帯主の年齢階級別の所得の状況
④児童のいる世帯の所得の状況
⑤所得の種類別の状況
6生活意識の状況

→国民生活基礎調査は,保健,医療,福祉,年金,所得などの国民生活の基礎的事項を調査し,施策の企画立案と行政の運営に必要な基礎資料を得ることを目的としている。1986年から実施され,3年ごとに大規模な調査が実施され,その10回目の大規模調査の結果が,「2013年国民生活基礎調査の概況」として公表されている。
→3福祉士国家試験,ケアマネ試験受験者にとって,「2013年国民生活基礎調査の概況」の理解は必須である。
→今回の小規模調査結果でメディアが取り上げた事柄は,①「生活が苦しい」が過去最多の62.4%,②高齢者世帯数(24.2%)が子育て世帯(22.6%)を初めて上回った,に集約できる。そして,①では「所得の少ない高齢者所帯や非正規雇用の人の増加が背景にあるとみられる。消費税率を8%に引き上げたことが影響している」,②では「少子高齢化の進展を反映している」とコメントされている。(筆者)

7/1 首相官邸 ■2015年の「骨太の方針」,「改訂成長戦略」,「規制改革実施計画」,「まち・ひと・しごと創生基本方針」が閣議決定された ・2015年6月30日の臨時閣議において,「経済財政運営と改革の基本方針2015」(骨太方針)「『日本再興戦略』改訂2015」(改訂成長戦略)「2015年規制改革実施計画」「まち・ひと・しごと創生基本方針2015」が閣議決定された。
<内閣官房長官記者会見での説明>
「経済財政運営と改革の基本方針2015」(骨太方針)は,「経済再生なくして財政健全化なし」,その基本哲学の下に,2020年度の財政健全化目標を堅持し,経済と財政双方の一体的再生を目指す「経済・財政再生計画」を定めている。
「『日本再興戦略』改訂2015」(改訂成長戦略)は,人口減少下の供給制約を乗り越えるため「未来投資による生産性革命」の実現を図る,新たな施策を追加している。
「2015年規制改革実施計画」は,計画に基づき成長戦略を推進するとともに,国民に多様な選択を可能とする岩盤規制改革に取り組む。
「まち・ひと・しごと創生基本方針2015」は,人口減少問題の克服と成長力の確保を実現するため,地方創生の深化によりローカル・アベノミクスの実現に取り組む。

→今後は,閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2015」(骨太方針),「『日本再興戦略』改訂2015」,「2015年規制改革実施計画」,「まち・ひと・しごと創生基本方針2015」に沿って,「2016年度の予算編成」が進められる。
→大手新聞社のうち,2015年7月1日の社説で取り上げたのは以下の通りである。その他は,ギリシャ,新幹線,小噴火等を取り上げている。
◎読売新聞 :「骨太方針決定 アベノミクスを深化させよ」
「民間活力を引き出す規制緩和などで高い成長を実現し,財政赤字の解消や社会保障制度の再構築など構造問題の解決を図る。経済成長と財政再建の二兎を追う基本戦略を堅持したのは妥当である。」
◎日本経済新聞 :「成長と財政両立の宿題は山積みだ」
「日本経済の最大の課題である成長力の強化と、財政健全化を両立する道筋を示せたとはいえない。むしろ課題を浮き彫りにした。」
◎産経新聞 :「骨太方針 「二兎」追う道筋を見せよ 成長への過大な期待許されぬ」
「方向性は妥当といえよう。問題は実現可能性である。骨太方針は歳出改革に踏み込まず,成長頼みに過ぎている。その成長戦略も,3%以上の名目成長率を目指すのに十分なのか。」
→なお,「骨太の方針」において,2020年度に国と地方の基礎的財政収支を黒字化する目標を達成するため,膨張する社会保障費の伸びを年0.5兆円,2018年度までの3年間で1.5兆円程度に抑える目安を掲げている。関心の低さが気にかかる。(筆者)

6/26 厚生労働省 「2014年度 精神障害の労災請求件数・支給決定件数」 ・2015年6月25日,厚生労働省は,「2014年度 過労死等の労災補償状況」を公表した。
<「2014年度 過労死等の労災補償状況」のポイント>
【1】
脳・心臓疾患に関する事案の労災補償状況
①総計
・請求件数 :763件(前年度比21件減で3年連続で減少)
・支給決定件数 :277件(うち死亡121件,前年度比29件減で2年連続で減少)
②業種別の内訳
・請求件数 :「運輸業,郵便業」168件,「卸売業,小売業」126件,「建設業」97件
・支給決定件数 :「運輸業,郵便業」92件,「卸売業,小売業」35件,「製造業」31件

③職種別の内訳
・請求件数 :「輸送・機械運転従事者」149件,「サービス職業従事者」125件,「専門的・技術的職業従事者」102件 の順で多い。
・支給決定件数 :「輸送・機械運転従事者」88件,「専門的・技術的職業従事者」44件,「管理的職業従事者」37件
④年齢別の内訳
・請求件数 :「50~59歳」251件,「40~49歳」222件,「60歳以上」198件
・支給決定件数 :「50~59歳」111件,「40~49歳」93件,「30~39歳」39件

【2】精神障害に関する事案の労災補償状況
①総計
・請求件数 : 1,456件(前年度比47件増で過去最多)
・支給決定件数 :497件(うち未遂を含む自殺99件,前年度比61件増で過去最多)

②業種別の内訳
・請求件数 :「製造業」245件,「医療,福祉」236件,「卸売業,小売業」213件
・支給決定件数 :「製造業」81件,「卸売業,小売業」71件,「運輸業,郵便業」63件

③職種別の内訳
・請求件数,支給決定件数ともに,「専門的・技術的職業従事者」347件,110件,「事務従事者」336件,99件,「サービス職業従事者」193件,63件
④年齢別の内訳
・請求件数,支給決定件数ともに,「40~49歳」454件,140件,「30~39歳」419件,138件,「20~29歳」297件,104件
⑤出来事別の内訳
・支給決定件数 :「悲惨な事故や災害の体験,目撃をした」72件,「(ひどい)嫌がらせ,いじめ,又は暴行を受けた」69件

→うつ病などの精神障害が労災認定を受けるとは,「労働基準法施行規則」別表第1の2第9号ににおける「業務上の疾病(9.人の生命にかかわる事故への遭遇その他心理的に過度の負担を与える事象を伴う業務による精神及び行動の障害又はこれに付随する疾病)」に該当するということである。
→「精神障害の労災認定」に関わる最近の経緯の概観である。
2000年3月24日の最高裁判決において,従業員が業務によりうつ病となり自殺したケースで,会社に安全配慮義務違反があるとして,損害賠償義務が認められた。これにより,従業員に与えるストレス(心理的負荷)に関心が集まった。ストレスによる精神障害を労災として認定するための基準が設けられ,数度の改定を経て,現在は,2011年12月26日の厚生労働省労働基準局の通達(「心理的負荷による精神障害の認定基準」基発1226号第1号)が適用されている。この基準においては,対象となる精神障害(疾病)の発病の前おおむね6か月間に業務による強い心理的負荷が認められる場合に業務起因性がある精神障害と判断されるとされている。労働者のメンタルヘルスの悪化が社会問題となったことを背景にして,2014年6月に「改正労働安全衛生法」が公布され,2015年12月より労働者の心理的な負担の程度を把握するための検査(ストレスチェック)の実施が義務付けられることになった。

→5/19
(■厚生労働大臣が,違法な長時間労働繰り返す「大企業の社名公表」を指示した),4/28(■「改正労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度について(説明会資料)」の記事を参照されたい。環境整備は必要であるが,自分自身でストレス耐性を高める努力をしなければ,「自分の健康は自分で守る」ことは叶わない,と筆者は思う。簡単な質問ですが,「精神疾病は完治する」と思いますか?「完治した人」を知っていますか?(筆者)
6/22 内閣府 「2015年版 男女共同参画白書」(概要 / 本文 ・2015年6月19日,内閣府は,「2015年版 男女共同参画白書」を公表した。
・男女共同参画白書は,「男女共同参画者社会基本法」第12条に基づく年次報告書で,2001年から作成され,毎年,国会に報告されている。
<「2015年版 男女共同参画白書」の構成>
【Ⅰ】2014年度男女共同参画社会の形成の状況

特集 地域の活力を高める女性の活躍

【Ⅱ】男女共同参画社会の形成の促進に関する施策
第1部 2014年度に講じた男女共同参画社会の形成の促進に関する施策
第2部 2015年度に講じようとする男女共同参画社会の形成の促進に関する施策


(参考:特集のテーマ)
 2015年版  地域の活力を高める女性の活躍
 2014年版  変わりゆく男性の仕事と暮らし
 2013年版  成長戦略の中核である女性の活躍に向けて
 2012年版  男女共同参画の視点からの防災・復興
 2011年版  ポジティブ・アクションの推進-「2020年30%」に向けて-
 2010年版  女性の活躍と経済・社会の活性化
 2009年版  男女共同参画の10年の軌跡と今後に向けての視点−男女共同参画社会基本法施行から10年を迎えて−

→メディアにおいては,例えば,毎日新聞では「性別役割意識強いと男性の長時間労働に」,日本経済新聞では「女性の就業率6割強に」,東京新聞では「働く女性の割合63.6% 過去最高」という見出しで取り上げている。
→「男女共同参画」に関する直近の話題である。
「女性活躍推進法案」が2015年6月4日に衆議院で全会一致で可決され,今国会で成立する見通しである。法案は,2014年臨時国会に提出されたが,衆院解散で廃案になったものであるが,国と自治体,民間企業に,女性の採用比率や女性の管理職比率などのうちから,いずれかで独自の目標設定を義務付けている。情報の公開方針などを含めた行動計画については,自民,公明,民主の3党による修正で,企業が女性登用の行動計画で定めた目標を達成するよう努力義務規定が新たに盛り込まれている。10年間の時限立法である。
→筆者は,「女性活躍推進法案」における最大の問題点は,女性間の格差の助長である考える。また,2014年年8月の意識調査で「夫は外で働き,妻は家庭を守るべきである」という考え方に「賛成」「どちらかといえば賛成」と答えた男性は46.5%,女性が43.2%という結果から,日本ではまだ女性の間に「主婦願望」が根強いと言われているが,無視すべきではない事柄であると考える。
→「世界は持続可能な社会を目指して,男女平等に大きく舵を切り,推進している。」というのが一般認識である。多くの日本国民は,男女共同参画社会の構築には理解を示すが,経済優先で,女性の就業率を上げる政策だけを推進しているように見える日本に不安を感じている,と思われる。(筆者)

6/19 内閣府 「2015年版 障害者白書」(概要 / 本文 ・2015年6月16日,内閣府は,「2015年版 障害者白書」を公表した。
・障害者白書は,「障害者基本法」第13条に基づく年次報告書で,1994年から作成され,毎年,国会に報告されている。
<「2015年版 障害者白書」の構成>
第1章 障害者差別解消法基本方針
第2章 2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて
第3章 施策推進の経緯と近年の動き
第4章 相互の理解と交流
第5章 社会参加へ向けた自立の基盤づくり
第6章 日々の暮らしの基盤づくり
第7章 住みよい環境の基盤づくり

→メディアにおいては,例えば,時事通信では「東京五輪へバリアフリー強化」,日本経済新聞では「障害者雇用40万人超」,東京新聞では「民間企業で働く障害者43万人 最多更新」という見出しで取り上げている。
→「障害者」に関する最近の話題である。
2015年5月,アスリートである為末大氏の以下のようなツイートが物議を醸した。
「障害者に関する世界に行くと,面倒臭い人がいて,それが嫌になって障害者に関する仕事は避けようかなとなっている人がいかに多いことか。障害者への理解が進まない一番の理由はヒステリックな正義の人だと思う。」
「400障害ではなく400ハードルと言ってくださいとか,障害ではなく障碍と言ってくださいとか。言ったらいけない言葉が多すぎしばらく話すのをやめました。」
「当然,憤りを感じても構わないと思うのですが,深く理解してくれる人しか認めないという姿勢だと,結局世の中の多くの人はめんどくさい事が嫌いなので理解が進まず,その弊害が出ているように私は思います。」
→筆者は,「障害者施策」に関しては,広く浅い理解の広がりが重要であり,肩肘張らずに多くの人が,自分なりの理解において,自分のできる範囲で関わっていくことが大切だと考えている。簡単に言えば,「不自由だろうから手助けする」という気持ちが素直に尊重される社会にすることが大切だと考える。為末氏の勇気に敬意を表する。(筆者)

6/18 内閣府 「2015年版 高齢社会白書」(概要 / 本文 ・2015年6月12日,内閣府は,「2015年版 高齢社会白書」を公表した。
・高齢社会白書は,「高齢社会対策基本法」第8条に基づく年次報告書として,1996年から作成され,毎年,国会に報告されている。
<「2015年版 高齢社会白書」の構成>
【第1章】高齢化の状況

第1節 高齢化の状況
第2節 高齢者の姿と取り巻く環境の現状と動向
第3節 一人暮らし高齢者に関する意識


【第2章】高齢社会対策の実施の状況
第1節 高齢社会対策の基本的枠組み
第2節 分野別の施策の実施の状況


2015年度 高齢社会対策
①2015年度の高齢社会対策
②分野別の高齢社会対策

→メディアにおいては,例えば,毎日新聞では「孤独死身近に感じる45% 感じない52%」,日本経済新聞では「「孤独死が身近に」単身高齢者の4割以上」,東京新聞では「60歳以上,ネット未利用67% 」という見出しで取り挙げている。
→2011年4月20に,日本学術会議は,「持続可能な長寿社会に資する学術コミュニティの構築(提言)」を公表した。当時,185項目に及ぶ「高齢化・長寿化に関する研究課題一覧」を見て,衝撃を受けた。改めて見直してみると,現政府における高齢社会対策の表層的な取組みを実感する。(筆者)

6/17 内閣府 「2015年版 子供・若者白書」(概要 / 本文 ・2015年6月5日,内閣府は,「2015年版 子供・若者白書」(旧青少年白書)を,公表した。
・「子供・若者白書」(旧青少年白書)は,「子ども・若者育成支援推進法」第6条に基づく年次報告書として,2010年から作成され,毎年,国会に報告されている。
<「2015年版 子供・若者白書」の構成>
【第1部】 子供・若者の状況

第1章 :人口
第2章 :健康
第3章 :成育環境
第4章 :社会的自立
第5章 :安全と問題行動
第6章 :生活行動・意識


【特集】 「地域のネットワークによる子供・若者支援の取組」

【第2部】 子ども・若者育成支援施策の実施状況
第1章 :子ども・若者育成支援施策の総合的な推進
第2章 :全ての子供・若者の健やかな成長の支援
第3章 :困難を有する子供・若者やその家族の支援
第4章 :子供・若者の健やかな成長を社会全体で支えるための環境整備
第5章 :今後の施策の推進体制等

→メディアにおいては,例えば,毎日新聞では「親への反発減り,家楽しい 99%」,日本経済新聞では「14年の若年無業者,2年連続で減少」,東京新聞では「小学生の半数,いじめ被害」という「見出し」で取り上げている。
→なお,2009年版までは「青少年白書」であったが,2010年版から2014年版までは「子ども・若者白書」に変更され,2015年版では「子供・若者白書」と変更された。
→表記に関してであるが,「子供」は「差別的な印象を与える」として,行政においても,「子ども手当て」「子ども・子育て支援法」などと「子ども」とする表記の頻度が高いが,「認定こども園」では「こども」と表記されている。文部科学省は,2013年6月下旬に,公用文中の「子ども」の表記を「子供」に統一した,という新聞報道があったが,2014年版は「子ども・若者白書」であり,2015年版で「子供・若者白書」という表記に変更されている。
→従来から,筆者は,「漢字をひらがなに変えれば,その差別イメージが消えるというのは全くはナンセンスである」という考え方に同意している。結論だけをいえば,「障がい者,障碍者論者」から非難を受けるだろうが,「障害者」に関しても同様の考え方をしている。義務教育では教えない「交ぜ書き」を「子供」や「障害者」という極限られた用語に議論を焦点化することで,結局,事柄の本質をうやむやにしていると思っている。蛇足であるが,「児童」についても,「子ども論者」の言い分からすれば,「児どう」とすべきであるがそのような議論には熱心ではない。(筆者)
6/12 厚生労働省 「中東呼吸器症候群(MERS)の国内発生時の対応について」(通知) ・2015年6月11日,厚生労働省は,韓国における中東呼吸器症候群(MERS)の発生を受けた「第1回中東呼吸器症候群(MERS)対策に関する専門家会議」の内容を踏まえた「国内発生時の対応について」を,6月10日付で都道府県等に通知をしたことを公表した。
<通知のポイント>
区分 対象者 対応
【1】MERS 患者からの二次感染が疑われる者への対応について (1)疑似症の要件に該当する者 入院措置
(2)疑似症の要件に該当しない者 ①濃厚接触者 健康観察及び外出自粛要請 必要に応じ健康診断の受診勧告
②その他接触者 健康観察
【2】MERS患者への医療提供体制について ・原則として,当該患者が発生した都道府県内において入院医療体制が完結するよう,あらかじめ,患者の発生を想定して,地域ごとに入院医療機関を確保すること。

→MERSは,「感染症新法」第6条第3項で規定する「二類感染症」である。
→すでに,台湾政府は,韓国への渡航延期勧告を発令したとされるが,現行の日本政府の対応は適切と言えるかどうか・・・(筆者)
6/9 消費者庁,厚生労働省 2015年7月1日から短縮ダイヤルが2つ増える!(「消費者ホットライン」が188番,「児童相談所全国共通ダイヤル」が189番)
「消費者ホットライン」(消費者庁)は188番
◎0570-064-370(2010年1月12日に運用開始) ⇒188番(いやや)
◎消費者ホットラインは,消費者が苦情相談しようとした場合,どこにいても,最寄の消費生活センターに電話がつながるシステムである。

「児童相談所全国共通ダイヤル」(厚生労働省)は189番
◎0570-064-000(2009年10月に運用開始) ⇒189番(いちはやく)
◎「児童相談所全国共通ダイヤル」は,虐待かもと思った時などに,すぐに児童相談所に通告・相談ができる全国共通の電話番号で,ダイヤルをすると近くの児童相談所につながるシステムである。

→今回の2つの短縮ダイヤルの設定は,年々深刻化している消費者被害と児童虐待を背景にして,ようやく覚えやすい3桁の番号に変更されるものであり,海上などの緊急通報ダイヤル「118」の割り当て以来の15年ぶりの設定とのことである。なお,「110」「118」「119」のように無料ではなく,普通の相談なども含まれることから通話料は有料となっている。
→社会問題である消費者被害と児童虐待への対応として,このようなスピード感や内容で適切なのかどうか。さらには,周知のやり方はこの程度でいいのかどうか。疑問がある。(筆者)
6/3 - ■2015年6月12日に「7訂介護支援専門員基本テキスト」が発行される ・国が示している「介護支援専門員実務研修受講試験」出題範囲の項目に準拠した「7訂介護支援専門員基本テキスト」が,2015年6月12日に一般財団法人 長寿社会開発センターから発行される。
【編集】介護支援専門員テキスト編集委員会
【体裁】B5判・全3巻(CD-ROM付き)
【価格】6,300円+消費税504円
【予約】一般財団法人 長寿社会開発センター(なお,届くのは発行日から1週間ほどかかるとされている)

<「7訂基本テキスト」の内容と特徴>
第1巻・・・介護保険制度と介護支援
◎地域包括ケアに対応できる介護支援専門員をめざして!(2014年6月の改正介護保険法の背景・内容と介護支援専門員に期待される役割について解説)

第2巻・・・介護保険サービス(巻末にCD-ROM<法令・通知>添付)
◎サービスの内容を詳しく理解して!(2015年度の介護報酬改正を反映。居宅サービスを介護給付と予防給付に分けて解説。サービスごとに,利用者像,運営基準のポイントおよび介護報酬の加算・減算のポイントについて解説)

第3巻・・・高齢者保健医療・福祉の基礎知識
◎医療と介護の連携をめざして!(「高齢者保健医療の基礎知識」を全面的に書き換え,障害者総合支援法と介護保険法の適応関係を解説)
5/28 厚生労働省 「2014年社会福祉施設における労働災害の発生状況」 ・2015年5月27日,厚生労働省は,「2014年社会福祉施設における労働災害の発生状況」を公表した。
<発生状況のポイント>
1.社会福祉施設における労働災害の発生状況
(1)休業4日以上の死傷災害
労働災害は年々急増しており,6年間で1.5倍となった(7,224件)。
(2)災害発生率
災害発生件数が増加しただけでなく,災害発生率(1,000人当たりの発生件数)も6年前と比べ,0.2ポイント増となった。
(3)事故の型別死傷者数内訳
「動作の反動・無理な動作」が34%を占め,次いで「転倒」(31%)が多く,この2つで65%を占める。
腰痛発生件数は年々増加し,2014年には1,023件となり,前年比3%増となった。
(4)経験年数/年齢別数別死傷者数内訳
経験年数3年未満の被災者が,全体の44%を占める。
50歳以上の死傷者数の全体の約半数
(5)年齢別災害発生率
年齢別の災害発生率(1,000人当たりの発生件数)を比較すると,29歳以下に比べ60歳以上の値が3倍近く高い。

2.社会福祉施設における転倒災害の発生状況
社会福祉施設の労働災害は増加傾向。2014年は7,224件発生し,前年に比べ8%増加した。
このうち,転倒災害は2014年は2,259件で全体の31%を占め,前年同期に比べ8%増加。
社会福祉施設における転倒災害の特徴は
①9~11時台に多く発生。
②50歳以上の災害が約7割を占め,かつ年々増加傾向。
③休業見込期間が1月以上が約6割。

→施設職員の安全や健康が保たれていないところに良質なサービス提供はあり得ない。
→労働災害における雇用者の責任には,①刑事上の責任,②民事上の責任,③行政上の責任,④補償上の責任,⑤社会的な責任,があると言われている。
→「自分の身は自分で守る」が,人間が生きる上での基本的な姿勢であるということに気づかないうちはどうしようもない。気づいた時には手遅れだった,という悲劇が多すぎる。(筆者)


(参考)
「社会福祉施設における安全衛生対策(~腰痛対策・KY活動~)」(2015年2月)

5/23 警察庁 ■2015年6月1日から「自転車運転者講習制度」が始まる! ・「道路交通法施行令の一部を改正する政令」が2015年1月に閣議決定され,2015年6月1日から「自転車運転者講習制度」が始まり,危険行為を繰り返す自転車運転者に対して,「自転車運転者講習」の受講が義務づけられる。
<「自転車運転者講習」の対象となる危険行為(14項目)>
①信号無視
②遮断踏切立入り
③指定場所一時不停止等
④歩道通行時の通行方法違反
⑤制動装置(ブレーキ)不良自転車運転
⑥酒酔い運転
⑦通行禁止違反
⑧交差点安全進行義務違反
⑨歩行者用道路における車輌の義務違反(徐行違反)
⑩交差点優先車妨害等
⑪通行区分違反
⑫環状交差点安全進行義務違反等
⑬路側帯通行時の歩行者の通行妨害
⑭安全運転義務違反

<「自転車運転講習制度」の対象者>
・自転車に乗っている14歳以上の人すべてが対象となる。

<「自転車運転者講習制度」の流れ>
(1)危険行為を反復(3年以内に2回以上)
(2)講習の受講命令 →受講命令に従わなかった場合,5万円以下の罰金
(3)講習の受講(3時間・受講料5,700円)

→2014年中の自転車が第1当事者又は第2当事者となった交通事故件数(自転車関連事故)は109,269件で,交通事故全体に占める割合は約2割となっており,自転車関連事故件数を事故類型別にみると,「出合い頭衝突」が半数以上(構成率52.2%)を占めているとのことである。
→警察庁は,今回の「自転車運転者講習の義務化」により,危険運転の抑止効果となることも見込んでいるとのことである。しかし,自転車運転中の「携帯電話の使用」は危険運転と思われるが,事故を起こした際に使用していれば危険行為の対象となり得るが,運転中の使用だけで対象とはならないらしい。「なんだかなあ」という感じである。
→道交法上では「自転車」は軽車両なので,原則として車道を走らなければならず,違反をすると免許がなくても取り締まりの対象となる,という認識すら十分に浸透していない日本国民に対する交通マナー・ルールの周知の方法を,根っこから考え直す必要があるように思う。(筆者)


(参考)
「自転車はルールを守って安全運転~自転車は「車のなかま」~」(警察庁)
5/22 内閣府 「様々な事情で暮らしにお困りの方のための相談窓口の紹介」(政府広報オンライン) ・さまざまな困難の中で生活に困窮している人に包括的な支援を行う「生活困窮者自立支援制度」が2015年4月から始まった。就職,住まい,家計など暮らしに悩みを抱えた人に対して,住まいの都道府県や市町村に相談窓口が設置され,家族や周りの人からの相談も受け付けている。
<「政府広報オンライン」での構成>
①どんな人を支援するの?
・仕事や生活など,さまざまな困難の中で生活に困窮している人を支援する。
②どこに相談すればいいの?
・住まいの都道府県や市町村に「相談窓口」が設けられている。
③どのような支援があるの?
・支援を必要とする人の状況に応じて,住まいや仕事,家計管理,子どもの学習などを支援する。
④相談から支援までの流れは?
・あなただけの「支援プラン」を作成し,寄り添いながら安定した生活に向けて支援する。
⑤例えばどんな支援になるの?
・長期引きこもりの方,求職者の方などの支援例。

(参考)
「生活困窮者自立支援法の概要」
「社会保障審議会生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会報告書」(2015年1月25日)
5/21 厚生労働省 「2015年度 市町村職員を対象とするセミナー」のスケジュール ・2015年5月20日,厚生労働省は,1999年4月から実施している市町村職員を対象とするセミナーの2015年度の開催予定を公表した。
開催予定 テーマ
第111回 2015年
5月27日
地域支援事業の充実/介護予防・日常生活支援総合事業の推進について①
第112回 7月17日 社会保障分野への社会保障・税番号制度の導入に向けて
第113回 9月18日 子ども・子育て支援新制度の施行後の状況について
第114回 11月20日 生活困窮者自立支援制度施行後の状況
第115回 2016年
1月22日
地域支援事業の充実/介護予防・日常生活支援総合事業の推進について②
第116回 2月19日 「健康日本21(第二次)の推進~健康寿命の延伸に向けた取組~」(仮)
第117回 3月18日 医療介護連携等に関する取組について

→国(厚生労働省)が,市町村職員に周知徹底を図りたがっている事柄である。開催後に資料が公表される。福祉専門職として,把握しておかなければならない事柄でもある。(筆者)
5/20 気象庁 「熱中症から身を守るために」 ・2015年5月14日,国土交通省気象庁は,熱中症から身を守るための情報を提供のために,「熱中症から身を守るために」を公表した。
<気象庁の呼びかけ文>
『気象庁では,日々の気温の観測結果や予報,気象情報の発表を通じて,関係機関と連携した熱中症対策に取り組んでいます。特に熱中症の危険性が高くなる35℃以上(一部の地域では35℃以外を用いることもあります)を予想したり,観測したときは「高温注意情報」を発表して,十分な健康管理を呼びかけます。リンク先ページの各情報を参照し,熱中症対策にご活用下さい。なお、熱中症は,必ずしも気温が高い状態ではなくても発症することがあります。熱中症の予防などについては,関係機関へのリンクを参照してください。』

<気象庁以外のリンク先>
熱中症情報(総務省消防庁)
暑い日は作業計画の見直しを!(厚生労働省)
環境省熱中症情報(環境省)
熱中症予防情報サイト(環境省)
熱中症環境保健マニュアル(環境省)

→縦割り行政の見本みたいな「お粗末な熱中症対策」である。ちなみに,そのいい加減な分担は以下の通りである。
(1)気象情報の提供
①気温の観測・予測情報の提供,注意喚起(気象庁)
②暑さ指数(WBGT)の情報提供(環境省)
(2)予防・対処法の普及啓発
①「熱中症予防強化月間」の設定(消防庁,文科省,厚労省,農林水産省,環境省,国交省気象庁,環境省)
②救急業務における熱中症対策(消防庁)
③日常生活における熱中症対策(厚労省,環境省)

→国民のための総合的な熱中症対策を責任を持って実行しなければならないのは「厚生労働省」である。「治療」に責任の持てない「環境省」に,縄張りを主張させるべきではない,はずである・・・。
→縦割り行政による弊害は数限りなくある。例えば,子育てと介護に同時に行う「ダブルケア」における保育園とデイケアの相談窓口が別々で連携がない,という状況が身近に存在している。メディアも触れないことが多い。(筆者)

5/19 厚生労働省 ■厚生労働大臣が,違法な長時間労働繰り返す「大企業の社名公表」を指示した ・2015年5月18日,厚生労働大臣は,「2015年度臨時全国労働局長会議」を開催し, ブラック企業対策を強化するため,違法な長時間労働を繰り返す大企業の社名を公表するよう,全国の労働局に対して指示した。
・対象になるのは,社会的に影響力のある大企業で,残業時間が月100時間を超える従業員が,1つの事業所で10人以上か,1/4以上を占めていることを基準としている。
なお,厚生労働省は,これまでは,是正勧告に従わず,書類送検した企業だけを公表していたが,是正勧告の段階で社名を公表することになった。なお,実施は2015年5月18日からである。

→今回のブラック企業名公表までの経過である。
2014年の「日本再興戦略」に,「働き過ぎ防止のための取組強化」が盛り込まれ,2014年6月に「過労死等防止対策推進法」が成立した。長時間労働対策の強化は喫緊の課題とされ,2014年9月30日に厚生労働省に「長時間労働削減推進本部」が設置され,2回(10/1,1/27)開催された。
→ご大層なことを言っても,結局,「長時間残業の被害者が数人程度だったり,悪質な支社が2か所しかない場合は,対象とならずに社名公表をすり抜けられる」ということらしい。実態把握や36協定上の根本的な問題を隠し続ける厚生労働省のやり方では,ブラック企業を根絶することは絶対にできないと思う。(筆者)
5/18 厚生労働省 「パワーハラスメント対策導入マニュアル」(概要  / 本文)とセミナーの開催 ・2015年5月15日,厚生労働省は,職場のパワーハラスメントの予防・解決に向けた取組を推進するため,企業の中でパワーハラスメント対策に取り組む際の参考になるように初めて作成した「パワーハラスメント対策導入マニュアル~予防から事後対応までサポートガイド~」を公表した。
・また,2015年6月1日から申し込みの受付を開始し,7月から今回のマニュアルを活用した「パワーハラスメント対策支援セミナー」を全国約70か所で無料開催するとしている。
<厚生労働省の広報文より>
『パワーハラスメントについては,80%以上の企業が「職場のパワハラ対策は経営上の重要な課題である」と考えていますが,予防・解決のための取組を行っている企業は全体の45.4%です。特に、従業員数100人未満の企業では18.2%に留まり,約20%の企業が「現在は行っていないが取組を検討中」と回答しています(「職場のパワーハラスメントに関する実態調査」2012年度)。
このため,パワーハラスメント対策に取り組みたいと考える企業が参考にできるよう,6か月で一通りのメニューが導入できるモデルプランの実施を20社の企業にご協力いただきました。そのフィードバックを参考に作成したのが今回のマニュアルです。 また,厚生労働省では,7月から,今回のマニュアルを活用した「パワーハラスメント対策支援セミナー」を全国約70か所で無料開催します(委託先:株式会社東京海上日動リスクコンサルティング)。このセミナーは,企業の人事担当者を対象に開催するもので,パワーハラスメント対策担当者を養成し,企業におけるパワーハラスメント対策の導入に直結させるため,企業がパワーハラスメント対策を実施する必要性,マニュアルの活用方法についての解説や,グループワークを内容とする企業の人事担当者向け研修を行います。』
5/12 厚生労働省 ■「主な医療系国家試験の問題と正答」を見る ・2015年5月11日,厚生労働省は,直近の医療系国家試験の問題と正答を公表した。
<主な医療系国家試験>
第109回医師国家試験
第101回保健師,第98回助産師,第104回看護師国家試験
第50回理学療法士,第50回作業療法士国家試験

→福祉専門職として,医療系国家資格者への理解は重要である。(筆者)
5/11 厚生労働省 「教育訓練給付制度(一般教育訓練給付・専門実践教育訓練給付)」 ・2014年10月から,教育訓練給付金は,従来の枠組みを引き継いだ「一般教育訓練の教育訓練給付金」と拡充された「専門実践教育訓練の教育訓練給付金」の2本立てになった。
①2014年10月以降の教育訓練制度の概要
◎一般教育訓練給付とは
・受講開始日現在で雇用保険の被保険者であった期間が3年以上(初めて支給を受けようとする者については当分の間1年以上)あること,前回の教育訓練給付金受給から今回受講開始日前までに3年以上経過していることなど一定の要件を満たす雇用保険の一般被保険者(在職者)又は一般被保険者であった者(離職者)が厚生労働大臣の指定する教育訓練を受講し修了した場合に支給される。
・教育訓練施設に支払った教育訓練経費の20%に相当する額で,その額が10万円を超える場合は10万円とし,4千円を超えない場合は支給されない。

◎専門実践教育訓練給付とは
・受講開始日現在で雇用保険の被保険者であった期間が10年以上(初めて支給を受けようとする者については当分の間2年以上)あること,前回の教育訓練給付金受給から今回の受講開始日前までに10年以上経過していることなど一定の要件を満たす雇用保険の一般被保険者(在職者)又は一般被保険者であった者(離職者)が厚生労働大臣の指定する教育訓練を受講し修了した場合に支給される。
・教育訓練施設に支払った教育訓練経費の40%に相当する額で,その額が1年間で32万円を超える場合の支給額は32万円(訓練期間は最大で3年間となるため,最大で96万円が上限)とし,4千円を超えない場合は支給されない。


「専門実践教育訓練 利用者の声(2014年10月に拡充された教育訓練給付制度の指定講座について)」(動画)
・指定講座を持つ学校,実際に専門実践教育訓練を受講している学生からの意見を紹介している。
4/23 厚生労働省 「改正労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度について(説明会資料)」 ・2015年4月22日,厚生労働省は,2015年5月7日に開催される「ストレスチェック制度説明会」の資料を公表した。
・2014年6月25日に公布され,2015年12月より施行される「改正労働安全衛生法」における「ストレスチェック制度」は,定期的に労働者のストレスの状況について検査を行い,本人にその結果を通知して自らのストレスの状況について気付きを促し,個人のメンタルヘルス不調のリスクを低減させるとともに,検査結果を集団的に分析し,職場環境の改善につなげる取組みと説明されている。
<事業者・産業保健スタッフへの「ストレスチェック」実施における注意点>
◎2015年12月からストレスチェックの実施が事業者の義務になる。ただし,従業員50人未満の事業場については当分の間,努力義務である。
①ストレスチェックは,医師・保健師などが実施する。
②ストレスチェックの結果は,従業員の同意がなければ事業者に提供することは禁止されている。
③ストレスの高い従業員からの申し出があった場合,医師による面接指導を行う。
④面接指導の結果,医師の意見を聞き,必要に応じて働き方を配慮する。

→ありていに言えば,国(厚生労働省)が積極的にストレスチェックを進めている理由は,近年の職場を原因とする精神障害にかかる自殺者と労災申請の増加への対応であり,それを制度化する目的は企業活動における経済的損失の軽減と医療費の削減である。人数と金がキーワードである。
→2015年12月から,従業員50人以上の事業者(企業)が対象に「ストレスチェック」を実施することが義務化される企業数は,全体の15%程度に過ぎないということである。また,結果的にあぶり出された労働者が,事業者から不利益な扱いを受ける可能性や,受け皿とされる現在の精神科医療機関における薬漬けの懸念も払しょくできない状況にある。
→マスメディアが話題にしたのは,「ストレスチェックの法定化」した時で,その後のフォローはほとんどなく,世間一般の関心も低い。
→福祉専門職として,制度の正確な理解はもちろんであるが,問題点や課題の整理も必要である。(筆者)

(参考)
職場におけるメンタルヘルス対策・過重労働対策・心身両面にわたる健康づくり(THP)

4/22 総務省 「2035年の保健医療」に関する提案・意見の募集が開始された ・2015年4月21日,厚生労働省は,20年後の保健医療政策ビジョンを策定する『「保健医療2035」策定懇談会』における意見募集(「塩崎大臣へ,私のアイデア2035」)の開始を公表した。
<「厚生労働省」の公募文>
◎急激な少子高齢化や医療技術の進歩など医療を取り巻く環境が大きく変化する中で,2035年を見据えた保健医療政策のビジョンとその道筋を示すため,国民の健康増進,保健医療システムの持続可能性の確保,保健医療分野における国際的な貢献,地域づくりなどの分野における戦略的な取組に関する検討を行うことを目的として,現在「保健医療2035」策定懇談会を開催し検討を進めております。
◎20年後の2035年の保健医療ビジョンについて,皆様からの御提案・御意見をお寄せください。

→福祉専門職も自らの専門性に基づいて積極的に提案すべき,と思う。(筆者)
4/20 総務省 「人口推計(2014年10月1日現在)」 ・2015年4月17日,総務省は,「人口推計(2014年10月1日現在)」を公表した。
<全国人口>
①総人口は1億2,708万3千人で前年より21万5千人の減少,日本人人口は1億2,543万1千人で減少幅が拡大
②8年連続の自然減少(男性は10年連続,女性は6年連続),減少幅は拡大
③日本人は4年連続の社会減少,外国人は2年連続の社会増加
④65歳以上人口(3,300万人)が年少人口(1,623万3千人)の2倍を超える
⑤8人に1人が75歳以上人口(総人口の12.5%)となる

<都道府県別人口>
⑥人口増加は7都県,そのうち東京圏の1都3県で増加率が上昇
⑦全ての都道府県で65歳以上人口の割合が上昇

2008年以降,日本の人口は減少し続けている事実がある。
→「人口減少社会」という言葉は「2005年国勢調査」の集計結果の公表から始まったと言われている。2006年12月に国立社会保険・人口問題研究所は,「2100年に日本の人口は4,000万人台まで減少する」という数値を公表した。2014年5月には,日本創生会議が「2040年に若年女性の流出により,消滅の可能性の高い市町村が大幅に増加する」との試算を公表した。人口減少は国や社会の存立基盤にかかわる問題であり,人口減少に対応する施策として,①移民の受け入れの検討,②女性や高齢者の活用,③新しい都市づくり,を推進しなければならないとされている。
→一方,人口減少は文明の成熟化に伴う必然的な歴史現象であるという歴史学者も存在する。日本国民は,人口減少社会到来のメリット,デメリットが十分に理解できていない,ということだけは確かである。(筆者)

4/16 厚生労働省 「厚生労働統計一覧」 ・厚生労働省で実施している主な統計調査や業務統計について,その調査内容,調査対象,調査周期,公表予定,実施担当部局及び集計結果表等の搭載場所等をみることができる。
<「厚生労働統計一覧」の分類>
①人口・世帯
②保健衛生
③社会福祉
④老人保健福祉
⑤社会保険
⑥社会保障等
⑦雇用
⑧賃金
⑨労働時間
⑩福利厚生
⑪労使関係
⑫労働災害・労働安全衛生・労働保険
⑬その他

→現在,厚生労働統計調査数は94本で,「基幹統計調査」(国の行政機関が作成する統計のうち公的統計の中核をなす統計調査)7本と「一般統計調査」で構成されている。2014年3月31日の「厚生労働統計の整備に関する検討会報告書」において「厚生労働統計調査の現状と改善方策」が示された。3福祉士国家試験の受験者には,一読を勧めたい。(筆者)
4/10 - 「2015年度予算」が第189回通常国会で成立した ・2015年4月9日,第189回通常国会において,一般会計の総額が96兆3,420億円(過去最大)となる「2015年度予算」が,参議院予算委員会で可決され,その後,参議院本会議で与党などの賛成多数で可決・成立した。予算案は,2015年に衆議院を通過しており,憲法の規定で4月11日には自然成立することが決まっていたものである。なお,2015年度予算は,2014年12月末の解散・総選挙で予算編成作業が遅れたことや閣僚の「政治とカネ問題」などの影響で,成立が4月までずれ込むため,政府は暫定予算(自然成立までの11日間で総額5兆7,593億円)を編成して対応していた。

→2015年度予算の総額は年金や医療など社会保障費(約31.5兆円)や防衛予算(約4兆9,800億)が増えて過去最大の96,3兆円となり,4割近くを国債発行(借金)に頼っている。
→予算成立を受け,安倍首相は,後半国会において,「農政改革や働き方の改革,電力改革,医療制度改革など戦後以来の大改革を進めていきたい。国民の命を守るための安全保障法制にもしっかり取り組む」と述べている。しかし,政府・与党は,6月24日の会期末につき,8月10日まで延長することを検討していることから,すでに難航を予想していると受け止められている。(筆者)
4/9 厚生労働省 『~これってあり? まんが 知って役立つ労働法Q&A~』 ・2015年4月8日,厚生労働省は,就職前やアルバイトをする学生・生徒などの皆さんに労働法の理解促進を図る新たなハンドブックとして『~これってあり? まんが 知って役立つ労働法Q&A~』を作成し,公表した。
<厚生労働省の呼びかけ文>
『厚生労働省では,このたび,学生・生徒などの皆さんを対象に,就職して働き始める前やアルバイトをする際に知っておくべき労働に関する基本的なルールをまとめたハンドブック『これってあり?まんが知って役立つ労働法Q&A』を作成しました。今回のハンドブックは,学生・生徒,学校関係者,労使団体などの皆さんが幅広く利用できるよう,ホームページに掲載し,どなたでも自由にダウンロードして使える形で提供します。また,各都道府県労働局やハローワークの主催するセミナーなどを通じて,配布も行っていきます。』

<Q&Aの構成>
第1章 働き始める前に知っておきたいこと
第2章 働くときのルール
第3章 仕事を辞めさせられるとき,辞めるとき
働く人のための相談窓口

→改めて,現在の学校教育のあり様を考えさせられる。性,金銭,労働法,社会保障等々,自立した大人になるための教育が不十分である。「自分の身は自分で守る」が基本となる。(筆者)
4/6 厚生労働省 「年金制度の国際比較(2015年3月作成)」 ・2015年4月2日,厚生労働省は,2015年3月作成の「年金制度の国際比較」を公表した。
<各国の年金制度の概要や動向>
国名 制度の特色
日本 ・公的年金制度は,「国民皆年金」,「社会保険方式」で,現役世代が支払った保険料を仕送りのように高齢者などの年金給付に充てるという「賦課方式」を基本とした財政方式で運営されている。
アメリカ ・一般被用者・自営業者を対象とした老齢・遺族・障害保険(OASDI)がある。
イギリス ・公的年金制度は2階建てで,1階部分は被用者・自営業者を通じた共通の基礎年金,2階部分は被用者のみを対象とした国家第二年金である。
ドイツ ・職業別階層別に分立している。
フランス ・職域毎の制度が多く見られる年金制度体系となっている。
スウェーデン ・公的年金制度は,持続可能な年金制度を構築する観点から,1999年に年金改革が実施された。

→日本の公的年金制度の課題は,「世代間扶養の維持」に尽きると考える。厚生労働省は,稚拙なマンガで国民をごまかせると考えている。なめられたもんである。(筆者)
4/1 厚生労働省 2015年4月から厚生労働関係で何が変わるか <2015年4月からの「厚生労働省関係の主な制度変更」一覧>
区分 項目 内容
(1)雇用・労働関係 ①障害者雇用納付金制度の対象事業主が拡大 ・100人超-200人以下も対象
(2)年金関係 ②2015年度の国民年金保険料 ・15,250円→ 15,590円
③2015年4月からの年金額 ・基本的には0.9%の引上げ,月65,008円
(3)医療保険関係 ④国民健康保険の保険料(税)の賦課(課税)限度額の見直し ・81万円→ 85万円
(4)介護保険関係 ⑤地域医療介護総合確保推進法の施行 ・介護予防・日常生活支援総合事業への移行,在宅医療・介護連携の推進,認知症専門医による指導の下に早期診断・早期対応に向けた認知症初期集中支援チーム・認知症地域支援推進員を地域包括支援センター等に整備,特別養護老人ホームの新規入所者を原則要介護3以上に重点化
⑥第1号被保険者の保険料 ・改正介護保険法の施行により,特に所得の低い者については,公費を投入して,保険料の軽減強化を行う
⑦第2号被保険者の保険料 ・医療保険者が負担する介護納付金の一人当たりの負担額は月額5,273円→ 5,177 円
⑧介護報酬改定 ・全体の改定率を-2.27%に設定
(5)子ども・子育て関係 ⑨子ども・子育て支援新制度の施行 ・待機児童の解消,地域型保育の創設,子育て支援事業の推進・利用者支援事業の創設,保育所や幼稚園・認定こども園における職員配置・処遇の改善
(6)福祉関係 ⑩生活困窮者自立支援制度の施行 ・包括的な相談支援,就労支援等を行い,その自立を促進する
(7)各種手当関係 ⑪障害福祉サービス等報酬改定 ・全体の改定率を±0%に設定
⑫2015年4月からの児童扶養手当等の手当額 2.4%の引上げ,ただし特別障害給付金は2.7%の引上げ・

→上記の制度変更に関連する「社会保障・税一体改革」の経緯を振り返る。
高齢化等に伴う社会保障給付費の増加と財政悪化を背景に,持続可能な社会保障制度の構築とその安定財源確保に向け,2012年2月に「社会保障・税一体改革大綱」を閣議決定し,2012年8月に「一体改革関連法案」が成立した。消費税率については,2014年4月に8%,2015年10月に10%に段階的に引き上げることとし,消費税率引上げによる増収分を含む消費税収は,地方消費税収に係る1%分を除き社会保障財源化されることとなった。また,消費税率10%への引上げに伴う増収分5%の使途の内訳は,社会保障の充実に1%分程度,既存の社会保の安定化に4%分程度を充てることとされた。一体改革関連法として成立した「改革推進法」に基づき設置された「社会保障制度改革国民会議」の報告書において,少子化対策,医療,介護,年金の4分野における改革の具体的な方向性が示された。同報告書を受けて,「社会保障制度改革推進法第4条の規定に基づく『法制上の措置』の骨子について」が2013年8月に閣議決定され,社会保障4分野の改革について,検討項目,実施時期及び関連法案の国会提出時期の目途を明らかにした「プログラム法」が2013年12月に成立した。「プログラム法」で示された社会保障制度改革の工程に従い,順次,個別法改正案を提出するなどの措置がを講じられてきた。
消費税率の10 %への引上げを2017年4月から実施することを踏まえ,社会保障の充実を2014年12月24日に閣議決定された「第3次安倍内閣」の「基本方針」に基づいて,2015年1月13日,「社会保障制度改革推進本部」(本部長:安倍首相)は,厚生労働省の「第85回社会保障審議会医療保険部会」における「医療保険制度改革骨子」及び「社会保障制度改革のスケジュール等についてを決定した。
2015年通常国会においては,医療保険制度改革関連法案が提出される見込みである。現在,2015年度社会保障関係予算(31兆5,297億円)は国会で審議中である。
→福祉専門職は,「どこにごまかしがあるか」を見破れる力をつけなければならない。(筆者)

3/31 厚生労働省 「2014年 海外情勢報告」 ・2015年3月25日,厚生労働省は,諸外国の労働情勢及び社会保障情勢全般に関する情報として「2014年 海外情勢報告」を取りまとめ,公表した。
<主要各国の厚生労働行政の動向>
アメリカ  社会保障施策   労働施策 
イギリス   社会保障施策   労働施策 
ドイツ  社会保障施策   労働施策 
フランス  社会保障施策   労働施策 
カナダ  社会保障施策   労働施策 
スウェーデン  社会保障施策   労働施策 

→3福祉士国家試験受験者に限らず,福祉専門職にとって,海外の労働・社会保障情勢の把握は必須である。(筆者)
3/26 厚生労働省 改正障害者雇用促進法に基づく「障害者差別禁止指針」および「合理的配慮指針」が策定された ・2015年3月25日,厚生労働省は,改正障害者雇用促進法に基づく「障害者に対する差別の禁止に関する規定に定める事項に関し、事業主が適切に対処するための指針」(障害者差別禁止指針)および「雇用の分野における障害者と障害者でない者との均等な機会若しくは待遇の確保又は障害者である労働者の有する能力の有効な発揮の支障となっている事情を改善するために事業主が講ずべき措置に関する指針」(合理的配慮指針)を策定し,公表した。
これまでの経緯 2007年9月 日本が国連総会において採択された「障害者権利条約」に署名
2013年6月 障害者権利条約の批准に向けた法整備の一つとして,、「障害者雇用促進法」を改正。雇用分野において事業主に対して障害者への差別禁止及び合理的配慮の提供を義務づける規定を新設
2013年9月~2014年5月 「改正障害者雇用促進法に基づく差別禁止・合理的配慮の提供の指針の在り方に関する研究会」を開催(全11回)し,2014年6月に報告書をとりまとめ
2014年9月~2014年12月 労働政策審議会障害者雇用分科会において議論(全4回)
2014年1月20日 「障害者権利条約」を批准し,2月19日から発効
2015年3月2日 労働政策審議会障害者雇用分科会において,両指針について諮問・答申
2015年3月25日 両指針の策定・公表
今後の予定 2015年5月頃月頃 事例集,Q&Aを作成
2016年4月 施行

<「障害者差別禁止指針」および「合理的配慮指針」のポイント>
「障害者差別禁止指針」では,すべての事業主を対象に,募集や採用に関して障害者であることを理由とする差別を禁止することなどを定めている。
・すべての事業主が対象
・障害者であることを理由とする差別を禁止
・事業主や同じ職場で働く人が,障害特性に関する正しい知識の取得や理解を深めることが重要
・募集・採用,賃金,配置,昇進,降格,教育訓練などの項目で障害者に対する差別を禁止
(例):募集・ 採用
①障害者であることを理由として,障害者を募集または採用の対象から排除すること。
②募集または採用に当たって,障害者に対してのみ不利な条件を付すこと。
③採用の基準を満たす人の中から障害者でない人を優先して採用すること。


「合理的配慮指針」では,すべての事業主を対象に,募集や採用時には障害者が応募しやすいような配慮を,採用後は仕事をしやすいような配慮をすることなどを定めている。
・すべての事業主が対象
・合理的配慮は,個々の事情を有する障害者と事業主との相互理解の中で提供されるべき性質のもの
(例):募集・採用時,採用後
①募集内容について,音声などで提供すること。(視覚障害)
②面接を筆談などにより行うこと。(聴覚・言語障害)
③机の高さを調節することなど作業を可能にする工夫を行うこと。(肢体不自由)
④本人の習熟度に応じて業務量を徐々に増やしていくこと。(知的障害)
⑤出退勤時刻・休暇・休憩に関し,通院・体調に配慮すること。(精神障害ほか)

→今後,2016年4月1日の施行に向けて準備が進められるが,「合理的配慮の提供義務」は日本では初めての概念であり,周知と啓発が重要と言われている。(筆者)
3/20 厚生労働省 ■「2015年度厚生労働行政の概要を知っておく」 ・2015年3月19日,2015年度厚生労働行政に向けた厚生労働省の主な行政会議(部局長・課長会議)の資料が概ね公開された。
部局長会議 主な課長会議
全国厚生労働関係部局長会議 (厚生分科会) 2/23-2/24開催 全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議(①  3/2開催
障害保健福祉関係主管課長会議 3/6開催
社会・援護局関係主管課長会議3/9開催
全国児童福祉主管課長会議 3/17開催
全国厚生労働関係部局長会議 (労働分科会) 2/23-2/24開催 -

→福祉専門職として,内容の把握は必須である。(筆者)
3/13 厚生労働省 「2015年我が国の人口動態(2013年までの動向)」 ・2015年3月10日,厚生労働省は,人口動態統計「2015年我が国の人口動態(2013年までの動向)」を公表した。
・本統計は,出生・死亡・婚姻・離婚及び死産の5種類の「人口動態事象」について,人口動態統計の主な内容をグラフ化したものである。
・出生・死亡・婚姻及び離婚については「戸籍法」により,死産については「死産の届出に関する規程」によって,それぞれ市区町村長に届け出られる。市区町村長は,これらの届書及び出生証明書・死亡診断書・死産証書等の関係書類に基づいて「人口動態調査票」を作成する。調査票は,地域保健活動の基礎資料として利用されるため,保健所長を経由して都道府県知事に提出され,さらに厚生労働大臣に提出される。厚生労働省において,これらの調査票を集計して人口動態統計が作成される。
<本統計の構成>
①人口 Population
②人口動態の年次推移 Trends in major indices for the vital events
③出生の動き Natality
④死亡の動き General mortality
⑤乳児死亡の動き Infant mortality
⑥自然増減の動き Natural change
⑦死産の動き Foetal mortality
⑧周産期死亡の動き Perinatal mortality
⑨婚姻の動き Marriages
⑩離婚の動き Divorces
⑪平均寿命 Life expectancy at birth
3/10 内閣府 「特集 :社会保障・税番号制度<マイナンバー>」 ・2015年3月9日,政府広報オンラインに,「 社会保障・税番号制度<マイナンバー>」の特集記事が掲載された。
<特集記事のポイント(抜粋)>
(1)マイナンバーとは?

・国民一人ひとりが持つ12桁の個人番号のことです。マイナンバー制度(社会保障・税番号制度)は,複数の機関に存在する個人の情報を同一人の情報であるということの確認を行うための基盤であり,社会保障・税制度の効率性・透明性を高め,国民にとって利便性の高い公平・公正な社会を実現するための社会基盤(インフラ)です。なお,法人には,13桁の法人番号が指定され,マイナンバーとは異なり,どなたでも自由に利用可能です。

(2)マイナンバーの3つのメリット
①国民の利便性の向上・・・面倒な手続きが簡単に
②行政の効率化・・・手続きが正確で早くなる
③公平・公正な社会の実現・・・給付金などの不正受給の防止

(3)マイナンバーの今後のスケジュール
 2015年10月~  お手元にマイナンバーを通知します。  住民票の住所に通知が届きます。住民票と異なるところにお住まいの方は,お住まいの市町村へ住民票の移動をお願いします。
 2016年1月~  社会保障,税,災害対策の行政手続きでマイナンバーが必要になります。申請者には,個人カードを交付します。
 2017年1月~  マイ・ポータル(仮称;情報提供等記録開示システム)が開始予定です。

●2/20
(■「マイナンバー(社会保障・税番号)制度に関する世論調査の概要(2015年1月実施)」の記事を参照
3/6 厚生労働省 2015年3月は「保育士就職促進対策集中取組月間」(リーフレット / 本文 ・2015年2月27日,厚生労働省は,2015年3月を「保育士就職促進対策集中取組月間」とすることを公表した。
<厚生労働省の呼びかけ文>
『厚生労働省では,待機児童の解消を目指し,「待機児童解消加速化プラン」により,2017年度末までに約40万人分の保育の受け皿を確保することとしておりますが,保育の受け皿の確保には,保育を支える保育士の確保が必要不可欠です。 一方,2013年度は約7万人分の保育の受け皿を確保しましたが,2014年度はさらに約12万人分の保育の受け皿の拡大が見込まれており,また,2014年12月の有効求人倍率も2倍(東京では5倍)を超えている状況にあり,保育士の確保が急務となっています。 このため,2015年3月を「保育士就職促進対策集中取組月間」と位置付け,有効求人倍率が特に高い地域において,潜在保育士の掘り起こしに重点を置いた就職促進を集中的に行い,保育士確保を強力に進めてまいります。』

<「保育士就職促進対策集中取組月間」の主なポイント>
(1)保育士資格保有者で,現在,保育士として働いていない,いわゆる潜在保育士等の掘り起こし及び就職あっせんを強化し,潜在保育士等の就職促進を図る。
【具体的な取組】
◎「保育士資格をお持ちの方へ」リーフレットを活用した潜在保育士等への呼びかけ
◎2015年3月に保育士登録された方への働きかけ
◎指定保育士養成施設と連携した養成施設卒業生への呼びかけ
◎保育士登録簿を活用した潜在保育士への働きかけ
◎保育所OG・OBへの働きかけ
◎厚生労働省ツイッターなどSNSを活用した情報発信
◎保育団体と連携した保育士確保に向けたPR活動の実施
◎保育士が不足している保育所に対し,保育士・保育所支援センターが個別に就職希望の保育士を紹介
◎ハローワークの保育士マッチング強化プロジェクトによる集中的支援


(2)集中取組地域は,東京都,埼玉県,神奈川県,大阪府の4都府県

→専門的な知識と技術を持つ保育士の確保は喫緊の課題である。しかし,本質的な議論を端折って,このようなやり方でも何とかなると本気で思っているところがすごい。また,将来,取り返しのつかない出来事が起きるリスクも覚悟しているとしたらすご過ぎる。(筆者)
3/3 厚生労働省 「子どもを守る地域ネットワーク等調査結果(2013年度調査)」 ・2015年3月2日,厚生労働省は,2013年4月1日現在・2012年度実績における全国の1,742市町村に対する児童虐待の発生予防の取り組みである子どもを守る地域ネットワーク(要保護児童対策地域協議会)の設置状況等に関する調査結果(「子どもを守る地域ネットワーク等調査結果(2013年度調査)」を公表した。
<調査内容>
要保護児童対策地域協議会の設置・運営状況
・要保護児童対策地域協議会の設置状況,設置形態・構成メンバー,調整機関の担当職員の配置状況,会議の開催状況
乳児家庭全戸訪問事業の実施状況
・実施市町村数,訪問の実績,訪問の結果何らかの支援が必要とされた家庭への対応
養育支援訪問事業の実施状況
・実施市町村数、訪問した家庭数と支援した内容,訪問した家庭の把握経路

→虐待を受けた児童などに対する市町村の体制強化を固めるため,関係機関が連携を図り児童虐待等への対応を行う「子どもを守る地域ネットワーク(要保護児童対策地域協議会)」は,2004年の児童福祉法の改正により努力義務として設置が進められてきたが,未だに100%の設置ではない(2013年4月1日現在98.9%)。
→筆者は,2015年3月2日に2013年4月1日現在の設置状況や2012年度の実施状況を公表するという厚生労働省のスピード感や取り組み姿勢が影響していると思っている。やる気があれば,情報収集はリアルタイムでできる。かつて,自殺者数の年度集計・公表を翌月集計・公表に変えたように。(筆者)
2/27 警察庁 「2014年中の少年非行情勢」 ・2015年2月26日,警察庁は,「2014年中の少年非行情勢」を公表した。

→「2014年中の少年非行情勢」に関するメディアの見出しは以下の通りである。
◎「いじめ摘発の小中高生456人…前年比37%減」(読売新聞)
◎「校内暴力で補導された小学生,昨年77人 増加傾向続く」(朝日新聞)
◎「<少年犯罪>再犯率年は17連続増 いじめと摘発人数は減少」(毎日新聞)
◎「小学生の校内暴力,急増=10年間で補導3.7倍―いじめは大幅減・警察庁」(時事通信)
→少年による重大な事件が起こるたびに,「少年法への厳罰化」が進められてきた。近年の少年法改正の経緯は以下の通りである。
①2000年の改正
・刑事罰対象を「16歳以上」から「14歳以上」に引き下げ,16歳以上の重大犯罪を原則として逆送すると定めた。
②2007年の改正
・少年院の年齢下限を「14歳」から「おおむね12歳」に引き下げ(少年院送致の年齢下限撤廃),14歳未満でも警察による強制的な調査が可能とした。
③2014年の改正
・有期刑の上限引き上げ,不定期刑の引き上げ,検察官の立ち会い範囲の拡大。
→最近の想像を超える少年による殺人事件から,従来からの「少年犯罪を防ぐのは「厳罰」か「教育」か」という視点からの議論は的外れではないかと思えてきた。(筆者)
2/25 内閣府 「困った時は法テラス」(ラジオ番組:約11分) ・「政府広報オンライン」において,2015年2月21日・22日放送の「Weekly ニッポン!!」(ラジオ番組)での「困った時は法テラス」が掲載されている。
<番組の内容(抜粋)>
『「離婚,借金,ご近所トラブルなど,暮らしていると思わぬ問題を抱えてしまうことがあります。そんなとき,頼りになるのが『法テラス(日本司法支援センター)』です。どこに相談したらいいのかわからないトラブルや,他人には知られたくないデリケートな問題など,様々なケースに対応し,解決への道案内をしてくれます。実際に寄せられた相談や『法テラス』のサポート業務について,日本司法支援センターの植田高史さんに伺います。』

(参考)
法テラス(日本司法支援センター)

→「困った時の相談窓口」は,福祉専門職にとっては必須の知識である。(筆者)
2/24 内閣府 「妊産婦さんと赤ちゃんへの思いやり マタニティマーク」 ・2015年2月23日,政府広報オンラインの「暮らしのお役立ち情報」に,「妊産婦さんと赤ちゃんへの思いやり マタニティマーク」が掲載された。
<記事の構成>
◎マタニティマークをつけた妊産婦さんを見かけたら?~つらそうな様子に見えたら,手伝えることがあるかどうか声をかけるなどのご配慮を。
①マタニティマークの活用(1)~妊婦さんへ~周囲の人に妊娠中または出産後間もないことを知ってもらうために,マタニティマークを活用しましょう。
②マタニティマークの活用(2)~地方公共団体や事業者の方へ~『妊産婦さんにやさしい環境づくり」びためにご活用ください。

→「マタニティマーク」は,『「健やか親子21」推進検討会』の発表を受け,厚生労働省が2006年に制定したもので,妊産婦自らが身に付け,妊産婦の存在を喚起するためのマークとされている。
→2014年7月の「母子保健に関する世論調査」における「マタニティマークの認知度」では,「知っていた」が53.6%,「知らなかった」が45.7%であった。筆者は,行政がきちんとした説明をしていないことによる,当然の結果であり,ひょっとすると,「賛否」も同程度の比率になるのではないかと思っている。
→例えば,アメリカのニューヨークやサンフランシスコでは,妊産婦を表示するマークはなく,優先席も妊産婦を対象としていないと聞く。また,イギリスのロンドンでは,”Baby on Board”というバッジを配布しているが,優先席の対象に妊産婦とは明示していないと聞く。ヨーロッパでは,公共交通機関の優先席は,「乳幼児同伴者」「妊産婦」「高齢者」「身体障害者」とされているらしい。日本の行政は,日本国民が世界の正確な動向や考え方を知りたいと思っても,自分たちに都合のいいときにしか国際比較などの情報を出さないのが常である。
→結論だけをいえば,筆者は,「マタニティマーク」のような思い付きのパッチワークのような施策は,国民に深く浸透するとは思えない。種々の議論がある「ベビーカーマーク」についても同様である。(筆者)


(参考)
「マタニティマークについて」(厚生労働省)
2/20 内閣府 「マイナンバー(社会保障・税番号)制度に関する世論調査の概要(2015年1月実施)」 ・2015年2月19日,内閣府は,「マイナンバー(社会保障・税番号)制度に関する世論調査の概要の概要(2015年1月実施)」を公表した。
<世論調査のポイント>
①マイナンバー制度の内容まで知っていた。・・・・28.3%
②マイナンバー制度で個人情報が漏えいすることにより,プライバシーが侵害されるおそれがあること,を不安に思う。・・・・32.6%
③「マイ・ポータル」の内容まで知っていた。・・・・3.6%
④個人番号カードに追加されると便利だと思う機能は「健康保険証」である。・・・56.3%
⑤「法人番号」の内容まで知っていた。・・・・3.1%
⑥マイナンバー制度に期待することは,「社会保障,税,災害対策に関する行政機関の手続きが簡単になる」ことである。・・・・51.4%

→「マイナンバー制度」は,2015年10月に国民一人ひとりに12桁の番号が通知され,2016年1月から希望者に「個人番号カード」を交付する予定である。なお,公的年金や失業手当を受け取る際の資格確認などに活用でき,現在,健康保険証代わりにも使えるよう検討されているとのことである。
→2014年6月24日に「世界最先端IT国家創造宣言」(新IT戦略)が閣議決定され,「個人番号カード」については,2020年を目途に健康保険証などと一元化することが盛り込まれた。また,個人が特定されないようデータを加工した場合は,本人の同意がなくても第三者に提供できるようにすることを柱とする「個人情報保護法改正案」については,2015年通常国会への提出を目指すとされていた。
→国民への周知遅れについて,『政府は,「周知・広報を強化する必要がある」(内閣官房)と説明している。』と新聞報道されている。「周知遅れが問題だ」という事柄に対して,「周知を強化する」と応答するのは間抜けが過ぎるのではないか。(筆者)


(参考)
「マイナンバー 社会保障・税番号制度」(内閣官房)
「社会保障・税番号(マイナンバー)制度がはじまります(事業主向け)」(厚生労働省)
2/17 厚生労働省 「社会保障審議会福祉部会報告書(社会福祉法人制度改革について)」 ・2015年2月13日,厚生労働省は,「社会保障審議会福祉部会報告書(社会福祉法人制度改革について)」を公表した。
<「報告書」の構成>
Ⅰ 総 論

Ⅱ 社会福祉法人制度の見直しについて
1.基本的な視点
(1)公益性・非営利性の徹底
(2)国民に対する説明責任
(3)地域社会への貢献
2.経営組織の在り方の見直し
(1)経営組織の現状と課題
(2)理事・理事長・理事会について
(3)評議員・評議員会について
(4)監事について
(5)会計監査人について
3.運営の透明性の確保
(1)情報開示の現状と課題
(2)情報開示の方向性
4.適正かつ公正な支出管理
(1)適正かつ公正な支出管理に係る基本的な視点
(2)適正な役員報酬について
(3)関係者への特別の利益の供与の禁止等
5.地域における公益的な取組の責務
6.内部留保の明確化と福祉サービスへの再投下
(1)内部留保に関する基本的な視点
(2)内部留保の明確化
(3)福祉サービスへの計画的な再投下
(4)「地域協議会」について
(5)財務規律におけるガバナンス
7.行政の役割と関与の在り方
(1)行政の役割と関与の在り方についての基本的視点
(2)指導監督の機能強化について
(3)国・都道府県・市の役割と連携の在り方について
8.その他


Ⅲ 社会福祉施設職員等退職手当共済制度の見直しについて
1.制度改革の基本的視点
2.給付水準について
3.合算制度について
4.公費助成について

→我が国の社会福祉を支えてきた「社会福祉法人制度」については,1951年の制度創設以来,抜本的な制度の見直しが行われてこなかったが,近年,「日本再興戦略」,「規制改革実施計画」,「社会保障制度改革国民会議報告書」において,非課税扱いにふさわしい地域貢献や運営の透明化等について提言がなされている。
→2014年7月4日の「社会福祉法人の在り方等に関する検討会報告書」において,介護施設などを運営する社会福祉法人は,多額の内部留保をため込む利益体質や,理事長による私物化などの問題が指摘され,地域における公益的な活動の推進,法人組織の体制強化,法人運営の透明性の確保等について意見が取りまとめられた。これを踏まえ,2014年8月27日に「第1回社会保障審議会福祉部会」が開催され,2015年2月12日の「第14回社会保障審議会福祉部会」において,今回の報告書(社会福祉法人制度について)がまとめられ,公表された。
→今後,社会福祉法等の改正案が2015年通常国会に提出され,2016年度からの施行が見込まれている。(筆者)

2/16 厚生労働省 「今後の労働時間法制等の在り方について建議(報告)」 ・2015年2月13日,労働政策審議会(会長:樋口美雄 慶應義塾大学商学部教授)は, 2013年9月から労働政策審議会労働条件分科会(会長:岩村正彦 東京大学大学院法学 政治学研究科教授)での審議の結果を基に,厚生労働大臣に対して,「今後の労働時間法制等の在り方について建議(報告)」を行い,厚生労働省は関係資料を公 表した。
・建議(報告)では,「2016年4月の施行に向けて,通常国会における労働基準法等の改正をはじめ所要の措置を講ずることが適当である」とされている。
<「建議(報告)」のポイント>
項目 内容
①「長時間労働」の防止策 ・働く全員が対象となる
・有給休暇取得年5日を企業に義務付ける(管理職を含む)
・中小企業にも残業代割増しを25%から50%に変更する(2019年4月~)
②「フレックスタイム制」の見直し ・労働時間を3か月単位でやりくりできるようにし,子育て等をしやすくする
・週50時間超の勤務には残業代を支払う
③「裁量労働制」の見直し ・企画や調査も行う一部の営業職にも対象を拡大する
・制度導入の手続きを簡素化する
④「高度プロフェッショナル制度」(残業代ゼロ制度)の創設 ・年収1,075万円以上の高度専門職が対象となる
・金融商品開発などの職種が対象となる
・時間でなく成果で評価する

→「日本再興戦略(2014年6月改訂)」で,「働き方改革」を掲げ,戦後労働法の基本原則(8時間労働制,直接雇用の原則等)を経済成長を妨げる「岩盤」と位置付けて,改革が必要だとしている。また,仕事の報酬を「労働時間」ではなく「成果」によって決めることで,自由な時間に働けるようになり,子育てや介護などの事情に合わせた「多様な働き方」ができるようになる,とされている。いずれも胡散臭い説明である。
→例えば,長時間労働を適切に抑制するには,労働時間の把握義務を法定化し,時間外労働時間の上限を直接規制し,現行労基法の罰則を強化すべきことは分かっているが,建議(報告)においても記述が不十分である。また,ILOが定める労働基準監督官の配置基準(労働者1万人に1人)を満たし,脆弱な労働行政の体制強化を図る必要性には触れられていない。(筆者)

2/13 首相官邸 「第189回通常国会における安倍首相の施政方針演説」 ・2015年2月12日,安倍首相は,第189回通常国会における衆院本会議で「施政方針演説」を行った。
・2014年12月の衆院選後に発足した「第3次安倍内閣」で初めての「施政方針演説」であり,成長戦略実行に向け「この国会に求められていることは「改革の断行」だ」としている。
・「施政方針演説」は,原則として通常国会の冒頭で内閣総理大臣が本会議場で行う演説で,その1年の政府の内政・外交方針を示すために行われる演説である。なお,通例は1月に実施されるが,2015年は衆院選の影響で遅れて,2月12日に行われた。

→吉田松陰,岩倉具視,岡倉天心,吉田茂を無理やり引き合いに出し,「戦後以来の大改革」や「国民みんなが心を一つに」という大仰なフレーズを用い,「改革」という言葉を連呼した。
→演説の中身はさて置き,「戦後以来の大改革」という日本語はおかしいよ,とメディアは指摘しなくてよいのかどうか。(筆者)
2/10 厚生労働省 ■「2014年度 市町村職員を対象とするセミナー一覧(テーマ・資料)」 <「市町村職員を対象とするセミナーの目的」(抜粋)>
『「市町村セミナー」は,市町村厚生労働行政交流研修事業として,市町村に関連の深い厚生労働行政をテーマに採り上げ,市町村職員間相互及び市町村職員と厚生労働省職員間で情報や意見の交換等を行うことを通じて,市町村が地域の特性に応じた保健福祉サービス等の向上を図るために必要な情報や企画立案の手法を得る機会を提供し厚生労働行政の理解の推進を図るとともに,市町村の厚生労働行政に対する考え方や行政需要等を把握し,厚生労働行政の企画立案に資することを目的としている。


<2014年度 セミナー一覧(テーマ・資料)>
開催日 テーマ・資料
2014年7/18 103回:社会保障と税の一体改革について
7/25 104回:定期巡回、随時対応型サービス・高齢者向け住まいと居宅サービスの関わり方
8/22 105回:新しい総合事業について/介護予防・生活支援サービスの充実に向けて①
9/19 106回:医療介護総合確保推進法について
10/17 107回:生活困窮者自立支援制度について
11/21 108回:障害者の権利擁護について
2015年1/16 109回:新しい総合事業について/介護予防・生活支援サービスの充実に向けて②

→厚生労働省が,何を市町村に徹底を図りたい(強引に進めたい?)のかが分かる。(筆者)
2/9 厚生労働省 「2013年度 高齢者虐待防止法に基づく対応状況等に関する調査結果」(概要 / 本文 ・2015年2月6日,厚生労働省は,「2013年度 高齢者虐待防止法に基づく対応状況等に関する調査結果」を公表し,厚生労働省老健局長名で「対応の強化について」を都道府県知事に通知した。
・本調査は,2006年4月に施行された「高齢者虐待防止法」に基づき,全国の市町村及び都道府県において行われた高齢者虐待への対応状況を2007年度から毎年度調査を実施しているものである。
<調査結果のポイント>
養介護施設従事者等によるもの 養護者によるもの
虐待判断件数 相談・通報件数 虐待判断件数 相談・通報件数
2013年度 221件 962件 15,731件 25,310件

→日本の虐待に関する法律の制定は以下の通りである。
児童虐待防止法(2000年制定)
DV防止法(2001年制定)
高齢者虐待防止法(2005年制定)
障害者虐待防止法(2011年制定)
→日本の「虐待防止」における最大の特徴は,国際的な条約批准等の外圧を受けて法制度が整備されてきたものであり,法と日本社会・日本国民の感覚・意識のずれが大きいことにある。
→「家庭内の養護者による虐待」については,日本特有の根の深い問題を抱えている。しかし,「養介護施設従事者等による虐待」はゼロにすることは可能である。今回の調査結果を受けて,厚生労働省は,「研修を徹底し,防止に努めたい」で済ますのではなく,「施設での虐待はゼロにさせる」とコメントすべきであろう。職能団体も蚊帳の外でいい分けがない。(筆者)
2/6 厚生労働省 「2013年社会福祉施設等調査の概況」 ・2015年2月5日,厚生労働省は,「2013年社会福祉施設等調査の概況」を公表した。
<「2013年社会福祉施設等調査の概況」のポイント>
(1)施設の状況
①施設数

・「保育所」は24,076施設(前年比336施設・1.4%増)で,「有料老人ホーム(サービス付き高齢者向け住宅以外)」は8,502施設(前年比983施設・13.1%増)である。
②定員階級別施設の状況
・障害者支援施設等,婦人保護施設などでは「30人以下」が最多で,保護施設,児童福祉施設などでは「51~100人」が最多である。
③経営主体別施設の状況
・その他の社会福祉施設等を除く各種類で「社会福祉法人」が最多であり,有料老人ホーム(サービス付き高齢者け住宅以外)では,「営利法人(会社)」(83.2%)が最多である。

(2)事業所の状況
①事業所数

・「居宅介護事業」が20,811事業所(前年比939事業所増),「重度訪問介護事業」は19,376事業所(前年比べ829事業所増)の順に多い。また,対前年増減率をみると「保育所等訪問支援事業」が72.9%増,「障害児相談支援事業」が56.2%増の順で多い。
②経営主体別事業所数
・障害福祉サービス等事業所について,事業の種類別に経営主体別事業所数の構成割合をみると,短期入所事業では「社会福祉法人」(79.6%)が最多で,居宅介護事業,重度訪問介護事業,同行援護事業では,「営利法人(会社)」(それぞれ64.9%,66.2%,69.3%)が最多である。

→2015年2月5日,「第13回社会保障審議会福祉部会」で「社会福祉法人制度改革案」がおおむね了承されたと報道されている。現行は,任意設置で諮問機関にすぎない評議員会を,必置の議決機関に見直し,理事・理事長をけん制する役割とすることや,「内部留保」の定義を明確化し,財産のある法人にその活用計画(再投下計画)の作成を義務付けることなどが柱とされている。
→2015年1月26日に開会した「第189回通常国」への「社会福祉法人改革法案」の提出は,3月上旬と見られており,社会福祉法,社会福祉士及び介護福祉士法,社会福祉施設職員等退職手当共済法が主たる改正となる。
→なお,2014年8月27日に立ち上げられた「社会保障審議会福祉部会」の検討テーマは,①「社会福祉法人制度の見直しについて」,②「福祉人材確保対策について」であり,近日中にそれぞれにつき報告書が提出されると思われる。(筆者)


(参考)
「社会福祉施設の整備・運営」(厚生労働省)

2/5 厚生労働省 「外国人介護人材受入れの在り方に関する検討会(中間まとめ)」 ・2015年2月4日,厚生労働省は,「外国人介護人材受入れの在り方に関する検討会( 中間まとめ)」を公表した。「日本再興戦略(改訂2014)」に明記された,外国人技能実習制度の対象職種に介 護分野を追加すること及び介護福祉士資格を取得した外国人留学生の卒業後の留資格 の拡充について,2014年10月30日に「第1回外国人介護人材受入れの在り方に関する 検討会」が開催された。議題は(1)技能実習生の受入れの在り方,(2)国家資格取得者 に在留資格が付与された場合の運用の在り方等,(3)EPAの更なる活用方策,であった。
・一方,2014年10月22日に公表された「福祉人材確保対策検討会(議論の取りまとめ )」を受けて,10月27日に「社会保障審議会福祉部会福祉人材確保専門委員会」が開 催され,4回の委員会をもって取りまとめが行われる予定である(第3回は2015年1月 27日開催)。議題は「量的な確保」および「質的な確保」の方策である。

→厚生労働省において,介護人材確保のために,現在,2つの委員会(「外国人介護 人材受入れの在り方に関する検討会」,社会保障審議会福祉部会福祉人材確保専門委 員会」)で検討が行われている。そのうちの「外国人介護人材受入れの在り方に関する検討会(中間まとめ)」が,今回公表されたものである。
→「結論ありき」の今回の中間まとめを受けて,「外国人技能実習制度」の改正準備 に入る。2016年度から実習期間を3年から5年に延長し,介護における介護福祉士資格取得者には在留期間の延長を認めることになる。「外国人介護人材の受け入れ」は,「介護人材の確保」とは別次元の施策ではないか,と筆者は思う。
→厚生労働省にとって,「介護人材確保」は,地域包括ケアシステムの構築の生命線であり,最重要課題であるはずである。筆者は,「介護分野の人材確保」の決め手は,「労働条件改善」に尽きると思う。その解決策の端緒は,介護事業に向けて,各種減税,助成金,内部留保等の優遇措置の努力を,大企業並みに行い,まずは,介護事業を儲けさせる施策を実施することと考える。「社会保障審議会福祉部会福祉人材確保専門委員会」の提言が近いうちに提出される。(筆者)
2/4 厚生労働省 「2014年 保育施設における事故報告」 ・2015年2月3日,厚生労働省は,2014年1月1日から2014年12月31日までの1年間に報告のあった「保育施設における事故報告」を公表した。
<「2014年 保育施設における事故報告」 のポイント>
①報告総件数
・177件(認可保育所155件,認可外保育施設22件) であった。
・2013年の19人より2人減ったが,依然高い水準である。
②負傷等の報告
・160件で,そのうち5歳(54名)が最多であった。
③死亡の報告
・17件で,そのうち0歳(8名)が最多であった。
・状況別では,睡眠中が11人で,このうち4件は「うつぶせ寝」であった。
・施設別では,認可保育所が5人,認可外保育所が12人であった。
④事故の発生場所
・保育施設の園内(室内) (82名)が最多であった。

→少子化対策や女性の社会進出の支援策の一環として,2015年4月から「子ども・子育て支援新制度」が実施される。
→「子ども・子育て支援新制度」への移行に伴い,保育事故の報告は,教育・保育施設に関してのみ,都道府県や市町村への報告が法的義務が課されることになっている。消費者委員会は,2014年11月4日に「教育・保育施設等における事故情報の収集及び活用に関する建議」を公表した。また,内閣府は,2014年11月28日に「教育・保育施設等における重大事故の再発防止策に関する検討会(中間取りまとめ)」を公表した。これにより,文部科学省・厚生労働省・内閣府は,乳幼児の保育に関する重大事故の報告を義務付けたうえで,それを一元的にデータベース化し,保育事故の再発防止などに役立てる方針を打ち出した。報告の対象となる重大事故は,死亡事故,治療に30日以上を要する負傷・疾病を伴う重篤な事故とされている。
→ありていに言えば,保育事故,幼稚園事故,学童保育事故を管轄している「厚生労働省」と「文部科学省」は,事故防止に向けて何もやってこなかったというのが現実である。寄せ集め(内閣府,文部科学省,厚生労働省,消費者庁)と後追い行政で,行政間の意識が変化し,現場での劇的な事故防止につながるかどうか・・・。(筆者)
2/3 厚生労働省 「2015年度の年金額改定(引き上げ)」 ・2015年1月30日,厚生労働省は,「2014年平均の全国消費者物価指数」の発表により,2015年度の年金額は,2014年度の特例水準の年金額との比較では,特例水準の段階的な解消やマクロ経済スライドによる調整と合わせて,基本的には0.9%の引上げとなる,と公表した。
・なお,受給者の受取額が変わるのは,通常4月分の年金が支払われる2015年6月からとなる。
<2015年度の新規裁定者(67歳以下)の年金額>
2014年度
(月額)
2015年度
(月額)
国民年金
(老齢基礎年金(満額):1人分)
64,400円 65,008円
(+608円)
厚生年金
(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)
219,066円 221,507円
(+2,441円)

→2004年の年金改革で導入が決まった「マクロ経済スライド」が,初めて2015年度で適用されることになった。2015年度年金額改定の算式は,次の通りである。
名目手取り賃金変動率(2.3%)-名目手取り賃金変動率にスライド調整率(0.9%)-特例水準の段階的な解消(0.5%)=0.9%
→ところで,現行の年金支給額の(年額)の決定方法の仕組みは,非常に難解である。国民がもっと簡単に理解できる仕組みにすべきだと思う。法律で定められているものであるが,どことなく胡散臭さがある。(筆者)
2/2 厚生労働省 「2015年度 厚生労働省予算案」(概要 / 主要事項 ・2015年1月29日,「第27回社会保障審議会」が1年4か月ぶりに開催され,会議資料が公表された。
<「2015年度 厚生労働省予算案」のポイント>
(1)2015年度予算額(一般会計)の推移

・2014年度予算額 :29兆454億円 ⇒ 2015年度予算案 :29兆9,146億円
・なお,特別会計とは,労働保険特別会計,年金特別会計,復航特別会計をいう。

(2)2015年度社会保障関係費(29兆4,505億円)の内訳
・医療(39.0%),年金{37.5%),福祉等(13.5%),介護(9.4%),雇用(0.6%)

(3)2015年度における社会保障・税一体改革による社会保障の充実・安定化
①2015年度の消費税増収分(8.2兆円)の内訳
・基礎年⾦国庫負担割合1/2(3億円),社会保障の充実(1.35兆円),消費税率引上げに伴う社会保障4経費の増(0.35兆円),後代への負担のつけ回しの軽減(3.4兆円)
②2015年度における「社会保障の充実」(1.35兆円)の考え方
・優先的に取り組む施策として,子ども・子育て支援の充実(2,195億円),医療・介護サービス提供体制改革の着実な実施(602億円),国保への財政支援の拡充(612億円),が挙げられている。
・その他として,難病・小児慢性特定疾病への対応(885億円),年金制度の改善(20億円),が挙げられている。

→2015年1月26日に「第189回通常国会」が召集された。国会法による会期は6月24日までの150日間で,延長が1回のみ可能である。前半国会において,「2015年度 政府予算案」は4月10日頃に成立すると見られている。(筆者)
1/29 厚生労働省 「新オレンジプラン」(概要 / 本文 ・2015年1月27日,厚生労働省は,「認知症施策推進総合戦略~認知症高齢者等にやさしい地域づくりに向けて~(新オレンジプラン)」を公表した。
・2014年11月に行われた「認知症サミット日本後継イベント」において,安倍首相より塩崎厚生労働大臣に対して,認知症施策を加速させるための戦略の策定について指示がなされ,厚生労働省は,関係省庁と共同して新たな戦略の検討を進め,「認知症施策推進総合戦略~認知症高齢者等にやさしい地域づくりに向けて~(新オレンジプラン)」を策定した。
・「新オレンジプラン」の策定を受け,1月27日,「認知症施策推進関係閣僚会合」において,認知症施策推進のために関係省庁が一丸となって取り組んでいくことを申し合わせた,とのことである。
<「新オレンジプラン」の7つの柱>
①認知症への理解を深めるための普及・啓発の推進
②認知症の容態に応じた適時・適切な医療・介護等の提供
③若年性認知症施策の強化
④認知症の人の介護者への支援
⑤認知症の人を含む高齢者にやさしい地域づくりの推進
⑥認知症の予防法,診断法,治療法,リハビリテーションモデル,介護モデル等
の研究開発及びその成果の普及の推進
⑦認知症の人やその家族の視点の重視

「新オレンジプラン」の2015年度予算(案)=約161億円
①医療・介護専門職による認知症初期集中支援チームの配置(13億円)
②医療・介護連携のコーディネーター(認知症地域支援推進員)の配置等(15億円)
③早期診断を行う認知症疾患医療センターの整備(6.4億円)
④生活支援コーディネーターの配置等(高齢者の見守り等を行うボランティア等の養成や連携支援を行う)(54億円)
⑤認知症の予防・治療のための研究開発の推進(65億円)

(参考)
参考資料集

→厚生労働省は,団塊の世代が75歳以上となる2025年の認知症患者数は約700万人となり,65歳以上の高齢者の約5人に1人を占めるとと推計している(2012年は,462万人で,7人に1人)。
→「新オレンジプラン」策定までの経過である。
・2013年12月,イギリスにおいて,国内世論に追いつめられたキャメロン英首相の呼びかけで「G8認知症サミット」が開催された。日本からは厚生労働副大臣ごときを出席させ,日本は「認知症」を軽く見ていることを世界に証明してしまった。
・2014年度には,サミットの後継イベントとして,①イギリス(2014年6月:社会的影響への投資),②カナダ・フランス共同(2014年9月:学術界と産業界のパートナーシップ),③日本(2014年11月:新しいケア と予防の モデル),④アメリカ(2015年2月:アルツハイマー病研究)の順でそれぞれ国際会議の開催が計画され,実行されている。2015年3月には,WHO主催の総括的な大臣級会合の開催も検討されている。
・2014年11月に日本で開催された「サミットの後継イベント」の開会の挨拶において,世界の流れや世界の日本に向ける目の厳しさを感じた安倍首相は,2013年からスタートした医療や介護分野の支援を中心とする認知症施策としての「オレンジプラン」の計画の途中ではあったが,国家的課題としての新戦略である「新オレンジプラン」の策定を世界に表明した。
→今回の公表は,それを受けたもので,安倍首相は,「世界のモデルとなる取組みを進める」と述べている。新オレンジプラン」に向けた2015年度予算は161億円とされ,2014年度より66億円増加されている。しかし,2014年4月からは,「介護報酬」を2.27%引き下げることを決定した。支離滅裂である。
→筆者は,今回の安倍首相の思惑に,現状の無策に過ぎる認知症施策に対する国内世論や世界からの批判を一時的に避けようとすることにあると勘繰っている。「認知症施策」をその場しのぎで乗り切れると高をくくっていると,近い将来,日本の医療保険と介護保険を崩壊させることになると思う。在宅で認知症者を看きることが,どれほど悲惨なことかを理解しようとしない者が作ったプランなど意味をなさないと考える。(筆者)

1/27 - ■2015年1月26日に「第189回通常国会」が召集された ・2015年1月26日,「第189回通常国会」が召集された。会期は6月24日までの150日間である。
・同日,安倍内閣は,緊急経済対策を盛り込んだ「2014年度補正予算案」を国会に提出し,これを受けて麻生財務大臣が衆参両院の本会議で「財政演説」が行われた。なお,これに対する各党代表質問が1月27日,28日衆参で1日ずつ行われる。
・経済最優先とする安倍首相は,今国会を「改革断行国会」と位置付け,各分野の規制改革を進めるほか,地方創生を加速化し,安全保障法制の整備にも取り組む方針を示している。当面の課題は,経済対策を盛り込んだ「2014年度補正予算案」と「2015年度予算案」の早期成立とされている。

<「第189回通常国会」の予定>
(1)前半国会(予算案成立まで)
◎安倍首相の「所信表明演説」は実施されず,2月中旬に「施政方針演説」が行われる。
・2月5日 :「2014年度補正予算案」の成立
・2月12日 :「2015年度予算案」の審議開始
・3月10日頃 :「2015年度予算案」の衆議院通過
・4月10日頃 :「2015年度予算案」の成立

(2)後半国会(予算案成立後~6月24日)
◎集団的自衛権の行使を容認した2014年7月の閣議決定を具体化する安保関連法案,労働者派遣法改正案が提出される。
1/23 厚生労働省 「国民年金保険料の納付率」 ・2015年1月21日,厚生労働省は,2014年11月現在の「国民年金保険料の納付率」を公表した。
<発表の数値>
・2014年11月末現在における国民年金保険料の納付率(2014年10月分まで)は,以下の通りである。
▼2012年度分 :59.0%
▼2013年度分 :60.9%
▼2014年4月~10月分 :58.6%

→衆議院議員河野太郎氏の公式サイトにおける2014年5月28日の記事(http://www.taro.org/2014/05/post-1481.php)によれば,例えば,2012年度の59.0%について,分母に免除・猶予を加えて,同じ期間の実際の納付率を厚生労働省に試算してもらったところ,39.9%だったということである。愕然とする不公平極まりない数値は公表されていない。これ以外の根幹にかかわる数値も都合よく加工されている可能性を考えれば,現行の年金制度は破たん状態ではなく,すでに破たんしているのではないかという強い疑念を持つ。
→2015年1月21日に開催された「第29回社会保障審議会年金部会」において,「年金制度改革の方向性を示す報告書案」が了承されたとのことである。このような小手先の改革案ではどうしようもないことを,とっくに気付いている国民は少なくないと思う。(筆者)
1/21 厚生労働省 「STOP!転倒災害プロジェクト2015」(2015年1/20~12/31)が開始された ・2015年1月20日,厚生労働省と労働災害防止団体は,休業4日以上の死傷災害で最も件数が多い「転倒災害」を減少させるため,「STOP!転倒災害プロジェクト2015」を開始した。
・本プロジェクトは,2015年1月20日~12月31日を期間とし,積雪や凍結による転倒災害の多い2月と全国安全週間準備月間である6月を重点取組期間として,安心して働ける職場環境の実現を目指す,とされている。
「転倒による労働災害の状況」のポイント>
●仕事中の転倒が原因で4日以上仕事を休んだ者は25,878人(2013年)で,休業4日以上の労働災害全体の22%を占め,増加傾向にある。

<「プロジェクトの主な取組」のポイント>
①業界団体などに対する職場の総点検の要請
②都道府県労働局,労働基準監督署による指導
「STOP!転倒災害特設サイト」の開設
④労働災害防止団体などによる支援

「第12次労働災害防止計画(2013年度~2017年度)」は2013年にスタートし,2015年はその中間年に当たる。しかし,2014年の労働災害は,上半期時点で大幅な増加となり,2014年8月には「労働災害のない職場づくりに向けた緊急要請」を行ったが,このままでは労働災害防止計画の目標達成ができなくなってきたため,本プロジェクトを実施したものである。つまりは,行政側としては,お尻に火が付いたということである。
→2013年の死傷災害のうち転倒災害が占める割合は,全産業平均22%であるが,社会福祉施設は31%と高率である。これは,この分野の事業主や従業者の「知識や意識の低さ」を表している,と筆者は考える。「自分の健康は自分が守る」,が基本である。(筆者)
1/20 首相官邸 「社会保障制度改革のスケジュール等について」および「2015年度の社会保障の充実・安定化について」 ・2015年1月13日,「第3回社会保障制度改革推進本部」において「社会保障制度改革のスケジュール等について」および「2015年度の社会保障の充実・安定化について」が決定され,公表された。
<「社会保障制度改革のスケジュール等」のポイント>
(1)消費税率の10%への引上げを2017年4月から実施することを踏まえ,社会保障の充実を「基本方針」(2014年12月24日閣議決定)に沿って着実に推進する。
(2)社会保障・税一体改革による社会保障制度改革の進め方は,以下の通りである。
2015年1月~3月 ①医療保険制度改革関連法案の提出(2015年通常国会に提出)
2015年度 ②子ども・子育て支援新制度の施行(2015年4月~)
③「医療介護総合確保推進法」の一部施行
2017年度 ④「年金関連法」の一部施行
2018年度 ⑤国民健康保険の財政運営責任等を都道府県に移行し,制度を安定化(2018年4月~,医療保険制度改革関連法案関係)
⑥医療計画・介護保険事業(支援)計画・医療費適正化計画の同時策定・実施(2018年4月~)

<「2015年度の社会保障の充実・安定化」のポイント>
(1)消費税率引上げによる増収分は,全て社会保障の充実・安定化に向ける。
(2)社会保障の安定財源確保と財政健全化の同時達成を目指す観点から,2015年度の増収額8兆円程度の内訳は,以下の通りである。
①基礎年金国庫負担割合1/2 3兆円程度
②社会保障の充実(子ども・子育て支援の充実,医療・介護の充実,年金制度の改善) 1.35兆円程度
③消費税率引上げに伴う社会保障4経費の増(診療報酬,介護報酬,年金,子育て支援等についての物価上昇に伴う増) 0.35兆円程度
④後代への負担のつけ回しの軽減(高齢化等に伴う自然増を含む安定財源が
確保できていない既存の社会保障費)
3.4兆円程度

→2015年度の消費税増収分8.2兆円程度(国と地方の合計)のうち,「社会保障の充実」に充てられるのは僅か1.35兆円程度に過ぎない。それでも,安倍首相は,「消費税増税による増収分は,すべて社会保障の充実・安定化に向ける」と説明している。
→国民に向けて安倍首相が言う「社会保障の充実・安定化」には,「病床機能分化」,「地域包括ケアの推進」,「子育て新制度の推進」,「社会保障制度の見直し」(医療保険,介護保険,生活保護制度)などとして,それぞれの中身が明確にされてくると,巧妙に「社会保障の後退」が仕組まれていたことが分かってきた。(筆者)

1/19 厚生労働省 「児童養護施設入所児童等調査の結果(2013年2月1日現在)」(概要 / 本文 ・2015年1月16日,厚生労働省は,「児童養護施設入所児童等調査の結果(2013年2月1日現在)」を公表した。
・本調査は,児童福祉法に基づいて,おおむね5年ごとに実施されており,全国の里親委託児童,児童養護施設の入所児童,情緒障害児短期治療施設の入所児童,児童自立支援施設の入所児童,乳児院の入所児童,母子生活支援施設の児童及び保護者,ファミリーホーム委託児童,自立援助ホーム入居児童の全員を対象として実施されている。なお,前回調査は2008年2月1日に実施された。
<「調査結果(2013年2月1日現在)」のポイント>
里親委託児童数は4,534人(前回3,611人)で,虐待を受けた経験のある児童の割合は31.1%(同31.5%)であった。
児童養護施設入所児童数は29,979人(同31,593人)で,親などから虐待を受けた経験のある児童の割合は59.5%(同53.4%)であった。

→日本の社会的養護の主流である施設養護児童で暮らす約30,000人のうち約6割が虐待を受けた経験があり,5年前の前回調査に比べて施設に入所する子どもは約1,500人減った一方で,虐待経験のある子どもの割合は6ポイント増えている。
→厚生労働省は,虐待を受けた子どもの増加への対応として,2015年度は,児童養護施設の職員一人あたりの児童数を現行の5.5人から4人に引き下げるとしている。しかし,被虐待経験者は,深刻で多様な障害を負っており,治療しながら,ケアするための体制整備(特に,専門知識を持つ人材の確保)が必要とされているが,改善が進展していかない。その理由は,この分野における行政の関心が薄いということに尽きる。社会保障給付費に占める,関心の高い「高齢者関係給付費」と関心の薄い「児童・家庭関係給付費」を比較して見れば一目瞭然である。(筆者)
1/16 財務省 「2015年度予算政府案」 ・2015年1月14日,政府は,「2015年度予算政府案」を閣議決定した。なお,「2014年度補正予算政府案」(①現下の経済情勢等を踏まえた生活者・事業者への支援,②地方が直面する構造的課題等への実効ある取組を通じた地方の活性化,③災害復旧・復興加速化など災害・危機等への対応)は2015年1月9日に閣議決定されている。
<「2015年度予算政府案」のポイント>
(1)歳入

①「一般会計の総額」 :96兆3,420億円(過去最大)
(2)歳出
①「政策に充てる経費」 :72兆8,912億円(社会保障費31兆5,279億円,地方交付税15兆5,357億円を含む)
②「国債費」 :23兆4,507億円

→2015年1月14日,安倍首相は,「地方の創生,子育て支援など社会保障の充実に最大限取り組んだ」と自己評価している。国民の評価はどうなるか。(筆者)
1/15 首相官邸 「医療保険制度改革骨子」 ・2015年1月13日,社会保障制度改革推進本部(本部長:安倍首相)は,2015年1月9日に開催された厚生労働省の「第85回社会保障審議会医療保険部会」における「医療保険制度改革骨子(案)」を決定し,併せて「社会保障制度改革のスケジュール等について」も公表した。
<「医療保険制度改革骨子」のポイント>
 年度  項 目
2015 ①国民健康保険(国保)への財政支援を1,700億円拡充する。
2016 ②入院時の食事の自己負担を360円/食に引き上げる。
③紹介状なしの大病院への受診に定額負担させる。
④患者の申し出による「混合診療」を解禁する。
⑤医師などの国保組合の国庫補助の見直しを開始する。
2017 ⑥後期高齢者医療制度の保険料軽減特例を原則廃止する。
⑦会社員・公務員の組合の高齢者医療支援金の負担を2,400億円引き上げる。
⑧会社員の組合に700億円の財政支援をする。
⑨国保の財政支援を3,400億円に拡充する。
2018 ⑩国保の運営を市町村から都道府県に移管する。
⑪入院時の食費を460円/食に引き上げる。
⑫健康推進や予防の取り組みに対する奨励策を導入する。
(参考)
医療保険制度改革骨子付属資料

→厚生労働省の「社会保障制度審議会」の3つの部会から,医療保険,介護保険,生活保護制度の見直し案が提示され,2015年度からの社会保障費の主な削減内容が以下の通り出揃った。
項目 主な削減内容 参照記事
医療 ●介護報酬の2.27%引き下げ ・本日
介護 ●入院時の食費の患者負担を段階的に引き上げ(360円,460円)
●全国健康保険協会(協会けんぽ)の補助金は現行の16.4%を維持するが,準備金が増えれば国庫補助減額
・1/14
生活保護 ●冬季の光熱費に充てる「冬季加算」を引き下げ
●家賃に相当する「住宅扶助」を引き下げ
・1/13
→一方,2014年12月24日に発足した「第3次安倍改造内閣」は,「社会保障制度の充実への取組み」を明言している。2015年1月13日に開催された「社会保障制度改革推進本部」においても,本部長である安倍首相は,『社会保障は国民が安心して暮らしていくためのセーフティネットであり,我が国の経済社会の礎となるものであります。景気の回復を確かなものとするため,消費税率10%への引上げを延期することとしましたが,財政を立て直し,世界に誇るべき社会保障制度を次世代に引き渡していく責任が私達にはあります。』と述べている。消費税が上げられなかったため,「社会保障制度の充実」のうち年金の充実策(低所得高齢者への給付金,最低加入期間の10年への短縮)のように,先送りされても仕方がないという政府からの子どもだましのような説明に納得しているようではどうしようもない。財源は消費税分だけではないはずである。従来から,予算配分の仕方を見直して,政策の優先順位を付けることが重要だと指摘されている。
→2015年1月26日から予算国会である「第189回通常国会」が招集される見通しである。2014年度補正予算案を2月上旬に,2015年度予算案を年度内に成立させる方向である。アベノミクスが大コケするまで,政府与党のやりたい放題で進められる。(筆者)

1/14 厚生労働省 「社会保障審議社会保障審議介護給付費分科会報告書」(2015年度介護報酬改定の審議報告) ・2015年1月13日,厚生労働省は,「社会保障審議社会保障審議介護給付費分科会」における「2015年度介護報酬改定に関する審議報告」を公表した。
・本報告では,団塊世代が75歳を迎える2025年を目途に,医療・介護・予防・住まい・生活支援などを総合的に実施する「地域包括ケアシステム」の早急な構築が必要とし,地域包括ケアシステムの推進のために,2015年度介護報酬改定では,①「中重度の要介護者や認知症高齢者への対応の更なる強化」,②「介護人材確保対策の推進」,③「サービス評価の適正化と効率的なサービス提供体制の構築」,の3本柱を中心に進めていくべきだとしている。

→政府は現在,2015年度予算案の編成に向けた詰めの協議を行っており,介護報酬の改定率はその大きな焦点の1つである。財務省の意向に沿い,政府は2015年4月からの介護報酬の引き下げ幅を2.27%にする方針とされ,今回の報告は,その裏付けになる。
→厚生労働省は,今後,政府の正式な改定率の決定を受け,それぞれの報酬・加算の具体的な金額を設定する作業に入り,2月6日の介護給付費分科会に諮問し,2月中には各サービス単価を決定すると見られている。
→介護報酬の引き下げは,現行の介護保険制度の崩壊を招くとの指摘があるが,身近な問題でありながら多くの国民の関心は薄い。強引な「施設から在宅へ」の施策が,どれほどの悲劇を生み出すことになるのだろう。(筆者)
1/13 厚生労働省 「社会保障審議会生活保護基準部会報告書」 ・2015年1月9日,厚生労働省は,「社会保障審議会生活保護基準部会報告書」を公表した。
・今回の報告書で,初めて,住宅扶助と冬季加算(生活扶助)について,実質的に健康で文化的な最低限度の生活を保障しているかという観点から,検討・検証が行われた。

2015年1月7日に公表された「2014年10月分の被保護世帯数及び被保護実人員」は,1,615,240世帯及び2,168,393人であった。6か月連続で過去最多を更新したとのことである。もともと,日本の生活保護に関しては,「補足率が低い」(全5,200世帯の約16%の830万世帯が貧困世帯であり,その約20%(160万世帯)しか補足できていない)という指摘がある。
→しかし,現行の生活保護については,財政的な問題(2011年度には3兆5,015億円)があるとして,財務省の意向に沿って,基本的には給付を抑制する方向で制度改革が進められている。法の動向では,2014年7月の「改正生活保護法」において,窓口での申請書提出の原則義務付けや,親族や雇い主に対する調査権限の強化などが盛り込まれて,生活保護を受けるハードルを高くしたため,支援の対象とならない生活困窮者が増加することから,それに対応するために作られたのが,2015年4月から施行される「生活困窮者自立支援法」である。今回の報告書も,この流れに沿う形で,「住宅扶助」と暖房費などの「冬季加算」が検討・検証され,2015年度予算案から削減されることの裏付けになる。
→公平性を欠く制度運用は改善しつつ,それだけにとらわれず,「セーフティネット全般」についての抜本的な改革が必要とされていることは言うまでもない。(筆者)
1/8 内閣府 「尖閣諸島に関する世論調査結果」および「竹島に関する世論調査結果」 ・2014年12月25日,内閣府は,2014年11月に実施した「尖閣諸島に関する世論調査」および「竹島に関する世論調査」の結果を公表した。
<世論調査結果のポイント>
「尖閣諸島に関心がある」は74.5%で,2013年の第1回調査から0.8ポイント増加した。なお,「尖閣諸島に関心がない」(24.9%)の理由としては,「自分の生活に影響がない」が55.2%,「知る機会や考える機会がなかった」が37.4%であった。
「竹島に関心がある」は66.9%で,2013年の第1回調査から4.2ポイント低下した。なお,「竹島に関心がない」(30.7%)の理由としては,「自分の生活に影響がない」が64.1%,「竹島に関して知る機会や考える機会がなかった」が35.7%であった。

→竹島への関心が低下したことについては,「尖閣諸島周辺への中国船舶の領海侵入がメディアで多く取り上げられる一方,竹島は取り上げられる機会が減ったため」との内閣府のコメントが報道されている。
→政府の公式見解
(やまだ塾トップページのトピックスを参照)と国民の認識のずれは,早急に修正すべきである。各世代に応じて,認識を共有するための教育を含めた環境整備作りと分かりやすい情報提供の技術向上を進めるべきである。調査は,調査結果を生かさなければ意味がない。(筆者)
2015年
1/6
厚生労働省 「2014年人口動態統計の年間推計」 ・2015年1月1日,厚生労働省は,「2014年人口動態統計の年間推計」を公表した。
<人口動態総覧(前年比較)>
①出生数 :100万1,000人
②死亡数 :126万9,000人
③主な死因の死亡数 :第1位悪性新生物37万人,第2位心疾患19万6,000人,第3位肺炎11万8,000人,第4位脳血管疾患11万3,000人
④死産数 ;2万3,000胎
⑤自然増減数 ;△26万8,000人
⑥婚姻件数 :64万9,000組
⑦離婚件数 :22万2,000組

→2014年の日本の出生数は過去最少の100万1千人で,出生率(人口千対)は8.0 であった。2013年出生率の暫定値では,アメリカ12.5,フランス12.2,ドイツ8.5,イタリア8.5などを下回り,国際的にも低い数値となっている。
→少子化対策の切り札は,出生率の向上である。日本の合計特殊出生率は2013年時点で1.43であるが,人口維持のため必要な出生率は2.07~2.08と言われている。第2次安倍内閣の下で創設された「まち・ひと・しごと創生本部」では,「まち・ひと・しごと創生長期ビジョン(長期ビジョン)」と「まち・ひと・しごと創生総合戦略(総合戦略)」をとりまとめ,2014年12月27日に閣議決定された。この中で,「合計特殊出生率を1.8程度に改善することを目指す」と明記されている。少子化対策は,社会構造全体に影響を及ぼす国家的な喫緊の課題である。
→価値観が多様化している若者世代でも,多くは結婚や出産を望んでいる。「第三次安倍改造内閣」においては,間抜けで無効な家族政策からの離脱を強く望みたい。また,「大惨事安倍改造内閣」と揶揄されないことを願う。(筆者)
12/26 厚生労働省 「第3次安倍内閣」における厚生労働省政務三役が決定した ・2014年12月24日に「第3次安倍内閣」における閣僚名簿が,12月25日には副大臣及び大臣政務官名簿が公表された。
・なお,厚生労働省政務三役は「第2次安倍内閣」からの再任である。
厚生労働省の新政務三役 (2014年12月25日付)敬称略
大臣 塩崎恭久 ・63歳,自民党,愛媛1区,衆議院,当選は衆議院7回/参議院1回
・ハーバード大学大学院修了。日銀出身。官房長官,外務副大臣,内閣官房長官・拉致問題担当大臣など。「第2次安倍改造内閣」から再任
https://www.y-shiozaki.or.jp/
副大臣 永岡桂子 ・60歳,自民党,北関東ブロック,衆議院,当選は衆議院4回
・学習院大学法学部卒業。2006年9月発足の第1次安倍内閣で農林水産大臣政務官。「第2次安倍改造内閣」から再任
http://keiko-nagaoka.jp/
山本香苗 ・43歳,公明党,全国ブロック,参議院,当選は参議院3回
・京都大学文学部卒。前職は外務省職員。経済産業大臣政務官,参議院総務委員長。「第2次安倍改造内閣」から再任
http://www.yamamoto-kanae.com/
政務官 橋本岳 ・40歳,自民党,岡山4区,衆議院,当選は衆議院3回
・慶大大学院政策・メディア研究科修士課程修了。父は元総理の故橋本龍太郎氏。「第2次安倍改造内閣」から再任
https://ga9.jp/
高階恵美子 ・50歳,自民党,全国ブロック,参議院,当選は参議院1回
・東京医科歯科大学大学院医学系研究科博士課程後期中退。看護師・保健師,前職は日本看護協会常任理事。「第2次安倍改造内閣」から再任
http://www.takagai-emiko.net/
12/25 首相官邸 2014年12月24日に「第3次安倍内閣」が発足し,安倍首相の記者会見が行われた

(12/26追記)
「第3次安倍内閣 副大臣名簿」
「第3次安倍内閣 大臣政務官名簿」
・2014年12月24日,午前に,2014年9月に発足した「第2次安倍改造内閣」の閣議で総辞職し,午後に,「第188特別国会」の衆参両院の本会議において,安倍首相が「第97代の総理大臣に選出され,夜に,自民・公明両党との連立による「第3次安倍内閣」が発足し,安倍首相の記者会見が行われた。
・なお,閣僚人事では,江渡氏に代わって,中谷元防衛庁長官が新防衛大臣に就任したが,他の閣僚(17名)は再任となっている。

(参考)
「第3次安倍内閣 基本方針」
「第3次安倍内閣 内閣総理大臣談話」
「第3次安倍内閣 閣僚等名簿」
「第3次安倍内閣 内閣総理大臣補佐官名簿」
12/24 厚生労働省 「今後の長時間労働対策について」 ・2014年12月22日,厚生労働省は,全国労働基準部長会議を臨時に開催し,長時間労働対策について,年明けから取り組むことを公表した。
<対策のポイント>】
◎都道府県労働局に「働き方改革推進本部」を設置し,地方公共団体等の協力を得つつ,各局幹部による企業経営者への働きかけを行うとともに,地域全体における働き方の見直しに向けた気運の醸成に取り組む。
◎時間外労働が月100時間を超える事業場等への監督指導を徹底し,厚生労働省本省がインターネットを監視して収集した,過重労働が疑われる企業等の情報を監督指導等に活用する。
◎メンタルヘルスの一層の向上に向けてストレスチェック制度の周知等に取り組む。

→2014年6月24日に,「日本再興戦略(改訂2014)」が閣議決定され,「働き過ぎ防止のための取組強化」が盛り込まれた。2014年6月20日に「過労死等防止対策推進法」が成立した。厚生労働省には,2014年9月に「長時間労働削減推進本部」が,2014年12月に「過労死等防止対策推進協議会」が設置された。長時間労働対策の強化は喫緊の課題となっているのに,対応が遅すぎるように思う。
→ありていに言えば,筆者は,長時間労働の元凶は,アホな教育機関,経営者,労働組合の存在の放置にあると考える。すなわち,教育機関による労働ルール教育を制度化し,労基法違反を承知で行う経営者を厳罰化し,労基法の36協定の労働組合による抜け道を禁止することでおおむね対応できると考える。意識を変えて制度を変えるのではなく,制度を変えて意識を変えなければ根治できないと思う。(筆者)
12/19 厚生労働省 「改正労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度に関する検討会報告書」(概要 / 本文 ・2014年12月17日,厚生労働省は,「ストレスチェックと面接指導の実施方法等に関する検討会」および「ストレスチェック制度に関わる情報管理及び不利益取扱い等に関する検討会」(いずれも座長:相澤好治北里大学名誉教授)における報告書を公表した。
・2014年6月25日に公布された「改正労働安全衛生法」により,ストレスチェックと面接指導の実施等を義務づける制度が創設され,2015年12月1日から施行されることになった。2014年10月には両検討会が設置され,具体的な制度の運用方法などについて検討が行われてきた。
・なお,ストレスチェックとは,事業者が労働者に対して行う心理的な負担の程度を把握するための検査であり,従業員数50人未満の事業場は制度の施行後,当分の間努力義務とされている。
<報告書のポイント>
①ストレスチェックの実施について

・ストレスチェックの実施者となれる者は,医師,保健師のほか,一定の研修を受けた看護師,精神保健福祉士とする。
・ストレスチェックの調査票は,「仕事のストレス要因」,「心身のストレス反応」および「周囲のサポート」の3領域を全て含むものとする。具体的な項目数や内容は,事業者自ら選定可能だが,国が推奨する調査票は「職業性ストレス簡易調査票(57項目)」とする。

②集団分析の努力義務化
・職場の一定規模の集団(部,課など)ごとのストレス状況を分析し,その結果を踏まえて職場環境を改善することを努力義務とする。

③労働者に対する不利益取扱いの防止について
・ストレスチェックを受けない者,事業者への結果提供に同意しない者,面接指導を申し出ない者に対する不利益取扱いや,面接指導の結果を理由とした解雇,雇止め,退職勧奨,不当な配転・職位変更等を禁止する。

→今回のストレスチェック制度は,労働者に受ける義務はないが,事業者には労働者に受けさせる義務がある,という不思議な制度である。それ故に,隠された深い理由(企み)があるように思えてならない。(筆者)
12/17 - ■2014年12月24日に「特別国会」が召集される ・2014年12月14日の衆議院総選挙の投開票を受け,首相指名選挙を行う「特別国会」が12月24日から3日間の会期で召集される。同日中に,「第3次安倍内閣」が発足すると見られている。

→今後の予定では,円安対策や低所得者向けの給付金を柱とする「経済対策」は12月27日に,「税制改正大綱」は12月30日に,経済対策の裏付けとなる「2014年度補正予算案」は2015年明けに,「2015年度予算案」は2015年1月14日に,閣議決定されるのではないかと見られている。なお,2015年4月12日に統一地方選挙が予定されており,それまでには「2015年度予算案成立」が必要になってくる。(筆者)
12/16 厚生労働省 「健やか親子21(第2次)」(パンフレット) ・2014年12月11日,厚生労働省は,2015年4月から開始される「健やか親子21(第2次)」のパンフレットを公表した。
●「健やか親子21」は,21世紀の母子保健の主要な取組を提示するビジョンであり,かつ関係者,関係機関・団体が一体となって推進する国民運動計画である。また,安心して子どもを産み,ゆとりを持って健やかに育てるための家庭や地域の環境づくりという少子化対策としての意義と,少子・高齢社会において国民が健康で元気に生活できる社会の実現を図るための国民健康づくり運動である「健康日本21」の一翼を担うという意義を有している。
●「健康日本21」は,2000年度から2012年度までは「健康日本21」(21世紀における国民健康づくり運動)が行われ,2013年から2022年までは「健康日本21(第2次)」(21世紀における第2次国民健康づくり運動)が行われている。
●「健やか親子21」は,2001年度から2014年度までは「健やか親子21」が行われ,2015年度から2024年度までは「健やか親子21(第2次)」が行われ,「すべての子どもが健やかに育つ社会」の実現を目指している。なお,2013年11月28日に,「健やか親子21 最終評価報告書」が公表されている。

→最近の面白い話題である。中国の「2014年経済青書」(2015年の経済情勢を分析予測する)において,「一人っ子政策」を早期に完全撤廃するように提言し,同時に,急激な少子高齢化と労働人口減少の課題に直面しながら対応に失敗した「典型例」として日本を上げている。さも,りっぱそうな見せかけの国民運動計画を作っているが,後進国からも馬鹿にされていることを日本国民だけが知らないという状況にあるということか。(筆者)
12/15 厚生労働省 「70歳未満の高額療養費制度が2015年1月診療分から変わる」 ・健康保険制度の改正に伴い,70歳未満の高額療養費の自己負担限度額の区分が,2015年1月診療分より3区分から5区分に細分化される。
<今回の変更のポイント>
①変更の対象は70歳未満の高額療養費制度の自己負担額で,70歳以上の自己負担に変更はない。
②年収約770万円以上(標準報酬月額53万円以上,旧ただし書き所得600万円以上)の者は負担が増える。
③年収約370万円未満(標準報酬月額26万円以下で住民税課税者,旧ただし書き所得210万円以下)の者は負担が減る。

(参考)
現行の高額療養費制度とは

→高額療養費制度とは,月の初めから終わりまでの医療費が高額になった場合に,一定の自己負担額を超えた部分が払い戻される制度である。なお,差額ベッド代,食事代,保険外の負担分は対象とはならない。
→高額療養費制度を最大限活用するには,①できれば月をまたがず入院すること,②入院前に「限度額適用認定証」を用意しておくこと,を留意すべきだと言われている。(筆者)
12/11 内閣府 「ガス(都市ガス・LPガス)を安全・快適に使うチェックポイント」 ・2014年12月5日,政府広報オンラインにおいて,「ガス(都市ガス・LPガス)を安全・快適に使うチェックポイント」が掲載された。
<掲載記事の構成>
(1)家庭のガス事故は減っていないの?

●都市ガス,LPガスともに,非重大事故の件数は近年,増加傾向に。

(2)ガスを安全に使うには?
●ガス使用時には必ず換気。ガス機器・ガス設備は定期的に点検を。
<ガスを安全・快適に使うための6つのチェックポイント>
①ガス機器を使うときは必ず換気を!
②万一のガス漏れなどを知るために、警報器の取り付けを!
③ガス機器の接続は、形状に合った適切な接続具を!
④使用していないガス栓の誤開放にご注意を!
⑤日頃からガス機器・換気設備の定期的な清掃・メンテナンスを!
⑥古いガス機器は安全型ガス機器への早めの交換を!

(3)地震でガスが止まったときは?
地震の際はガスメーターが自動的にガスを遮断。ガス臭いときは窓を開けて,火気厳禁。

(4)古くなったガス管はどうすればいいの?
●腐食が進んだ古いガス管はガス漏れの原因に。早めに取り替えましょう。

(5)ガス機器の安全性は?
●ガス漏れや一酸化炭素中毒,火災などの事故を防ぐため様々な改善がされています。

→LPガスは「LPG」「プロパンガス」と呼ばれてる。Liquefied(液化された)Petroleum (石油)Gas(ガス)という名称である。プロパンガスは自由料金で,都市ガスは公共料金である。LPガスはプロパン,ブタンなどを主成分とする炭化水素で(HC)で,一酸化炭素(CO)は含まれていない。プロパンガスは「空気より重く下の方に溜まる」が,都市ガスは「空気より軽く上の方に溜まる」。プロパンガスと都市ガスの利用者数は,全世帯の半々である。・・・ などの基本的な情報すら正確に知らない人が多い。生活に密着した事柄でありながら,安全性を含めた行政の広報・啓発活動に問題がある。(筆者)
12/10 厚生労働省 「2013年国民健康・栄養調査結果」 ・2014年12月9日,厚生労働省は,「2013年国民健康・栄養調査結果」を公表した。
・「国民健康・栄養調査」は,国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基礎資料として,国民の身体の状況,栄養摂取量及び生活習慣の状況を明らかにするため毎年実施されている。2013年は重点項目として,様々な基準の策定に関わる実態を把握している。
<調査結果のポイント>
主な生活習慣に関する状況

・食事,身体活動・運動,喫煙,睡眠の状況について,性・年齢階級別に見ると,60歳以上で良好だが,20歳代及び30歳代では課題が見られた。
②食品群の組合せの状況
・3食ともに,穀類,魚介類・肉類・卵・大豆(大豆製品),野菜を組み合わせて食べている者の割合は,男女ともに年齢が若いほど低い傾向にある。
③身体状況に関する状況
・肥満者の割合について,女性は減少傾向,男性は2011年以降,増加に歯止めがかかっている。血圧の平均値は,男女ともに低下傾向にある。
④たばこに関する状況
・受動喫煙の影響をほぼ毎日受けた者の割合は,2008年と比べて学校,遊技場を除く全ての場(家庭,職場,飲食店,行政機関,医療機関)で有意に減少している。

→以下は,「2013年国民健康・栄養調査結果」に関する新聞記事の抜粋であるが,「女性のスリム志向」に集中している。
●「やせ型女性,過去最多 20代の5人に1人以上」(産経新聞 )=厚労省は「20~30代は食事のバランスが悪く,運動習慣が少ない傾向にあることが影響しているのではないか」と分析している。
●「若い女性の摂取カロリー,70歳以上と同水準」(読売新聞)=厚労省は「20歳~40歳代の減量志向が続いており,健康面での将来的な影響が懸念される」と話している。
→無理なダイエットや偏った食生活は,健康を維持する上で大切な栄養素の不足を招くと同時に,若い女性や妊婦の低栄養は,その子どもにも生活習慣病のリスクを高めることが指摘されている。メディアが作り出した「過度な女性のスリム志向」への対策は,「女性自身の自覚」以外にはないと思う。(筆者)
12/8 厚生労働省 「児童虐待防止対策のあり方に関する専門委員会これまでの議論のとりまとめ」 ・2014年11月28日,厚生労働省は,「児童虐待防止対策のあり方に関する専門委員会これまでの議論のとりまとめ」を公表した。
・「社会保障審議会児童虐待防止対策のあり方に関する専門委員会」は,児童虐待相談の対応件数の増加や多数の重篤な児童虐待事例があることに鑑み設置され,第1回(2014年9月19日)~第5回(11月28日)が開催され,11月28日に「児童虐待防止対策のあり方(提言)」が示された。
<「児童虐待防止対策のあり方(提言)」の項目>
①妊娠期からの切れ目ない支援のあり方
②初期対応の迅速化や的確な対応のための関係機関の連携強化
③要保護児童対策地域協議会の機能強化
④児童相談所が虐待通告や子育ての悩み相談に対して確実に対応できる体制整備
⑤緊急時における安全確認、安全確保の迅速な実施
⑥その他


<参考>
第1回~第3回専門委員会への事務局提出資料
「子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について(第10次報告)」
2015年度児童虐待防止対策関係予算概算要求

→この提言に呼応する形で,現在,内閣府の「政府広報オンライン」において,「特集-子育て支援:子育て支援ー子どもの笑顔のために,子育ての悩みや不安を感じたら,まずはご相談ください。」という記事が掲載されている。なお,内閣官房において,政府全体として関係省庁が連携して効果的な児童虐待防止対策を講じるため,2014年8月に「児童虐待防止対策に関する副大臣等会議」が設置されているので,政府全体の総意がこの薄っぺらな記事ということになる。
→残念ながら,政府全体のスピード感や認識がこの程度だということと理解した。(筆者)
12/4 厚生労働省 「生活保護の被保護者調査(2014年9月分)」 ・2014年12月3日,厚生労働省は,「生活保護の被保護者調査(2014年9月分)」を公表した。
・2014年9月の生活保護受給者が216万4,909人(前月比1,757人増)となった。受給世帯は161万1,953世帯(同2,123世帯増)で,5か月連続で過去最多を更新している。

→直近の生活保護に関する話題である。
永住資格を持つ中国籍の82歳の女性が,生活保護申請を却下した大分市の処分は違法だとして,市に処分の取り消しを求めていた訴訟の上告審判決で,2014年7月18日,最高裁第2小法廷(千葉勝美裁判長)は,外国人には生活保護法は適用されない,受給権もないという初めての判断を示した。
→歴史的な経緯は,1950年の「新生活保護法」において,国民でなければ受給できない仕組みに変更されたが,1954年に厚生省社会局長名で「生活に困窮する外国人に対する生活保護の措置について」という通知を出し,当分の間,生活に困窮する外国人に対しては生活保護が受けられることにされ,それが現在まで続いているということである。なお,1981年に日本が「国連難民条約」を批准した際,「永住外国人等にも生活保護は準用されている」という事実をもって生活保護法の国籍条項を改正しないこととして難民条約を批准している。
→生活保護制度は,事業費ベースで2012年の総額は3兆6,284億円となっている。外国人世帯は,2005年から2011年の6年間で1.5倍に増加し,韓国・北朝鮮が約3万世帯,フィリピンが約5,000世帯の順とされている。
→2011年12月時点の政府の公式見解は,「通知は,地方公共団体に法的な義務を課するものではないが,厚生労働省としては,一定の外国人に対し,人道上の観点から,生活保護法に基づく保護に準じた保護を行うという本通知の趣旨に鑑み,地方公共団体に本通知の内容に沿った取扱いをしていただきたいと考えている。」というものであった(生活保護制度における外国人の取扱いに関する質問主意書および答弁書)。
→結論だけをいえば,筆者は,外国人はそれぞれ自国で生活保護を受けるべきと考える。正確な情報を提供したうえでの世論が重要である。(筆者)
12/3 - ■2014年12月2日に「第47回衆院選」が公示された(12月14日投開票) ・2014年12月2日,「第47回衆院選」が公示され,12月14日の投開票に向けて12日間の選挙戦が始まった。
自民党の「社会保障・雇用」に関する主な公約
●消費税財源はその全てを社会保障に使い2017年4月までの間も子育て支援,医療などの充実を図る。
●「全ての女性が輝く社会」を目指す。子ども3人以上の世帯への子育て負担軽減策を検討。1兆円超程度の財源を確保し,子育て支援の量的拡充と質の改善を図る。ベビーシッターや家事費用の支援策導入。2017年度末までに約40万人分の保育の受け皿を確保する。
●派遣労働者らの正規雇用への転換を果断に進める。

→消費税の再増税先送りにより,「社会保障と税の一体改革」をするための財源は,2015年度が4,500億円,2016年度が1兆3,500億円不足することになった。それでも,自民党・公明党は,消費税率を10%に上げる2017年度までの間も,子育て支援や医療,介護などを充実させることを公約している。現在の社会保障は,国債発行のよる将来世代へのつけ回しでまかなわれている。アベノミクスに欠けているのは「低成長時代でも持続可能な社会保障制度への改革の本気度」だと指摘されている。
→2014年12月1日,アメリカ格付け会社は,再増税の先送りなどで財政赤字の削減目標の達成に「不確実性が高まった」として,日本国債の格付けを1段階引き下げ,12月2日には,日本国債の格下げによって,日本政府が銀行を支援する能力が下がったとして,邦銀5行の格付けを1段階引き下げた。
→安倍首相は,今回の総選挙を「アベノミクス解散」と称している。第1の矢や第2の矢では潜在成長率を高めるには限界があり,肝心要の第三の矢であった成長戦略がほとんど進まず,アベノミクスのほころびが広がり始めている。海外では,すでにアベノミクスは失敗したと結論付けられているのに,日本国民だけがまだ煙に巻かれている状況にあるのかも知れない。このタイミングこそが,安倍首相の解散の狡猾なねらいかも・・・。(筆者)
12/1 内閣府 「知っておきたい「年金」の手続き」(会社員などの配偶者に扶養されている方,扶養されていた方(主婦・主夫)へ ・2013年6月に「公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律」が公布された。
・同法の「厚生年金基金制度の見直し」(厚生年金保険法等の一部改正部分)については,2014年4月1日に施行され,適格年金と同様に10年かけて厚生年金基金制度が原則廃止されることになった。
・また,「第3号被保険者不整合記録問題への対応」(国民年金法の一部改正部分)については,以下の通りの施行となった。
(1)2013年7月1日施行
①時効消滅不整合期間の特定期間(カラ期間)化
②特定保険料の納付(特例追納)(2015年4月~2018年3月の時限措置)
③不整合記録を有する者の老齢給付の特例
④不整合記録を有する者の障害給付及び遺族給付の特例
⑤健康保険組合,共済組合等からの情報の提供等
・医療保険(短期給付)の被扶養配偶者の情報を入手することができる。
・共済組合等は,第2号被保険者の資格喪失の情報を厚生労働大臣に情報提供しなければならない。


(2)2014年12月1日施行
⑥第3号被保険者(被扶養配偶者)に該当しなくなったことの届出
・第3号被保険者が第2号被保険者の被扶養配偶者でなくなった場合,その旨,事業主等を経由して日本年金機構に届け出なければならない。

→とにかく,「日本年金機構」の文章や説明は,多くの国民にはわかりにくいし,煩雑である。厚生労働省は,「分かりやすい文書を作る」,「わかりやすく解説する」ことを徹底すべきである。
→ところで,「労働者福祉健康機構」が障害者雇用を水増しし,虚偽報告をしていたことを長年見過ごしてきた,いい加減な厚生労働省の体質に,多くの国民が不信感を持ち,落胆しているという現状を,「あの障害者自立支援法」を作った事務次官あたりはきちんと認識しているのだろうか。(筆者)
11/28 厚生労働省 「障害保健福祉施策の動向(最新)」 ・2014年11月27日,厚生労働省は,11月25日に開催された「第59回社会保障審議会障害者部会」の会議資料を公表した。
<「障害保健福祉施策の動向等」の構成>
(1)障害者の数
(2)障害福祉サービスの実利用者数の推移
(3)障害福祉サービス等予算の推移
(4)障害保健福祉施策のこれまでの経緯
(5)障害者総合福祉法の骨格に関する総合福祉部会の提言の概要(2011年8月30日))
(6)障害者総合支援法施行後3年を目途とした見直し事項
①常時介護を要する障害者等に対する支援
②障害者等の移動の支援
③障害者の就労の支援
④障害支援区分の認定を含めた支給決定の在り方
⑤障害者の意思決定支援の在り方,障害福祉サービスの利用の観点からの成年後見制度の利用促進の在り方
⑥手話通訳等を行う者の派遣その他の聴覚,言語機能,音声機能その他の障害のため意思疎通を図ることに支障がある障害者等に対する支援
⑦精神障害者に対する支援
⑧高齢の障害者に対する支援

→障害者の総数は787.9万人(人口の約6.2%)で,このうち身体障害者393.7万人,知的障害者74.1万人,精神障害者320.1万人であり,障害者数全体は増加傾向,在宅・通所の障害者も増加傾向となっている。
→3福祉士受験者には,「戦後の障害者施策の歴史(1946年~2013年)」「改正障害者基本法(2011年8月5日施行)」「第3次障害者基本計画(2013年度~2017年度)」「障害者総合支援法(2013年・2014年4月1日施行)」「障害者差別解消法(一部の附則を除き2016年4月1日施行)」にも目を通しておいていただきたい。(筆者)
11/26 厚生労働省 「2013年度 都道府県・市区町村における障害者虐待事例への対応状況等(調査結果報告書)」 ・2014年11月25日,厚生労働省は,2012年10月に施行された「障害者虐待防止法」に基づいて,「2013年度 都道府県・市区町村における障害者虐待事例への対応状況等(調査結果報告書)」を公表した。
<調査結果の概要>
  養護者による障害者虐待 障害者福祉施設従事者等による障害者虐待 使用者による障害者虐待 (参考)
都道府県労働局の対応
市町村等への相談・通報件数 4,635件 1,860件 628件 虐待判断件数
253件
市町村等による虐待判断件数 1,764件 263件
被虐待者数 1,811人
(うち死亡2人)
455人
(うち死亡1人)
被虐待者数
393人

→家族や福祉施設の職員での被虐待障害者が2,226人(今回発表分),職場での被虐待障害者が193人(2014年7月発表分)で,厚生労働省が把握する2013年度の被虐待障害者数の合計は2,659人となった。今回の調査において,虐待の種別は,「福祉施設」では,身体的虐待(56.3%),心理的虐待,性的虐待(11.4%),経済的虐待,放棄・放置の順で,「養護者」では,身体的虐待(63.3%),心理的虐待,経済的虐待,放棄・放置の順であった。
→普通の感覚をもってすれば,このような虐待に関する公表される調査結果は「氷山の一角」であることぐらい想定できるはずである。口にせず,詳しく知ろうとせず,知っても知らないことにしているだけである。また,「障害者虐待防止法」では,学校や病院での虐待は通報の対象外であることには目をつぶったままである。もし,最も虐待が多いと想定されている精神科病院での虐待をカウントしたらどのような結果になる?(筆者)

11/25 - ■第187回臨時国会での政府提出法案の成立率は69.7%であった ・第187臨時国会は,2014年9月29日~11月30日(63日間)が会期予定であったが,2014年11月21日,衆議院解散で閉会した(実質会期は54日間)。
・政府が提出した33法案のうち23本が成立し,法案成立率は69.7%であり,また,党首討論は実施されなかった。
<成立した政府提出の主な法案>
・給与法改正案(11/12成立)・・・国家公務員の月給と賞与を引上げる
・災害対策基本法改正案(11/14成立)・・・災害時の放置車両強制撤去
・感染症法改正案(11/14成立)・・・感染症の情報収集体制を強化
・テロ資金提供処罰法改正案(11/14成立)・・・資金以外の不動産等提供,間接支援者を処罰対象に追加
・不当景品類及び不当表示防止法改正案(11/19成立)・・・不当事業者への課徴金制度を導入
・地方創生関連2法案(まち・ひと・しごと創生法案、改正地域再生法案)(11/21成立)・・地方創生の基本理念などを定める

<成立した議員提出の主な法案>
・サイバーセキュリティ基本法案(11/6成立)・・・サイバー攻撃の増加・高度化への対応
・空家等対策の推進に関する特別措置法案(11/19成立)・・・市町村に空家撤去・修繕命令権を付与
・私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律案(11/19成立)・・・リベンジポルノの防止


<廃案になった主な法案>
①女性活躍推進法案・・・企業に女性登用の数値目標の設定を義務化
②改正労働者派遣法案・・・派遣労働者の受け入れ期間の制限をなくす
③改正国会戦略特区法案
④統合型リゾート施設(IR)整備推進法案
⑤五輪担当相新設特別措置法案
⑥改正公職選挙法案
⑦改正風俗営業法案
⑧公認心理師法案・・・心理職国家資格化


(参考)
提出法案(衆法,参法,閣法)一覧

→安倍首相は,所信表明で第187回臨時国会を「地方創生国会」と位置づけ,「女性が輝く社会」の構築をテーマとして上げていたが,「地方創生関連2法案」(まち・ひと・しごと創生法案,改正地域再生法案)は解散・閉会日の11月21日に駆け込みで成立したもので,重要法案の「女性活躍推進法案」は廃案となった。また,同じく重要法案であった,「改正労働者派遣法案」も廃案となった。衆議院選挙によるリセット後,2015年の通常国会で上記2重要法案は再提出されるとみられている。(筆者)
11/20 内閣府 「休み方改革ワーキンググループ 報告書」(概要 / 本文 ・2014年11月18日,内閣府は,ワーク・ライフ・バランスの推進などの政策を,休み方の観点から検討していた「休み方改革ワーキンググループ」(座長:高橋日本総合研究所理事長,経済財政諮問会議議員)の報告書を公表した。
・報告書では,有給休暇の取得を促すため,祭りなどのイベントに合わせ地域ごとに「休日」を設ける「ふるさと休日」の制度創設を提言している。
・今後,報告書は,政府の「経済財政諮問会議」と経済界と労働界の代表らを集めた「政労使会議」に提出されるとのことである。

「休み方改革ワーキンググループ」では,観光庁や経済産業省がオブザーバーを務めており,ワーク・ライフ・バランスの推進だけでなく,祭りなどの開催日に地域限定の休日を設けることで,観光産業など地域経済の活性化にもつなげようとしている。
→平日であろうがなかろうが,祭りなどのイベントへの参加が少ないのは,イベントに魅力がないことの方が問題ではないかと思う。また,国際的に見ても劣悪な有給休暇取得状況を改善したいのであれば,労働基準法等の法整備を検討するのが先決ではないかと思う。見事に話がすり替えられている。(筆者)


(参考)
「休み方改革ワーキンググループ」(内閣府)
11/19 首相官邸 安倍首相の記者会見(消費税の増税延期と衆議院の解散) ・2014年11月18日,安倍首相は,記者会見し,2015年10月に予定されていた消費税率10%への引き上げを2017年4月まで1年半延期を表明し,増税延期の判断について国民に信を問うためとして,衆議院を2014年11月21日に解散すると明言した。なお,選挙日程は,12月2日公示,12月14日投開票である。

→2012年の衆議院選挙で自民党公約を掲げ,安倍政権が発足した。2年経過して,以下の重要な公約違反が明確になった。
①経済 :名目経済成長3%以上⇒
2014年7-9月期GDP速報値は年3%減(2013年度は1.9%増)
②TPP :交渉参加に反対⇒
交渉参加
③政治改革 :議員定数の削減など⇒
実現していない
④原発 :原発に依存しない⇒
原発は重要なベースロード電源で,再稼働を推進
⑤エネルギー :再生エネルギーの最大限の導入⇒
固定価格買取制度による受け入れ手続き中断
⑥集団的自衛権 :国家安全保障基本法を制定⇒
憲法解釈変更の閣議決定で行使を容認
⑦特定秘密保護 :記載なし⇒
特定秘密保護法を制定
→2013年に法制化された「社会保障と税の一体改革」は,消費税増税(5%)による社会保障制度の維持・充実を目的とするものであった。5%分の税収(年14兆円)を子育て・医療・介護・年金の財源に充てる計画であった。内訳としては,4%分(11兆2千億円)を制度維持に,1%分(2兆8千億円)を制度充実に充てることになっていた。特に,制度充実では,2015年度からスタートする「子ども・子育て支援制度」には,消費税10%時に毎年1兆1千億円が費やされ,消費税から7千億円充てる計画であった。今後,社会保障制度は,種々の面で負担増とサービスの削減で対処される。もちろん,介護職員の処遇改善の実施も見送りとなる。
→消費税増税10%を1年半も延期(2017年4月)した主たる理由は,2016年の参議院選挙の争点から避けたい意図であることは周知である。公約もアベノミクスも社会保障制度も,どうでもいいと考えている政権・与党であったことがはっきりした。結局,辻褄が合わなくなってきたので,700億円の税金を使った選挙をしてリセットするということである。(筆者)
11/17 厚生労働省 「登録販売者試験に係る試験問題の作成に関する手引き(2014年11月改訂版)」 ・2014年11月11日,厚生労働省は,「登録販売者試験に係る試験問題の作成に関する手引き(2014年11月改訂版)」を公表した。
・これまで登録販売者試験の受験には1年以上の実務経験(高卒以上の学歴がない場合は4年以上の実務経験),もしくは大学の薬学部卒業などの学歴が必要であった。しかし,2014年7月31日の「医薬品,医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則の一部を改正する省令」の公布により,これらの受験資格が廃止になり,2015年度試験より受験資格の規定がなくなることとなった。

→「登録販売者資格」は,ドラッグストア・薬局などで市販薬を販売するための資格で,2015年度試験からは受験資格がなくなり,実務経験・学歴を問わず,誰でも受験できる資格になる。登録販売者が販売できる医薬品は,一般用医薬品(市販薬)のうちの第二類医薬品と第三類医薬品で,副作用などで特に注意を必要とする第一類医薬品を扱うことはできないが,市販薬の約9割が第二類・第三類であるため,ほとんどの市販薬を販売できる。なお,「店舗管理者」になるための要件は,「登録販売者資格+実務経験2年」と変更されている。
→福祉専門職としても,役立つ資料と思われるので紹介した。(筆者)
11/14 厚生労働省 「乳がん検診等の実態について」 ・2014年11月13日,「第10回がん検診のあり方に関する検討会」が開催され,会議資料が公表された。

→乳がん検診受診率の国際比較(2010~2012年)では,アメリカ80.4%,フランス75.4%,イギリス72.6%ドイツ68.4%,日本36.4%である。また,子宮頸がん検診受診率では,アメリカ85.0%,ドイツ78.7%,フランス71.1%,イギリス68.5%,日本37.7%である。
→「面倒だから」「費用が高いから」という理由で婦人科検診を定期的に受けない日本女性。「自分の身は自分で守る」が理解できていない日本女性。末期がん女性の薄っぺらい愛情ドラマや映画を好む日本女性。もう何も言うことはない。(筆者)
11/13 農林水産省 「新しい介護食品」の愛称が「スマイルケア食」に決定された ・2014年11月11日,農林水産省は,栄養状態が悪い人や食べるための機能に問題がある人に向けた食品群である「新しい介護食品」の愛称を「スマイルケア食」と決定し,小売店等で商品を選択する際に活用できる早見表として,「『新しい介護食品』の選び方」を策定したことを発表した。

→公募でありながら,官僚が決定したと思われる厚生労働省の「危険ドラッグ」と同様,意味不明のトンチンカンな名称で決定された。筆者は,「介護」という言葉のイメージが悪いというのは言いがかりではないかと思っている。「介護食」を「スマイルケア食」に変えたら,何かいいことでもあるのでしょうか。ことのついでに,「介護職」を「スマイルケア職」に言い換えてしまったらどうでしょうかねえ。(筆者)

→●8/18(■「新しい介護食品」の愛称公募について)を参照
11/12 国立社会保障・人口問題研究所 「2012年度 社会保障費用統計」(概要 / 本文 ・2014年11月11日,国立社会保障・人口問題研究所は,「2012年度 社会保障費用統計」を公表した。
<集計結果のポイント>
①2012年度の「社会支出」総額は112兆7,475億円で過去最高である。(対前年度増加額7,274億円,伸び率0.6%)
②2012年度の「社会保障給付費」総額は108兆5,568億円で過去最高である。(対前年度増加額1兆507億円,伸び率1.0%)
③国民1人当たり「社会支出」は88万4,200円,「社会保障給付費」は85万1,300円である。
④社会支出を政策分野別でみると,「高齢」53兆6,272億円,「保健」36兆8,735億円で,この2分野で総額の80.3%となる。
⑤社会保障給付費は,「医療」34兆6,230億円(31.9%),「年金」53兆9,861億円(49.7%),「福祉その他」19兆9,476億円(18.4%)に分類される
⑥社会保障給付費に対応する,社会保険料や公費による負担などの「社会保障財源」は,総額127兆555億円(前年度比11兆3,987億円,9.9%の増)である。

→「社会保障費用統計」は,年金,医療保険,介護保険,雇用保険,生活保護など,社会保障制度に関する1年間の支出を,OECD(経済協力開発機構)基準による「社会支出」とILO(国際労働機関)基準による「社会保障給付費」の2通りで集計されている。「社会支出」は「社会保障給付費」と比べ,施設整備費など直接個人に渡らない支出まで集計範囲に含んでおり,国際比較の観点から重要な指標であることから,多くの国々で活用されている。
→なお,国立社会保障・人口問題研究所は,従来から毎年ILO基準による「社会保障給付費」を公表していたが,2012年7月に社会保障費用統計として統計法2条第4項第3号による基幹統計指定を受けたことに伴い,2010年度版よりその名称を「社会保障費用統計」と改め,ILO基準に加えてOECD基準の社会支出の集計結果を追加して公表している。
→社会支出(113兆円),社会保障給付費(109兆円)とも過去最高を更新した。統計を取り始めた1950年代から一貫して増加している。高齢化による膨張への「無為無策」を改めて感じる。(筆者)
11/11 首相官邸 「認知症サミット日本後継イベント(2014年11月6日)」での安倍首相の挨拶(動画) ・2014年11月6日,安倍首相は,「認知症サミット日本後継イベント」に出席し,開会式で挨拶を述べ,閉会式では塩崎厚生労働大臣が挨拶を述べた。
・重要なポイントは,現行の認知症施策推進5か年計画(オレンジプラン)に代わる新たな戦略を,2014年内を目途として策定し,2015年度予算編成に新プランの内容を反映させる,とのことである。
・2012年9月に策定された2013~2017年度の認知症施策の推進計画である「オレンジプラン」には,症状の進行状態に応じた「認知症ケアパス」の作成・普及や,認知症初期集中支援チームの設置のほか,本人や家族の手助けを行う認知症サポーターを累計600万人まで増やすといった数値目標が盛り込まれている。
・今後,厚生労働省は,2014年9月に設置した「認知症高齢者等にやさしい地域づくりに係る関係省庁連絡会議」を活用するなどして新プランの内容を詰めるとのことである。同会議は,厚生労働省,内閣府・警察庁,金融庁,消費者庁,総務省,法務省,文部科学省,農林水産省,経済産業省,国土交通省の担当者らで構成されている。

(参考)
「認知症サミット日本後継イベント2日目(2014年11月6日)」(動画)
「厚生労働省の認知症施策等の概要」(2014年9月)
11/10 厚生労働省 「新規学卒者の離職状況(2011年3月卒業者の状況)」 ・2014年11月7日,厚生労働省は,2011年3月に卒業した新規学卒者の卒業後3年以内の「新規学卒者の離職状況(2011年3月卒業者の状況)」を公表した。
<新規学卒者の離職状況のポイント>
●新規学卒者の卒業後3年以内の離職率は,大学32.4%,高校39.6%といずれも前年比増であった。
●事業所の規模が大きいほど,卒業3年後の離職率が低い傾向が見られる。
●産業別に見ると,「宿泊業,飲食サービス業」52.3%,「生活関連サービス業,娯楽業」48.6%,「教育,学習支援業」48.5%の順である。

→若年層の早期離職者は,非正規雇用となり続け,正規雇用に戻れなくなる可能性が極めて高い。その防止対策としては,判で押したように,新卒就職時のミスマッチを減らすことが重要で,小学校から大学までを通したキャリア教育の充実が必要と言われている。
→筆者は,両親が存命の家庭においては,家庭教育が第一義であると考える。職業選択へのアドバイスができない,しない親の責任を無視していては解決のしようがない。少なくとも,大学の名に値しないような大学に行かさなければ,大卒者の離職率は劇的に下がる。(筆者)


(参考)
「若年者雇用対策」(厚生労働省)
「若者雇用戦略の推進」(内閣府)
若年者雇用を取り巻く現状若年者雇用対策の現状(2013年9月)
「2013年若年者雇用実態調査の概況」
11/7 厚生労働省 塩崎厚生労働大臣からエボラ出血熱に関するメッセージ ・2014年10月28日,塩崎厚生労働大臣は,「エボラ出血熱に関するメッセージ」を発表した。
<塩崎厚生労働大臣からエボラ出血熱に関するメッセージ(原文のまま)>
『エボラ出血熱が西アフリカでまん延しており,スペインやアメリカでは,この地域からの帰国者が感染していることが確認され,限定的ではありますが,二次感染の事例も見られております。我が国にとっても,国民の命と健康を守る上で,極めて重要な関心事となっています。
 エボラ出血熱への対応は,まず,この感染症が国内に入り込むことをできる限り防止することが第一であり,このためにでき得る限りの対策を講じ,そのリスクを減らしていきます。一方,どのような対策によっても,そのリスクをゼロにすることはできません。このため,万一,国内で感染事例が発生した場合の対応にも万全を期していきます。
 その対策を進める上では,行政による対応強化,医療機関による適切な対応,国民の協力の3つの取組を三位一体で行い,オールジャパンの体制で取り組むことが重要です。その一環として国民の皆様にお願いがあります。
 まず,エボラ出血熱は,インフルエンザのように容易に飛沫感染する可能性は非常に低く,患者の体液に直接接触することにより感染するとされております。このため,まず,国民の皆様には,冷静な対応をお願いしたいと思います。
 もう一点のお願いは,もし流行国に渡航し帰国した後,1か月程度の間に,発熱した場合には,万一の場合を疑い,地域の医療機関を受診することは控えていただきたい。まず,保健所に連絡をし,その指示に従っていただきたい。感染症指定医療機関への受診につなげるようにいたします。
 エボラ出血熱が万一国内で発生しても,我が国の関係者が一丸となって対応すれば,必ず封じ込めることができます。皆様の御協力を強くお願いしたいと思います。 』

(参考)
「エボラ出血熱に関するQ&A」(厚生労働省)

→エボラ出血熱対策では,行政による対応強化,医療機関による適切な対応,国民の協力の三位一体で行い,オールジャパンの体制で取り組むことが重要,としている。
→また,国民へのお願いとして,①患者の体液に直接接触することにより感染するとされているので冷静に対応してほしい,②もし流行国に渡航し帰国した後,1か月程度の間に,発熱した場合には,地域の医療機関を受診することは控え,まず,保健所に連絡をし,その指示に従ってほしい,という2点である。メッセージ発表後,10日経つが,上記2点のお願いが国民に浸透しているとは思えない。厚生労働省は,日本の報道機関に向けてはどのようなお願いや指示を出しているのだろうか。(筆者)
11/6 内閣府 「ソーシャルビジネスの支援」 ・2014年10月31日,政府広報ライン(暮らしのお役立ち情報)に,『「ソーシャルビジネス」を支援(~社会的課題にビジネスの手法で取り組む人を後押し~)』が掲載された。
<政府の広報文>
『子育て支援や高齢者・障害者の介護、環境保護,まちづくりなど,私たちの周りには,解決しなければならない様々な社会的課題が数多くあります。このような社会の課題解決に向けて,ビジネスの手法を活用して取り組むのが「ソーシャルビジネス」です。日本政策金融公庫では,ソーシャルビジネスの担い手を,資金供給や情報提供,経営支援などの多方面から,積極的に支援しています。』

<広報資料の構成>
(1)ソーシャルビジネスとは
・ビジネスの手法で,地域や社会の課題に取り組む継続的な事業
(2)ソーシャルビジネス展開の課題
・資金の確保や経営ノウハウなどの支援
(3)より利用しやすくなった「新規事業資金」
・子育て・介護サービス分野のソーシャルビジネスを始める場合には,特別利率が適用される
(4)ほかにどんな資金支援が
・設備投資やつなぎ融資など,様々な融資制度が利用できる
(5)ソーシャルビジネスの支援事例
・融資制度を利用した資金的支援や経営相談,ビジネスマッチングなど

(参考)
「ソーシャルビジネス」(経済産業省)
「ソーシャルビジネス研究会報告書(2008年4月)」
11/5 内閣府 「女性の活躍推進に関する世論調査(2014年8月調査)」 ・2014年11月1日,内閣府は,「女性の活躍推進に関する世論調査(2014年8月調査)」を公表した。
<調査項目と結果のポイント>
①「夫は外で働き,妻は家庭を守るべきである」という考え方について

・「賛成」44.6%,「反対」49.4%
②女性が職業をもつことについて
・「子どもができても,ずっと職業を続ける方がよい」44.8%,「子どもができたら職業をやめ,大きくなったら再び職業をもつ方がよい」31.5%,「子どもができるまでは,職業をもつ方がよい」11.7%
③女性の活躍が進んだ時の社会・組織等の姿について
・「男女問わず優秀な人材が活躍できるようになる」65.0%,,「女性の声が反映されやすくなる」55.9%,「多様な視点が加わることにより,新たな価値や商品・サービスが創造される」42.8%,「人材・労働力の確保につながり,社会全体に活力を与えることができる」34.7%
④女性の活躍を進めるに際しての障害について
・「保育・介護・家事などにおける夫などの家族の支援が十分ではないこと」50.1%,「保育・介護の支援などの公的サービスが十分ではないこと」42.3%,「長時間労働の改善が十分ではないこと」38.8%
⑤仕事を選んだ(選ぶ)理由について
・「仕事にやりがいがある」61.0%,「勤務時間・勤務場所の条件が良い」49.0%,「職場の雰囲気が良い」46.3%,「性格・能力が適している」43.0%,「専門知識が生かせる」41.3%
⑥昇進に対するイメージについて
・「責任が重くなる」66.4%,「能力が認められた結果である」54.4%,「やりがいのある仕事ができる」36.6%
⑦女性が働き続けるために,家庭・社会・職場において必要なことに関する意識について
・「保育所や学童クラブなど,子どもを預けられる環境の整備」71.6%,「女性が働き続けることへの周囲の理解・意識改革」49.6%,「男性の家事参加への理解・意識改革」48.6%
⑧出産等で離職した女性が,再び家事以外で活躍する仕方について
・「これまでの知識・経験を生かして働けることを重視し,正社員として再就職する」55.4%,「仕事と家事・育児・介護の両立しやすさなどを重視し,正社員として再就職する」53.1%
⑨男性が家事・育児を行うことについてのイメージについて
・ 「子どもにいい影響を与える」56.5%,「男性も家事・育児を行うことは,当然である」52.1%
⑩男性の柔軟な働き方についての意識について
・ 「育児・介護のための休暇を取得する」53.1%,「リフレッシュのための休暇を取得する」49.0%
⑪女性の活躍推進に関する情報のうち,特に必要な情報について
・「保育所や幼稚園に関する情報(場所,保育料など)」59.9%,「仕事と育児・介護との両立支援制度に関する情報(内容,利用方法など)」46.1%,「介護・家事の支援サービスに関する情報(内容,利用方法など)」45.9%

→本調査に対する新聞の見出しは,以下の通り。各社のスタンスが見て取れて面白い。
●「夫は外,妻は家庭に」反対49%,賛成を上回る(日本経済新聞)
●「夫は外で働き,妻は家庭に」半数が反対(産経新聞)
●「夫は外,妻は家庭」反対が上回る(読売新聞)
●「産後働く」44%,初の減少(毎日新聞)
●「妻は家庭に」44%,女性活躍は限定的(東京新聞)
→重要なのは,「夫は外で働き,妻は家庭を守るべきである」という考え方は,世論としては賛否が半々であるという事実認識である。現在,女性の社会進出に対する意識は10年前と変化がないのに,安倍さんが「女性の活躍推進」を成長戦略に無理やり持ち込み,勝手に大騒ぎしているという状況である。(筆者)
11/4 厚生労働省 「2014年高年齢者の雇用状況」 ・2014年10月31日,厚生労働省は,高年齢者を65歳まで雇用するための「高年齢者雇用確保措置」の実施状況など,「2014年高年齢者の雇用状況」(2014年6月1日現在)の集計結果を公表した。
<結果のポイント>
①高年齢者雇用確保措置を「実施済み」の企業の割合は98.1%(前年比5.8%増)
②希望者全員が65歳以上まで働ける企業の割合は71.0%(同4.5%増),70歳以上まで働ける企業の割合は19.0%(同0.8%増)
③過去1年間の60歳定年企業における定年到達者(344,500人)のうち,継続雇用された人は81.4%,継続雇用を希望しない定年退職者は18.3%,継続雇用を希望したが継続雇用されなかった人は0.3%

→2013年10月1日現在,日本の総人口は1億2730万人で,うち65歳以上人口は3190万人と過去最高を更新している。また,2013年の労働力人口6577万人のうち65歳以上の者は650万人(9.9%)で,1980年の4.9%から大きく上昇している。
→高年齢者雇用に関する法律の変遷と法改正の経緯は,以下の通りである。
・1971年 :「中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法」の制定
・1976年 :高年齢労働者(55歳以上)を常用労働者の6%以上雇用することを努力義務化
・1986年 :「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」(高齢者雇用安定法)に名称変更,60歳定年の努力義務化
・1990年 :定年到達後65歳までの継続雇用の努力義務化
・1994年 :60歳定年の強行規定化
・2000年 :高年齢者雇用確保措置(定年到達者の65歳までの再雇用)の努力義務化
・2004年 :60歳定年制の義務化,65歳までの雇用確保措置を選択した場合には,労使協定より基準めることで継続雇用制度対象者の選抜を行うことも可能
・2012年 :継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準は廃止され,定年後の雇用を希望する者全員が継続雇用制度の対象(2013年4月施行)
→2012年の法改正は,2013年度以降,年金の支給開始年齢引き上げに伴い,無収入,無年金の雇用が生じる可能性を解消するため,年金と雇用の接続を目的としたものである。、今後の高年齢者の就労の在り方,雇用対策は非常に重要な課題である。雇用を単に年金との接続と捉えるだけではすまなくなることは目に見えている。(筆者)


(参考)
「高年齢者雇用対策」(厚生労働省)
「2014年版高齢社会白書における高齢者の就業」
10/31 厚生労働省 2014年12月1日から「改正児童扶養手当法」が施行される ・2014年4月23日に「次世代育成支援対策推進法等の一部を改正する法律」が公布された。この法律は,①次世代育成支援対策の推進・強化(改正次世代育成支援対策推進法),②ひとり親家庭に対する支援施策の充実(改正母子及び寡婦福祉法および改正児童扶養手当法),で構成され,2014年10月~2015年4月の間で暫時施行される。
<今回施行される「改正児童扶養手当法」のポイント>
●これまで,公的年金受給者は児童扶養手当を受給できなかったが,2014年12月以降は,年金 額が児童扶養手当額より低い場合は,その差額分の児童扶養手当を受給できるようになる。

<今回の改正により新たに手当を受け取れる場合の例示>
①子どもを養育している祖父母等が,低額の老齢年金を受給している場合
②父子家庭で,子どもが低額の遺族厚生年金のみを受給している場合
③母子家庭で,離婚後に父が死亡し,子どもが低額の遺族厚生年金のみを受給している場合

→母子家庭等に対する支援については,「母子及び寡婦福祉法」等に基づき,①保育所の優先入所等の子育て・生活支援策,②母子家庭自立支援給付金等の就業支援策,③養育費相談支援センターの設置等の養育費の確保策,
④児童扶養手当の支給等の経済的支援策,といった総合的な自立支援策が展開されている
→近年の「児童扶養手当法の改正」は以下の通りである。
2012年8月から,児童扶養手当の支給要件に,配偶者からの暴力(DV)で「裁判所からの保護命令」が出された場合が追加
2010年8月から,父子家庭にも児童扶養手当が支給
→2010年の母子世帯数は75万5,972世帯,父子世帯数は8万8,689世帯である。母子世帯の平均年間収入は291万円(児童のいる世帯の1世帯当たり平均所得金額は697万円)で,父子世帯の平均年間収入は455万円(300万円未満の世帯が43.6%)である。(筆者)
10/30 厚生労働省 11月は「乳幼児突然死症候群(SIDS)」の対策強化月間
<厚生労働省の広報文>
『厚生労働省は,1999年度から,11月を乳幼児突然死症候群(SIDS)の対策強化月間と定め,SIDSに対する社会的関心を喚起するとともに,重点的な普及啓発活動を実施しています。2014年度も同様に,11月の対策強化月間を中心に,関係行政機関、関係団体等においてさまざまな普及啓発活動を行うなど,SIDSの予防に関する取組の推進を図ります。』

<乳幼児突然死症候群(SIDS)発症リスクを低くするための育児習慣>
●SIDS(Sudden Infant Death Syndrome)の原因はまだ分かっていないが,男児,早産児,低出生体重児,冬季,早朝から午前中に多いことや,うつぶせ寝や両親の喫煙,人工栄養児で多いことが,1997年度厚生省心身障害研究「乳幼児死亡の防止に関する研究」で分かっているため,以下の3つの望ましい育児習慣により,SIDSの発症リスクの低減が期待されている。
①うつぶせ寝は避ける
②たばこはやめる
③できるだけ母乳で育てる


(参考)
「乳幼児突然死症候群(SIDS)について」(厚生労働省)
「乳幼児突然死症候群(SIDS)診断ガイドライン(第2版)」

→SIDSの発症は年々減少傾向にはあると言われるが,2013年は全国で125人の赤ちゃんがこの病気で亡くなっており,乳児(0歳)の死亡原因の第3位とのことである。
→海外の最新研究では,「添い寝を含めた親の不注意や育児に対する親の無知」による「突発的な事故」が7割にも及ぶというのがあるらしい。まさか,日本では,古い研究を基に,不注意や無知による事故まで病気(SIDS)にカウントしていないとは思うが・・・。(筆者)
10/29 - 「The Global Gender Gap Report 2014(世界男女格差報告書2014)」(日本文 / 英文 ・2014年10月28日,「世界経済フォーラム」(WEF,本部・ジュネーブ)は,各国の男女格差(ジェンダーギャップ)の少なさを指数化し,ランキングで示した「The Global Gender Gap Report 2014(世界男女格差報告書2014)」を発表した。なお,WEFは,世界の政財界人が集まる「ダボス会議」を主催することで知られた権威ある組織とされている。
・日本は,世界142か国中104位で,日本は先進国で最低ランクであった。ランキングは,「職場への進出」「教育」「健康度合」「政治への参加」の4分野で男女格差の少なさを指数化し,その平均点で総合順位を決めている。
・アジアおよび太平洋地域では,フィリピン(9位),てニュージーランド(13位),オーストラリア(24位),モンゴル(42位),シンガポール(59位),ラオス人民共和国(60位),タイ(61位),中国(87位),インドネシア(97位),日本(104位),インド(114位),韓国(117位),であった。

→2014年9月12日,安倍首相は,「女性が輝く社会に向けた国際シンポジウム(女性版ダボス会議)」で,「2020年までに指導的地位を占める女性の割合を30%にする」目標を達成し,「女性がいつでも誰でも夢にチャレンジできる社会」を実現するために,切れ目なく政策を打ち出すとして,女性の活躍を推進する総合的な政策「全ての女性が輝く政策パッケージ」を10月に取りまとめると表明している。日本国民は,安倍首相の言い分を,子供だましのようなものだとうすうす気が付いている。
→日本のマスメディアも,今回の「世界男女格差報告書2014」に対する,安倍首相のコメントを取る努力をしてもらいたいものである。
→ところで,最近,男女格差の少ないとされる3位のノルウェー政府は,女性にも徴兵制を導入する方針を示したとの報道があったが,そういう方向へ進んでいくことが問題の解決になっていくのだろうか。(筆者)
10/28 内閣府・厚生労働省 2014 年10月から「水ぼうそう(水痘)」と「肺炎球菌感染症(高齢者)」が「定期予防接種」の対象に追加された ・2014年7月2日に「予防接種法施行令の一部を改正する政令」が公布され,2014年10月1日より,水痘(水ぼうそう)と高齢者の肺炎球菌感染症の予防接種が定期の予防接種に追加された。
<政府の広報文(2014年10月27日)>
『感染症は,かかった本人やその周囲の人の負担になります。また,感染が広がり流行してしまうと,社会に大きな影響を与えます。そうした感染症を防ぐために有効な方法が,事前に予防接種を受けておくことです。予防接種法に基づく定期の予防接種として,2014年10月から,新たに水ぼうそう(水痘)と,高齢者の肺炎球菌感染症が定期予防接種の対象に追加されました。』

【水ぼうそう(水痘)】
●日本では,年間100万人程度が水ぼうそうを発症すると推計され,患者報告の90%以上を9歳以下の子供が占め,特に発症率が高いのは1歳から4歳の子供である。
①対象者 :生後12か月から生後36か月に至るまでの子供
②標準的な接種期間
・初回接種  :生後12か月から生後15か月に至るまでの間
・2回目の接種 :初回接種修了後6か月から12か月に至るまでの間

【肺炎球菌感染症(高齢者)】
●日本人の死亡原因の中で,肺炎は,2011年以降,脳血管疾患を抜いて,がん,心疾患に次いで第3位となっており,このような肺炎のうち,1/4~1/3が肺炎球菌によると考えられ,肺炎によって亡くなった人の9割以上は65歳以上の高齢者である。
①対象者 :原則65歳の人
②接種方法 :「23 価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン」を1回,筋肉または皮下に注射

→今回,総務省が地方交付税を通じて財政支援し,厚生労働省が予防接種法の施行令を改正することにより追加された。
→肺炎球菌のワクチンは重症者を減らす効果があり,65歳以上が1回接種すればよく,最初の5年間は対象年齢を65歳,70歳などと5歳刻みとすることで,幅広い高齢者世代に受けやすくなっている。(筆者)


(参考)
「肺炎球菌感染症(高齢者)」(厚生労働省)
10/27 厚生労働省 「2013年 介護サービス施設・事業所調査の概況」 ・2014年10月21日,厚生労働省は,「2013年 介護サービス施設・事業所調査の概況」を公表した。
<調査項目とポイント>
【1】施設・事業所の状況

①開設(経営)主体別施設・事業所数の構成割合
●居宅介護支援事業所「営利法人」47.3%,「社会福祉法人」25.9%,「医療法人」16.5%,「NPO」3.4%
●介護予防支援事業所(地域包括支援センター)では,「社会福祉法人」51.9%,「地方公共団体」29.0%,「医療法人」12.4%
●2009年からの5年間,社会福祉法人の割合は年々微増,地方公共団体の割合は微減


【2】居宅サービス事業所の状況
①利用人員階級別事業所数の構成割合
②要介護(要支援)度別利用者数の構成割合
③利用者1人当たり利用回数
●「小規模多機能型居宅介護」30.9回,「訪問介護」18.0回,「短期入所生活介護」10.0回などが多い
●2012年から開始された「定期巡回・随時対応型訪問介護看護(健康保険法等の利用者を含む)」は110.5回(同96.9回)に増加

④認知症対応型共同生活介護事業所における共同生活住居(ユニット)の状況

【3】訪問看護ステーションの利用者の状況
①要介護(要支援)度別利用者の状況
●利用者1人当たりの訪問回数は,「介護予防サービス」で4.4回,「介護サービス」では5.8回
●「要介護5」6.9回,「要介護1」5.1回,要介護度が高くなるにしたがって訪問回数が多い

②性・年齢階級別利用者数の構成割合《利用者票》
③同居家族の状況《利用者票》
④利用者の認知症の状況《利用者票》

【4】介護保険施設の状況
①定員,在所者数,利用率
●利用率は,「介護老人福祉施設」97.9%,「介護老人保健施設」91.2%,「介護療養型医療施設」92.2%で,3施設とも9割を超えている
●在所者数は,「介護老人福祉施設」55.0%,「介護老人保健施設」37.5%,「介護療養型医療施設」7.6%

②室定員別室数の構成割合
●介護老人福祉施設での「個室」69.3%,介護老人保健施設での「個室」44.1%,介護療養型医療施設では「4人室」50.9%
③介護老人福祉施設におけるユニットケア(ユニット型及び一部ユニット型)の状況
④介護老人保健施設におけるユニットケア(ユニット型及び一部ユニット型)の状況
⑤要介護度別在所者数の構成割合
●介護老人福祉施設の「要介護5」34.3%,介護老人保健施設の「要介護4」27.0%,介護療養型医療施設の「要介護5」57.3%。介護保険施設の入所者はおおむね重度化の傾向

【5】介護保険施設の利用者の状況
①性・年齢階級別在所者数の構成割合《利用者票》
②在所者の認知症の状況《利用者票》
③在所者の認知症と寝たきりの状況《利用者票》
④退所者の入退所の経路《利用者票》
⑤利用料の状況《利用者票》

【6】従事者の状況
①1施設・事業所当たり常勤換算従事者数
●介護老人福祉施設で,看護・介護職員が2.0人,看護職員が17.5人,介護職員が2.2人。介護老人保健施設で,看護・介護職員が2.1人,看護職員が8.1人,介護職員が2.8人
②1事業所当たり常勤換算看護・介護職員数
③介護保険施設の常勤換算看護・介護職員1人当たり在所者数

→近い将来,医療と介護が一体となる方向であるが,その状況の具体的なイメージが一向にわいてこない。明日はわが身に降りかかる「介護」「介護保険」に対して,国民の関心が薄いのはどうしてだろうか。
→10月26日に2014年度の第17回ケアマネ試験があった。この試験内容から,ケアマネに求められていることを理解するのは困難である。介護保険には,ケアマネは絶対必要であるが,掛け違えたボタンはかけ直す必要があると筆者は考える。(筆者)


(参考)
「第17回 ケアマネ試験問題およびやまだ塾の解答速報」
10/24 厚生労働省 ■厚生労働省に「まち・ひと・しごと創生政策検討推進本部」が設置された ・2014年10月22日,厚生労働省は,「まち・ひと・しごと創生政策検討推進本部の設置」を公表した。
<厚生労働省の広報文>
『人口減少克服・地方創生のための司令塔として,政府に「まち・ひと・しごと創生本部」が設置されたことを踏まえ,これまでの厚生労働事務次官を主査とした「まち・ひと・しごと創生政策検討チーム」を,新たに厚生労働大臣を本部長とする「まち・ひと・しごと創生政策検討推進本部」に改組しました。
同本部は,政府の「まち・ひと・しごと創生本部」と密接に連携し,抜本的な少子高齢化対策の検討とともに,若者の東京への流出を止め,それぞれの地域で,若い世代が充実した職業生活を営み,子どもを育て,次世代へと豊かな暮らしをつないでいく「地方創生」に向けた施策を検討することとしています。』

→本会議体は,行政内部の関係者が,現状や関連する施策等について認識を共有するとともに,情報や意見の交換等を行うことを目的とするために「非公開」にするとのことである。
→厚生労働省には,「事実を含めた情勢認識などの情報を国会や国民に適切に公開していくことが極めて重要」という認識はあるのだろうか。(筆者)


(参考)
「まち・ひと・しごと創生本部」(首相官邸)
10/23 厚生労働省 ■「雇用を取り巻く環境と諸課題」(中長期データ,雇用情勢,ミスマッチ関連データ / 人的資本の質の向上について,全員参加社会について ・2014年10月22日,厚生労働省は,「2014年度第1回雇用政策研究会」を開催し,会議資料を公表した。
<2014年度雇用政策研究会の検討テーマ,現状認識,主な論点>
検討テーマ 現状認識 主な論点
(1)労働者の処遇改善 ①雇用情勢は改善しているものの,依然として不本意で非正規雇用として働く者が一定数存在している。
②多様な働き方の推進や恒常的な長時間労働の是正等が必要。(「正社員=いつでも残業」を変えよう)
③企業収益の拡大を賃金上昇につなげることが必要。
①正社員雇用の促進,長時間労働の削減,賃金の上昇 等
②人的資本の質の向上(労働生産性の向上)
③全員参加社会の実現。特に,高齢者のさらなる就労促進 等
(2)人手不足対策 ①雇用のミスマッチが生じており,また,人手不足感が顕在化している分野もみられる。
②人口減少下で,全ての人材が能力を高め,その能力を最大発揮することが必要。
(3)地域雇用 ①地域毎に抱える課題は様々であり,各地域の実情に応じた対策が必要。 ①地域における良質な雇用機会の確保・創出
②地域における労働力の確保(人材還流等)

→2014年2月6日に「2013年度 雇用政策研究会報告書(仕事を通じた一人ひとりの成長と,社会全体の成長の好循環を目指して)」が公表された。これを受け,2014年4月1日,厚生労働省は,雇用対策法施行規則第1条第1項の規定に基づき,今後5年程度の間に取り組むべき雇用政策の方向性を示した「改正雇用政策基本方針」を作成した。雇用政策の将来ビジョンとして「仕事を通じた一人一人の成長と,社会全体の成長の好循環」を掲げ,今後,この雇用政策基本方針に沿って,雇用政策を展開されることとされている。
→「雇用政策研究会の研究課題」は,①「経済構造及び労働力需要・供給構造の変化に関する分析と展望」,②「雇用に関する問題の分析と今後の雇用政策の方向」とされ,研究会の委員は15名程度で構成され,研究会は必要に応じて,開催することとされている。2014年度研究会の検討テーマ及び主な論点は上記のとおりである。(筆者)

10/22 厚生労働省 ご存知ですか?派遣先にも男女雇用機会均等法が適用されます ・2014年10月17日,厚生労働省は,「ご存知ですか?派遣先にも男女雇用機会均等法が適用されます」(パンフレット)を公表した。
<パンフレットのポイント>
(1)派遣先の事業主にも,労働者派遣法第47条の2により,男女雇用機会均等法における以下の3点が適用され,派遣労働者に対しても使用者としての責任を負う。
①妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いの禁止(法第9条第3項)
②セクシュアルハラスメント対策(法第11条第1項)
③妊娠中及び出産後の健康管理に関する措置(法第12条,第13条第1項)


(2)さらに,「派遣先が講ずべき措置に関する指針」により,派遣先の事業主が労働者派遣契約の締結に際し,派遣労働者の性別を特定する行為は禁止されている。。もちろん,職業安定法や男女雇用機会均等法の趣旨からも,派遣労働者に対し性別を理由とする差別的取扱いを行ってはならない。

→2014年10月21日,「性別を理由にした差別を禁じる男女雇用機会均等法を所管し,左記のパンフレットを作成した厚生労働省の現役職員から男女差別解消の提訴を受けた」という報道があった。厚生労働省大臣官房統計情報部の50代の現役女性係長が,18年間にわたり係長職に留め置かれているのは,女性への差別であるとして,国に謝罪と約670万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした,ということである。
→一方,2014年10月20,「女性の活躍」の象徴として安倍改造内閣で起用された,小渕前経産大臣(40歳)と松島前法務大臣(58歳)が「公職選挙法違反の疑い」で辞任したという出来事があった。
→有能な女性官僚を冷遇し,無能な女性国会議員を優遇した結果,提訴を受けたり辞任に追い込まれたりしたという低次元の事案が同時期に起こった。安倍首相の考える「女性の活躍」の本質を垣間見た思いである。(筆者)
10/21 内閣府 「人口,経済社会等の日本の将来像に関する世論調査の結果」 ・2014年10月20日,内閣府は,2014年8月に実施した「人口,経済社会等の日本の将来像に関する世論調査」の結果を公表した
<調査結果のポイント>
1.日本の未来像について

①日本の未来に対する意識
・「50年後の日本の未来は,現在と比べて暗いと思う」とする者の割合が60.0%
②目指すべき社会像
・「日本の未来について,緩やかに成長・発展を持続する社会を目指していくことが望ましい」と答えた者の割合が42.8%
③自身の将来に対する意識
・「自身の将来に不安を感じる」とする者の割合が69.0%

2.人口減少・少子高齢化について
①人口減少に対する意識
・「日本の人口が急速に減少していくことには望ましくなく,増加するよう努力すべき」と答えた者の割合が33.1%
②人口減少に対する政府の取組に対する考え方
・「政府は総人口に関する数値目標を立てて,人口減少の歯止めに大いに取り組むべき」と答えた者の割合が41.1%
③少子化が与える影響
・「少子化が与えるマイナスの影響では,年金や医療費の負担など,社会保障に与える影響が特に重要」を挙げた者の割合が72.0%
④子育てに係る負担のあり方
・「子どもを生み,育てることによる負担は社会全体で支えるべき」とする者の割合が92.3%
⑤少子化対策で特に期待する政策
・「行政が行う少子化対策の政策で,仕事と家庭の両立支援と働き方の見直しを特に期待する」を挙げた者の割合が56.0%
⑥国民負担と高齢者,若い世代に対する政策のバランスのあり方
・日本は今後,高齢化がさらに進展することが見込まれ,高齢者に対する社会保障給付のための国民の負担がますます増えることが想定される状況について,「高齢者と若い世代に対する政策はともに抑制すべきでなく,国民の負担の増加は止むを得ない」と答えた者の割合が29.0%

3.経済の成長・発展や人の活躍のあり方について
①国際的にみた日本の所得水準の見通し
・2012年に日本の一人当たりの所得水準は,北米やヨーロッパ諸国といった先進諸国の中で第10位となったが,「50年後の日本の一人当たりの所得水準の順位は下がると思う」とする者の割合が53.9%
②日本の国際競争力を強化するために重要な取組
・「日本の国際競争力を強化するために,世界に通用する人材を育成するための教育改革が重要」を挙げた者の割合が61.6%
③経済活力の維持のための政府の対策
・将来,働くことのできる人口が減少した場合,日本経済の活力を維持していくために,政府は,「女性が働きやすい環境をつくるを対策を講ずるべき」を挙げた者の割合が60.8%
④生産年齢に対する意識
・現在,働くことが想定される年齢層である生産年齢は,通常15歳以上65歳未満に設定されているが,今後は一般的に何歳まで働くのが望ましいと思うかについて,「年齢で一律に捉えるべきではない」と答えた者の割合が32.3%

4.今後の地域社会のあり方について
①地域の将来に対する意識
・「居住している地域の将来に不安を感じない」とする者の割合が51.9%
②東京一極集中に対する考え方
・「地方から東京への集中は望ましくない」と答えた者の割合が48.3%
③居住地域に関する認識
・「居住している地域は,地方だと思う」とする者の割合が72.8%
④地域が活性化するために特に期待する政策
・居住している地域が活力を取り戻したり,更に活性化するために,特に期待する政策は,「多様な世代が共に暮らせるための福祉,医療の充実」を挙げた者の割合が45.5%
⑤居住地の中心部への集約に対する意識
・人口減少,高齢化が進む中で,地域を維持・活性化させるための方法として,「居住地を中心部に集約するという考え方に反対」とする者の割合が64.0%
⑥中心部への移住の意向
・居住地の中心部への集約が進められた結果,自宅周辺に病院などの必要な施設や機能が不足した場合,「中心部への移住を考える」とする者の割合が48.8%

→「50年後の日本の未来は,現在と比べて暗いと思う」とする者の割合が60.0%であり,マスメディアはセンセーショナルに取り上げている。2014年の50年後は2064年である。2014年の50年前は1964年で,東京オリンピックのあった1964年時点で50年後の2014年をどう思うかを問われていたことと同じである。まったく無意味な調査項目の一つだということが分かる。(筆者)

(参考)
2014年度の世論調査(内閣府)
10/20 厚生労働省 ■福祉人材確保対策検討会において「議論の取りまとめ(案)」が提出された

(10月23日追記)
「福祉人材確保対策検討会における議論の取りまとめ」
・2014年10月14日,「第7回福祉人材確保対策検討会」が開催され,「福祉人材確保対策検討会における議論の取りまとめ(案)」が公表された。

→結論だけを言えば,筆者は,「福祉人材確保対策検討会 構成員」に委ねている限り,日本の福祉分野はよくならないと考える。「福祉人材確保対策検討会で示された意見(案)」を見れば,いかに的外れで,いい加減かが分かるはずである。今回の取りまとめ(案)は,「人材確保の中心課題である賃金水準の問題に正面から応えておらず,実効性が問われる内容」という有力な意見に賛同する。
→介護福祉士,社会福祉士,精神保健福祉士の資格取得者および国家試験受験者が,この取りまとめを読んで,何の疑問も持たないようであれば,もう何も言うことはない。(筆者)
10/17 厚生労働省 「日本人の長寿を支える「健康な食事」のあり方に関する検討会 報告書」 ・2014年10月16日,厚生労働省は,「日本人の長寿を支える「健康な食事」のあり方に関する検討会」(座長:中村丁次神奈川県立保健福祉大学学長)の報告書を公表した。
・検討会は,日本人の長寿を支える「健康な食事」とは何かを明らかにし,その目安を提示し,普及することで,国民や社会の「健康な食事」についての理解を深め,「健康な食事」に取り組みやすい環境の整備が図られるよう,2013年6月から検討されてきた。
<報告書の主なポイント>
①日本人の長寿を支える「健康な食事」のとらえ方を整理
・「健康な食事」とは何かについて,健康,栄養,食品,加工・調理,食文化,生産・流通,経済など多様な側面から,構成する要因を踏まえ,整理した。
②生活習慣病の予防に資する「健康な食事」を事業者が提供するための基準を策定
・食事摂取基準(2015年版)における主要な栄養素の摂取基準値を満たし,かつ,現在の日本人の食習慣を踏まえた食品の量と組合せを求め,1食当たりの料理を組み合せることで「健康な食事」の食事パターンを実現するための基準を策定した。この基準は,食事を提供する事業者が使用するものである。事業者は,この基準を満たした料理を市販する場合にマークを表示することができる。
③「健康な食事」を普及するためのマークを決定
・市販された料理(調理済みの食品)の中で,消費者が「健康な食事」の基準に合致していることを一目で分かり,手軽に入手し,適切に料理を組み合わせて食べることができるよう,公募によりマークを決定した。

(参考)
「日本人の長寿を支える「健康な食事」の基準とマーク」

→日本の社会保障制度改革における4つの重要な報告書が出揃った。「社会保障制度改革国民会議 報告書」
(2013年8月6日)と我が国の超高齢社会に適切に対応していくための3検討会報告書である。
「生涯現役社会の実現に向けた就労のあり方に関する検討会 報告書」
(2013年6月26日)
「都市部の高齢化対策に関する検討会 報告書」
(2013年9月26日)
「日本人の長寿を支える「健康な食事」のあり方に関する検討会 報告書」(2014年10月16日)
→2014年中に農林水産省と共に具体的なガイドラインを作成し,2015年4月からの運用を目指すとのことである。公募された認証マークは,2015年4月から食品の包装で見られることになる。(筆者)
10/16 厚生労働省 ■2014年11月1日より,「過労死等防止対策推進法」が施行される ・2014年6月,第186回国会において「過労死等防止対策推進法」が制定された。10月14日の閣議決定により,11月1日から施行されることとなった。
<「過労死等防止対策推進法」のポイント>
●「過労死」という言葉を初めて使った法律である。「過労死等」を「業務における過重な負荷による脳血管疾患若しくは心臓疾患を原因とする死亡若しくは業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡又はこれらの脳血管疾患若しくは心臓疾患若しくは精神障害」と定義している。
●毎年11月を「過労死等防止啓発月間」とする。
●「過労死・過労自殺対策大綱」を策定し,「防止対策推進協議会」を設置し,毎年「白書」として国会に報告する。
●過労死等を防止するための対策を効果的に推進することを国の責務とし,地方公共団体には国と協力して対策を推進する努力義務を,事業主には国,地方公共団体の対策に協力する努力義務を,国民には過労死等を防止することの重要性を自覚し,これに対する関心と理解を深める努力義務を定めている。

→1日8時間労働を原則とする「労働基準法」は1947年に制定され,1990年後半から過労自殺が激増し,社会問題化した。2008年頃から「過労死防止基本法」の制定を求める声が上がったが,ようやく,2014年6月20日に「過労死等防止対策推進法」が議員立法として成立した。
→同時に,2014年6月25日には,まったく逆方向である長時間労働を招くと言われる「ホワイトカラー・エグゼンプション」を含む新成長戦略が閣議決定された。2015年以降に法制化を目指すとされている。
→「過労死等防止対策推進法」は,具体的な労働時間の上限規制などはなく,過労死等の防止対策を効果的に推進するために,国,地方公共団体,事業主,国民がそれぞれ担う義務などを定めた法律に過ぎない。「過労死等防止対策推進法」ができても,過労死がなくなるわけではないのに,法律ができたことで国民の関心が薄れてしまえば,過労死問題の対策が停滞する恐れがある。これこそが,国の戦略であるとすれば恐ろしいことである。(筆者)


(参考)
「過労死防止対策」(厚生労働省)
10/15 内閣官房・内閣府 「マイナンバー(社会保障・税番号)制度のコールセンターの開設および啓発ポスターの公表について」 ・2014年10月1日から,マイナンバー(社会保障・税番号)制度のコールセンターが開設され,マイナンバー啓発ポスターが各地方公共団体の窓口,全国の税務署,年金事務所,ハローワークなどで掲示されている。
<マイナンバー(社会保障・税番号)の通知・実施>
「社会保障・税一体改革」の一環として,「マイナンバー法案」は,2013年5月24日に成立した。なお,2013年8月6日の「社会保障制度改革国民会議報告書」に沿って,8月21日に閣議決定された個別テーマごとの法案提出時期をまとめた「持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律(プログラム法)」(概要 / 法律は,2013年12月5日に成立し,施行された。
●2015年10月から,国民一人ひとりに12桁のマイナンバー(個人番号)が通知される。(住民票を有する外国人にも通知される)
・住民票の住所に通知カードが送付される。
・通知カードを受け取り,同封された申請書を郵送すること等により,市町村の窓口で「個人番号カード」の交付を受けることができる。
●2016年1月から,マイナンバーは社会保障,税,災害対策の行政手続で利用される。
・年金,雇用保険,医療保険の手続き,生活保護や福祉の給付,確定申告などの税の手続きなど,社会保障,税,災害対策の法律に定められた事務に限って,マイナンバーが利用される。
・民間事業者でも,社会保険,源泉徴収事務などで法律に定められた範囲に限り,マイナンバーを取り扱う。
・法律で定められた目的以外でマイナンバーを利用したり,他人に提供したりすることはできない。

<マイナンバー制度についての問合せ先>
●全国共通ナビダイヤル
・日本語窓口:0570-20-0178
・英語窓口 :0570-20-0291
●利用時間
・平日9時30分~17時30分 (土日祝日・年末年始を除く)

→政府は,マイナンバー制度で期待する効果として,①公平・公正な社会の実現,②国民の利便性の向上,③行政の効率化が挙げているが,法案提出当初から懸念されていた,コストパフォーマンス,個人情報の漏洩,詐欺やなりすましの問題は完全に払拭されているのだろうか。日本は,オーストリアやスウェーデンなどを参考に,安全・安心な制度運用するとされていたが,近い将来,アメリカや韓国で起きていた情報流出問題が出現すると筆者は想定している。失礼ながら,筆者は,最も可能性が高い情報漏えいは行政機関からではないかと勘繰っている。日本のマスメディアは頬かむりをしたままである。(筆者)


(参考)
「マイナンバー(社会保障・税番号制度)」(内閣官房)
9/29 - ■2014年9月29日に「第187回臨時国会」が召集される

(10月15日追記)
■第187回臨時国会での「安倍首相所信表明演説」

<臨時国会での主な予定>
9月29日~11月30日 ・安倍首相の所信表明演説(9/29)
・「第187回臨時国会」の会期は63日間
9月30日~10月2日 衆参両院で代表質問
10月3日,6日 衆議院予算委員会
10月7日,8日 参議院予算委員会

→安倍首相は,今臨時国会を「地方創生国会」と位置づけ,最重要課題として,「地方創生」と「女性活躍」への取り組みを挙げている。
→2015年春には統一地方選があり,それに向けての与野党の論戦が行われることになる。テレビ番組で,「多弱」の野党は「安全保障政策」や「消費税再増税」に論戦を挑むらしいが,「1強」の自公は「地方創生」や「防災」がテーマになると公言していた。例えば,「まち・ひと・しごと創生法案」という名称を聞いて,筆者は,その法案の軽さを想像した。悪趣味であるが,改造内閣の大臣がどんな失言をするのかだけを楽しみにしている。(筆者)
9/26 内閣府 「生活の安全」に関わる警察への相談方法
<政府の広報文>
『犯罪や事故の発生には至ってないけれど,ストーカーやDV・悪質商法・近隣や職場でのトラブルなど,普段の生活の安全や平穏に関わる様々な悩みごとや困りごとを抱えていませんか。そのようなときには,警察相談専用電話#9110にご相談ください。全国どこからでも,その地域を管轄する警察本部などの相談窓口につながります。そして,警察では問題解決に向けて,相談者の要望などを尊重しながら様々な対応を行います。』

<広報の構成>
(1) 「生活の安全」に関する悩み事がある時は?

⇒都道府県の警察本部や最寄りの警察署にある相談窓口で受け付け
(2)相談するには警察署に行かないとダメ?
⇒警察の相談窓口につながる全国共通の電話番号<♯9110>番
(3)相談したらどうなるの?
⇒専門の相談員が対応。相談内容によっては専門の相談機関を紹介
(4)どんな相談が多いの?
⇒犯罪被害防止や配偶者からの暴力DV),ストーカーに関する相談が増加
(5)相談による解決事例
⇒ケース1~5

→相談援助を行う福祉専門職にとって,警察への相談の基本的な事柄を知っておくことは必須である。(筆者)
9/25 厚生労働省 10月1日からの「専門実践教育訓練指定講座(863講座)」が決定した ・2014年9月24日,厚生労働省は,2014年10月1日から教育訓練給付金の対象となる「専門実践教育訓練」の指定講座(863講座)を公表した。
<2014年10月1日付指定講座(863講座)>
①業務独占資格または名称独占資格の取得を訓練目標とする養成課程 : 450講座(介護福祉士,はり師,柔道整復師,美容師,保育士,看護師等)
②専修学校の職業実践専門課程 : 384講座(商業実務,動物,情報等)
③専門職学位課程 : 29講座(ビジネス・MOT等)

→2014年3月28日に成立した「改正雇用保険法」の3本柱は,(1)育児休業給付の拡充(2014年4月施行),(2)教育訓練給付金の拡充及び教育訓練支援給付金の創設(2014年10月施行),(3)就業促進手当(再就職手当)の拡充(2014年4月施行)であった。
→2014年10月施行の「教育訓練給付金の拡充(専門的・実践的な教育訓練の新設)」の概要は以下の通りである。
①教育訓練給付(受講費用の2割を支給,給付上限10万円)を拡充し,中長期的なキャリア形成を支援するため,専門的・実践的な教育訓練として厚生労働大臣が指定する講座を受ける場合に,給付を引き上げ(受講費用の4割),資格取得等の上で就職に結びついた場合には受講費用の2割を追加的に給付する。
②1年間の給付額は,32万円を上限とする。(給付期間は原則2年。資格につながる場合等は最大3年で給付上限額が96万円)
③対象者は,2年以上の被保険者期間を有する者(2回目以降に受ける場合は10年以上の被保険者期間が必要)
→教育訓練給付拡充のねらいは,「日本再興戦略」(成長戦略)に基づく,行き過ぎた雇用維持型から労働移動支援型への政策転換(失業なき労働移動の実現)を図ることとされている。筆者は,雇用保険法が定める育児休業取得支援や自己啓発支援について,厚生労働省の周知が不十分であると思う。制度を利用する者が増えるような環境づくりに腐心すべきである。(筆者)
9/22 厚生労働省 「子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について(第10次報告)」(概要 / 本文 ・2014年9月19日,厚生労働省は,「社会保障審議会児童部会児童虐待等要保護事例の検証に関する専門委員会」の「子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について(第10次報告)」を公表した。
<「第10次報告」における「課題と提言」>
(1)地方公共団体への提言

①虐待の発生及び深刻化の予防
②虐待の早期発見・早期の適切な対応と支援の充実
③職員の専門性の確保と資質の向上
④虐待対応における関係機関の効果的な連携
⑤虐待防止を目的とした検証の積極的な実施と検証結果の活用
(2)国への提言
①虐待の発生及び深刻化の予防
②虐待の早期発見・早期対応と支援の充実
③職員の専門性の確保と資質・能力の向上
④虐待対応における関係機関の効果的な連携
⑤虐待防止を目的とした検証の積極的な実施と検証結果の活用

→「子ども虐待死」は,最大の人権侵害事案であり,その防止策は,国家的な問題として取り組まなければならない。はずである。しかし,これまでのように,厚生労働省,警察庁,文部科学省,法務省,総務省,内閣府がばらばらに検討していては,いつまでたっても情報共有も連携も進まないことぐらい「子ども」でもわかっていることである。さらに,法律で義務付けしなければ,児童相談所,市町村,警察等の「情報の共有」や「機関間の連携」の実現が困難なことも,関係機関はわかっているはずである。
→日本では,相変わらず,「子ども虐待死」では,児童相談所,市町村,警察が関与しながら防げなかった事例多く,関係機関の消極的姿勢と情報共有・連携のなさが目立っている。「子ども虐待による死亡事例等の検証」は,厚生労働省の社会保障審議会児童部会に設置されている「児童虐待等要保護事例の検証に関する専門委員会」において行われ,毎年,たいそうな「課題と提言」を厚生労働省単独で示しているが,それがどれだけ無駄が多いかを承知でやっている,ということであろうと筆者は憶測している。
→ようやく,政府は,2014年8月29日に,児童虐待防止に向け,厚生労働省,警察庁,文部科学省,法務省,総務省,内閣府の副大臣らを構成メンバーとして,省庁間で情報共有を徹底して課題を話し合い,政府一体となって対策を進めるのをねらいとして,「児童虐待防止対策に関する副大臣等会議」を設置し,第1回会議を開催した。ただ,りっぱなお題目を唱えても,副大臣らがメンバーでは,十分に機能しないのではないかという心配はある。もちろん,しっかりとした成果を出していただけることを願ってはいるが・・・。(筆者)


「第1回児童虐待防止対策に関する副大臣等会議」の資料
厚生労働省における児童虐待防止対策について
警察庁における児童虐待への対応
文部科学省における児童虐待の防止に関する対応について
法務省における児童虐待防止に向けた人権擁護機関の主な取組
総務省における児童の虐待,居所不明に関する課題や取組等(住民基本台帳関係)
内閣府における児童虐待防止に係る取組
9/19 環境省 「宣誓!無責任飼い主0(ゼロ)宣言!!」(2014年9月発行)
<環境省の「ペットの飼い主の皆さま,責任を果たせていますか?」(広報文)>
『動物を飼うためには,動物の命をあずかる責任と,社会に対する責任の両方が求められます。動物の命をあずかる責任とは,飼い主が愛情を持って動物の健康と安全に気を配り,動物の種類にあった快適な環境を整える責任です。社会に対する責任とは,動物が周りの人に迷惑をかけないように社会のルールやマナーを守る責任です。飼い主の皆さん,責任を果たせていますか?』

<守ってほしい5か条>
①動物の習性等を正しく理解し,最後まで責任をもって飼いましょう
②人に危害を加えたり,近隣に迷惑をかけることのないようにしましょう
③むやみに繁殖させないようにしましょう
④動物による感染症の知識を持ちましょう
⑤盗難や迷子を防ぐため,所有者を明らかにしましょう

→2012年9月に「動物愛護管理法」が改正され,2013年9月1日に施行された。「改正動物愛護管理法」により,動物の飼い主は,その動物が命を終えるまで適切に飼養する「終生飼養」の責任があることが法律上明確にされた(一般飼い主編パンフレット)。
→環境省のデータによれば,2012年度に殺処分されたペット数は,犬が3万8,447頭,猫が12万3,400頭で,合計16万1,867頭であった。法律を変えても,今のような手ぬるい広報啓発活動で国民の意識が一変するとは思えない。筆者は,保健所や動物愛護センターなどが実施している殺処分の悲惨な現実,殺処分にかかる費用等の情報公開を考慮すべきと考える。(筆者)
9/18 消費者庁 「高齢者・介護用品で重大事故発生のおそれ!~回収 ・修理や 注意 の呼び掛け に対応してください ~」 ・2014年9月10日,消費者庁は,消費者庁ウェブサイトのリコール情報サイトに掲載されたものうち,高齢者・介護用品で重大事故発生のおそれのあるものをまとめて,改修・ 修理の呼びかけに対応すること,また,安全に使用するための注意喚起を行った。
<回収・修理や注意を呼び掛けている高齢者・介護用品>
高齢者・介護用品 事業者
①介護ベッド ・パラマウント(株)
・(株)プラッツ
②ベッド用サイドレール・グリップ ・医療・介護ベッド安全普及協議会
③手すり ・矢崎化工(株)
④ポータブルトイレ ・積水化学工業(株)
⑤手指保護具(口腔用) ・(株)オーラルケア
⑥車いす ・(株)幸和製作所
⑦歩行補助 ・アロン化成(株)
⑧電動車いす ・スズキ(株)
・パナソニックサイクテック(株)
・シーケー販売(株)
・(株)クボタ
・トヨタ車体(株)
⑨マッサージ器 ・(株)的場電機製作所
・(株)フジ医療器
9/17 内閣府 「母子保健に関する世論調査(2014年7月調査)」 ・2014年9月13日,内閣府は,「母子保健に関する世論調査(2014年7月調査)」を公表した。
<調査の構成>
(1)妊娠などに関する認知
①女性の年齢による妊娠しやすさの違いの認知
②不妊症の認知(男性側要因)
③不妊治療の一部助成事業の認知
④マタニティマークの認知
(2)育児に関する認知
①小児救急電話相談(#8000)の認知
②乳幼児突然死症候群の認知
③乳幼児揺さぶられ症候群の認知
④発達障害の認知
(3)地域での子育てに関する認知
①近所の子どもへの声かけに関する認知
②近所の人との助け合いに関する認知
③居住地域での子育て環境
④児童虐待発見時の通告義務の認知
⑤「健やか親子21」の認知

→「マタニティマーク」を男性の58.0%,女性の35.6%が知らなかった。また,「ダイヤル#8000」を男性の93.9%,女性の84.6%が知らなかった。厚生労働省のコメントとして,それぞれに,「情報発信を強化し,周知に力を入れる」,「妊娠や育児に関する知識を十分に知ってもらう必要がある」と報道されていた。安倍首相の少子化対策や育児支援策が心もとなくなってくる。
→安倍政権や厚生労働省はもちろんであるが,国民の側にも深刻な問題が潜んでいるように思われる。(筆者)


(参考)
「マタニティマークについて」(厚生労働省)
「小児救急電話相談事業(#8000)について」(厚生労働省)

9/16 厚生労働省 「2014年版 労働経済の分析(通称:労働経済白書)」(要約 / 概要/ 本文 ・2014年9月12日,厚生労働省は,「2014年版 労働経済の分析(労働経済白書)」(分析テーマ:人材力の最大発揮に向けて)を公表した。
・「労働経済白書」は,雇用,賃金,労働時間,勤労者家計などの現状や課題について,統計データを活用して経済学的に分析する報告書で,今回で66回目の白書となる。
・2014年版では,我が国が世界に誇る最大の資源は「人材」であるとの認識の下,全ての人材が能力を高め,その能力を存分に発揮できる「全員参加の社会」の構築が必要だという観点から,企業における人材マネジメントや労働者の職業生涯を通じたキャリア形成に着目した分析が行われている。
<「2014年版 労働経済白書」の構成>
第1章 労働経済の推移と特徴
第2章 企業における人材マネジメントの動向と課題
第3章 職業生涯を通じたキャリア形成
まとめ

<「2014年版 労働経済白書」のまとめのポイント>
①経済の好循環の実現に向け,企業収益の拡大を持続的な賃金上昇につなげていくために,労働生産性を高めていくことが重要である。
②多様な労働者に積極的な雇用管理を行い,就労意欲を引き出す人材マネジメントが,企業を成長させるとともに,我が国の経済成長を高めていく。
③持続的な職業キャリアを通じた人的資本の蓄積によって職業能力を高めることが,人々の職業生活を安定させるとともに,我が国の経済社会の基盤を強固にしていく

→「男性の6割以上については,60歳近くまでの転職回数は多くても1回で,さらに,半数程度の者は初職から60歳近くまで一度も離職することなく一つの就業先で過ごしていることになる。」としている。また,「非正規社員から正社員へ移行する割合は,25~34歳が最も高く,年齢が上がるにつれて移行割合が低くなる。」と分析している。当然と言えば,当然のことである。(筆者)
9/15 総務省 「統計からみた我が国の高齢者(65歳以上)のすがた」 ・2014年9月14日,総務省統計局は,「敬老の日」(9月15日)を迎えるに当たって,「統計からみた我が国の高齢者のすがた」について取りまとめ,公表した。
<「我が国の高齢者(65歳以上)のすがた」の要約>
(1)高齢者の人口(人口推計 2014年9月15日現在)
・高齢者人口は3,296万人,総人口に占める割合は25.9%と共に過去最高
・8人に1人が75歳以上
(2)高齢者の人口移動(住民基本台帳人口移動報告)
・東京都や大阪府などで転出超過
・都道府県間移動率は男性が65~69歳及び90歳以上,女性は80歳以上で高い傾向
(3)高齢者の就業(労働力調査)
・日本の高齢者の就業率は,主要国で最高
・高齢者の就業者数は,10年連続で増加し,636万人と過去最多。就業者総数に占める割合は,10.1%と過去最高
・高齢雇用者の7割超は非正規の職員・従業員。「自分の都合のよい時間に働きたいから」が最多の理由
(4)高齢者の住まい(住宅・土地統計調査)
・高齢者のいる世帯は2000万を超え,過去最多
・増える高齢単身世帯の共同住宅割合
・50.9%が高齢者等に配慮した住まい
・近づく「親」と「子」の住まい
(5)高齢者の家計(家計調査,家計消費状況調査)
・交際費,保健医療への支出割合が高い高齢者世帯
・健康に気を配り,旅行などの趣味を楽しむ高齢者
・支出が収入を上回る高齢無職世帯

・高齢者世帯でも増加するネットショッピングの利用

→高齢社会対策に関する最近の動向である。
1995年に「高齢社会対策基本法」が制定された。1996年に「高齢社会対策大綱」が策定され,2001年に改定が行われた。基本法に基づいて,「新しい高齢社会対策大綱案」の作成に資するため,2011年10月に「高齢社会対策の基本的在り方等に関する検討会」が設置され,2012年3月に「高齢社会対策の基本的在り方等に関する検討会報告書(尊厳ある自立と支え合いを目指して)」が公表された。2012年9月に「新しい高齢社会対策大綱」が策定された。
→「超高齢社会」においては,生産年齢人口の減少,社会保障費の増大,医療・介護負担の増大が予測され,65歳以上の者および65歳以上の者に対する国民の意識改革が最優先の課題とされているのに,あえて国民的な議論を進ませなくさせているのは誰か。(筆者)


(参考)
「2014年版 高齢社会白書」
「2014年度 高齢社会対策の主な施策」
9/11 厚生労働省 2014年9月9日の「塩崎厚生労働大臣」記者会見 ・2014年9月10日,9月9日の閣議後の「塩崎厚生労働大臣記者会見の概要」が公表された。
<記者の質問(原文のママ)>
①デング熱に関してですけれど,感染者が80人を超えて,現在対策も講じられているんですけれども,これで一定程度封じられたというふうにお考えなのか,あるいは今後も拡大していく可能性もあるというお考えなのか,そして,拡大するとしたら東京都以外でも感染する可能性があるのか,そこら辺について大臣の御見解を教えてください。
②NHKの世論調査についてでございます。内閣改造後の安倍内閣の支持率が,先月に比べて7ポイントほど上昇しました。また,党役員人事と合わせた,全体としての評価も半数近くに昇っておりますが,これはどういったところが国民に支持されたとお考えでしょうか。
あわせてうかがいますけれども,NHKの世論調査で,社会保障財源に充てられる消費税の10パーセントへの引上げ,増税について,予定通り引き上げるべきと応えた人が20パーセント余りだったのに対して,遅らせるべきとか,取りやめるべきと答えた人が合わせて7割ということです。それについての受け止めをお願いします。
④消費税増税に関連してなんですけれども,先週日銀の黒田総裁が増税を先送りする方がリスクが大きいと発言されました。それについて,どのようなお考えを持っておられるかということと,日銀もそうした増税を場合,追加緩和など,側面支援をする必要があると考えてらっしゃいますか。
⑤政府として日銀に,例えば協力してほしいであるとか,そのような考え方はあるんでしょうか。
⑥内閣府の昨日の発表で,4月から6月のGDPがマイナス6.8から7.1%に下方修正されました。設備投資と個人消費の冷え込みが主要因ですけれども,今後の消費増税への判断の影響と,今後の景気の先行きによっては補正予算等が必要になってくるか,大臣のお考えをお聞かせください。
2点うかがいたいのですけれども,まず1点目なんですが,大臣就任以来ですね,経済こそ最優先だというお話をされておりまして,厚労行政でもできることをというふうにおっしゃってましたが,いまいちイメージとしてつかめないんですけれども,具体的にどういうことを想定されてお話になっているのか,お聞かせいただけますでしょうか。
2点目なんですけれども,おっしゃることは,経済成長が大事だというのはわかった上でお尋ねするんですけれども,例えば生活に困っている方々ですね,貧困に直面している方々に福祉的な対策とかっていうのは非常に重要な分野だと思うんですけれども,こういった対策に対する大臣のなかでの優先順位っていうのは,どういうふうな位置づけとしてあってですね,いろいろ生活保護基準の引き下げとか,年金も目減りしていて非常に苦しいというような声も聞こえるんですけれども,こういう方々に対して,どういう姿勢と具体的な対応策でもって臨まれるお考えなのかお聞かせいただけますか。
⑨具体的な対策というところではいかがでしょう。先ほど例えば,成長(戦略)でいえば医療技術とか介護ロボットの話とか出ましたけれども,何か考えていらっしゃる政策っていうのはありますか。今,非常に困ってらっしゃる方々に対する対策です。頑張っていてもなかなか抜け出せないとか,そういった方々です。
⑩明日の労働政策審議会から,またホワイトカラーエグゼンプションの議論が本格的に始まると思います。論点の大きな一つが年収の基準ということになると思いますけれども,成長戦略の上では少なくとも1,000万円以上と,少し曖昧さの残る表現で決着したわけですけれども,労働側からするともっと引き上げるべきだという意見がある一方で,あまり引き上げてしまうとですね,対象者が極めて限られてしまって,そもそも成長戦略としての意味がなくなるというか,ある意味骨抜きになるという懸念もあると思いますけれども,年収基準についての考え方というのは大臣からお聞かせいただけますでしょうか。

→「経済こそ最優先で,経済成長が大事」と公言する「塩崎厚生労働大臣」に対して,金融市場は歓迎している。塩崎氏は,自民党側で成長戦略策定の実務を担ってきた。「GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)改革」を提言し,アベノミクスの成否を決する重要な政策を担っている。
→福祉専門職としては,この人物の「厚生労働行政のメインテーマ」である「社会保障制度改革」への言動に注視していく必要がある。(筆者)

9/9 厚生労働省 「地域における医療及び介護を総合的に確保するための基本的な方針案(見消し版)」

(9/12追記)
「地域における医療及び介護を総合的に確保するための基本的な方針」
・2014年9月8日,厚生労働省は,「第3回医療介護総合確保促進会議」において「地域における医療及び介護を総合的に確保するための基本的な方針案(見消し版)」をまとめ,会議資料を公表した。
・厚生労働省は,2014年6月に成立した「医療介護総合確保法」に基づき,2014年7月に「医療介護総合確保促進会議」を設置し,「地域における医療及び介護を総合的に確保するための基本的な方針(案)」の策定を進めてきた。
<「医療介護総合確保法の総合方針」,「医療法の基本方針」,介護保険法の基本指針」の関係>
・これまで,都道府県は医療法で定める基本方針に基づいて医療計画を,市町村は介護保険法で定める基本指針に基づいて介護保険事業計画をそれぞれ立てているが,初めて共通の方針として医療介護総合確保法に基づく総合方針が策定された。
・今後,都道府県は,地域の実情に合った医療と介護に関する目標や事業内容の計画を作成し,国は,その内容に応じて,都道府県に設置した「基金」(財政支援制度)に「消費税増収分財源」を活用した資金を交付する。2014年度の予算は904億円で,医療が対象であり,2015年度からは医療と介護の事業が対象で,交付額は11月に決定される。12月以降,「医療介護総合確保促進会議」において,基金の交付状況の検証などを行うことが予定されている。
(参考)
「医療及び介護に関する各種方針・計画等の関係について」

→「医療介護総合確保促進会議」は,総合方針案と基金の交付方針を出して終了するのではなく,常設の会議体である。厚生労働省は,会議の設置に先立って,2014年7月に医療と介護の連携審議官のポストと,保険局に医療介護連携政策課を新設している。
→2014年度は取りあえず総合確保方針が策定されたが,現在は,既に医療計画基本方針や介護保険事業計画基本指針に基づいて,医療計画と介護保険事業計画が進んでおり,両計画の同時改定が実施されるのは2018年度になる。したがって,2018年度に向けた医療計画基本方針や介護保険事業計画基本指針の改定が最重要とみられている。(筆者)

9/8 厚生労働省 「2015年度 厚生労働省の概算要求」 ・2014年8月29日,2015年度予算の各省庁からの概算要求が出そろい,厚生労働省概算要求が公表された。
・一般会計の総額は過去最大の約101兆7,000億円で,初めて100兆円を突破し,厚生労働省の要求額は,社会保障関係費は高齢化の進展で膨らみ,3%増(+8,155億円)の過去最大となる31兆6,688億円となっている。
・今後,2014年末にかけて,この要求に基づいて,財務省が各省庁と折衝を行い,2015年度予算の財務省原案が作成され,2015年1月の2015年通常国会に提出される予定である。
<厚生労働省の一般会計(31兆6,688億円)の主な要求額>
(1)社会保障費 :29兆8,558億円)
・医療(11兆1,352億円),年金(10兆9,591億円),介護(2兆7,618億円)
(2)「女性の活躍」推進 :6,200億円
・待機児童解消へ保育所増設など
(3)防災対策推進 :1,094億円
・災害時の医療体制の充実

→厚生労働省は,医療・年金などの自然増分(8,155億円)を圧縮せずに要求しているが,2015年度には,年金では,「マクロ経済スライド」が初めて発動され,物価上昇にもかかわらず削減が行われ,医療・介護では,2014年5月に成立した
「医療介護総合確保法」に基づき,抑制・削減が行われることになっている。
→2015年度の消費税増収分のうち社会保障費に充当する額は,消費税率が8%のままだと約1兆3,500億円,2015年10月に10%に引き上げた場合は約1兆8,000億円になるとのことである。 使途の内訳は増税判断後に決めるとし,金額を示さない「事項要求」となっている。2015年度の介護報酬改定の予算も,消費増税分も活用する方針のため,予算編成過程での調整を前提とした「事項要求」であり,消費税引き上げ頼みとなっている。社会保障費の自然保障増加分の圧縮はまったくを行わず,「医療・介護,年金,子ども・子育て支援」に関わる「社会保障の充実」が,安倍首相の消費税増税の判断次第という状況に置かれている(左記資料中の「2015年度における社会保障の充実として検討中の事項について(厚生労働省・内閣府)」の項を参照のこと)。おかしな国になっている。(筆者)

9/5 厚生労働省 ■厚生労働省の「新政務三役」が決定した ・2014年9月4日,第2次安倍改造内閣における厚生労働省の「政務三役」5人がすべて決定した。
厚生労働省の新政務三役
厚生労働省の新政務三役(2014年9月4日付)   敬称略
大臣 塩崎恭久 ・63歳,自民党,愛媛1区,衆議院,当選は衆議院6回/参議院1回
・ハーバード大学大学院修了。日銀出身。官房長官,外務副大臣,内閣官房長官・拉致問題担当大臣など。
https://www.y-shiozaki.or.jp/
副大臣 永岡桂子 ・60歳,自民党,北関東ブロック,衆議院,当選は衆議院3回
・学習院大学法学部卒業。2006年9月発足の第1次安倍内閣で農林水産大臣政務官。
http://keiko-nagaoka.jp/
山本香苗 ・43歳,公明党,全国ブロック,参議院,当選は参議院3回
・京都大学文学部卒。前職は外務省職員。経済産業大臣政務官,参議院総務委員長。
http://www.yamamoto-kanae.com/
政務官 橋本岳 ・40歳,自民党,岡山4区,衆議院,当選は衆議院2回
・慶大大学院政策・メディア研究科修士課程修了。父は元総理の故橋本龍太郎氏。
https://ga9.jp/
高階恵美子 ・50歳,自民党,全国ブロック,参議院,当選は参議院1回
・東京医科歯科大学大学院医学系研究科博士課程後期中退。看護師・保健師,前職は日本看護協会常任理事。
http://www.takagai-emiko.net/

→安倍首相は,党政調会長代理と日本経済再生本部の本部長代行を務め,成長戦略策定に関わってきたGPIF改革推進派の塩崎氏を,脛に傷を持つ田村氏の後任に起用した。
→安倍首相が,厚生労働大臣に求めているのは,厚生労働省が管轄する120兆円の年金積立金の大胆な活用によるアベノミクスの推進である。厚生労働省のトップに,「医療・介護・福祉の専門家」ではない人物を持ってきたということは,今後の算術が前面に出てくる厚生労働行政の姿が見えるようである。
→新政務三役5人のうち3人が女性である。せっかくのチャンスなので,お飾りと言われないように,ぜひとも活躍していただきたいと思う。蛇足であるが,厚労省の村木事務次官については,近時の失態続きによる国民への不利益を勘案すれば,男女を問わず,本来なら退任させるべきだろうが,「安倍政権の女性活用施策の象徴」として,何としても残しておきたいということだと思う。「女性の活躍」においても,適材適所は重要である。(筆者)
9/4 首相官邸 「第2次安倍改造内閣発足」に関する安倍首相の記者会見 ・2014年9月3日,安倍首相は,第2次安倍内閣発足後,初の内閣改造を行った。
<関連資料>
第2次安倍改造内閣 記念撮影
第2次安倍改造内閣 閣僚名簿
第2次安倍改造内閣 内閣総理大臣談話(閣議決定)