問 1 |
(精神医学)
心身症では,器質的ないし機能的な身体症状が認められない。 |
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問 2 |
神経症の病理は,人間の正常な心理の延長線上のものでないため了解不能である。 |
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問 3 |
うつ病では,身体症状の愁訴がみられることは少ない。 |
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問 4 |
統合失調症の急性期には,意識障害はみられない。 |
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問 5 |
初期から脱抑制と性格変化を伴う認知症では,ピック病をまず疑う。 |
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問 6 |
70歳の男性。物忘れを主訴として,家族に伴われて来院した。以前より高血圧で治療を受けていたが,1年前から物の置き忘れが目立つようになり【記銘力障害(前向健忘)】,最近は,泥棒がしょっちゅう侵入して物を盗んでいくと思い込んでいて【妄想】,説得しても納得しない。以前に比べてささいなことで泣いて涙を流すようになった【感情失禁】。このところ毎晩,夜中に起き上がり,意味不明な動作をしたり,夜中に玄関から出掛けようとして家族に制止されている【転換症状】。 |
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問 7 |
治療教育と知的障害の組み合わせは適切である。 |
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問 8 |
治療教育とは,教育的な手段を使って,精神機能の障害や行動の異常を改善するように働きかけたり,精神発達や適応行動を促進したりする方法であり,教育学,心理学などの分野とは重なりあいを持ちつつも,精神医学の分野に位置づけられる治療法である。 |
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問 9 |
SST(社会生活技能訓練)は,主に神経症性障害に適用される。 |
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問 10 |
精神障害を持つ人は,薬物療法や精神療法などにより症状が改善した後も,対人関係のぎこちなさや日常生活の課題に対処する能力が障害され(生活障害),そのために家族や近隣,職場の人々との対人関係がうまくいかず社会適応が妨げられたり,それがストレスとなって再発を招くことがある。 |
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問 11 |
SSTは,認知行動療法の1つに位置づけられる新しい治療方法で,生活指導や生活訓練を行う。対人関係を中心とする社会生活技能のほか,服薬自己管理・症状自己管理などの疾病の自己管理技能,身辺自立(ADL)に関わる日常生活技能を高める方法が開発されている。 |
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問 12 |
SSTは,1997年4月には「入院生活技能訓練療法」として診療報酬にも組み込まれた。現在では,医療機関や各種の社会復帰施設,作業所,矯正施設など多くの施設で実践されている。 |
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問 13 |
SSTは,近年わが国でもその効果が認められ,精神障害を持つ人たちの自己対処能力を高め(エンパワメント),自立を支援するために,この方法が広く活用されることが期待されている。 |
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問 14 |
心理教育は精神障害全般に適用される。 |
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問 15 |
心理教育とは,精神障害やエイズなど,受容しにくい問題を持つ人たちに,適切な知識や情報を的確に伝え,また,病気や障害にまつわる諸問題・諸困難に対する対処方法を,考え修得する機会を提供することによって,彼らが主体的な療養生活を営めるよう援助する方法である。自ら抱えた問題をなんとか受け止めることができるようになること,問題を乗り越える技術が身につくこと,あるいは,現実に立ち向かう力量がつくこと(エンパワメント),何とかやっていけるという自信(セルフ・エフェカシー)がふくらむこと,自己決定・自己選択が可能になること,地域の社会資源などを主体的に利用できるようになることなどが目的である。 |
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問 16 |
回想法とアルツハイマー型認知症の組み合わせは適切である。 |
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問 17 |
回想法は,1990年代にアメリカのバトラーによって創案された心理療法である。 |
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問 18 |
集団精神療法とアルコール依存症の組み合わせは適切である。 |
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問 19 |
集団精神療法は,集団内相互作用によって治療を促進するものであり,個人の問題点が可視的・実感的になり,洞察の深化につながる。 |
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問 20 |
集団精神療法は,AAや断酒会などアルコール依存症や統合失調症に利用されている。 |
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問 21 |
精神病の発症原因は,いまだ確定されていないが,生物学的要因としての脆弱性とストレスとなる出来事への対処のつまずきが関係しているという見解が,近年一般的であり,今日では統合失調症の原因は,ストレス-脆弱性モデルで理解されている。 |
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問 22 |
気分障害や統合失調症など機能性精神障害の神経化学的異常の検索にMRS(磁気共鳴スペクトル法)が応用されている。 |
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問 23 |
家族性アルツハイマー病では,いくつかの遺伝子異常が明らかになっている。 |
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問 24 |
アルコール依存症は,家族性に起こることがある。 |
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問 25 |
アルツハイマー型認知症への移行段階として,軽度認知障害(Mild Cognitive Impairment;MCI)が注目されている |
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問 26 |
アルツハイマー型認知症では,症状はしばしば段階的に進行する。 |
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問 27 |
レビー小体型認知症の脳画像所見では,症状のわりに萎縮が強くない。 |
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問 28 |
アルツハイマー型認知症は,塩酸ドネペジルの投与により,その進行を遅らせることができる。 |
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問 29 |
統合失調症に関して,発病年齢のピークには男女間で差がある。 |
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問 30 |
統合失調症に関して,一般人口中における出現の頻度(発病危険率)は約5%である。 |
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問 31 |
統合失調症に関して,回想法は重要な精神医学的リハビリテーションである。 |
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問 32 |
統合失調症に関して,幻覚の中で最も多いのは幻視である。 |
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問 33 |
精神症状に関して,強迫観念は,パニック障害の中核症状である。 |
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問 34 |
精神症状に関して,強迫観念は,ある一定の想念や表象が,自らの意思とは無関係に繰り返し浮かんでくるものである。 |
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問 35 |
精神症状に関して,強迫観念と妄想の異なる点は,強迫観念がその観念の不合理性を自らが認識していることである。 |
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問 36 |
精神症状に関して,不合理とは認識しながらも,うちからの衝動を抑えられず,一定の行為を繰り返して行ってしまうものを強迫行為という。 |
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問 37 |
精神症状に関して,強迫観念は強迫性障害の中核症状であるが,うつ病や統合失調症でもみられることがある。 |
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問 38 |
精神症状に関して,パニック障害の中核症状はパニック発作である。 |
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問 39 |
精神症状に関して,幻聴(幻声)は,統合失調症に特徴的である。 |
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問 40 |
精神症状に関して,実在しないものが見えるという視覚性の幻覚が幻視である。 |
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問 41 |
精神症状に関して,幻視は何らかの意識障害を伴っている場合に起こりやすく,外因性の精神障害時に多くみられる。 |
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問 42 |
精神症状に関して,せん妄時には人・動物・情景などあらゆる形態の幻視が現れる。 |
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問 43 |
精神症状に関して,アルコール離脱期の振戦せん妄時には,多数の虫やねずみ等がみられることがあり,小動物幻視と呼ばれる。 |
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問 44 |
精神症状に関して,ふざけ症は,後頭葉の損傷で起こる場合があり,器質性の人格障害に分類される。 |
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問 45 |
精神症状に関して,させられ体験(作為体験)は,人格障害に特徴的である。 |
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問 46 |
精神症状に関して,させられ体験(作為体験)は,自他の境界が不鮮明になって起きる自我障害の一つであり,統合失調症に特徴的な症状である。 |
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問 47 |
精神症状に関して,作話は,詐病患者に特徴的である。 |
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問 48 |
精神症状に関して,作話は,コルサコフ症候群のような記名力障害でみられる。 |
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問 49 |
精神症状に関して,虚偽性障害(一般の医療場面),詐病(拘禁下)は意識的・意図的な偽装が働く。 |
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問 50 |
離人症は自我の障害である。 |
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問 51 |
健忘は,心因性にも起こることがある。 |
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問 52 |
滅裂思考は,躁病で見られる思考障害である。 |
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問 53 |
多重人格は,ICD-10の「人格障害」に分類される。 |
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問 54 |
(精神保健学)
わが国の2005年中における自殺者の総数は32552 人で,前年に比べ227人( 0.7 % ) 増加した。性別では,男性が全体の約9割を占めた。 |
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問 55 |
わが国の2005年中における自殺者の年齢別状況は,「6 0 歳以上」が全体の1/3を占め,次いで「5 0 歳代」,「4 0 歳代」,「3 0
歳代」の順となっている。 |
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問 56 |
わが国の2005年中における自殺者の職業別状況では,「無職者」が全体の約半数を占め,次いで「被雇用者」,「自営者」,「主婦・主夫」の順となっている。 |
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問 57 |
わが国の2005年中における自殺者の原因・動機別状況では,「経済・生活問題」が遺書ありの自殺者の4割 を占め,次いで「健康問題」,「家庭問題」,「勤務問題」の順となっている。 |
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問 58 |
世界保健機関(WHO)は「自殺は,その多くが防ぐことのできる社会的な問題」と明言している。 |
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問 59 |
わが国の自殺死亡率は,東京都や大阪府などの大都市で高い。 |
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問 60 |
精神病床の平均在院日数は,近年短縮傾向にあり,厚生労働省の「病院報告」によれば,2002年には初めて,1年を切った。 |
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問 61 |
精神病床に入院した精神障害者のうち,退院までに6か月以内の割合は,厚生労働省の「患者調査」によれば,約8割である。 |
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問 62 |
精神病床に入院中の患者に占める65歳以上の割合は,最近の10年ほとんど変化がなく,今後も急激な増加は見込まれていない。 |
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問 63 |
精神病床に入院してから退院するまでの期間(在院期間)は,10年前に比べ,明らかに短期化している。 |
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問 64 |
正常か異常かという概念は,健康か病気かという概念とは異なる。 |
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問 65 |
精神疾患の発病に関する要因は,脳の器質的変化による身体的要因,心理的要因,社会的要因である。 |
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問 66 |
カプランがいう第三次予防は,リハビリテーション,社会復帰促進を図ることである。 |
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問 67 |
2002年の「患者調査」によれば,わが国の統合失調症で在院患者は,約21万人,外来患者は約5万7000人である。 |
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問 68 |
1990 年度の厚生科学研究班の調査によれば,わが国の痴呆性高齢者の出現率は,65歳以上の高齢者の約7%である。 |
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問 69 |
精神保健を精神疾患の予防の見地からみると、カプランの3段階の予防の概念を応用することができる。第一次予防は有病率の減少を目指すものであり,治療と介入によって行う。 |
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問 70 |
精神保健を精神疾患の予防の見地からみると、カプランの3段階の予防の概念を応用することができる。第二次予防は発生の予防であり,精神疾患にかかる危険率を減少させる過程である。これは主として情報提供と教育によって行う。 |
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問 71 |
精神保健を精神疾患の予防の見地からみると、カプランの3段階の予防の概念を応用することができる。第三次予防は適切なリハビリテーションによって行い,社会復帰の促進を図ることである。 |
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問 72 |
精神障害者の最近の状況に関して,医療機関を受診している精神障害者は,入院と外来を合わせて200万人を超えている。 |
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問 73 |
精神障害者の最近の状況に関して,外来受療中の患者数は,統合失調症よりも気分障害(躁うつ病を含む)の方が多い。 |
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問 74 |
精神障害者の最近の状況に関して,65歳以上の入院患者数では,1989年には約20%だったが,2002年には約60%に増加している。 |
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問 75 |
精神障害者保健福祉手帳の交付数は25万件を超えている。 |
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問 76 |
入院患者のうち措置入院患者の占める割合(措置率)は,1970年にピークの30,2%であったが,年々減少し,2003年には8%まで減少している。 |
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問 77 |
入院患者のうち医療保護入院患者の占める割合は,1970年約6割であったが,2003年には約2割に減少している。 |
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問 78 |
この数年の精神病床の入院患者数のうち,任意入院の割合は約6割である。 |
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問 79 |
この数年の精神病床の入院患者数のうち,任意入院の割合は約6割である。 |
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問 80 |
最近のわが国における非行等に関して,家庭内暴力は,他の問題行動を伴わないものが約8割を占める。 |
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問 81 |
最近のわが国における非行等に関して,中学生3年生の不登校者数は,全体の約1/3である。 |
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問 82 |
最近のわが国における非行等に関して,16歳未満の少年による非行は,全刑法犯の約4割を占める。 |
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問 83 |
最近のわが国における非行等に関して,犯罪となる「性の晩脱行為」で補導・保護された少年男女のうち,中学生・高校生が全体の約7割を占める。 |
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問 84 |
相手に深刻な心理的・身体的苦痛を与えるものであれば,1回しか行われなかった攻撃的行動でも“いじめ”とみなされる。 |
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問 85 |
学童期においては,反社会的行動と非社会的行動は同様なものである。 |
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問 86 |
注意欠陥多動性障害(ADHD)を有する子どもの問題は,学校より家庭で目立つ傾向がある。 |
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問 87 |
子どもの気分の状態を把握する際には,非言語的表出の評価が重要である。 |
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問 88 |
強迫症状に対する不合理への認識は,子どもでも成人でも同様に生じる。 |
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問 89 |
(精神科リハビリテーション学)
精神障害者のリハビリテーション計画に関して,非現実的な目標を立てる人については,援助者が代わりに目標を設定する。 |
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問 90 |
精神障害者のリハビリテーション計画に関して,アセスメントにおいては,問題発見型の評価は行わず本人の強さを評価する。 |
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問 91 |
精神障害者のリハビリテーション計画に関して,能力が低下している人でも,自立達成のため働くことを目標とする。 |
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問 92 |
精神障害者のリハビリテーション計画に関して,「ケアガイドライン」の計画策定会議では,利用者本人の参加が原則である。 |
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問 93 |
精神障害者のリハビリテーション計画に関して,資源開発は,リハビリテーション介入に含めない。 |
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問 94 |
精神病床入院患者の状況に関して,わが国の人口1万人当たりの精神病床数は,欧米に比べて多く,約22床である。 |
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問 95 |
精神病床入院患者の状況に関して,2002年の「患者調査」によれば,年齢構成は,40歳以上の患者が約9割を占める。 |
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問 96 |
精神病床入院患者の状況に関して,2002年の「患者調査」によれば,統合失調症の患者が約30万人で,入院患者の約6割を占める。 |
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問 97 |
精神病床入院患者の状況に関して,新規入院患者の約86%が,入院後1年以内に退院している。 |
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問 98 |
精神科リハビリテーションの原則に関して,利用者が職業を得て経済的に自立してはじめて,成功したとみなされる。 |
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問 99 |
精神科リハビリテーションの原則に関して,疾患への対処のみではなく,障害を抱えた人の生活能力の改善をめざす。 |
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問 100 |
精神科リハビリテーションの原則に関して,地域で普通に暮らすことを目的とするので,本人の了解を得た上で近隣の人々の協力を求める。 |
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問 101 |
精神科リハビリテーションの原則に関して,SST(社会生活技能訓練)の過程では,技能の訓練に目的を絞り,行動の変容や技能獲得を重視し,心理的側面への働き掛けは行わない。 |
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問 102 |
精神科リハビリテーションの原則に関して,援助者により援助内容に差がないように,共通のモデル計画に沿って実行する。 |
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問 103 |
精神科リハビリテーションの原則に関して,入院中に行うリハビリテーション室でのSST(生活技能訓練)が達成できれば,成功である。 |
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問 104 |
精神科リハビリテーションの原則に関して,医療とリハビリテーション援助との協力が重要である。 |
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問 105 |
精神科リハビリテーションの原則に関して,本人の主体性を尊重し,援助者と共同で計画を立てる。 |
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問 106 |
ケアマネジメントに関して,地域生活をめざしている入院患者は対象に含まれる。 |
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問 107 |
ケアマネジメントに関して,精神障害者保健福祉手帳の取得だけを希望している者は,対象にならない。 |
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問 108 |
ケアマネジメントに関して,ケアアセスメントでは,本人の状態だけでなく,環境面も評価する。 |
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問 109 |
ケアマネジメントに関して,ケア計画に利用者の同意が得られないときは,ケア会議で相談する。 |
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問 110 |
入院後,急性状態を脱し,身辺の処理も自分で十分できるようになったため,退院の時期を決めるために精神科デイケアに1,2か月参加させるのは原則的なやり方である。 |
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問 111 |
退院後,単身生活が予定されているが,日常生活能力の確認のため,グループホームに1週間外泊を試みることにした。 |
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問 112 |
退院に当たり服薬管理が心配なため,訪問看護により服薬状態のチェックと指導を行なうことが計画され,本人の同意を得ることにした。 |
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問 113 |
精神保健福祉士とその業務に関して,精神保健福祉士は,精神障害者の社会生活上の問題を援助するので,医療に関する助言は行ってはならない。 |
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問 114 |
精神保健福祉士とその業務に関して,精神保健福祉士は,精神障害者が家族等周囲の人々とよい関係を作り,サポートを得ながら最大限の自立ができるように働きかかける。 |
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問 115 |
精神保健福祉士とその業務に関して,精神保健福祉士は,精神障害者が社会からの理解を得られるように,地域の人々に働きかけたり教育研修を実行するなどの間接的援助も行う。 |
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問 116 |
精神保健福祉士とその業務に関して,精神保健福祉士は,精神保健福祉の知識だけでなく,チームワークの技術経験が必要である。 |
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問 117 |
精神科リハビリテーションにおける家族の問題に関して,成人しても両親と同居している人が多いわが国の現状では,家族を主な援助者とした地域リハビリテーション計画の策定がふさわしい。 |
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問 118 |
精神科リハビリテーションにおける家族の問題に関して,問題を抱えた家族が多いので,家族をリハビリテーションの協力者と位置づけるよりも,むしろ,家族療法的アプローチの対象とすべきである。 |
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問 119 |
精神科リハビリテーションにおける家族の問題に関して,家族との関係が難しい障害者もいるので,十分なアセスメントを行った上で,家族との協力のあり方に取り組むべきである。 |
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問 120 |
精神科リハビリテーションにおける家族の問題に関して,精神障害者を抱える家族の苦悩と負担を理解し,家族の生活も支援しながら,社会資源開発にともにかかわることが望ましい。 |
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問 121 |
精神科リハビリテーションに関して,精神障害の場合,病気による思考障害が主なので,医学的アプローチを重視すべきである。 |
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問 122 |
精神科リハビリテーションに関して,精神障害には,意識や認知の障害が含まれるので,主として心理的・社会的側面に働きかける。 |
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問 123 |
精神科リハビリテーションに関して,社会の偏見・無理解による面が大きいので,協力的社会づくりに重点を置いて,啓発や環境整備を計画する。 |
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問 124 |
精神科リハビリテーションに関して,個人の社会的能力や環境など様々な問題が障害と絡み合っているので,多面的アプローチが重要である。 |
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問 125 |
精神科リハビリテーションに関して,長期入院や病気の結果,社会への関心の低下により社会参加が妨げられているので,様々な訓練や経験の提供を優先させる。 |
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問 126 |
(精神保健福祉論)
世界保健機関(WHO)による国際生活機能分類(ICF)に関して,国際疾病分類(ICD)は病因論的な枠組みから健康状態を分類し,国際生活機能分類(ICF)は健康状態に関連する生活機能と障害を分類している。 |
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問 127 |
世界保健機関(WHO)による国際生活機能分類(ICF)に関して,ICFは,対象範囲を障害者とし,その健康状態に関係した身体・個人及び社会レベルでの生活状態を包括的に扱っている。 |
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問 128 |
世界保健機関(WHO)による国際生活機能分類(ICF)に関して,ICFは,人の健康のすべての側面と,安寧(well-being)のうち健康に関連する構成要素のいくつかを扱うものである。 |
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問 129 |
世界保健機関(WHO)による国際生活機能分類(ICF)に関して,ICFでいう「参加」は,個人が行う課題や行為の遂行を,「活動」は,生活場面へのかかわりを意味する。 |
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問 130 |
ノーマライゼーションに関して,デンマークにおいて,1953年,社会大臣あてに知的障害者の親の会が提出した要望書の中で初めてノーマライゼーションの言葉が用いられるとともに,「1960年法」によってその思想の具体化が進められた。 |
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問 131 |
ノーマライゼーションに関して,デンマークのニィリエは,「ノーマライゼーションとはごく普通の生活様式や状況の側面や要素,及び障害をもつ人が経験し共有している普通の権利」であるとした。 |
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問 132 |
ノーマライゼーションに関して,わが国では,障害者基本計画に基づき,1993年に「障害者プラン-ノーマライゼーション7か年戦略」を策定するなどノーマライゼーションの具体化を図った。 |
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問 133 |
ノーマライゼーションに関して,アメリカやカナダにノーマライゼーションの理念を紹介したヴォルフェンスベルガーは,その後,「ソーシャル・インクルージョン」といった理念を提唱した。 |
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問 134 |
障害者福祉の理念に関して,ノーマライゼーションは,1950年代の前半,デンマークをはじめとする北欧の社会で,知的障害者の親の会の運動によって生まれた理念であり,今日では障害者を含め,広く社会福祉の基本理念へ発展している。 |
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問 135 |
障害者福祉の理念に関して,リハビリテーションという用語が障害者について用いられるようになったのは,第一次世界大戦以降であり,その使われ方や理解のされ方は時代とともに変化し,今日では全人間的復権をめざすものとされている。 |
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問 136 |
障害者福祉の理念に関して,自立生活思想は,1960年代後半にエド・ロバーツらによって,カリフォルニア大学バークレー校等の重度障害者のキャンパスライフや教育の機会均等を保障する運動に端を発している。 |
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問 137 |
障害者福祉の理念に関して,エンパワメントは,自らの奪われた主体性を取り戻していくプロセスを表す概念として,1960年代にアメリカにおいて進められた精神障害者の脱施設化運動のなかで使われはじめた。 |
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問 138 |
障害者福祉の理念に関して,国連の「知的障害者の権利宣言」では,障害者は,障害の原因,特質及び程度にかかわらず,同年齢の市民と同等の基本的権利を持つと述べられている。 |
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問 139 |
障害者福祉の理念に関して,リハビリテーションの理念は,専門家の定めるプログラムに従い,最も適した身体的機能水準の達成を可能にすることによって,障害者の生活の質(QOL)を最高度に高めることにある。 |
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問 140 |
障害者福祉の理念に関して,ノーマライゼーションの理念は,障害者自身よりも,むしろ障害者の置かれている生活条件や,生活環境の現状とそのあり方を変えていくことである。 |
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問 141 |
障害者福祉の理念に関して,自立生活(Independent Living)の理念では,必要な援助を受けて,自己決定・自己選択に基づき,自分らしい生き方を貫くことが強調されている。 |
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問 142 |
障害者福祉に関して,国連の1981年の国際障害者年は「完全参加と平等」をテーマにノーマライゼーションなどの思想や取り組みを国際的に広め,障害者の社会参加に大きな役割を果たした。 |
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問 143 |
障害者福祉に関して,アメリカではロバーツらによって自立生活の思想が広がり,1970年代に「自立生活センター」を拠点とする障害者自らの責任と判断で必要な介助等を受けて生きていく権利としての障害者運動が大きな力を持った。 |
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問 144 |
障害者福祉に関して,リハビリテーションとは「全人間的復権を目指す技術的及び社会的改革的対応の総合的体系(1982年,身体障害者福祉審議会)」であり,「生活の質(QOL)の向上」をめざすものではない。 |
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問 145 |
障害者福祉に関して,1990年の「障害を持つアメリカ人法(ADA法)」は,障害者に対する機会均等を保障するもので,包括的な差別禁止法となっている。 |
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問 146 |
1955年,国連総会で「世界人権宣言」を採択し,その第1条において「すべての人間は,生まれながらにして自由であり,かつ,尊厳と権利とについて平等である」とされた。 |
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問 147 |
1975年,国連総会において障害者の基本的人権と障害者問題に関する指針を示すものとして,「障害者の権利宣言」が決議された。 |
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問 148 |
1982年,国連総会において「障害者に関する世界行動計画」を決議するとともに,1983年から1992年までの期間を「国連・障害者の十年」とした。 |
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問 149 |
1991年,国連総会において「精神障害者の保護及び精神保健ケアの改善のための諸原則」が決議され,加盟国に神経障害者の権利に関して守るべき規準を定めた。 |
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問 150 |
2002年の「障害者基本計画」によれば,「21世紀に我が国が目指すべき社会は,障害の有無にかかわらず,国民だれもが相互に人格と個性を尊重し支え合う
【共存社会】とする必要がある。【共存社会】 においては,障害者は,社会の【対等な構成員として】人権を尊重され,【自己選択と自己決定】の下に社会のあらゆる活動に参加,参画するとともに,社会一員として責任を分担する。」とされている。 |
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問 151 |
障害者についての国連決議に関して,「知的障害者の権利宣言」は,「障害者の権利宣言」を基に,知的障害者の諸権利をより詳細に明らかにしたものである。 |
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問 152 |
障害者についての国連決議に関して,「障害者に関する世界行動計画」は,「国際障害者年」のためのガイドラインとして策定されたものである。 |
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問 153 |
障害者についての国連決議に関して,「精神障害者の保護及び精神保健ケア改善のための諸原則」は,精神障害者の人権の保護を目的としたものであり,基本的な自由と権利,治療の同意等について,その原則を示したものである。 |
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問 154 |
障害者についての国連決議に関して,「障害者の機会均等化に関する標準規則」は,障害者の機会均等化による平等と権利の確保を目的に,医療介護,リハビリテーション等について,障害者施策で実施すべき標準的な指針を示したものである。 |
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問 155 |
(精神保健福祉援助技術)
医療機関における個人情報の取り扱いに関して,遺族から診療録の開示請求があったので,個人情報保護法にのっとって,例外として開示手続を支援した。 |
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問 156 |
医療機関における個人情報の取り扱いに関して,退院後のデイケア利用に際して,病状悪化時の状態を知るため,病棟部門の診療録から情報収集した。 |
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問 157 |
医療機関における個人情報の取り扱いに関して,診療録の開示請求は,本人のほか,@未成年者又は成年被後見人の法定代理人,A開示等の求めをすることにつき本人が委任した代理人により行うことができる。 |
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問 158 |
医療機関における個人情報の取り扱いに関して,意識不明で緊急入院してきた患者について,関係機関に身元の照会を行った。 |
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問 159 |
精神保健福祉法の理解と運用に関して,精神科病院や精神科診療所などの管理者に対し,社会復帰の相談や援助を行うことを努力義務としており,精神保健福祉士は管理者の指揮監督の下でこの業務を担う。 |
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問 160 |
精神保健福祉法の理解と運用に関して,医療保護入院等のための移送は,緊急に入院の必要があり,患者本人がその必要性を理解できない場合に適用される制度であるが,本人の同意を得るように努める必要もある。 |
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問 161 |
日本精神保健福祉士協会倫理綱領の構成は,(1)前文,(2)目的,(3)倫理原則@クライエントに対する責務,A専門職としての責務,B機関に対する責務,C社会に対する責務,(4)倫理基準@クライエントに対する責務,A専門職としての責務,B機関に対する責務,C社会に対する責務,である。 |
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問 162 |
精神保健福祉士の義務に関して,家庭においても,退院後であっても,相談内容を話題としてはならない。 |
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問 163 |
精神保健福祉士の義務に関して,症状が安定しているので,主治医に相談することなく,利用者と話し合って小規模作業所の利用を決めた。 |
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問 164 |
精神保健福祉士の義務に関して,主治医は反対したが,任意入院なので看護師長と相談して退院を決めた。 |
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問 165 |
精神保健福祉援助活動に関して,疾病や障害のための問題解決に主体的な取り組みに困難を伴うこともあるが,利用者の歩調に合わせながら支援する。 |
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問 166 |
精神保健福祉援助活動に関して,精神保健福祉援助活動は,精神障害者の精神の疾病に焦点を当てた援助である。 |
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問 167 |
精神保健福祉援助活動に関して,精神障害者の持つ生活の心配や,周囲の偏見に苦しんでいる家族のつらさを理解しながら支援を行う。 |
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問 168 |
精神保健福祉援助活動に関して,精神症状が再燃した場合は,本人の同意を得るよりも,家族の同意を得,確認して入院できるよう援助する。 |
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問 169 |
精神保健援助におけるチームアプローチにおいて,病院に勤務する精神保健福祉士は,患者の治療を第一とされる医療チームのなかにおいて,利用者だけでなくその背景にも目を向け,家族や職場など社会との関係のなかで利用者を理解する視点が求められている。 |
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問 170 |
精神保健援助において,高度な精神医学の知識を有する専門職で構成されたチームによる働きかけを,チームアプローチと称する。 |
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問 171 |
精神保健援助におけるチームアプローチは,利用者中心を共通認識とする各職種の専門性への相互理解と連携に基づいている。 |
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問 172 |
精神保健援助におけるチームアプローチにおいて,精神保健福祉士は,利用者を生活者ととらえる視点を具体化して,チームに専門的な見解を提示する。 |
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問 173 |
精神保健福祉援助技術に伴う社会資源の活用に関して,社会資源の活用や開発は,精神障害者の自立した生活に向けて用いられている重要な援助技術である。 |
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問 174 |
精神保健福祉援助技術に伴う社会資源の活用に関して,社会資源の活用に当たっては,ニーズを明確にし,精神障害者本人が社会資源を利用する意思を確認する。 |
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問 175 |
精神保健福祉援助技術に伴う社会資源の活用に関して,精神障害者の生活支援には,できるだけ多くの公的社会資源の情報を収集することである。 |
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問 176 |
精神保健福祉援助技術に伴う社会資源の活用に関して,社会資源の開発が進み,「障害者自立支援法」が制定された今,社会資源の量は既に充足されたので,次の課題として,社会資源の質の改善が求められている。 |
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問 177 |
「精神障害者の生活の質」の調査法に関して,WHOQOL-26は,身体的領域,心理的領域,社会的関係,環境の4領域,「全般的な生活の質」を問う質問項目2つからなる全26項目から構成されており,精神障害者にも用いることができる。 |
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問 178 |
「精神障害者の生活の質」の調査法に関して,クオリティ・オブ・ライフ評価尺度(Quality of Life Scale;QLS)は,入院中の精神障害者の生活の質を明らかにするために用いることができる。 |
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問 179 |
「精神障害者の生活の質」の調査法に関して,フォーカス・グループ・インタビューは,利用者が生活の質の向上のために専門職に何を期待しているかを明らかにするために用いることができる。 |
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問 180 |
「精神障害者の生活の質」の調査法に関して,グラウンデッド・セオリー・アプローチは領域密着型の質的研究法であり,精神科病棟での患者の生活の質に関する理論を生成するために用いることができる。 |
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問 181 |
精神保健福祉士の援助活動に関して,意思能力が不十分だと医師に判断されたため,結んでしまった不動産の売買契約に対して,本人に代わって取消権を行使した。 |
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問 182 |
精神保健福祉士の援助活動に関して,意思能力が不十分だと医師に判断されたため,結んでしまった不動産の売買契約に対して,本人に代わって取消権を行使した。 |
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問 183 |
精神保健福祉士の援助活動に関して,福祉サービスの利用援助に関して,窓口になっている社会福祉協議会にも相談を勧めた。 |
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問 184 |
精神保健福祉士の援助活動に関して,状態は変化していないのに,障害年金の等級が下がり,経済的にも困っているという相談を受けたため,不服申立てを援助した。 |
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問 185 |
精神保健福祉士の援助活動に関して,再発の場合,利用者の意思よりも,入院をさせ保護することを優先として援助する。 |
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問 186 |
精神保健福祉士の援助活動に関して,新しい場面や,一時にたくさんの課題に直面すると,緊張や不安が高まりやすい傾向にも配慮した援助が必要である。 |
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問 187 |
精神保健福祉士の援助活動に関して,障害者がサービスの利用者として,主体的に自らの生き方を選択する立場であることを共に確認していくことが重要である。 |
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問 188 |
精神保健福祉士の援助活動に関して,利用者や家族は,周囲の偏見などにも苦しんでいることを充分に理解しながら援助する。 |
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問 189 |
精神保健福祉士が用いる相談記録は,精神障害者やその家族など利用者へのよりよい援助を提供するためにある。 |
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問 190 |
精神保健福祉士が用いる相談記録は,精神保健福祉士とその所属する援助機関の社会的責任を明確化し,支援機能を高めるためにある。 |
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問 191 |
精神保健福祉士が用いる相談記録は,援助の事実経過や根拠を証明する資料として,利用者の権利擁護(アドボカシー)に貢献するものである。 |
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問 192 |
精神保健福祉士が用いる相談記録は,現任者や研修性の教育訓練,有効な援助理論の確立など,教育と学問的発展にも寄与するもので,援助者個人の所有物ではなく,公的な文書である。 |
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問 193 |
精神保健福祉士の家族支援に関して,家族の抱える問題に目を向けるだけでなく,家族の持っている力にも焦点を当てる。 |
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問 194 |
精神保健福祉士の家族支援に関して,精神障害者の立場に立って,精神障害者の生活リズムに合わせるよう家族を説得する。 |
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問 195 |
精神保健福祉士の家族支援に関して,家族をシステムとしてとらえ,全体としての家族を支援の対象としてアプローチする。 |
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問 196 |
精神保健福祉士の家族支援に関して,家族関係の問題の介入は難しいので,家族療法を行う臨床心理技術者や家族会など,他の専門家やグループに紹介する。 |
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