福祉行政に関する最新記事

(参考) 20064 2018年5月までの記事
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2019年10月14日~(更新の再開)
【2019年3月28日~2019年10月13日(更新の中断)】
2018年6月1日~2019年3月27日
日付 関係省庁等 項 目 ポイン
10月24日 社会福祉振興・試験センター/3職能団体 「三福祉士の職能団体の長による鼎談(テーマ:福祉の未来を考える)の特設サイト」が開設された ・2019年9月25日,3福祉士の職能団体は,社会福祉振興・試験センターの助成で,「社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士」の職能団体の長による鼎談「福祉の未来を考える」の特設サイトを開設した。

→この特設サイト開設から1か月になるが,サイト内の動画再生回数は,3職能団体の会員数から見れば惨憺たるものである。サイトも動画も閲覧してもらわなければ無意味である。会員ですら見ないものを,福祉関係者や一般の人が見るとは考えられない。広報活動を含めて,3職能団体の取り組み姿勢を疑う。
→3職能団体(日本介護福祉士会,日本社会福祉士会,日本精神保健福祉士協会)の長の見識を棚上げにしても,3福祉士の認知度を高め,社会的地位を上げようとする意気込みも熱量もなく,いったい何がしたくて,どのような効果を期待してこのサイトを開設したのか,多くの疑問が沸いてくる。
→有り体に言えば,このサイト開設のための社会福祉振興・試験センターからの助成金(税金)を無駄遣いしている,と受け止めた。
→蛇足であるが,標題である「鼎談」という見たこともないような漢字は,「ていだん」と読み,調べれば3人で向かい合って話すことと定義されている。なお,2人で向かい合って話す場合は「対談」と定義され,4人以上の場合の特別の言葉はないが,常識的には2人以上なら「座談」か「会談」でいいのではないかと思うが,あえて読めない漢字を振り回すことからも,時代錯誤を感じる。(筆者)
10月16日 社会福祉振興・試験センター 「第22回介護支援専門員実務研修受講試験問題」が公表された ・2019年10月16日に試験センターが,10月13日実施の試験問題を公表した。2019年10月13日の試験を予定通り実施し,または試験時間の繰り下げ実施をした都道府県では,受験者に試験問題の持ち帰りを禁止していた。試験問題は,10月16日以降に試験センターのHPにおいて公表,および試験問題の返却が予定されていたものである(返却の受け取り方法は各都道府県に確認)。
区分 問題番号  問題数
(1)介護支援分野 1~25 25問
(2)保健医療サービスの知識等 26~45 20問
(3)福祉サービスの知識等 46~60 15問
- 60問
やまだ塾の解答例
2019年
10月14日
- ■「第22回介護支援専門員実務研修受講試験」の対応は厚生労働省が主導して行うべきである 1958年以来最大で破壊的と予想され,深刻な被害が懸念されていた台風19号により,10月13日のケアマネ試験において,予定通り実施,試験時間の繰り下げ,試験中止の事例が広範囲の都道府県で発生しました。例えば,中止となった東京都の場合には,(公益財団法人)東京都福祉保健財団のホームページで「再試験の実施等,今後の対応については,現在検討中であり,未定です。今後決定次第,受験者の皆様に通知させていただきます。」と明記されている。今回,都道府県レベルで実施の可否を判断させる事案であったのか,との疑念がある。
・なお,介護支援専門員実務研修受講試験において,過去に一度だけ再試験が行われた例があります。2004年10月24日(日)が試験予定日であったが,新潟県中越地震の影響で,「新潟県長岡会場」で試験が実施できなかったため,2005年2月20日(日)に「救済措置」として再試験が実施された(厚生労働省「第7回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について」 / 厚生労働省「第7回介護支援専門員実務研修受講試験について」)が,今回のような広範囲にわたる都道府県での中止ではありません。
爾後の対応は,国民が注視しており,極めて重大であるとの認識を国(厚生労働省)は持つべきである。


→今回の台風の影響の大きさは事前にわかっていたことであり,都道府県の判断に任せるという初動の対応は,不適切であったと言わざるを得ない。全国統一試験としての公平性を保つために,厚生労働省が主導して,全国一律で中止とすべきであったと思う。
→不利益を被る可能性のある人があまりに多いため,爾後の厚生労働省による適切な関与を期待したい。(筆者)
2019年10月14日から更新を再開します
2019年3月28日~2019年10月13日(更新を中断しました)
2019年3月27日 厚生労働省/試験センター 「第31回介護福祉士国家試験合格発表」 ・2019年3月27日14:00から,厚生労働省および社会福祉振興・試験センターは,第31回介護福祉士国家試験の合格発表を実施した。
第31回
介護福祉士
合格発表(厚生労働省)
・合格率(73.7
合格基準(75点/125点,46.67点/100点)
EPAに基づく合格者
3月15日 厚生労働省/試験センター 「第31回社会福祉士国家試験合格発表」
「第21回精神保健福祉士国家試験合格発表」
・2019年3月15日14:00から,厚生労働省および社会福祉振興・試験センターは,第31回社会福祉士国家試験および第21回精神保健福祉士国家試験の合格発表を実施した。
第31回
社会福祉士
合格発表(厚生労働省)
・合格率
(28.9%)
・合格基準(89点/150点,39点/67点)
学校別合格率ランキング
第21回
精神保健福祉士
合格発表(厚生労働省)
合格率(62.7%)
・合格基準(87点/163点,41点/80点)
学校別合格率ランキング
2019年
1月29日
首相官邸,財務省 ■2019年1月28日に「第198回通常国会」が召集され,「安倍首相の施政方針演説」が行われた ・2019年1月28日に「第198回通常国会」が開会し,安倍首相が施政方針演説を行った。会期は2018年6月26日までの150日間である。
・2012年の第2次安倍政権発足後,7回目の施政方針演説である。
<施政方針演説のポイント(昨年との比較)>
2019年通常国会 2018年通常国会
①「毎月勤労統計」の不正は,セーフティーネットへの信頼を損なうものと陳謝。雇用保険などの追加給付と再発防止と統計の信頼回復に向け検証。 働き方改革,人づくり革命,生産性革命の実行
②10月に消費税増税(10%)を断行。少子高齢化を克服し,「全世代型社会保障制度」を実現するための財源に必要と,国民に理解と協力を要請。十二分の景気対策(軽減税率,プレミアム商品券の発行など)や負担抑制策を強調。
③日ソ共同宣言に基づくロシアとの平和条約交渉の加速化に意欲。拉致問題の解決に向けて,北朝鮮の金正恩委員長との会談に意欲。日中関係は「完全に正常な軌道に戻った」と強調韓国との2国間関係には言及なし。 ・北朝鮮問題への対応と防衛力の強化
・日中関係の改善
・韓国とは,未来志向で新たな時代の協力関係を深化
④4月30日の天皇陛下の退位と5月1日の新天皇即位に向け,皇室継承関連儀式の準備を万全に推進。 ・天皇陛下退位と新天皇の即位の実施
⑤国会での憲法改正議論の深化に期待。 ・憲法改正の前進
・同日,政府は,「 2018年度補正予算案」および「2019年度予算案」を国会に提出した。2019年3月末までの成立をめざす。

→第2次安倍内閣以降,森友決裁文書問題,裁量労働制不適切データ問題,自衛隊海外派遣部隊の日報管理問題,障害者雇用の水増し問題,そして今国会での焦点の一つである「毎月勤労統計」の不正調査問題,といった行政文書やデータの不適切問題が立て続けに生起してきた。これだけの不祥事を起こしておきながら,「行政府の長」としての「内閣総理大臣」が居座り続けられるこの国の不思議さを感じざるを得ない。
→2019年1月28日の記者会見で,安倍首相は,第198回通常国会を「新しい時代の始まりの国会」と称した。その前提として,現天皇陛下の最後となる第198回通常国会での開会式でのお言葉にあった「国会が,当面する内外の諸問題に対処するに当たり,国権の最高機関として,その使命を十分に果たし,国民の信託に応えることを切に希望します」は,「全国民の総意」でもあることを,安倍首相に伝えるのは選挙結果以外にはない。
→今回の施政方針演説は,2019年4月の統一地方選と7月の参院選に向けての耳障りのいい言葉や事柄を羅列している,というのが一般的な受け止め方であると思う。選挙が終われば国民への裏切りが始まるというのが,これまでの安倍首相の常とう手段であった。(筆者)
12月12日 - 「第197回臨時国会」が閉会した ・2018年12月10日に,「第197回臨時国会」が閉会し,安倍首相は「記者会見」を行った。臨時国会は10月24日に召集され,会期は48日間であった。
・新規提出法案は異例の少なさで,提出した法案13本はすべて成立した。成立率が100%となったのは2007年9月~2008年1月の「第168臨時国会」以来で,第2次安倍政権以降では初めてとのことである。
<今国会のポイント>
●政府・与党は西日本豪雨や北海道地震の復旧費に充てる2018年度第1次補正予算を成立させた。
●法案では,①臨時国会で最大の焦点となっていた外国人労働者の新たな受け入れ枠の拡大をはかる「入国管理法改正案」,②現在、自治体が運用している水道事業を民間会社に委託することができる「水道法改正案」(「第196回通常国会」からの積み残し法案),③漁業権の優先順位を廃止し企業の漁業参入を可能とする「漁業法改正案」は,国民生活や社会・経済に大きく影響する法案であり,野党は国会での十分な審議を求めたが,与党は強行的な採決を行った。
●議員立法では,自民党が改憲論議の呼び水とすることを狙った憲法改正の是非を問う国民投票の利便性を高めるための「国民投票法改正案」が「第196回通常国会」に続いて継続審議となり,参院議員の定数6増に伴い歳費を削減する「国会議員歳費法改正案」も提出が先送りされた。
●与野党で「月1回開催」を申し合わせている,安倍首相と各党党首による「党首討論」も開催されなかった。

区分 主な成立法
継続 ・「改正サイバーセキュリティ基本法」
・「改正水道法」
新規 ・「改正出入国管理及び改正難民認定法及び改正法務省設置法」
・「改正漁業法」
・「天皇の即位の日及び即位礼正殿の儀の行われる日を休日とする法律」

→安倍政権の放埓と政治の歪みは,2019年の統一地方選と参院選で正す以外に方策はない。(筆者)
11月1日 厚生労働省 「2018年版 過労死等防止対策白書」(概要 / 本文 ・2018年10月30日,厚生労働省は,「2018年版過労死等防止対策白書」を公表した。
・「過労死等防止対策白書」は,過労死等防止対策推進法第6条に基づき,国会に毎年報告を行う年次報告書であり,2016年度から始まり今回で3回目となる。
<「2018年版過労死等防止対策白書」の構成>
第1章 労働時間やメンタルヘルス対策等の状況
第2章 過労死等の現状
第3章 過労死等をめぐる調査・分析結果
・過労死等の防止のための対策に関する大綱の変更/働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律
第4章 過労死等をめぐる調査・分析結果
自動車運転従事者,教職員,IT産業,外食産業,医療
第5章 過労死等をめぐる調査・分析結果


【過労死の定義】
◎ 「過労死等」とは,業務における過重な負荷による脳血管疾患もしくは心臓疾患を原因とする死亡,もしくは業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡またはこれらの脳血管疾患,心臓疾患,精神障害をいう。

「過労死等防止対策推進法」が2014年11月に施行され,「過労死等防止対策推進協議会」(2014年12月17日設置),「『過労死等ゼロ』緊急対策」(2014年1226日「長時間労働削減推進本部」決定),「過労死等の防止のための対策に関する大綱」(2015年7月24日閣議決定),「働き方改革実行計画」2017328日「働き方改革実現会議」決定),「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」(2018年6月29日成立)「新過労死防止対策大綱」(2018年7月24日閣議決定)が施策されている。なお,厚生労働省は,①「過労死防止対策のページ」 ,②「健康で充実して働き続けるために」 を実施している。
→2018年版白書の特徴は,過労死などが多いとされ,特別に調査する重点業種のうち,過重労働が顕著な重点業種・職種5つ(自動車運転従事者,教職員,IT産業,外食産業,医療)に関する調査結果を紹介していることである。
→本白書の公表し際し,厚生労働省が,『「過労死をゼロにし,健康で充実して働き続けることのできる社会」の実現に向け,引き続き過労死等防止対策に取り組んでいきます』と毎年,同じコメントを添えていることに対して,表層的な定例のイベント化を感じる。(筆者)
10月25日 - ■「第197回臨時国会」が招集された ・2018年10月24日,「第197回臨時国会」が召集され,安倍首相の「所信表明演説」と麻生財務大臣の「財政演説」が行われた。これに対する各党代表質問は,安倍首相の中国訪問帰国後の10月29~31日が予定されている。会期は12月10日までの48日間である。
・政府は,まず西日本豪雨や北海道地震の復旧費を中心とする9,356億円の2018年度第1次補正予算案について,11月上旬の成立を目指すとされている。続いて,外国人労働者の受け入れ拡大に向け新たな在留資格を創設する出入国管理法改正案,皇太子さまが新天皇に即位する2019年5月1日などを2019年に限って祝日とする法案,70年ぶりに抜本的な漁業法改正案など13本の法案と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)など3本の条約案を提出する予定とされている。
・第197回臨時国会では,(1)閣僚の資質,(2)改正入管難民法案,(3)憲法改正,(4)消費税増税,(5)日米貿易交渉,が主な論点になると見られている。

→安倍首相は,所信表明演説で,2018年8月に発覚した中央省庁の障害者雇用水増し問題には触れなかったが,政府は,2018年10月23日の関係閣僚会議で,問題を巡る再発防止策や雇用確保策をまとめた基本方針を決定している。所信表明演説で,「女性も男性も,若者も高齢者も,障害や難病のある方も,誰もがその能力を存分に発揮できる一億総活躍社会を,皆さん,共に,創り上げようではありませんか。」と,「水増し問題」に触れもせず,ましてや「国民や障害者」への謝罪もなく,ノー天気に呼びかけている。さらに,「原敬はこう語っています。「常に民意の存するところを考察すべし」」を持ち出したときに,この人はもうだめだと思った。
→閣僚の「政治とカネ」や「閣僚の資質」というくだらない議論で臨時国会が終始されることが予想され,与野党に対して,すでにうんざり感満杯である。(筆者)

10月16日 厚生労働省 「2017年版 働く女性の実情」(概要 / 本文)が公表された ・2018年9月18日,厚生労働省は,「2017年版 働く女性の実情」(通称:女性労働白書)を公表した。
・「2017年版 働く女性の実情」は,2部構成で,Ⅰ部第1章では,「就業状況や労働条件など働く女性に関する状況について」,第2章では「女性活躍推進法に基づく取組状況」について,Ⅱ部では,「働く女性に関する厚生労働省の施策について」取りまとめている。


→「指導的地位に占める女性の割合」に関する動向である。
・1999年制定の「男女共同参画社会基本法」に基づいて「第3次男女共同参画基本計画」が2010年12月に閣議決定され,「社会のあらゆる分野において,2020年までに指導的地位に女性が占める割合を少なくとも30%とする」という目標が設定された。2015年12月に閣議決定された「第4次男女共同参画基本計画」では,当該目標を「引き続き更なる努力を行う」こととした。
・2016年4月1日施行の「女性活躍推進法」により,職場における女性の活躍を促す取り組みが始まり,常用雇用労働者301人以上の企業は,「一般事業主行動計画」を策定し,都道府県労働局への届出しが義務化された。
・なお,「指導的地位」とは,①議会議員,②法人・団体等における課長相当職以上の者,③専門的・技術的な職業のうち特に専門性が高い職業に従事する者と定義されている。
→2018年10月2日に発足した「第4次安倍改造内閣」の全閣僚19名中女性閣僚数はたったの1名(片山さつき氏)であり,2012年発足の「第2次安倍政権」以後最少であった。しかしながら,「第2次安倍政権」以降,途中辞任した大臣のうち半分の3名(小渕経済産業大臣,松島法務大臣,稲田防衛大臣)が女性であったということも事実である。
→世界経済フォーラムの「ジェンダー・ギャップ指数2017」によれば,2017年の日本の順位は,144か国中114位(2016年は144か国中111位)であった。前回に比べ,経済,教育,保健分野の順位は上昇したが,政治分野は順位が下がった。「これは,主に,閣僚の男女比が昨年のGGIにおける基準値より低下したことによると考えられる」,と内閣府男女共同参画局は説明している。
→男女共同参画,女性活躍,ダイバーシティ(多様性),という言葉だけが行き交っている(筆者)
10月12日 - ■「第4次安倍改造内閣」が発足した ・2018年10月2日,「第4次安倍改造内閣」が発足した。安倍首相は,記者会見で,改造内閣を「明日の時代を切り開く全員野球内閣」と名付けた。
第4次安倍改造内閣閣僚等の特徴
「第4次安倍改造内閣」は,,2012年12月の第2次安倍内閣発足時から政権を支える菅官房長官,麻生財務相大臣をはじめ,河野外務大臣,世耕経済産業大臣,石井国土交通大臣,茂木経済再生担当大臣ら政権の土台となる6人を留任させた。「待機組」を一気に入閣させたことで,全19閣僚中12人が初入閣となった。安倍自民党総裁の3選を支えた派閥の意向や論功行賞をこれまで以上に重視し,その内訳は,細田派3名,麻生派4名,竹下派2名,岸田派3名,二階派3名,石破派1名,無派閥2名,公明党1名となっている。
・なお,大臣では,女性は片山地方創生担当大臣の1人となったため,副大臣(25人)では女性の副大臣は2人から5人に増やし,政務官(27人)では,女性の政務官は2人から1人に減っている。

→国際的な存在感や期待感を無視した内閣の布陣から,一般的には,「第4次安倍改造内閣」の主要な外交政策や経済政策の方向性には,大きな変更はないと見られている。(筆者)
8月8日 厚生労働省 「第31回社会福祉士国家試験の施行について」および「第21回精神保健福祉士国家試験の施行について」 ・2018年8月3日,厚生労働省は,2018年度の「第31回社会福祉士国家試験の施行について」および「第21回精神保健福祉士国家試験の施行について」の日程等を公表した。

「第31回社会福祉士国家試験の施行について」
手続き
「受験申し込み手続き」(8月3日から)

試験概要
◎受験書類の受付期間 :2018年9月6日(木)-10月5日(金)
◎筆記試験日 :2019年2月3日(日)
◎発表日 :2019年3月15日(金)


試験科目
<2019年2月3日(午前)>
①人体の構造と機能及び疾病
②心理学理論と心理的支援
③社会理論と社会システム
④現代社会と福祉
⑤地域福祉の理論と方法
⑥福祉行財政と福祉計画
⑦社会保障
⑧障害者に対する支援と障害者自立支援制度
⑨低所得者に対する支援と生活保護制度
⑩保健医療サービス
⑪権利擁護と成年後見制度

<2019年2月3日(午後)>
①社会調査の基礎
②相談援助の基盤と専門職
③相談援助の理論と方法
④福祉サービスの組織と経営
⑤高齢者に対する支援と介護保険制度
⑥児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度
⑦就労支援サービス
⑧更生保護制度

試験委員(敬称略)・・・赤の太字は新任
●試験委員長
坂田周一
●副委員長
秋元美世,小笠原浩一,川﨑二三彦,後藤澄江,鶴岡浩樹,野村豊子,福田素生,和気康太
●委員
相原佳子,青柳親房,明渡陽子,上之園佳子,朝日雅也,天田城介,荒井浩道,石川正興,井村修,岡田直人,荻野剛史,小原眞知子,金子恵美,上山泰,川島ゆり子,菊池馨実,木村容子,今野広紀,佐藤博,潮谷恵美,澁谷昌史,嶋﨑尚子,生島浩,須藤昌寛,諏訪徹,髙木憲司,田澤あけみ,田中尚,玉野和志,得津愼子,所めぐみ,内藤佳津雄,長倉真寿美,永田祐,中村高康,難波利光,西岡正次,西田和弘,西村淳,西村幸満,畑本裕介,原元彦,福原宏幸,藤井博志,伏見惠文,堀越由紀子,松原由美,丸谷浩介,丸山桂,道中隆,宮岡佳子,宮崎清恵,宮島渡,森川美絵,柳田正明,山縣文治,山口麻衣,山田晋,吉田輝美,與那嶺司,綿祐二

「第21回精神保健福祉士国家試験の施行について」
手続き
「受験申し込み手続き」(8月3日から)

試験概要
◎受験書類の受付期間 :2018年9月6日(木)-10月5日(金)
◎筆記試験日 :2019年2月2日(土),2月3日(日)
◎発表日 :2019年3月15日(金)


試験科目
<2019年2月2日(土)>
①精神疾患とその治療
②精神保健の課題と支援
③精神保健福祉相談援助の基盤
④精神保健福祉の理論と相談援助の展開
⑤精神保健福祉に関する制度とサービス
⑥精神障害者の生活支援システム

<2019年2月3日(日)>
①人体の構造と機能及び疾病
②心理学理論と心理的支援
③社会理論と社会システム
④現代社会と福祉
⑤地域福祉の理論と方法
⑥福祉行財政と福祉計画
⑦社会保障
⑧障害者に対する支援と障害者自立支援制度
⑨低所得者に対する支援と生活保護制度
⑩保健医療サービス
⑪権利擁護と成年後見制度


試験委員(敬称略)・・・赤の太字は新任
●試験委員長
鹿島晴雄
●副委員長
伊東秀幸,菅野庸,竹島正,田中英樹,長崎和則,和気康太
●委員
相川章子,相原佳子,明渡陽子,天田城介,荒井浩道,稲富宏之,今村浩司,井村修,岩本操,大塚俊弘,荻野剛史,越智あゆみ,小原眞知子,風間朋子,勝又陽太郎,上山泰,菊池馨実,倉知延章,近藤あゆみ,今野広紀, 齊藤晋治,坂本明子,佐藤博,塩満卓繁田雅弘,嶋﨑尚子,菅原里江鈴木孝典,須藤昌寛,髙木憲司,田澤あけみ,玉野和志,茶屋道拓哉,辻井誠人,所めぐみ,内藤佳津雄,永田祐,中村和彦,難波利光,西田和弘,西村淳,畑本裕介,原元彦,福原宏幸,藤井博志,伏見惠文,堀越由紀子,丸谷浩介,丸山桂,道中隆,宮岡等,宮岡佳子,森川美絵,森谷就慶,柳田正明,山田晋,吉澤豊,吉田光爾,吉益晴夫,與那嶺司,四方田清

→社会福祉士について,2018年2月15日に「社会福祉士の現状等」が示され,2018年3月27日には,社会保障審議会福祉部会福祉人材確保専門委員会「ソーシャルワーク専門職である社会福祉士に求められる役割等について(報告書」(概要 / 本文)が発表された。
→社会福祉士も精神保健福祉士も,社会的認知や存在価値を高める行動を,自ら起こさなければ何も変わらない。(筆者)
7月28日 厚生労働省 「介護分野の最近の動向」について ・2018年7月26日,「第74回社会保障審議会介護保険部会」が開催され,会議資料が公表された。
項 目 ポイント
①介護保険をとりまく状況 ・要介護(要支援)の認定者数は,2016年44月現在633万人で,この17年間で約2.9倍。
②地域包括ケア強化法
(2017年介護保険法改正)
①要介護状態の改善などに応じた保険者への財政的な支援
②介護療養病床などに代わる介護医療院の創設
③障害福祉サービスを一体的に行う共生型サービスの創設
④2018年8月から現役並み所得のある利用者の3割負担導入
⑤40~64歳の保険料計算に総報酬割を段階的に導入
③要介護認定の見直し ・更新認定有効期間の上限を24ヶ月から36ヶ月に変更。
④2018年度介護報酬改定 ・団塊の世代が75歳以上となる2025年に向けて,国民1人1人が状態に応じた適切なサービスを受けられるよう,2018年度介護報酬改定により、質が高く効率的な介護の提供体制の整備を推進。(改定率:+0.54%)
⑤第7期介護保険事業計画 ・第1号(2017年:3,475万人→2025年:3,610万人)
・第2号(2017年:629万人→2025年:771万人)
⑥新しい経済政策パッケージ ・介護人材の処遇改善(人づくり革命)
⑦骨太の方針2018 ・介護人材の処遇改善について消費税率引上げ日の2019年10月1日に合わせて実施する
⑧成長戦略2018 ・個人・患者本位の新しい「健康・医療・介護システム」を2020度からの本格稼働を目指して構築する。
⑨地方分権 ・介護支援専門員が専門員証の交付を受けずに業務を行った場合に都道府県が行う登録消除について,情状が特に重い場合に限定。
⑩介護関連データベースに関する取組み ・介護保険総合データベースについて,2018年度より介護保険法に基づきデータ提供義務化。
⑪2040年を見据えた社会保障の将来見通し ・現役人口が急速に減少する一方で高齢者数がピークを迎える2040年頃を見据え,社会保障給付や負担の姿を幅広く共有することが重要。

→参考として,厚生労働省の介護保険制度の概要」を是非ご覧いただきたい。(筆者)

7月25日 厚生労働省 「厚生労働省関連で成立した法律」(第196回通常国会) ・2018年7月22日に,安倍首相が「働き方改革国会」と称した「第196回通常国会」が閉会した。会期は32日間延長し,延べ182日間であった。なお,安倍首相は,実質的な審議終了により閉会した7月20日に「記者会見」を行った。
・政府が今国会に提出した法案の成立率は92.3%であった(60法案/65法案)。

第196回通常国会での内閣提出法律案(内閣法制局)
主な成立法律名 概要
生活困窮者等の自立を促進するための生活困窮者自立支援法等の一部を改正する法律
(2018年6/1成立)
①生活困窮者の自立支援の強化(生活困窮者自立支援法)
②生活保護制度における自立支援の強化,適正化(生活保護法,社会福祉法)
③ひとり親家庭の生活の安定と自立の促進(児童扶養手当法)
健康増進法の一部を改正する法律案
(2018年7/18成立)
①「望まない受動喫煙」をなくす
②受動喫煙による健康影響が大きい子ども,患者等に特に配慮
③施設の類型・場所ごとに対策を実施
医療法及び医師法の一部を改正する法律
(2018年7/18成立)
①医師少数区域等で勤務した医師を評価する制度の創設【医療法】
②都道府県における医師確保対策の実施体制の強化【医療法】
③医師養成過程を通じた医師確保対策の充実【医師法,医療法】
④地域の外来医療機能の偏在・不足等への対応【医療法】
食品衛生法等の一部を改正する法律
(2018年6/7成立)
①広域的な食中毒事案への対策強化
②HACCP(ハサップ)に沿った衛生管理の制度化
働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律
(2018年6/29成立)
①働き方改革の総合的かつ継続的な推進
②長時間労働の是正、多様で柔軟な働き方の実現等(労働基準法,労働時間等設定改善法,労働安全衛生法等)
③雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保(パートタイム労働法,労働契約法,労働者派遣法等)
子ども・子育て支援法の一部を改正する法律
(内閣府提出,2018年3/30成立)
①事業主拠出金の率の上限の引上げ
②事業主拠出金の充当対象の拡大
③待機児童解消等の取組の支援

→現在の労働政策についてのコメントである。
・安倍首相が「働き方改革国会」とまで銘打った「第196回通常国会」において,「働き方改革関連法案」は紛糾し,安倍政権や経済界が最重要としていた「裁量労働制の拡大」が当初法案から削除されることになった。皮肉にも,安倍首相が答弁で,厚生労働省の不適切なデータを使用したことがきっかけで,つまづいた。
・厚生労働省では,労働政策については「労働政策審議会」,社会保険等については「社会保障審議会」の審議を経なければならないと(厚生労働省設置法労働政策審議会令社会保障審議会令等)と規定されている。しかし,現在の「労働政策審議会」は,「経済優先」の安倍政権において,官邸の意向に沿った運営がなされ,客観性に欠ける会議体となっているとの指摘がある。「労働政策」において,安倍政権が,労働者側ではなく企業側を向いていることは周知である。
・安倍政権の現在の労働政策の源流は,「規制改革会議」(2013年1月設置)にある。その後は,「産業競争力会議」(2013年1月設置,現・未来投資会議),「働き方改革実現会議」(2018年9月設置)の検討や提案が優先され,「労働政策審議会」は形がい化され,政府主導で労働政策が強引に進められてきた。まさか,「働き方改革国会」である2018年の通常国会において,当初案に巧妙に潜り込ませた「裁量労働制の拡大」がほころびとなり,削除修正しなければならなくなったとは。。。見事なオウンゴールであった。
・今後,安倍政権が続くということになれば,当分の間は,経済界が熱望する「裁量労働制の拡大」は鳴りを潜めるだろうが,ほとぼりが冷めたころに浮上すると思われる。(筆者)
7月23日 - 「第196回通常国会」が閉会した ・2018年7月22日に,安倍首相が「働き方改革国会」と称した「第196回通常国会」が閉会した。会期は32日間延長し,延べ182日間であった。なお,安倍首相は,実質的な審議終了により閉会した7月20日に「記者会見」を行った。
・政府が今国会に提出した法案の成立率は92.3%であった(60法案/65法案)。

<成立した予算,税制>
2/1 「2017年度補正予算」が成立(2017年の九州北部豪雨への費用として1兆2,567億円や安倍総理の推進する「生産性革命」と「人づくり革命」に計4,822億円などを計上)
3/28 「2018年度予算」が成立(一般会計総額は97兆7,128億円で,安倍首相の看板政策「人づくり革命」などの関連施策が予算計上され,待機児童対策や教育無償化が柱)
「2018年度税制改正関連法」が成立
(年収850万円を超える高収入の会社員の増税等)

<成立した主な法律>
第196回通常国会での内閣提出法律案(内閣法制局)
3/30 「改正子ども・子育て支援法」が成立(市区町村の枠を超えて保育施設への入所を促す)
4/11 「国際観光旅客税法」が成立( 国籍問わず日本を出国する人から1人1,000円を徴収)
4/18 「改正都市再生特別措置法」が成立(地域住民が協定を結び,空き地や空き家を活用して広場,集会所などを共同で整備する新制度等)
5/16 「政治分野における男女共同参画推進法」が成立(選挙の男女の候補者数をできる限り均等にするよう政党に求める)
5/18 「改正商法」が成立(商法は六法で唯一の文語体表記が残っていたが全文が口語体となる)
「改正バリアフリー法」が成立(事業者に,スロープやエレベーターなどの設置を盛り込んだ計画策定を義務付け)
「改正著作権法」が成立(インターネット上で著作物の利用を拡大)
5/25 「地域大学振興法」が成立(東京23区の大学の定員増を原則10年間禁じる)
「改正学校教育法」が成立
(タブレット端末などで利用できる「デジタル教科書」を認める)
6/1 「改正生活困窮者自立支援法」等が成立(生活困窮者に対する包括的な支援体制の強化等)
6/7 「改正食品衛生法」が成立(国際基準「HACCP」の順守を制度化)
6/8 「改正災害救助法」が成立(大規模災害時の被災者支援に関する権限を、都道府県から政令指定都市に移せる)
6/13 「改正民法」が成立(成人年齢を現行の20歳から18歳に引き下げ)
「改正東京五輪・パラリンピック特別措置法」が成立
(東京五輪が開催される2020年に限り「体育の日」「海の日」「山の日」を開閉会式前後に移す)
「改正祝日法」が成立
(2020年から「体育の日」を「スポーツの日」に改称)
「改正スポーツ基本法」が成立
「国民体育大会」を「国民スポーツ大会」に改める)
「環太平洋パートナーシップ協定」が承認
(アメリカを除く11か国が参加)
6/20 「改正建築基準法」が成立(空き家を旅館や保育所などに転用しやすくする規制緩和策等)
6/29 「働き方改革関連法」が成立(政府の今国会最重要法案)
「環太平洋パートナーシップ協定(TPP11)関連法」
が成立(アメリカを除く11か国が参加)
7/6 「改正民法」が成立(約40年ぶりに相続法制を大幅に見直す)
「ギャンブル依存症対策基本法」が成立
(ギャンブル依存症患者向けの専門医療受診体制を整備等)
7/18 「改正公職選挙法」が成立(参議院定数を6増し,拘束名簿式の「特定枠」を比例区の一部に新設)
「改正健康増進法」
が成立(施設で喫煙を規制)
「改正医療法・医師法」
が成立(医師の地域偏在の解消を目的)
7/20 「統合型リゾート(IR)実施法」が成立(カジノを含む)

→学校法人「森友学園」「加計学園」を巡る不祥事で空転した国会。「自民1強,安倍1強」による強引な国会運営。退潮を止められない野党。あらゆる局面で深まらない国会の議論。度を越したトランプ・ファーストの外交。・・・国民を置き去りにしている安倍政権への期待はない。とりあえず,新味はなくても,新しいリーダーを望みたいと思う。(筆者)
7月22日 厚生労働省 「改正健康増進法」が成立した ・2018年7月18日,受動喫煙対策を強化する「改正健康増進法」が,自公両党と国民民主党などの賛成多数で可決,成立した。
・2017年3月,塩崎厚生労働大臣が,喫煙を認める飲食店を30㎡以下のバーやスナックに限るなどの案を示したところ,自民党内の「たばこ議員連盟」などが反対し,「2017年通常国会」に法案が提出できなかった。その後,2017年8月に就任した加藤厚生労働大臣が,規制を緩める修正をした今回の「改正健康増進法案」を起案し,2018年3月に閣議決定され,「2018年通常国会」に提出されたという経緯を持つ。
<「改正健康増進法」のポイント>
◎学校,病院,行政機関は屋内完全禁煙とするが、屋外の喫煙所設置は可能である。施行は2019年夏ごろ(2019年9月のラグビーW杯に間に合わせる)。
◎職場,飲食店は,原則として屋内禁煙とするが,喫煙専用室は設置できる。ただし,飲食店のうち資本金5千万円以下,客席面積100㎡以下の既存店は「例外」として,店頭に「喫煙可」などと表示すれば,経過措置として店内での喫煙を認める。施行は2020年4月1日(東京オリンピック・パラリンピックに間に合わせる)。
◎これまでの受動喫煙対策は努力義務であったが,悪質な喫煙者に最大30万円,施設管理者に最大50万円の過料を科す。

→メディアは,「国の規制は不十分であるが,一歩前進した」というのが一般的な論調であった。しかし,「受動喫煙防止に関する国際的状況」を見ていれば,今回の「改正健康増進法」が,グローバルスタンダードや国際常識から遠い距離にあるかが理解できたはずである。
→東京都や千葉市のように,自治体でより厳しい条例を設ける動きが出てきている(神奈川県,神戸市,生駒市ではすでに受動喫煙等の防止条例を施行している)。(筆者)

7月10日 厚生労働省 「働き方改革関連法」が成立した ・2018年6月29日,政府が「第196回通常国会」の最重要課題と位置付けた「働き方改革関連法」が,自民,公明両党と日本維新の会などの賛成多数で可決,成立した。
・「働き方改革関連法」は,労働基準法や労働契約法など8本の法律から構成され,各制度の詳細約60項目を省令で決める必要があり,「労働政策審議会」(厚生労働大臣の諮問機関)で検討される。
・なお,当初案では,「裁量労働制」の適用業種拡大が盛り込まれていたが,厚労省の労働時間調査にでたらめなデータが多数指摘され,「裁量労働制の拡大」を削除したというお粗末な経緯を持つ。
主な項目 ポイント 主な懸念 施行
(1)時間外労働(残業)規制の変更 ①残業の上限は,原則45時間/月,360時間/年とし,特例でも,100時間未満/月,720時間/年とする。
②違反企業には罰則を科す。
・100時間/月は,「過労死ライン」である。 ・大企業は2019年4月施行。中小企業は2020年4月施行
(2)同一労働・同一賃金への改善 ①仕事内容が同じなら,賃金なども同じ待遇にする。
②仕事が違う場合も,不合理な格差は禁止する。
・派遣労働者への対応が未定である。 ・大企業と派遣会社は2020年4月施行。派遣会社を除く中小企業は2021年4月施行
(3)「高度プロフェッショナル制度」の創設 ①高収入の専門職を,労働時間規制から外す。
②年収1,075万円以上,本人の同意などを条件とする。
・対象業種や詳細な手続きが不明確で,長時間労働を助長する懸念がある。 ・2019年4月施行

→国会では,「1強多弱」ゆえに「強行突破」が,政府の常とう手段となっている。
→「働き方改革関連法」により,(1)繁忙月などには月100 時間の残業が合法化されることになった,(2)職務内容,人材活用の仕組みに相違があれば,正社員と非正規労働者の賃金格差が容認されることになった,(3)「高度プロフェッショナル制度」では,何時間働かせても残業代は一切支払わなくてよいことになった。この「働き方改革関連法」により,無駄な残業がなくなり,時間ではなく成果を評価する働き方に近づき,「生産性の向上」に取り組める,という説明に納得がいきますか?
→結論だけを言えば,今後の方向としては,,(1)時間外労働の上限は,45時間/月,360時間/年とすべきである,(2)労働者派遣法,パートタイム労働法,労働契約法,労働基準法等に,「同一労働・同一賃金」と「均等待遇」の原則を明記すべきである,(3))「高度プロフェッショナル制度」では,年収条件は絶対に引き下げるべきでない,と筆者は考える。(筆者)

7月7日 厚生労働省 「第31回介護福祉士国家試験の施行について」 ・2018年7月6日,厚生労働省は,2018年度の「第31回介護福祉士国家試験」の日程等を公表した。
 手続き
「受験申し込み手続き」(6月15日から請求窓口を開設)

 試験概要
◎受験書類の受付期間 :2018年8月8日(水)-9月7日(金)
◎筆記試験日 :2019年1月27日(日)
◎実技試験日 :2019年3月3日(日)
◎発表日 :2019年3月27日(水)


 試験科目
(1)筆記試験
①領域:人間と社会
人間の尊厳と自立,人間関係とコミュニケーション,社会の理解
②領域:介護
介護の基本,コミュニケーション技術,生活支援技術,介護過程
③領域:こころとからだのしくみ
発達と老化の理解,認知症の理解,障害の理解,こころとからだのしくみ
④領域:医療的ケア
医療的ケア
⑤総合問題(上の4領域の知識・技術について横断的に問う問題を,事例形式で出題)
(2)実技試験 介護等に関する専門的技能


 試験委員(敬称略)・・・赤の太字は新任
●試験委員長
臼井正樹
●副委員長
大西基喜(2016年は委員),尾崎章子,川井太加子,小池竜司,谷口敏代,平野方紹,峯尾武巳,山野英伯
●委員(筆記)
天野由以,飯干紀代子,
石渡和実伊藤直子,井上善行,梅垣宏行,大木和子,大塚晃大原昌樹,岡田 忍,小川純人,奥田都子,金井守,金子英司,北村世都,木村琢磨,工藤雄行,小平めぐみ,柴山志穂美,志水幸,鈴木智敦,諏訪さゆり,高岡理恵,高木剛,高山由美子,田口潤,竹内美幸,武田卓也,辻哲也,津田理恵子,永井優子,長谷憲明,中西正人,中村大介,二瓶さやか,原口道子,柊崎京子,藤井徹也,藤田秀剛,古田伸夫,堀江竜弥,本名靖,壬生尚美,八木裕子,吉田清子

●委員(実技) :省略

→団塊の世代が2025年までに後期高齢者に達するため,「2025年問題」と言われる介護人材不足を含めた社会保障における深刻な問題が目前に迫っている。
→2015年度の介護福祉士国家試験で,受験者数152,573人(合格率57.9%)であったところ,2016年度では,受験者数76,323人(合格率72.1%)に激減した。これは,2016年度から実務経験者を対象とした受験資格のルールを変更し,450時間の研修が追加されたことが原因とされている。なお,2017年度の受験者数は92,654人(合格率70.2%)となっており,2015年度以前の15万人を超える受験者数に戻ることはないとみられている。受験者数を減らす的外れな施策をしてるかと思えば,試験問題の質を落として合格率を上げようとしている。どうかしていると思いませんか?(「第7期介護保険事業計画に基づく介護人材の必要数について」
→「介護福祉士」は,1987年の「社会福祉士及び介護福祉士法」(士士法)により創設された資格であるが,未だに専門職としての認知も社会的な評価も極めて低い状況にある。その中で,介護福祉士の質の向上が求められている。まず,待遇・処遇の向上が必要だと指摘されてきたが,これまで,国の不作為が続いている。(「2017年度介護従事者処遇状況等調査結果」
→安倍政権は,2017年12月8日,「新しい経済政策パッケージ」を決定し,介護職員の処遇をさらに改善するため,2019年10月から,「勤務継続10年以上の介護福祉士」の賃金が月額平均8万円程度アップするような対策を講じるとし,2019年10月の消費税率引き上げ(8%→10%)による税収などで安定的に2兆円の財源を確保し,「介護人材の処遇改善」や「幼児教育の無償化」などに充てるとしている。どこまで本気なのか…。
→安倍政権は,2018年6月15日,「2018年骨太方針」を閣議決定し,介護分野における骨太方針の内容は主に6つあり,そのうちに「外国人介護士の受け入れ(介護で新たな在留資格を創設)」があった。「一部のメディアにおいて,介護等の「単純労働」が,新たな在留資格の対象とされるとの報道があったことに対して,「日本介護福祉士会」は,HP上でその誤りを厳しく指摘した。諸般の事情を考慮すると,「一部のメディアの誤解」だけではなく,安倍政権は「介護職は専門性が低い職種」と本心で考えているのではないかと,筆者は勘ぐっている。(筆者
7月3日 厚生労働省 「2018年版 自殺対策白書」(概要 / 本文が公表された ・2018年6月19日,厚生労働省は,「2018年版 自殺対策白書」を公表した。
・「自殺対策白書」は,「自殺対策基本法」第10条に基づいて,2007年から毎年政府が国会に提出している年次報告書である。
<「2018年版 自殺対策白書」の構成>
第1章 自殺の現状
第2章 自殺対策の基本的な枠組みと若者の自殺対策の取組
第3章 2017年度の自殺対策の実施状況


(参考)
「自殺対策関連予算(2016~2018年度)」

→2015年度以降,「自殺対策」に関して,大きな動きが3点あった。
(1)第189回通常国会において,2015年9月4日,内閣府提出の「改正国家行政組織法」が成立し,2016年4月1日から施行された。内容は,内閣府本府から各省等に所掌事務を移管するもので,「自殺対策」が「厚生労働省」に移管され,大綱の見直し,「自殺総合対策会議」の運営,自殺対策白書の取りまとめが行われることになった。
(2)第190回通常国会において,2016年3月22日に議員立法である「改正自殺対策基本法」が成立し,2016年4月1日から施行された。改正のポイントは,①目的規定の改正,②基本理念の追加,③都道府県自殺対策計画等,④基本的施策の拡充,である。
(3)2017年7月25日に「自殺総合対策大綱~誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指して~」が閣議決定された。見直しのポイントは,① 地域レベルの実践的な取組の更なる推進,②若者の自殺対策,勤務問題による自殺対策の更なる推進,③自殺死亡率を先進諸国の現在の水準まで減少することを目指し,2026年までに2015年比30%以上減少させることを目標とする,である。
「自殺」に関わる資格や検定は,社会福祉士や精神保健福祉士を含めて,掃いて捨てるほどあるのはご存じだろうか。また,「自殺に関わる専門家」を称する者は山ほどいる。つまり,これが日本の「自殺予防対策」が進まない最大の理由であると思う。(筆者)
6月30日 内閣府 「2018年版 高齢社会白書」(概要 / 本文が公表された ・2018年6月19日,内閣府は,「2018年版 高齢社会白書」を公表した。
・「高齢社会白書」は,「高齢社会対策基本法」第8条に基づいて,1996年から毎年政府が国会に提出している年次報告書である。
<「2018年版 高齢社会白書」の構成>
(A)「2017年度 高齢化の状況及び高齢社会対策の実施状況」
第1章 高齢化の状況
①高齢化の状況
②高齢期の暮らしの動向
③<視点1>新しい高齢社会対策大綱の策定 / <視点2>先端技術等で拓く高齢社会の健康

第2章 2017年度高齢社会対策の実施の状況
①高齢社会対策の基本的枠組
②分野別の施策の実施の状況


(B)2018年度 高齢社会対策

①2017年度の高齢社会対策
②分野別の高齢社会対策


(参考)
高齢社会対策関係予算分野別総括表(2017~2018年度)

→「高齢社会白書」では,毎年,高齢社会対策に関する調査を実施している。
・2018年版 :「高齢者の健康に関する調査結果」
・2017年版 :「高齢者の経済・生活環境に関する調査結果」
・2016年版 :「第8回高齢者の生活と意識に関する国際比較調査結果」
→法律ごとに高齢者(老人)の基準年齢はまちまちである。例えば,「老人福祉法」では,老人(高齢者)の定義はなく,「高齢者医療確保法」では,前期高齢者(65~74歳)と後期高齢者(75歳以上)に区分され,「高年齢者雇用安定法」では,高年齢者(55歳以上)と中高年齢者(45歳以上)と規定されている。
→2017年1月5日に,日本老年学会と日老年医学会の連名で,「高齢者に関する定義」について,65~74歳(准高齢者,pre-old),75~89歳(高齢者,old),90歳以上(超高齢者,oldest-old, super-old)の提言が行われ,話題となった。
→2018年2月16日に,政府が「新高齢社会対策大綱」を閣議決定し,65歳以上を一律に「高齢者」と見なすのを改め,意欲ある人が年齢にかかわりなく柔軟に働ける社会づくりを打ち出し,年金制度改革では,現行の60~70歳の間で選べる年金の受給開始時期を70歳超とすることも可能にするとしているが,70歳超でいいという人がいると思いますか?
→現実問題として,職場にいて,高齢者を「老害」と受け止めている若年者,中年者は少なくないという実態がある。国として,高齢者の就労や社会活動の受け皿の整備だけでなく,中高齢者への自己啓発,技能開発を含めた意識改革の対策は必須である。(筆者)

6月25日 内閣府 「2018年版 子供・若者白書」(概要 / 本文が公表された ・2018年6月19日,内閣府は,「2018年版 子供・若者白書~就労等に関する若者の意識~」を公表した。
・「子供・若者白書」(旧青少年白書)は,「子ども・若者育成支援推進法」第6条に基づく年次報告書として,2010年から作成され,毎年,国会に報告されている。
<「2018年版 子供・若者白書」の構成>
【特集】就労等に関する若者の意識 
第1章 :子供・若者育成支援施策の総合的な推進
第2章 :全ての子供・若者の健やかな育成
第3章 :困難を有する子供・若者やその家族の支援
第4章 :子供・若者の成長のための社会環境の整備
第5章 :子供・若者の成長を支える担い手の養成
第6章 :創造的な未来を切り拓く子供・若者の応援
第7章 :施策の推進体制等


<参考資料>
「就労等に関する若者の意識調査の結果」
「子供・若者育成支援施策関係予算の概要(2017年~2018年)」

→近年の「選挙権年齢の引き下げ」と「成人年齢の引き下げ」の経緯をまとめてみる。
・2007年に成立した「国民投票法」において,国民投票権を有する者の年齢が18歳以上と定められ,それに伴いに「公職選挙法」の選挙権年齢と「民法」の成年年齢が検討されることになった。
・2015年6月17日,選挙権年齢を現在の20歳以上から18歳以上に引き下げる「改正 公職選挙法」が参議院本会議で可決,成立し,2016年6月19日に施行された。なお,選挙権を持つ年齢が変更されるのは,25歳以上から20歳以上へと変更された1945年以来の70年ぶりの変更である。(選挙権年齢の18歳以上への引下げ~公職選挙法等の一部を改正する法律の成立~
・2018年6月13日,成人年齢を18歳に引き下げる「改正 民法」が参議院本会議で可決,成立し,2022年4月1日に施行される。(民法の成年年齢引下げの意義と課題~未来を担う若年者の自立への期待と新たな支援対策の必要性~
→「参政権を行使する能力を認めた以上,民法上の判断能力もあるとみなすことには合理性がある」は,一般的な理解であると思う。
「子どもの権利条約」は,1989年に国連で採択され,1990年国際条約として発効した。 1994年4月22日に日本は批准し,1994年5月22日に発効した。「子どもの権利条約」第1条において,「児童とは,18歳未満のすべての者をいう」と規定されている。したがって,日本政府は,1994年以降国際法違反を犯していたということである。これまでの国際社会の常識との乖離は,文部科学省の不作為が主因と言っても過言ではないと思う。そういうことに触れるメディアは少ない。(筆者)
6月23日 内閣府 「2018年版 少子化社会対策白書」(概要 / 本文が公表された ・2018年6月19日,内閣府は,「2018年版 少子化社会対策白書」を公表した。
・「少子化社会対策白書」は,「少子化社会対策基本法」第9条に基づく年次報告書で,2004年から作成され,毎年,国会に報告されている。
<「2018年版 少子化社会対策白書」の構成>
第1部 少子化対策の現状
①少子化をめぐる現状
②少子化対策の取組


第2部 少子化社会対策の具体的実施状況
①重点課題
②きめ細かな少子化対策の推進


(参考)
少子化社会対策関係予算(2016~2018年)

→「少子化」が国の施策として取り上げられてきた経緯をまとめてみる。
◎1989年 :「合計特殊出生率」が過去最低のとなった(「1.57ショック」)。
◎1992年 :「1992年版 国民生活白書」に経済企画庁が造語した「少子化」が登場した。
◎1994年 :政府あげての少子化対策が「エンゼルプラン」から始まった(厚生省(保育問題),労働省(女子労働の改善),文部省(教育問題),建設省(児童公園の整備))。
◎1998年 :「1998年版 厚生白書~少子社会を考える:子どもを生み育てることに「夢」を持てる社会を-~」が「少子化」をテーマに取り上げた。
◎2001年 :省庁再編により内閣府に権限が集められ,国務大臣(「内閣府特命担当大臣(少子化対策))が設定された。
→その後の的外れと批判される「少子化対策」については割愛する。
→安倍政権の「少子化」への取組みの経過をまとめてみる。
◎2015年9月 :安倍首相は,アベノミクスが第2ステージとして,「新三本の矢」を打ち出し,その第2の矢「夢を紡ぐ子育て支援」において,当時の合計特殊出生率は1.46であったが「希望出生率1.8を2020年代初頭に実現したい」とした。なお,当時から,「希望出生率1.8」では,政府が目標とする「2050年までに人口1億人を維持する」という目標が達成できないとの指摘があった。
◎2016年5月 :「ニッポン一億総活躍プラン」で「出生率を1.8にする時期を2025年度にする」としたが,2016年の合計特殊出生率は1.45と低下していた。
◎2017年9月 :安倍首相は唐突の衆院解散を「国難突破解散」と称し,「少子高齢化」と「北朝鮮問題」を「国難」と位置づけた。2017年の合計特殊出生率は1.43であり,さらに低下し続けていた。
◎2017年12月 :「新しい経済政策パッケージ」において,「少子高齢化」に対応するための2兆円を決定した。
◎2018年6月 :「2018年 骨太の方針」において,「少子化という我が国の社会経済の根幹を揺るがしかねない国難を克服する。・・・「希望出生率1.8」を目指す」と明記している。
→安倍政権の特徴は,根拠が希薄な言いっぱなしのスローガン政策である。スローガンとして「国難」を使った「少子化」においても,本気度もさることながら,実効性も極めて疑わしい,と筆者は受け止めている。(筆者)
6月22日 内閣府 「2018年版 障害者白書」(概要 / 本文が公表された ・2018年6月15日,内閣府は,「2018年版 障害者白書~新たな障害者基本計画(第4次)の策定~」を公表した。
・「障害者白書」は,「障害者基本法」第13条に基づく年次報告書として,1994年から作成され,毎年,国会に報告されている。
<「2018年版 障害者白書」の構成>
第1章 障害者施策の総合的かつ計画的な推進
     ~新たな障害者基本計画(第4次)の策定~
第2章 障害のある人に対する理解を深めるための基盤づくり
第3章 社会参加へ向けた自立の基盤づくり
第4章 日々の暮らしの基盤づくり
第5章 住みよい環境の基盤づくり
第6章 国際的な取組


<参考資料>
「障害者施策の主な歩み」
「障害者の状況」
「障害者施策関係予算の概要(2016年~2018年)」


→2016年以降の障害者施策にかかわる法律等の動向は,以下の通りである。
2016年 4月1日 「障害者差別解消法」の施行
4月1日 「改正障害者雇用促進法」の一部施行
(障害者に対する差別の禁止,合理的配慮の提供義務)
5月13日 成年後見制度利用促進法」の施行
(「成年後見制度利用促進」は,2018年4月1日より厚生労働省が担当)
8月1日 「改正発達障害者支援法」の施行
2017年 3月24日 成年後見制度利用促進基本計画(2017 -2021)」の閣議決定
8月 「障害者に関する世論調査」の実施
2018年 3月 「障害者基本計画(第4次)」の閣議決定
4月1日 「改正障害者総合支援法 / 改正児童福祉法」の施行
→障害者に関する法律や制度が整備されているように思えるが,国が主導する障害者施策は,地方行政や国民への理解が進んでいるのだろうかとの疑問がある。
→2018年5月30日,2022年12月完成予定の木造復元する名古屋城の天守閣へのエレベーター(EV)設置の関して,河村名古屋市長は,「今後とも,新技術の開発などを通じましてバリアフリーに最善の努力をするということで,EVは設置いたしません」と正式に表明した。これに対して,障害者団体は「人権問題」「差別問題」として激しく抵抗し,現在もデモ等の抗議活動をしている。
→本件に関する筆者の感想である。大多数の名古屋市民は,地方行政と障害者団体の対立として,事柄が事柄だけに傍観者として冷ややかな立場をとっていると思う。障害者団体の主張する原則論を前面に出せば,EV設置以外の答えがないのは明らかである。今までのいきさつはあるにせよ,地方行政に対して,あからさまな敵意を示し,怒りの感情をむき出しにして「闘わなければならない事柄」という問題意識を大多数の市民は共有できていないと思う。障害者団体として,EVがなければどれほどの不利益があるのかを市民に訴えかけ,多くの市民を共感を得て,味方につけることも重要であると思う。国の目指している「共生社会」や「地域共生社会」の実現に向けては,知恵と工夫で譲り合い,歩み寄ることができるという成熟した関係性が必須であると思う。一方的に,勝った,負けたの問題にしてはならない。(筆者)

6月21日 首相官邸 「第196回通常国会」の会期が延長される ・2018年6月20日,政府は,6月20日が会期末であった「第196回通常国会」を会期延長し,32日間延長の7月22日とすることを自民,公明両党などの賛成多数により,衆議院本会議で議決した。
「国会法」12条において,通常国会は1回,臨時国会と特別国会は2回まで延長することができると規定されている。通常国会の会期延長は,安全保障関連法を審議した2015年以来となる。

→安倍首相は,今国会を「働き方改革国会」と明言してきた。会期延長により,ようやく,高度プロフェッショナル制度(高プロ)の創設を含む「働き方改革関連法案」,カジノを含む「統合型リゾート(IR)実施法案」,相続制度を見直す「民法改正案」,参議院の1票の格差問題を是正するための参院の議員定数を6増する「公選法改正案」,アメリカを除く11カ国が参加する「環太平洋パートナーシップ協定(TPP11 )承認案と関連法案」などの今国会での承認,成立が確実となった。
→今国会は,政府や官僚の幼稚な嘘と恥知らずな身内擁護や,弱体化し錆びついた野党の間抜けな追求と審議拒否により,国会が空転した。今回の会期延長は,血税が無駄に浪費されて,最終的に政府・与党の強引な法案の成立が行われるだけで,国民へのメリットは何もない。国民を蔑にした「安倍晋三ファースト」の政治と軟弱な野党の姿勢には辟易するばかりである。(筆者)
6月20日 内閣府 「2018年版 男女共同白書」(概要 / 本文が公表された ・2018年6月15日,内閣府は,「2018年版 男女共同参画白書~スポーツにおける女性の活躍と男女の健康支援~」を公表した。
・男女共同参画白書は,「男女共同参画者社会基本法第12条に基づく年次報告書で,2001年から作成され,毎年,国会に報告されている。
<「2018年版 男女共同参画白書」の構成>
(1)2017年度 男女共同参画社会の形成の状況

<特集 スポーツにおける女性の活躍と男女の健康支援>

(2)男女共同参画社会の形成の促進に関する施策
第1部 2017年度に講じた男女共同参画社会の形成の促進に関する施策
第2部 2018年度に講じようとする男女共同参画社会の形成の促進に関する施策

→日本では,1985年に「女子差別撤廃条約」を批准し,1986年には「男女雇用機会均等法」が施行され,1999年には「男女共同参画社会基本法」が施行された。いずれも「社会政策」であり,男女平等の問題が含まれる。一方,2014年6月の成長戦略である「日本再興戦略改訂2014」において,労働力の担い手として「女性の活躍推進と働き方改革」という言葉が提起された。それを受けて,2016年4月1日に施行された「女性活躍推進法」は,「経済政策」としての10年間の時限立法とされた。「社会政策」ではないので,男女平等の問題が含まれない。また,2018年の通常国会に提出されている「働き方改革関連法案」も,「労働生産性の向上」を志向した「経済政策」であり,法案作成段階から男女平等視点では議論されたことのない代物である。国際社会に向けて,これまでの日本政府の努力?が都合よくまとめられている「国際婦人年以降の国内外の動き(1985年~2017年)」(内閣府男女共同参画局)を参照されたい。
→「男女共同参画社会」実現のためには,「生物学的な男女」と「社会的な男女」を区分した議論が必要であると思うが,日本ではあいまいにしたままで,一向に深化していかない。
→「男女共同参画白書」が特集したテーマの変遷である。
・2009年版 :男女共同参画の10年の軌跡と今後に向けての視点−男女共同参画社会基本法施行から10年を迎えて−
・2010年版 :女性の活躍と経済・社会の活性化
・2011年版 :ポジティブ・アクションの推進-「2020年30%」に向けて-
・2012年版 :男女共同参画の視点からの防災・復興
・2013年版 :成長戦略の中核である女性の活躍に向けて
・2014年版 :変わりゆく男性の仕事と暮らし
・2015年版 :地域の活力を高める女性の活躍
・2016年版 :多様な働き方・暮らし方に向けて求められる変革
・2017年版 :女性活躍推進法による女性活躍の加速・拡大に向けて
・2018年版 :スポーツにおける女性の活躍と男女の健康支援
→筆者は,「男女共同参画社会」とは,性別にかかわらず個人の個性や能力を認め合う社会,個人の生き方の多様性が認められる社会であり,目指すべき社会であると考えている。しかし,毎年の「男女共同参画白書」からは,その実現への道筋や熱意が読み取れないし,そういう社会に向かっているという実感もない。
→「2018年度 男女共同参画基本計画関係予算」では,「約8兆3300億円」という多額の税金が投入される。もしかすると,特別な人たちによって,すでに「男女共同参画利権社会」が構築されていて,とてつもない税金がこれまでにも浪費されているのではないかと勘ぐっている。(筆者)

6月18日 首相官邸 2018年の「政府4政策計画」が公表された
(骨太の方針2018,成長戦略2018,規制改革実施計画2018,まち・ひと・しごと創生基本方針2018)
・2018年6月15日,政府は,政策展開の方向性を示す「政府4政策計画」(経済財政運営と改革の基本方針<骨太の方針>2018,未来投資戦略<成長戦略>2018,規制改革実施計画2018,まち・ひと・しごと創生基本方針2018)を閣議決定し,公表した。
<「政府4政策計画」と「看板政策」の関連>

2018年の4政策計画 ポイント
【「骨太の方針」】
経済財政運営と改革の基本方針2018~人材への投資を通じた生産性向上~
・2019年10月に消費税率を10%に引き上げ,2019年度,2020年度予算に経済対策を盛り込む。
・自動車や住宅の購入を支援する税制,予算措置を検討する。
・基礎的財政収支の黒字化を5年先延ばしし,2025年度とする。
・社会保障費を抑制する数値目標の設定を見送る。
・外国人労働者の受け入れ拡大で,新たな在留資格を創設する。
【「成長戦略」】
未来投資戦略2018~「Society 5.0」「データ駆動型社会」への変革~
・自動運転社会を推進する。
・医療,介護など幅広い分野でITやAIを活用する。
【「規制改革」】
規制改革実施計画2018
・テレビ番組のインターネット同時配信を推進する。
・離島などでオンライン診療を拡充する。
【「地方創生」】
まち・ひと・しごと創生基本方針2018~わくわく地方生活実現政策パッケージ~
・ライフステージに応じた地方創生の充実・強化
・「わくわく地方生活実現政策パッケージ」の策定・実行
・人生100年時代の視点に立った地方創生
「地方創生版・三本の矢」
~「自助の精神」をもって意欲的に取り組む地方公共団体を強力に支援~
①情報支援の矢
・地域経済分析システム(RESAS)
②人材支援の矢
・地方創生カレッジ
・地方創生人材支援制度
③財政支援の矢
・地方創生関係交付金
・企業版ふるさと納税
【「一億総活躍」】
「一億総活躍国民会議」による「一億総活躍社会」の実現に向けた「ニッポン一億総活躍プラン」(2016年6月2日)は,「ニッポン一億総活躍プランフォローアップ会合」により,ロードマップのフォロー等が実施されている。
「ニッポン一億総活躍プランの フォローアップ2018」
「ニッポン一億総活躍プランの フォローアップ2017」
【「働き方改革」】
「働き方改革実現会議」による「一億総活躍社会」の実現に向けた「働き方改革実行計画(概要 / 本文)」(2017年3月28日)は,政府は2019年度からの実現化を目指し,2018年の通常国会に法案が提出された。
【「生産性革命」,「人づくり革命」】
「人生100年時代構想会議」による「人づくり革命 基本構想」(本文 / 参考資料(2018年6月13日)は,2018年の「経済財政運営の方針(骨太の方針)」に盛り込まれた。
◎「生産性革命」「人づくり革命」を車の両輪として,少子高齢化に立ち向かうための「新しい経済政策パッケージ」(2017年12月8日)において,「生産性革命」は,2020年に向けて,過去最高の企業収益を,しっかりと賃上げや設備投資につなげていき,「人づくり革命」は,長期的な課題で,2020年度までの間に,これまでの制度や慣行にとらわれない新しい仕組みづくりに向けた基礎を築くとされた。

→「2018年 4政策計画」に関する新聞の「社説の見出し」は,以下の通りである。
・産経新聞 :「6度目の成長戦略 成果なき項目は見直しを」(2018年06月16日)
・日経新聞 :「骨太の名が泣く甘い経済財政改革」(2018年06月16日)
・読売新聞 :「成長戦略 実効性の高い施策に絞り込め」(2018年06月17日)
・東京新聞 :「骨太の方針 甘い見通しが財政壊す」(2018年06月16日)
・毎日新聞 :「安倍政権の「骨太の方針」 借金つけ回しを放置した」(2018年06月17日)
・朝日新聞 :「骨太の方針 危機意識がなさ過ぎる」(2018年06月18日)
→2012年以降の安倍政権の異質性は,①選特定秘密保護法,安全保障関連法,共謀罪法など,国の根幹にかかわる法律を選挙公約になくても,唐突,強引に成立させてきた,②それに伴い内閣支持率の低下が起これば,次々と「看板(目玉)政策」を出し続けていく政治手法を使ってきた,③それにも拘らず,経済を前面に掲げた国政選挙において,国民が圧倒的な支持を与え,5戦連勝してきた,ところにある。
→「看板(目玉)政策」は,「骨太の方針」や「成長戦略」に反映されるが,これまでの経緯は以下の通りである。
・「3本の矢」(2012年)→「女性活躍」,「地方創生」(2014年)→「新3本の矢」,「一億総活躍」(2015年)→「働き方改革」(2016年)→「生産性革命」,「人づくり革命(人生100年時代構想)」(2017年)
・これまで個々の「看板(目玉)政策」の結果の検証が行われていない。異常なことである。。。
→2012年以降,株価は上昇し,就業者数は増加し,国の税収も進展しているが,一貫性の感じられないアベノミクスの経済政策の成果であると考えている国民が大多数だとは思えない。
幼稚なごまかしや問題の先送りを挙げればきりがないが,例示する。
・政府は「デフレ脱却」を宣言していない。
・日銀は「物価上昇率2%」の達成を6度も先送りし,2018年1月の「展望リポート」では,その記述を削除した。
・基礎的財政収支(PB)の2020年度の黒字化もなし崩し的に延期され,2025年まで,5年先送りした。
・2017年度末が目標であった「待機児童ゼロ」は,2020年度末まで,3年先送りした。
・「女性活躍」においても,「男女格差ランキング2017(Global Gender Gap Report)」で,日本は144国中の114位で,2016年より3位後退し,G7では最下位である。
→2018年9月には自民党総裁選が予定されている。安倍首相の3選では,アベノミクス,消費増税,憲法改正などが争点になると言われている。まっとうな政治をしてくれる,平気で嘘をつかない指導者の出現を,国民は心待ちしている。(筆者
2018年
6月1日
・経済産業省
・文部科学省
・厚生労働省
「2018年版 ものづくり白書」(概要 / 本文 ・2018年5月29日,政府は,「ものづくり白書2018(2017年度ものづくり基盤技術の振興施策)」を閣議決定し,文筆である経済産業省,厚生労働省,文部科学省の3省が,それぞれに公表した。
・「ものづくり白書」は,「ものづくり基盤技術振興基本法」」第8条(議員立法により1999年成立,施行)に基づく年次報告書で,2001年の白書から,今回で18回目となる。

白書の構成 分担
総論
「現在,我が国ものづくり産業は大きな転換点に直面している。」
経済産業省
第1部 :ものづくり基盤技術の現状と課題 -
第1章
我が国ものづくり産業が直面する課題と展望
経済産業省
第2章
ものづくり人材の確保と育成
厚生労働省
第3章
ものづくりの基盤を支える教育・研究開発
文部科学省
第2部 :2017年度においてものづくり基盤技術の振興に関して講じた施策 経済産業省

→政府は,2013年12月に「産業競争力強化法」を成立させ,アベノミクスの第3の矢である『「日本再興戦略2016 ~第4次産業革命に向けて~」』に基づき,日本の「強い経済」を取り戻すべく各種施策に取り組んでいる。ものづくり白書では,政府がものづくり基盤技術の振興に関して講じた施策を取りまとめている。
→「2018年版ものづくり白書」の総論の冒頭において,「現在,我が国ものづくり産業は大きな転換点に直面している」とし,4つの「危機感及びその欠如」を挙げ,その課題と対応策を提案している。4つの「危機感及びその欠如」とは,以下の通りである。
①人材の量的不足に加え質的な抜本変化に対応できていないおそれ
(キーワード:期待されるスキルの変質,デジタル人材の圧倒的な不足,システム思考の強化)
②従来「強み」と考えてきたものが,変革の足かせになるおそれ
(キーワード:サプライチェーン全体の意向を揃えた変革,取引先との長期的な信頼関係への甘えと消費者視点の欠落)
③経済社会のデジタル化などの大変革期を経営者が認識できていないおそれ
(キーワード:バリューチェーン全体の最適化に向けた競争,足元での好調な受注による気付きの遅れ)
④非連続的な変革が必要であることを認識できていないおそれ
(キーワード:脱ボトムアップ経営依存,「自前主義」から「連携構築」へ)
→「GDPの2割弱を占め,重要な基幹産業として国内雇用を支えている我が国ものづくり産業は,我が国が誇りを持つべき分野であろう」は,国民生活や福祉の向上に直結する共通認識でなければならない。いつまでも,行政や国会が,くだらない安倍夫婦の嘘や愚行に振り回されていると,世界の激しい競争に後れを取り,国民の利益を害することになる。(筆者)