2009年10月から福祉関連分野で何が変わったか?
(2009年10月2日)
10月7日追記
主な項目 | ポイント | |
1 | ■厚生年金保険料率の引き上げ |
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2009年10月納付分から労使折半で15.350%→15.704% ・厚生年金の保険料が2009年9月分より引き上げられるが,社会保険(厚生年金と健康保険)の保険料は翌月末納付となるので,2009年10月納付分より変更となる。 |
2 | ■全国健康保険協会(協会けんぽ)の保険料率の変更 | ・全国一律(8.2%)→都道府県別(8.17〜8.26%) ・新しい都道府県別の保険料率は、事業所が所在する地域の都道府県で適用される。 ・協会けんぽの保険料が2009年9月分より引き上げられるが,社会保険(厚生年金と健康保険)の保険料は翌月末納付となるので,2009年10月納付分より変更となる。 |
3 | ■最低賃金(時給)の引き上げ |
・大半の都道府県で改定され,全国加重平均で10アップ(713円) ・都道府県によって適用となる月日が異なっているので,金額および発効年月日を確認する必要がある。 →■地域別最低賃金の全国一覧 |
4 | ■出産一時金の増額 | ・ 出産育児一時金は,妊婦等の経済的負担を軽減する観点から,2009年10月から,支給額を4万円引き上げ,原則42万円とするとともに,出産育児一時金を直接医療機関等へ支払う「直接支払制度」を実施することとなった。 ・なお,「直接支払制度は,医療機関の準備不足を理由に,一部医療機関では例外的にこの制度の適用を猶予されることになった。 →■出産育児一時金の見直しについて |
5 | ■地デジチューナー無償配布の受付開始 |
・総務省は,経済的な理由で地上デジタル放送が受信できない者に対して,申請に基づいて簡易なチューナーの無償給付(現物支給)の支援が行われる。 |
6 | ■「住宅瑕疵(かし)担保履行法」の施行 |
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住宅業者への保険加入の義務づけをし,新築住宅に欠陥があれば,住宅業者の負担で補修する。万が一,事業者が倒産した場合でも,消費者は2000万円までの補修費用を受け取ることができる。 (背景) 2005年に発覚し社会問題となった構造計算書偽装事件では,建替えを含む大規模な補修工事が必要となったが,事業者が倒産したためマンションの購入者が多額の費用負担を抱えることになった。こうした状況を踏まえ,事業者が倒産した場合でも,補償金を受けられるよう「住宅瑕疵(かし)担保履行法」が制定され,2009年10月から施行された。 →■住まいを守る「住宅瑕疵(かし)担保履行法」が10月1日からスタート |
7 | ■個人住民税の年金からの引き落とし(特別徴収制度)の開始 | ・65歳以上の年金受給者で,個人住民税を納めている人が対象である。 ・個人住民税の公的年金からの引き落とし(特別徴収制度)により,これまで年金受給者が年金を受け取ってから役所や金融機関などで納税していた個人住民税を,年金の支払いをする年金保険者が公的年金から引き落として直接市区町村に納入するようになるため,納税の手間が省かれることになる。 →■個人住民税の年金からの引き落としが始まります |
8 | ■「生活福祉資金貸付事業」の見直し | ・従来は10種類あった資金種類を4種類に統合して,利用者にとってわかりやすく,かつ,利用者の資金ニーズに応じた柔軟な貸付を目的として見直された。 (1)種類の変更 @総合支援資金 A福祉資金 B教育支援資金 C不動産担保型生活資金 (2)連帯保証人要件の緩和 ・原則連帯保証人を必要であるが,連帯保証人を確保できない者に対しても貸付を行う。 (3)貸付利子の引き下げ ・年3%から無利子または引き下げを行う。 (背景など) ・2008年夏以降の厳しい経済・雇用情勢の中で,離職者が再就職の実現に取り組めるよう,生活や住宅の支援を行う新たなセーフティネットが拡充され,その一環でとして雇用施策を補完する取組として,「住宅手当緊急特別措置事業」「臨時特例つなぎ資金貸付事業」が創設され,「生活福祉資金貸付事業」が見直された。 @「住宅手当緊急特別措置事業」(新設) 離職者であって就労能力及び就労意欲のある者のうち,住宅を喪失又は喪失するおそれのある者を対象として,6か月間を限度として住宅手当を支給するとともに,住宅及び就労機会の確保に向けた支援を行う。
A「臨時特例つなぎ資金貸付事業」(新設) 離職者を支援するための公的給付制度(失業等給付,住宅手当等)又は公的貸付制度(就職安定資金融資等)を申請している住居のない離職者に対して,当該給付金又は貸付金の交付を受けるまでの間のつなぎ資金の貸付けを行う。 →■住宅手当の創設と生活福祉資金貸付事業の見直しについて |
9 | ■2009年10月から「若年性認知症コールセンター」が開設された |
・2009年10月1日より,若年性認知症の電話無料相談を「認知症介護研究・研修大府センター(社会福祉法人仁至会)」において開始された。 ・本コールセンターは,2008年7月の「認知症の医療と生活の質を高める緊急プロジェクト」の報告に基づくもので,認知症対策等総合支援事業の一環として,若年性認知症特有の様々な疑問や悩みに対し、専門教育を受けた相談員が答えるとされている。 (参考) ■「若年性認知症の実態等に関する調査結果の概要及び厚生労働省の若年性認知症対策について」(2009年3月19日) ■「認知症の医療と生活の質を高める緊急プロジェクト報告書」(2008年7月10日) →■福祉行政の最新情報(2009年10月6日の記事を参照のこと) |