問 1 |
(精神医学)
心身症では,器質的ないし機能的な身体症状が認められない。 |
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問 2 |
神経症の病理は,人間の正常な心理の延長線上のものでないため了解不能である。 |
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問 3 |
うつ病では,身体症状の愁訴がみられることは少ない。 |
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問 4 |
統合失調症の急性期には,意識障害はみられない。 |
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問 5 |
初期から脱抑制と性格変化を伴う認知症では,ピック病をまず疑う。 |
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問 6 |
70歳の男性。物忘れを主訴として,家族に伴われて来院した。以前より高血圧で治療を受けていたが,1年前から物の置き忘れが目立つようになり【記銘力障害(前向健忘)】,最近は,泥棒がしょっちゅう侵入して物を盗んでいくと思い込んでいて【妄想】,説得しても納得しない。以前に比べてささいなことで泣いて涙を流すようになった【感情失禁】。このところ毎晩,夜中に起き上がり,意味不明な動作をしたり,夜中に玄関から出掛けようとして家族に制止されている【転換症状】。 |
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問 7 |
治療教育と知的障害の組み合わせは適切である。 |
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問 8 |
治療教育とは,教育的な手段を使って,精神機能の障害や行動の異常を改善するように働きかけたり,精神発達や適応行動を促進したりする方法であり,教育学,心理学などの分野とは重なりあいを持ちつつも,精神医学の分野に位置づけられる治療法である。 |
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問 9 |
SST(社会生活技能訓練)は,主に神経症性障害に適用される。 |
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問 10 |
精神障害を持つ人は,薬物療法や精神療法などにより症状が改善した後も,対人関係のぎこちなさや日常生活の課題に対処する能力が障害され(生活障害),そのために家族や近隣,職場の人々との対人関係がうまくいかず社会適応が妨げられたり,それがストレスとなって再発を招くことがある。 |
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問 11 |
SSTは,認知行動療法の1つに位置づけられる新しい治療方法で,生活指導や生活訓練を行う。対人関係を中心とする社会生活技能のほか,服薬自己管理・症状自己管理などの疾病の自己管理技能,身辺自立(ADL)に関わる日常生活技能を高める方法が開発されている。 |
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問 12 |
SSTは,1997年4月には「入院生活技能訓練療法」として診療報酬にも組み込まれた。現在では,医療機関や各種の社会復帰施設,作業所,矯正施設など多くの施設で実践されている。 |
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問 13 |
SSTは,近年わが国でもその効果が認められ,精神障害を持つ人たちの自己対処能力を高め(エンパワメント),自立を支援するために,この方法が広く活用されることが期待されている。 |
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問 14 |
心理教育は精神障害全般に適用される。 |
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問 15 |
心理教育とは,精神障害やエイズなど,受容しにくい問題を持つ人たちに,適切な知識や情報を的確に伝え,また,病気や障害にまつわる諸問題・諸困難に対する対処方法を,考え修得する機会を提供することによって,彼らが主体的な療養生活を営めるよう援助する方法である。自ら抱えた問題をなんとか受け止めることができるようになること,問題を乗り越える技術が身につくこと,あるいは,現実に立ち向かう力量がつくこと(エンパワメント),何とかやっていけるという自信(セルフ・エフェカシー)がふくらむこと,自己決定・自己選択が可能になること,地域の社会資源などを主体的に利用できるようになることなどが目的である。 |
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問 16 |
回想法とアルツハイマー型認知症の組み合わせは適切である。 |
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問 17 |
回想法は,1990年代にアメリカのバトラーによって創案された心理療法である。 |
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問 18 |
集団精神療法とアルコール依存症の組み合わせは適切である。 |
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問 19 |
集団精神療法は,集団内相互作用によって治療を促進するものであり,個人の問題点が可視的・実感的になり,洞察の深化につながる。 |
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問 20 |
集団精神療法は,AAや断酒会などアルコール依存症や統合失調症に利用されている。 |
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問 21 |
精神病の発症原因は,いまだ確定されていないが,生物学的要因としての脆弱性とストレスとなる出来事への対処のつまずきが関係しているという見解が,近年一般的であり,今日では統合失調症の原因は,ストレス-脆弱性モデルで理解されている。 |
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問 22 |
気分障害や統合失調症など機能性精神障害の神経化学的異常の検索にMRS(磁気共鳴スペクトル法)が応用されている。 |
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問 23 |
家族性アルツハイマー病では,いくつかの遺伝子異常が明らかになっている。 |
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問 24 |
アルコール依存症は,家族性に起こることがある。 |
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問 25 |
アルツハイマー型認知症への移行段階として,軽度認知障害(Mild Cognitive Impairment;MCI)が注目されている |
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問 26 |
アルツハイマー型認知症では,症状はしばしば段階的に進行する。 |
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問 27 |
レビー小体型認知症の脳画像所見では,症状のわりに萎縮が強くない。 |
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問 28 |
アルツハイマー型認知症は,塩酸ドネペジルの投与により,その進行を遅らせることができる。 |
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問 29 |
統合失調症に関して,発病年齢のピークには男女間で差がある。 |
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問 30 |
統合失調症に関して,一般人口中における出現の頻度(発病危険率)は約5%である。 |
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問 31 |
統合失調症に関して,回想法は重要な精神医学的リハビリテーションである。 |
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問 32 |
統合失調症に関して,幻覚の中で最も多いのは幻視である。 |
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問 33 |
精神症状に関して,強迫観念は,パニック障害の中核症状である。 |
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問 34 |
精神症状に関して,強迫観念は,ある一定の想念や表象が,自らの意思とは無関係に繰り返し浮かんでくるものである。 |
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問 35 |
精神症状に関して,強迫観念と妄想の異なる点は,強迫観念がその観念の不合理性を自らが認識していることである。 |
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問 36 |
精神症状に関して,不合理とは認識しながらも,うちからの衝動を抑えられず,一定の行為を繰り返して行ってしまうものを強迫行為という。 |
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問 37 |
精神症状に関して,強迫観念は強迫性障害の中核症状であるが,うつ病や統合失調症でもみられることがある。 |
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問 38 |
精神症状に関して,パニック障害の中核症状はパニック発作である。 |
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問 39 |
精神症状に関して,幻聴(幻声)は,統合失調症に特徴的である。 |
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問 40 |
精神症状に関して,実在しないものが見えるという視覚性の幻覚が幻視である。 |
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問 41 |
精神症状に関して,幻視は何らかの意識障害を伴っている場合に起こりやすく,外因性の精神障害時に多くみられる。 |
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問 42 |
精神症状に関して,せん妄時には人・動物・情景などあらゆる形態の幻視が現れる。 |
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問 43 |
精神症状に関して,アルコール離脱期の振戦せん妄時には,多数の虫やねずみ等がみられることがあり,小動物幻視と呼ばれる。 |
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問 44 |
精神症状に関して,ふざけ症は,後頭葉の損傷で起こる場合があり,器質性の人格障害に分類される。 |
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問 45 |
精神症状に関して,させられ体験(作為体験)は,人格障害に特徴的である。 |
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問 46 |
精神症状に関して,させられ体験(作為体験)は,自他の境界が不鮮明になって起きる自我障害の一つであり,統合失調症に特徴的な症状である。 |
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問 47 |
精神症状に関して,作話は,詐病患者に特徴的である。 |
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問 48 |
精神症状に関して,作話は,コルサコフ症候群のような記名力障害でみられる。 |
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問 49 |
精神症状に関して,虚偽性障害(一般の医療場面),詐病(拘禁下)は意識的・意図的な偽装が働く。 |
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問 50 |
離人症は自我の障害である。 |
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問 51 |
健忘は,心因性にも起こることがある。 |
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問 52 |
滅裂思考は,躁病で見られる思考障害である。 |
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問 53 |
多重人格は,ICD-10の「人格障害」に分類される。 |
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