精神保健福祉士の資格制度の見直し(動向)
精神保健福祉士の資格制度
「福祉職・介護職の専門性の向上と社会的待遇の改善に向けて(提言)」(2011年9月20日)~日本学術会議~
「福祉行政の最新情報」2012年2月20日記事を参照
・日本学術会議は,2005年度から文部科学省より移管され,内閣総理大臣に任命された210人の会員(6年任期,70歳定年)で構成された,政府から独立して職務を行う内閣府の「特別の機関」として位置づけられている。特別の機関であるため,行政・立法・司法の権限はないが,政策提言や政策意見具申などの権限がある。
→この提言は,2011年9月20日に公表された。筆者は,おそらく,差し迫った2011年度で終了する「介護職員処遇改善交付金」への対応として,「2012年度介護報酬改定」に盛り込ませるための裏づけに利用されるのだろうと考えた。その決着がついてから紹介しようと思っていたが,案の定,その通りであった。
→この「提言」で,希望を持ち,勇気付けられる「福祉職・介護職」はいるのだろうか。
→ソーシャルワークに関連する提言として,2011年9月27日には,「わが国の健康の社会格差の現状理解とその改善に向けて(提言)」が公表されている。(筆者)

2/7「介護保険を崩壊させる者の名前」は記憶に留めておくの記事を参照

「精神保健福祉士国家試験の今後のあり方について(精神保健福祉士国家試験のあり方に関する検討会報告書)」(概要 / 本文
<2011年11月14日記事の再掲>
・2012年度から,精神保健福祉士の養成カリキュラムが見直されることを踏まえ,新たなカリキュラムに対応した精神保健福祉士国家試験が2012年度(2013年1月実施予定)より行われる。
・これに向け,2011年7月より,「精神保健福祉士国家試験のあり方に関する検討会」が開催され,2011年11月11日に,「精神保健福祉士国家試験の今後のあり方について(精神保健福祉士国家試験のあり方に関する検討会報告書)」が公表された。
<報告書のポイント>
(1)国家試験に係る基本的な事項
①精神保健福祉士国家試験の出題の難易度は標準的であるべきであり,精神保健福祉士に必要とされる基本的な専門的知識や技術が網羅的に備わっていることを確認するものであることが必要
②専門的・技術的な観点から試験委員を支援することができるよう,試験センターの体制充実についても検討が必要 
(2)新カリキュラムに対応した国家試験のあり方
①専門科目における総出題数は現行どおり
②実際の現場に必要となる考え方を問う出題形式の出題を増やす
③社会福祉士国家試験との共通科目については1科目加わるため,それに応じて試験時間を長くする
④試験日を調整するなどして,社会福祉士・介護福祉士国家試験が同時受験できる機会を与えることが必要 

「障がい者制度改革推進本部等における検討を踏まえて障害保健福祉施策を見直すまでの間において障害者等の地域生活を支援するための関係法律の整備に関する法律」(2010年12月3日)
「障害者自立支援法(2005新法)」を参照
・2010年12月3日,参議院で障害者自立支援法改正案が成立されたことに伴い,精神保健福祉士法が改正された。

(精神保健福祉士法の一部改正)
第八条 精神保健福祉士法(平成九年法律第百三十一号)の一部を次のように改正する。

目次中「第三十九条」を「第三十八条の二」に改める。

第二条中「利用している者」の下に「の地域相談支援(障害者自立支援法(平成十七年法律第百二十三号)第五条第十七項に規定する地域相談支援をいう。第四十一条第一項において同じ。)の利用に関する相談その他」を加える。

第七条第一号中「厚生労働大臣の指定する」を「文部科学省令・厚生労働省令で定める」に改め,同条第二号中「厚生労働大臣の指定する」を「文部科学省令・厚生労働省令で定める」に改め,「,厚生労働大臣の指定した職業能力開発促進法(昭和四十四年法律第六十四号)第十五条の六第一項各号に掲げる施設若しくは同法第二十七条第一項に規定する職業能力開発総合大学校(以下「職業能力開発校等」という。)」を削り,同条第三号中「,厚生労働大臣の指定した職業能力開発校等」を削る。

第四章中第三十九条の前に次の一条を加える。

(誠実義務)
第三十八条の二 精神保健福祉士は、その担当する者が個人の尊厳を保持し、自立した生活を営むことができるよう、常にその者の立場に立って、誠実にその業務を行わなければならない。

第四十一条第一項中「医師その他の医療関係者」を「その担当する者に対し,保健医療サービス,障害者自立支援法第五条第一項に規定する障害福祉サービス,地域相談支援に関するサービスその他のサービスが密接な連携の下で総合的かつ適切に提供されるよう,これらのサービスを提供する者その他の関係者等」に改め,同条の次に次の一条を加える。

(資質向上の責務)
第四十一条の二 精神保健福祉士は,精神保健及び精神障害者の福祉を取り巻く環境の変化による業務の内容の変化に適応するため,相談援助に関する知識及び技能の向上に努めなければならない。

「精神保健福祉士の新養成カリキュラム案等への意見募集」(2010年7月12日)
・募集期間:2010年7月12日~8月20日
→「福祉行政の最新情報」の2010年7月21日記事を参照のこと

精神保健福祉士の養成カリキュラム見直しについて(2010年3月29日)
・2007年12月より,精神保健福祉士の高い専門性を担保できるような養成の在り方への見直しに向けて,「今後の精神保健福祉士の養成の在り方等に関する検討会」が開催され,「精神保健福祉士養成課程における教育内容等の見直しについて」が,2010年3月29日に取りまとめられた。

精神保健福祉士の養成カリキュラム見直し案(2009年11月17日)
~「第7回精神保健福祉士の養成のあり方等に関する検討会」資料より~

・2009年11月17日,1年ぶりに「第7回精神保健福祉士の養成のあり方等に関する検討会」が開催された。
・2008年10月21日の「精神保健福祉士の養成の在り方等に関する検討会中間報告書」と左記のワーキングチームで検討された内容(2009年3月~9月まで計4回開催)を踏まえて,「精神保健福祉士の養成カリキュラムの見直し案」が提示された。
・新たな教育カリキュラムの教育時間数を現行1,110時間から1,200時間(90時間増)とすること,社会福祉士との共通科目として障害者福祉の基礎知識として欠かせない「障害者に対する支援と障害者自立支援制度」(30時間)を新たに盛り込んで11科目とすること,現在6科目ある専門科目(精神医学,精神保健学,精神科リハビリテーション学,精神保健福祉論,精神保健福祉援助技術総論,各論)を7科目に再編すること,演習の時間数を現行の60時間から90時間に拡充すること,実習時間数を拡充し精神科医療機関等の実習を必須にすること等が示された。

新出題基準・新合格基準の公表(2009年6月)
→「福祉行政の最新情報」の2009年6月30日記事を参照のこと

第171回(2009年)通常国会で「改正精神保健福祉士法案」が提出(2009年4月)
障害者自立支援法の改正案では,「精神障害者の地域生活を支える精神科救急医療の整備等」の中で都道府県による精神科救急医療体制の確保を法律上に位置づける等の目的のため「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」と精神保健福祉士が精神障害者の地域生活における相談支援を担っていることを明確化する等により「精神保健福祉士法」と各法が改正案に上がった。しかし,改正障害者自立支援法案の廃案と共に「改正精神保健福祉士法案」も廃案となった。

報告書「社会福祉士及び介護福祉士国家試験の今後の在り方について~20回の実績を踏まえた検証と新カリキュラムへの対応~(2008年12月26日)

「3福祉士の現況把握調査結果(2008年7月1日現在)」(2008年12月25日)

「精神保健福祉士の養成の在り方等に関する検討会中間報告書」(2008年10月21日)


「第5回精神保健福祉士の養成の在り方等に関する検討会」2008年9月29日開催)
精神保健福祉士の養成の在り方等に関する検討会中間報告書について
料:精神保健福祉士の養成の在り方等に関する検討会中間報告書(案)
参考資料1:求められる精神保健福祉士の役割について
参考資料2:求められる役割を踏まえた対応について
参考資料3:精神保健福祉士法(1997年法律第131号)



「第4回精神保健福祉士の養成の在り方等に関する検討会」2008年8月29日開催)
①求められる精神保健福祉士の役割について
②求められる役割を踏まえた対応について



「第3回精神保健福祉士の養成の在り方等に関する検討会」2008年7月11日開催)
①資料1:今後の検討会スケジュールについて(案),②資料2-1:求められる精神保健福祉士の役割について(案),③資料2-2:精神保健福祉士の養成の在り方等に関する勉強会における主な意見,④参考資料:官報(平成20年5月12日)

【「福祉行政の最新情報」7/23記事の再掲】
「第3回精神保健福祉士の養成の在り方等に関する検討会」(2008年7月11日開催)で,精神保健福祉士法の改正のスケジュールが示された。2007年12月5日に公布・施行された「改正社会福祉士・介護福祉士法」に続くものである

→2007年12月発足以降,検討会は社会福祉士との共通科目(10科目)を議論し,2008年5月に省令を改正した。その後検討会は,専門科目について7月までに中間報告をまとめる予定をしていたが,厚生労働省は,議論の途中でカリキュラムよりも精神保健福祉士法の定義や義務規定が現状とそぐわないことが問題だとして,2009年の通常国会への改正法案提出を優先するというスケジュールを改めて示した。近年の障害者福祉,精神保健福祉の施策の大転換を考えると当然のことであるが,厚生労働省のやりたい放題のやり様に対して,精神保健福祉士として筆者は腹立たしく思う。職能団体をはじめ関係団体はコメントを出していないようである(2008.7.23 5:00 HPを確認)。ついには,介護福祉士のカリキュラムから「介護福祉」や「社会福祉」の用語が消え「介護士」然となったこと,また,社会福祉士のカリキュラムから「社会福祉援助(技術)」の用語が消え「相談援助する人」然となったことを思い返すべきである。検討会の議論は,精神保健福祉士の存続意義にかかわることであり,無関心やお上任せであってはならないと思う。(筆者)

「精神保健福祉士法施行規則及び精神保健福祉士短期養成施設等及び精神保健福祉士一般養成施設等指定規則の一部を改正する省令(案)等」についての意見募集(2008年3月22日掲載)
概要
精神保健福祉士のカリキュラムと社会福祉士におけるカリキュラムの見直し(共通科目関係)
精神保健福祉士養成課程における新たな教育カリキュラムの内容(案)


「第2回精神保健福祉士の養成の在り方等に関する検討会」2008年3月13日開催)
①資料1:精神保健福祉士の養成の在り方等に関する検討会構成員名簿,②資料2:第1回検討会での主な意見と対応案について
③資料3:精神保健福祉士と社会福祉士の共通科目案について,④資料4:平成21年4月施行分スケジュール(案)⑤参考資料1:精神保健福祉士養成課程における新たな教育カリキュラムの内容(案),⑥参考資料2:社会福祉士養成課程における教育内容等の見直しについて(案)


「第1回精神保健福祉士の養成の在り方等に関する検討会」2007年12月19日開催)
議題:「精神保健福祉士の養成の在り方等について」・・・第1回議事録(2008年3月19日公表)
資料1:精神保健福祉士の養成の在り方等に関する検討会開催要綱,資料2:精神保健福祉士の養成の在り方等に関する検討会構成員名簿,資料3:精神保健福祉士の養成の在り方等に関する検討会の設置について,資料4:精神保健福祉士の現状について
資料5:精神保健福祉士と社会福祉士の共通科目について
参考資料:(1)神保健福祉士養成施設等における授業科目の目標及び内容,(2)精神保健福祉士国家試験出題基準・合格基準,(3)社会福祉士養成課程における教育内容等の見直し(案)について



「福祉行政の最新情報」の12月15日の記事から転載)
「精神保健福祉士の養成の在り方等に関する検討会」が開催される

【精神保健福祉士国家試験の結果】
合格者数 合格率
第1回 4338人 89.1%
第2回 2586人 73.1%
第3回 2704人 63.1%
第4回 3415人 62.3%
第5回 5670人 62.7%
合計 18713人 -

・「第1回精神保健福祉士の養成の在り方等に関する検討会」は,2007年12月19日に開催される予定である。
本検討会の内容・経過をフォローし,本カテゴリーで掲載します

第5回精神保健福祉士国家試験までは,指定された「現任者講習会」の課程を修了することで受験が可能とされた。この講習会は,「質」を求めたものではなく,国際的な要請に応えることも含めて,5年間で10000人~16000人の精神保健福祉士をつくるという現厚生労働省の「量」の目標に貢献した制度であったと思う。一部ではあるが,粗雑な教育課程で粗悪な国家資格者をつくり出す「現任者救済制度」との批判とともに,あまりに高い合格率から国家試験問題の質的レベルも問題視された。結果,第5回国家試験までに18713名(左表を参照)の「精神保健福祉士」が誕生した。もちろんこの間の合格者に有能で高質な精神保健福祉士も多くおられたが,総じて良質な施策であったかは疑問である。このあたりの問題点も,整理し,検討していただきたいと思う。さらに,養成される側だけではなく,「良質な教員の養成」に深く踏み込まなければ意味がない。(筆者)
介護福祉士・社会福祉士の資格制度の見直し
http://www.yamadajuku.com/

(2012月3月15日)

法令

資料

(参考)
     ■介護福祉士・社会福祉士の資格制度の見直し(動向)